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こうして誰もいなくなった
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こうして誰もいなくなったの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.36pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全7件 1~7 1/1ページ
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火村もアリスも出てこないノン・シリーズの短編集です。 最初の5作まで軽くてこじゃれたものが続き正直インパクトが弱かったのですが、同じくノン・シリーズで先に出ている「壁抜け男の謎」と同様、さまざまな媒体の依頼で書かれているのでそうなるのだと思います。 たとえば「名探偵Q氏のオフ」はJT(日本たばこ産業)のウェブサイトに載ったもので、そう思いながら読むとタバコが小道具になっているのは納得。他にもラジオ・ドラマ脚本として書いたもの、新聞に掲載されたものなどいろいろです。いつもの通りあとがきで有栖川氏ご自身か解説されているのでそれを見ながら読むと、だからこういう作品になったのかというのがよくわかります。 特に気に入ったのは、 「怪獣の夢」ある男性が昔見た怪獣の夢を2つ思い出すのですが、その部分だけでもファンタジー小説になりそうな鮮やかさで引き込まれました。彼の計算ずくの立身出世物語もまた興味深いです。 「劇的な幕切れ」ネットで知り合った美しい女性と一緒に自殺するつもりだったのに・・タイトル通り意外な幕切れでした。 「未来人F」怪人二十面相のパロディです。ネタばれしそうなので書きにくいですが、作者と作中人物の関係がユニークです。 「本と謎の日々」有栖川氏が本屋勤務だった頃の体験を生かした本屋業あるあるがちりばめられていておもしろかったです。本屋勤めの人はこんなことを考えているんだ、お客さんもいろんな人がいるんだなと思いました。 「謎のアナウンス」あちこちのスーパーで黄色い服の迷子のまったく同じアナウンスが流れることに気がついた男性。それにはどんな意味があるのか?思わず苦笑させられる一編でした。 そしてタイトル作の「こうして誰もいなくなった」、おなじみアガサ・クリスティ作へのオマージュです。クリスティよりだいぶユーモラスな雰囲気ですがおもしろかったです。140ページの長さがある中編です。読み終わった後で気になって原本を再読してしまいました。 いまひとつのものもありましたが、それを補っておもしろい作品が多かったので十分値打ちがありました。買ってよかったです。 | ||||
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2019年に出た単行本の文庫化。 2011-19年に書かれた中短編15話が収められている。 正統なミステリではなく、メタっぽいもの、SF、不思議な話、奇妙な味といった感じの作品が並んでいる。 有栖川作品を読みこんできた読者には、とても楽しい一冊と思う。 「本と謎の日々」が印象に残る。本屋で起こるちょっとした謎が、店長によって鮮やかに解決されていく。 「こうして誰もいなくなった」も強烈だ。『そして誰もいなくなった』を巧みになぞりつつ、まったく違った「読み方」を提示してみせる。 | ||||
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連作ではない短編集+中編一話なので、いろいろな話が楽しめます。 中編の誰もいなくなったも、本家よりも分かりやすくてよかったです。本家の方の犯人は誰だったのか未だに分かっていません。私には。 | ||||
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ノンシリーズの中短編を十四篇収録している。 表題作の中編はスリリングではあったが、解決が拍子抜けだ。 特に気に入ったのは、次の二篇だ。 『怪獣の夢』:子供が怪獣を夢見るのは当然だが、大人になってもこだわっている人は問題がある、のだろうか。幻想と生臭さがミスマッチで、独特の味わいがある。 『未来人F』:少年探偵団に対する愛とリスペクトに満ちた快作である。文体模写もいい感じだ。レトロで素敵な世界の現代的変奏曲と言えよう。気持ちのいい読後感だ。 鉄ちゃん版アリスともいうべき『線路の国のアリス』が楽しかった。本屋ミステリの『本と謎の日々』はセンスの良さが光る。充分にたのしませてもらったが、眼目の中編が今一つだったのと、物足りない短編が多いので星四個。 | ||||
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どうでもいいとってつけたような内容の短編が並び、最後に表題の中編。 単に原作をなぞって最後にちょろっと加筆しただけ。 よくこれで作者も出版社も単行本出版したなあ、と逆に感心してしまう。 本当は星一つだが、今後に期待して4つ。 | ||||
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ショートショート乃至短編が13編続いた後、タイトルの「こうして誰もいなくなった」という中編で〆。 ショート乃至短編の中では、これぞショートショート!といえる「盗まれた恋文」、ある普通の本屋さんの日常的なプチミステリーが連なる「本と謎の日々」、明智小五郎vs怪人二十面相ものの「未来人F」が気に入りました。 ただ、どの作品とは言いませんが、ファンタジー系はちょっと合わなかったかな。 「こうして誰もいなくなった」はかの名作「そして誰もいなくなった」を途中までなぞらえた展開で、後半なんかバタバタっと過ぎ去ったと思ったあとに「名探偵登場」、「そして~」にふた味ほど加えて完了しました。一番最後の動機の部分は少し蛇足気味かなあ、 | ||||
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最後に収められた表題作以外に13編の短編が収められている。ノンシリーズばかりで、作家の有栖も学生の有栖も17歳の探偵・空閑純も登場しない。表題作は本書収録作品では最も長く原稿用紙で「200枚超」、本書の3分の1を占めている。ほかは全て短編だが、その中で最も短いのは2ページ、最も長いのは50ページ。ラジオでの朗読用に書かれたものが3編。ファンタジーといえる作品も含まれている。 収録作品は掲載順に「館の一夜」「線路の国のアリス」「名探偵Q氏のオフ」「まぶしい名前」「妖術師」「怪獣の夢」「劇的な幕切れ」「出口を探して」「未来人F」「盗まれた恋文」「本と謎の日々」「謎のアナウンス」「矢」「こうして誰もいなくなった」。 まずは表題作「こうして誰もいなくなった」。アガサ・クリスティーの『そして誰もいなくなった』を「下敷きにした中編」(「あとがき」より)。伊勢湾に浮かぶ「海賊島」に招かれた10人の男女は、それぞれの罪を指摘され、全員が「死刑」を宣告される…。 いくつかの設定は『そして~』と同じだが、違う部分もあるので、同書を読んでいても、読んでいなくても問題ない。仮想通貨で巨万の富を得た大富豪デンスケの存在をはじめ、現代らしくネット世界がいろいろな意味で影を落としている。なお、読み始めるとすぐに分かるが、海賊島に当初集まるのは9人。個人的には事件を解決する探偵よりも「若い巡査」が印象に残った。 ほかの短編でもいくつか印象に残った作品がある。 まずは、「怪獣の夢」。同作の主人公が、怪獣の夢を見るが、私も同じ体験をしているだけに感情移入してしまった(私の場合は、当時住んでいた近くに怪獣が出現する夢を見た)。 次に印象に残ったのは「盗まれた恋文」。作中にオーギュスト・デュパンやシャーロック・ホームズの名前が出てくるが、本作で問題になったのは隠し場所ではなく…。個人的には本書中で最も好きな作品。 冒頭の「館の一夜」は、多少の甘さを持った作品。著者の作品のレビューでいくどか書いているが、著者独特のこの「甘さ」が結構好きだ。 全体としては★3.5というところだが、「30周年」ということで、★0.5をオマケした。 | ||||
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