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ベルリンは晴れているか
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ベルリンは晴れているかの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.53pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全43件 1~20 1/3ページ
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登場人物はみんな苦労した。主人公たちが健やかに過ごせますように。 | ||||
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壮絶な物語である。読むのが辛い話だが、一気に引き込まれてしまった。アウグステ、あなたのことを私は生涯忘れないだろう。 | ||||
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すごい作品です。まず、単純に冒険ミステリーとして楽しめます。 しかしそれ以上に、この作品を書くという「仕事の意味」に、大きな希望をいただきました。ここでは後者について触れます。 歴史は長い時間をかけて検証されます。近現代のように目まぐるしく激しく動いた時代はなおさらです。当事者・経験者が亡くなることで風化される記憶も少なくありませんが、感情を排し、俯瞰した目で検証することができのはむしろ後世の人々です。私は、あの戦争の真の検証はこれから始まると思っています。2022年現在40歳前後、あるいはそれ以下の若い世代には優れた知性が多く育っており、心から頼もしく思っています。 同じように、一国の歴史検証にはむしろ外国の目が入ったほうがいいことが少なくありません。ナチスのホロコーストは当初腫れ物に触るような扱いであり、そのまま忘却を待つかと思われました。しかしアメリカがドキュメンタリー番組を流すことで闊達な議論が始まり、厳しい自己反省の機運が生まれたのです。 日本の歴史も同じ。明治維新や戦後政治などの検証には、海外の史料や外国人の記録が不可欠となるでしょう。 日本の作者がなぜドイツ?? というレビューが多いようですが、私は極東日本の、それも1983年生まれという若さが「必要だった」という気がしてなりません。歴史の検証は、学術分野、各国の政治分野、ルポルタージュや写真・映像、そしてフィクションと、分野を問わずさまざまな人によってあらゆる方向から闊達に行われる必要があります。この作品は、こうした大仕事をを未来につなぐための大きな布石となるに違いありません。私は(バブルは無関係だったものの)あの劣化世代の一人であり、自己中心的で歴史修正を恥とも思わない風潮のなか、自分の無力さを嘆きながら絶望的な気持ちでここ数十年を生きてきました。 しかし最近は、ネットや映像などリアルな史料に触れやすくなったこともあるのでしょうか、とにかく力のある若い作者が現れてきました。これが希望でなくて何なのでしょう? 映画などではドイツ敗戦直前や少し後の話はたくさんあります。しかし敗戦直後、連合軍が入ってきたばかりの混乱期のベルリンの情景は、あまり詳細には描かれてこなかったように思います。 フィクションではありますが、さりげない状況描写でも徹底的に史料に当たったことが感じられます。さらに取材旅行と専門家による検証も受けており、その小物、そのディテール、映画でもドキュメンタリーでも描き漏れていた小さな事実がぎっしり詰まっており、時代の風俗や暮らしぶりを知るだけでも読書の醍醐味が味わえます。状況描写ばかりでつまらないなどと言わず、じっくり読んでみてほしいです。 | ||||
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ナチズムが与えた影響をバックグラウンドに、1人の女性に関わる人達の数奇な運命をベルリンと言う都市を通じて描いた秀作だと思います。一気に読みました。 | ||||
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戦後、廃墟を歩くシーン。 ベルリンを襲う連合国の爆撃機。 逃げ惑う市民。 虐殺される異民族。 全く、今のウクライナ侵攻ではないか。 歴史から人は学べないということではないでしょうか。 「映像の世紀」のテーマ曲「パリは燃えているか」が聞こえてきます。 「エーミールと探偵たち」読んでみたいですね。物語を貫く何か、聞こえてくる何かがあると思います。 | ||||
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評価レビューが大変難しい1冊 力作であるのは間違いない。読み応えがありまるで外国の翻訳小説のよう。 作者がまだ若い作家で70年以上前のベルリンをこれほどまで描けたのは凄いと感じた。 ただどうしても素直に大傑作だとは言えずモヤモヤが残ってしまう。 理由1、 まず結構読み進めるのが大変だった。登場人物の描写は悪くないが作者の都合で動かされている感じで、行動に無理がある場面があった。人物自体があまり頭に入ってこなく、深く感情移入があまり出来なかった。 理由2、 ストーリーが冗長 470ページあまりあり途中間延したりしてここの描写はそんなにいらないと思う所が何箇所かあった。 展開がモタモタしてまどろっこしい。読後の徒労感を感じた。 理由3、 ミステリーとしてはうーんという感じ。 ドブリギン大尉の動機がいまいち。ラストの謎解き真相が意外性はあるのだが納得感があまりなく カタルシスを感じられなかった。 ただ上記の点があるにせよ、ここまで描写がリアルで終戦、戦中のベルリンの日常を垣間見れ 臨場感あふれる生々しい空気感の中に連れこまれる感覚は素晴らしい。 歴史・時代の瞬間を切り取った小説として読み応えがある一冊 | ||||
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「ナチスに加担したドイツ人」「その被害に遭ったユダヤ人」当時の世の中は、それだけで成り立っていた訳ではないと、気付かせてくれる一冊。登場人物一人ひとりが背負った複雑な運命のエピソードは、著者がドイツ人でもユダヤ人でもない、日本人だったから描けたのだと感じる。 | ||||
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第二次世界大戦敗戦直後のベルリンを舞台に主人公の少女が恩人の男性の死の真相を探るという歴史ミステリ。取材の賜物だろう精緻な描写に圧倒される。 「戦場のコックたち」に続く歴史ミステリの傑作、いや、たっぷりと紙幅、時間、予算が取られた分、より豊かな小説である。 読み所は、ナチス・ドイツのようなファシズム体制下で暮らすことの息苦しさや理不尽さを実感できることだ。 純血民族主義一辺倒で、ユダヤ人、外国人、障害者、LGBTといったマイノリティが差別され、凄絶な迫害を受ける社会。 ユダヤ人、外国人は強制労働をさせられ、労働に適さないものは殺処分される社会。 障害者、LGBTは”生産性がない”ことを理由に殺処分されたり、”矯正”されたりしてしまう社会。 そういう社会を熱狂的に支持したのは、市井の普通の人々で、監視と密告が横行し、政府批判は死をもたらすため自由にものも言えない。 やがて彼らはその代償として戦争や政治のもたらす過酷な現実に向き合わざるを得なくなる。本来、代償を払う必要のない人々まで含めて…。 それにしても、なぜ、今、日本で、この小説なのか。 著者の筆致はフラットで、ドイツ人はもとより、米国人やロシア人に対しても、更にはユダヤ人に対してさえも容赦ない。その後の冷戦やスターリニズム、イスラエルやウクライナの歴史も踏まえ、いかなる勢力にも与せず多様性を尊重する、現代人の視点で描かれている。 当時の日本もナチス・ドイツと似たようなものだが、日本人や日本軍を描いていない分、余計な議論なしにニュートラルに読むことができる。 ナチス・ドイツのような社会を称揚する政治家や言論が跋扈する今の日本のための小説かもしれない。 | ||||
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第二次世界大戦直後のベルリンの様子が、おそらくはかなり綿密な調査に基づいて、かなり細かく描かれてる。ベルリンを訪問する前に読んでいれば、もっと、興味深くいろんなところに足を伸ばせたかもしれない。ナチスの台頭に人々が戸惑いながらも、巻き込まれていってしまう様子であるとか、戦後の米英仏露の4カ国分断統治の争いの様子とかは、歴史書を読むよりもライブ感があって興味深い。おそらくはドイツ語だけでなく、ロシア語などの語学にも堪能な著者には敬服する。・・・ただ、多くのコメントにあるように、「小説」それも「推理小説」としての出来栄えという観点では、批判したくなる気持ちにもなる。まずもって、さまざまなできごとの元々の引金となった「犯人」の造形が浅すぎて、その「動機」に納得感に欠ける点などはその際たるポイントかと思われます。・・・とはいっても、こういう調査をベースにした硬派な小説を書ける小説家は、やはり貴重なので、ぜひ今後の作品にさらに期待! | ||||
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第2次世界大戦後で敗戦したドイツの混乱期を見事に描き出している作品でした。歴史書ではなく、人々の生活の困窮ぶりや日常の生活の姿、そして人々の感情の揺れなどまるでその時代に降り立ったかのような描写の連続に驚かされる作品でした。 ドイツ国民がヒトラーの台頭を支持し、熱狂していく過程にも触れられています。 そしてドイツ共産党を支持している主人公の父親の困惑ぶりや疲弊していく姿、厳しい状況を生き抜かなければいけない描写もまた見事に浮き彫りにしていました。 ミステリ仕立てです。ある人物の殺害に絡む人探しが通奏低音のように貫かれていますが、そこでも描きたかったのは、ベルリンを占領しているソ連やアメリカの思惑、そして生き抜いた人々のしたたかさや苦悩など、混乱期のドイツ・ベルリンの描写の細かさと人々の気持ちの表し方は素晴らしく、作者の力量の高さがストレートに伝わってきました。 当時の敗戦国のドイツ国民の厳しい生活や親兄弟を亡くして、孤立無援の中で生き抜かなければいけない少年・少女たちの境遇も伝わってきます。瓦礫の山のシーンも多く登場します。動物園の動物を捕まえて食用にしたというエピソードも語られています。戦争の悲惨さがどのシーンにからも伝わってきました。 幕間で語られているエピソードは戦中の人々の日常における苦しさを紹介しています。ユダヤ人の差別や弾圧、そしてナチスへの忠誠、人々の熱狂ぶり、その時代を生きていた人々しか伺いしれない姿を、本作品を通して教えてもらいました。 主人公の17歳のアウグステの諦めない姿は読者の励みとなって感じられることでしょう。またその意味合いを知る旅でもありました。最後には意外な結末が待っており、本作品の魅力を一層高めています。 なお、一点ですが、ある個所の記載が違っているように受け取ったのですが。 100pの4行目に「前者」とありますが、これは2行目のユダヤ人、マルクス主義者を指す言葉ですので、「後者」が正しいはずです。 | ||||
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戦時下、終戦直後のドイツの空気感にどっぷり浸かることができたように思います。 これを日本の作家さんが書いたってすごくないですか。相当取材されてるのですかね。 とても惹き込まれる物語で一気読みしました。 | ||||
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骨太の文章。 翻訳もののようですが、違うんです。 息もつかせぬベルリンの様子。 読むべき1冊。とにかくおすすめ。 いろいろ書きませんが、おすすめです。 | ||||
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周囲が次々と巨悪に引き込まれて行く時代。立ち向かう程の強さも勇気も無いがそれでも精一杯の良心で人間らしさの欠片を大切に逞しく生きていく主人公には共感できました。ミステリなのですが、どちらかと言えば大戦に起きた民族や思想差別の恐怖をひしひしと感じさせてくれる文学の様相が強いです。 | ||||
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第2次世界大戦は世界中で様々な悲劇を生み出した。そうした混乱の中で、人種とイデオロギーによる差別と偏見が広まっていったのは周知の事実である。ヒトラーがユダヤ人を虐殺した反動で、戦後、ドイツ人は皆「ナチ野郎」と蔑視され、日本人は「ジャップ」と蔑まされた。共産主義の台頭が世界を東西に二分したのもこの戦争が残した負の遺産であるといえる。 舞台は戦争終結勅語のベルリン。ヒロインのアウグステはベルリンに住むドイツ人の少女。アメリカ軍用のレストランでウェイトレスとして働く。家族は戦争の犠牲になった。その彼女にソ連軍から依頼がある。ある事件の調査をしてほしいということだ。アウグステがよく知る人が事件に深く関わっているらしい。 ユダヤ人でもと俳優の怪しげな男、集団で盗みを働く少年たち。赤軍のあやしい動き、連合軍の戦後処理を巡る駆け引き。半ば廃墟となったベルリンで様々な思惑が飛び交う。誰が信用できる人間なのかもわからない中で、アウグステは人間の醜さとずるさを目の当たりにする。 加古隆の『パリは燃えているか』がエンディングで聞こえてきそうだ。結局、戦争の犠牲となって罪もない子どもたちとアウグステのような女性(まだ10代だから少女といえる)がつらい思いをする。それはその後も続いていき、須賀しのぶ『革命前夜』のような裏切りと密告の社会は、現在も我々の周りにあるのではないだろうか。 | ||||
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第160回直木賞候補・2019年本屋大賞第3位・「このミス2019年版」国内編第2位。 ようやっと読みました。 すごい熱量でした。(実際、480ページの超大作) 深野さん、まだ35歳なのですね。 それで第二次世界大戦後のベルリンを描くとは、ものすごく勉強もされたのでしょうし、何より、その想像力に圧倒されました。 1945年7月。ナチス・ドイツが戦争に敗れ、米ソ英仏の4ヶ国統治下に置かれたベルリン。 米国の兵員食堂で働くドイツ人少女のアウグステは、ソ連のNKVDに拘束される。 アウグステの恩人であるクリストフという男が、ソ連領域で米国製の歯磨き粉に仕込まれた毒で不審死を遂げたのだ。 無罪を主張するアウグステに、NKVDはある指令を出す。 それは、クリストフの甥を探し出し、彼の死を伝えること。 途中までは、両親を亡くしたアウグステが戦後を必死に生き抜く人間ドラマとして読んでいました。 そうだよね、ドイツ人だって一般の人々は被害者だよねと、改めて気付きながら。 が、ラストでびっくり。 そうか、これはミステリーでもあったのか。 すごい伏線。ミステリーだと思わせないから、余計に驚いた。 | ||||
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ベルリン再訪する前に、何か土地の話が読めたらいいかなと手に取りました。物語にでてくる通り、公園、建物がベルリン中心部、今では観光スポットになっているところなので、一度行ったことがある自分は、”戦争下であそこでそんな事が起こっていたんだ”と知る事ができました。こういう背景を知って訪れると、旅先での興味が深くなるのでそういう意味でよかったと思います。 物語そのものは、わたしとしては、”なんだろうなぁ〜”と思ってしまうプロットではあったのですが、面白くないかといえば、そうではなく、途中で止まらなくなりました。 | ||||
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WW2前後のドイツの歴史と人々に寄り添い書き上げられた労作。 鳥の視点から俯瞰した学術書も好きだけど、主人公の目をとおした物語がこんなに胸に迫るとは…… 戦争の歴史とか、ある国の文化をもっと知りたいと思うきっかけって、こういう本との出会いだったりする。 主人公のアウグステがどこまでも真っ直ぐで、読後感も良かったです。 | ||||
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当時の戦時後のベルリンの情景の描写が鮮明で臨場感が溢れた作品です。充分楽しめました。 | ||||
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先日の直木賞の発表の時に、本作も面白いが『宝島』の受賞が順当だと書いてしまったことを後悔している。 まだ、本作を読了してもおらず、読みかけだったにもかかわらず、そう書いてしまったからである。 読了したいま、この本に圧倒されている。 『宝島』に圧倒されたのと勝るとも劣らない、打ちのめされるような読後感を感じてしまう。 ナチスドイツ支配下の、人々がショービニズムに染まっていくリアリティ。 息苦しさと恐怖。 見事に描かれていると思う。 連合国の進駐。 ソ連とアメリカ軍とドイツ国民の葛藤。 そこに、ミステリーを重ね合わせて、読み始めた当初は、御都合主義にすら思えた展開が驚くほど見事に最後に決着してく。 こんな小説を読める幸せを感じる。 『宝島』にせよ、本書にせよ、沖縄人でもなくドイツ人でもない作者の想像の産物であるが、想像力はときに現実を超えるのである。 | ||||
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何年に1回の「この本に出会えて良かった」の当たりのヤツ。 第二次大戦直後の、連合軍の駐屯軍に分割統治されてた廃墟の様なドイツの街が、まるで目の前に広がる様なリアルさ。 当時のドイツ人が抱えていた、ユダヤ人に対する包み隠さない感情まで伝わってくる様だ。そして一つ一つの物語のエピソードも生々しすぎて、重い。 筆者は、一体どれくらいの資料を調べたんだろう、気が遠くなる。 カテゴリー的にはミステリーになるんですかね?正直個人的には、そんな謎解きの方は事はどうでもよくなる程。 これはドイツ語にも訳されてるんだろうか?読んだドイツ人の感想が聞きたい。 | ||||
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