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書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.61pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全137件 101~120 6/7ページ
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他のレビューでも指摘されているとおり、「最後まで読ませる力」があるという点と、書いたのが高校生という点で評価できます。ただし、私も他の幾人かの方と同じように「物足りなさ」を感じました。この「物の足りなさ」の原因は、「日常→非日常→前とは少しだけ違う日常」という一連の流れの中で、「非日常」から「日常」に戻る過程が、あまりにも単純・安直すぎるからだと思います。(ネタバレを避けるために、詳しくは書かないが)主人公のあまりにもまぬけなバレ方、そしてご都合主義的な終わり方、この部分が今ひとつ説得力に欠けると思います。 あと、登場人物のマンガちっくなしゃべり方とキャラクターには、私は抵抗を感じるし、このためにこの作品を「純文学」と呼ぶのにも違和感を感じます。 絶賛できる作品ではないが、酷評されるほどでもない作品。「まあ普通」という感じ。 | ||||
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若書き。習作。と、言うにはそんなディシプリンの痕跡も無く。 クラスノートに綴られた小説のような、気楽に書かれた文章です。 素直に女子高校生の心情が伝わる反面、ちょっと無理な設定、説明不足の展開。読んでいてニヤニヤしてしまいました。 だからと言ってこれを正面切ってけなすのも大人気ない、と思わせるような愛すべき作品です。 併録のYou can keep it。 こちらは書かれた年代がぐっと上がるだけに、お気楽なところは影をひそめ、落ち着いて読むことが出来ます。 主人公の造形、ドラマの展開とも類型的パターンかと思っていると微妙にずれていて、その意外さの中にリアリティーが滲むようなお話。 でもだから何なの?という、作家として表現欲が薄いのかなと思わせてしまうところは相変わらずでした。 | ||||
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文章は確かに上手い。芥川賞受賞のことだけはある。けれど、人間があまり描けてないような気がする。 たとえば、朝子と一緒にチャットの仕事をする小学生のかずよし。まだ11歳なのに、なぜチャット嬢を平然とこなせるのか。ちょっと小太りでパソコンおたくなのか。よくわからない。 前半の朝子の高校生活の描写にはちょっと期待したけど、チャット始めてからは興ざめだ。性描写が似合わない。無理している感じ。 軽く数時間あれば読めるけど、この小説を読んで得した気にはならなかった。 | ||||
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文藝賞を受賞して入るものの、内容が薄い。実際に作者がこの小説を通して伝えたいことは何なのかが、よく分からない。もしかしたら何もないのか?と思い、星は3つにした。 読みやすいのは事実であるし、ストーリー自体も楽しい。ただ、文学としてそれほど高尚ではないのではないかと思う。 | ||||
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実家にたまたまあったので読んでみた。 1時間くらいで読めた。 この作家に興味をもったので、「蹴りたい背中」も読んだが、 形式的にはこの2作は殆ど同じである。 ただ、「蹴りたい背中」の方が混濁してて不快だ。 ぼくは「インストール」の方がすっきりしてて好きだ。 しかし、どっちにせよ、騒ぐほどの作家とは思えない。 別にたいした小説ではないと思う。 それから、これは蛇足になるが、この本の映画版は、 神木隆之介が出てなかったら、 本当に救いようのないものになっていただろう。 | ||||
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綿矢りさの小説を読んだ人の全員が指摘するその文体。染み入るようで良いという意見と、軽いだけという意見。十人十色だから様々な意見があるのは当たり前だと思う。 ただ文体だけに注目が集まっているかんがぬぐえない。たしかに綿矢りさの特色は文体である。しかし文体で読ませているのかと言えば、それは違う。綿矢りさは小説を書き、それを文体という流れに乗せているのだ。 綿矢りさ作品では事件が起きない。退屈といえば退屈だし、逆に新鮮なのかもしれない。しかし知らない男の子との交流やクラスでの孤立は立派な事件だ。所詮、子供の感性。そう言われるかもしれないが、大人の世界は絶えず誰かが死んだり燃えるような恋のオンパレードなの?と訊いて、いったい誰がうなずくだろうか。 小説はフィクションだからゆえの面白さがある。そしてそれと表裏一体に現実に向き合う面白さもある。綿矢りさは電脳化された我々に「インストール」という作品で異議をとなえた、なかなかの作家である。 | ||||
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とにかく文章がすごい。結構長めの文章を軽快に、滑らかに、テンポ良く連ねていく独特の文体は一読の価値があると思う。内容に関しては好き嫌いはあっても文章のすごさに関しては議論の余地はないんじゃないかと思うぐらい。読んでて気持ちいいので是非お試しを。 | ||||
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普段、あまり本を読まない私ですが、この本には凄く引き込まれた。 読んだのが当時17歳で、尚且つネット経験があったため、余計共感できた。 特に、17歳の女の子に読んで欲しい本。 こんな、変わった生き方も出来るんだ、と視野が広く持てると思う。 | ||||
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そこまでひどくはありませんでした。ただ、芥川賞受賞というのはこんなものなのかな?と思いました。でも、個性が出ている所や次の展開へ持っていく力など、なかなかだと思う場面もあるっちゃありましたけどね。 ただ、心に深く刻みこまれることは絶対に無いと思います。綿矢りささんのファンとかでないと・・・。 でも、さっきも言ったように優れている技術だなと思わせられる場面もあったので星3つぐらいですかね。 | ||||
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はじめのうちはタイトルの意味がさっぱり分からなかったのだが、読み進めていくうちに、タイトルの意味が理解できた。内容は薄いのだが、感心するところもあるので、読んでみていい作品であると思う。 | ||||
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1日で読み終えましたが、他の多くのレビューアーと同じく何か物足りなさを感じました。主人公が女子高生であったり、受験の話で早稲田が登場するなど、何か綿矢さん自身の日常を綴ったのではないかと思われる節があります。 小説というのは自分の人生経験を基にして書く側面があるので、まだ17歳(この時点で)の彼女に多く期待するのは酷なのかもしれません。ただ、文章表現は魅力的だったので、今後に期待しています。 | ||||
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どうしても蹴りたい背中には劣る。ストーリー展開が結局、再インストールかよって思った。もう一捻りあったほうがよかったのではないか、と思わないではない。 しかし、問題はそんなところにはない。安易な解決を高橋源一郎は「初々しさ」と表現している(もちろん、解説には悪いことは書けないから)が、そんなことはこの話には問題ではなくて、綿矢りさの真の価値はその文章力にある。リズムがあふれたテンポ、滑らかな変化と独特の言い切り描写を神秘的なほどに美しくする。だが、インストールに限っては、素晴らしい文章があるかわりに鼻につく文章もあった。そのあたりがまだ未熟であるが、それに目をつぶり文藝賞受賞させたことは日本の文学界において非常に価値のあったことと思う。 書き下ろしのYou can keep it。書き下ろしつけて発売するなよ。単行本買った人がかわいそうだろと思うのだが、安いから許そう。 初の三人称。初の大学生。初の男主人公。 さて、文体は洗練されているが、何でしょう、この妙な浮遊感は? すんなり主人公の中に入っていけない。主人公の存在自体がはっきりいって希薄だ。意味をとりにくい文もあった。これはわざとなのか、三人称の書き方がわかっていないゆえの失敗なのか、それすらわからない。 わからないが、綿矢りさは天才である。どうか、どうか、甘んじないで書き続けてほしいと思う。 | ||||
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出てくる表現の仕方は、うまいと思う。そしてそのうまい表現に引きずられてずんずん読んでいってしまう。そして読み終わる。・・・すると、なんか物足りないような、いっぱい食べたはずなのにおかわりをしたいような、そんな気持ちになる。もっと読みたい、というのではなく、なんかまだ小腹がすいてるような、そんな感じになる。繰り返すけれども、表現の仕方はうまいと思う。でも、読み終わったあと、なんか足りないような、満足できないような、そんな気持ちにもなる。でも、あの表現を体験するだけでも価値はあると思う。 | ||||
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ものすごくおもしろかった。 綿谷りさと金原ひとみ氏が芥川を同時受賞した時は、下記の人のように「話題づくりかァ。」でも、話題づくりをしなければ”文学が死ぬ”という日本の現状を危ぶみ影で盛り立てようとしてる人がいるのは事実で。正直当事は、フラッシュを浴びまくる彼女らをブラウン管の向こうに見ながら、『文学』に携わってる人たちの情熱(?)あるのかわからないがミタイなのを感じてたわ。 そして、どうもこの本を読まないでいた。 同居する姉が 大人買いと称して文庫本をまとめ買いしてきた中にあったので、義理的に読んでみた。 ら、今話題・ベストセラーの本々の中で、いっちばん、夢中になれたわ。 若い(?)才能というのはこういうことなのかもしれない。 アトガキに、高橋源一郎も述べていたが。 完璧な日本語。的確な描写(何を以って的確とするかは定かではないが、)とにかく日本語が巧みですね。 それは彼女のモノの見方に偽りがない、ということですが、、。 それだけで、読む価値はあると思った。いや、難しいことはホントはどうでもよくて、とにかく何か、読ませる力みたいのがあると思いました。 的確な文体・登場人物の人間臭さ/魅力/、ユーモアのある心理表現、笑いあり、そして最後には何故か感動して泣いてしまった。。 笑いと涙そして、最後まで読ませる文体、芥川賞受賞が話題づくりである、と偏見な見方はしないで読んでみるべきでしょう。 | ||||
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何があるのであろうか?何もありはしない。 大人の鑑賞に堪えれないのでは、「文学」とは、言えないと思いますがねえ!子供同士の、馴れ合いし感じられませんが、…。 「エロ」をやるなら、バタイユ著「エロティシズム」でも、読んでからやってくれませんか?…馬鹿丸出しだ。感性だけで生きていこうとは、「山田詠美」のエピゴーネンか? 低きに流れる、悪銭、良貨を駆逐する。低いものばかりが繁茂する。 「文芸」=河出書房は何処に、文学を持っていこうとするのか? | ||||
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読まずギライを告白せねばならない。 彼女が芥川賞を受賞した折の感想。 「かあ、話題作りか。これでオッサンオバサン連中はきつくなったなあ。 文学なんてオッサンオバサンが若者にアドバンテージを誇れる数少ないジャンルだったのに。」 若者の文体、若者の日常、若者の価値観、そうしたものが主流になると もはやオッサンオバサンには勝ち目が無い。 英語を学んで、ようやくスタートラインに立てるという絶対的なディスアドバンテージを抱えている日本の学者や研究者のように、異国に近い若者のそれを理解してから勝負しなければならなくなったオッサンオバサンはもはや文学からも見放されたと。 文庫化した。 さすがに批判するのなら読んでからだと思う。 399円は安い、だまされたと思っても腹が立たない。 買った。読んだ。 大騒ぎされていた文体に関しては特に新しいものを感じなかった。 が、ナチュラルだと思う。 すうっとからだに溶け込んでいくようなナチュラルな文体。 もしかしたらそれが新しいのかもしれない。 人が 死なない。 これはポイントが高い。 突拍子も無いような事件が起きない。 これもポイントが高い。 そして何より感心させられたのは 価値観のお仕着せが一切無いこと。 若者にありがちな「私はこうありたい。」「社会はこうあるべきだ。」 という価値観の提示が一切存在しないのだ。 それがこんなにも心地よいことだとは思わなかった。 思うに綿矢りさはよほど大人たちから価値観を(肯定的にも否定的にも)提示されること無く育ったのではなかろうか。 そうした人物が自ら価値観を創設すると、勘違い野郎ができあがるのだが、 彼女はその正極の位置にある。 いや おそれいった。 素敵な作品だった。 表題作もよかったが 併録の 「You can keep it.」がたまらなくよかった。 彼女は素敵だ。 | ||||
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表題作「インストール」は文藝賞受賞の時にもう読んでしまっていたので、書下ろし「You can keep it.」を目当てに本を手に取りました。 綿矢りさの描く人物像は、どれも「善人でもない」「悪者でもない」という極端さのないキャラクターが面白いと思います。 主役である城島は気の小さいやつだけど、けちじゃない。 城嶋から何でももらってご機嫌な保志も悪いやつじゃない。 そして二人の間にいる三芳もどっちつかずな微妙な存在。 綿矢りさの世界の醍醐味は、この善と悪どちらにも振り切れてしまわない、その絶妙なバランス感覚にあると再認識した。 | ||||
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テンポも文体もリズミカルで、 気取ったり、変に難しい言い回しをしない、 素直で美しい文章だと思いました。 思春期特有の葛藤というものが鮮やかに描かれていながらも、 暗すぎたり重すぎたりせず、 飽きずに楽しく読ませて頂きました。 | ||||
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共感が出来る反面、よく意味のわからないストーリーだった。 しかし、どこかひかれるところがあるように感じる。 最後はなんだかあまりにもあっけなく、風俗のチャットを通してなにを伝えたかったのか里理解に苦しむ。 それは『蹴りたい背中』にもいえることで、正直言うと、なぜ芥川賞を受賞したのかさっぱりだ。 ただ、前述したとおり、どこか惹かれるものを持っている作品なので、読んでみて損はしないと思う。 | ||||
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新しい書き下ろし短編『You can keep it.』について述べてみようと思う。 話としては、『インストール』より短いが、コンパクトにまとまっていて密度が濃い印象を受けた。その時々の楽しみの量は、『You can keep it.』の方が上だったように思う。あるいは「ネットで金儲け」と言うテーマよりも、「淡い恋愛物語」の方がテーマとして単純に楽しかったからかもしれない。ただ、『インストール』の文中で見せた独特で巧みな比喩は減少している。 『インストール』の主人公は女子高生であり、当時の作者と同じであった。それゆえ自伝小説を書くような要領で書け、書きやすかったのではないかと思う。『蹴りたい背中』についても同様だ。 だがこの『You can keep it.』では、男子大学生が主人公だ。すこし自分から離れた人物を主人公とすることに挑戦しているわけだ。いわば主人公と言うキャラクターを、"自分"から離陸させることを試みている。 その"離陸"は小さな成功を収めているように思う。「小さな」と言うのは、僕はこれはこれで面白かったと思うものの、他方で「いや、面白くなくなった」と感じてしまう人が生じている事による。これが万人をもってして、「随分面白くなった!」と言わしめれば大成功と言えそうだが、そうではないからだ。 とは言え、どんどん頑張ってほしいものだ。次回作では作者からさらに離陸した主人公と、作者の才能ともいえる独特の切れ味の表現を両立させた小説を期待したい。 | ||||
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