同情は美しい? それとも卑しい? 優しくたって、美人だって、幸せになるのは一苦労。第6回大江健三郎賞受賞作。

華やかでモテる女子高生・愛が惹かれた相手は、哀しい眼をした地味男子。

恋愛しないとだめですか?賞味期限切れの片思いと好きでもない現実の彼氏。どっちも欲しい、どっちも欲しくない。

長谷川初実（ハツ）は、陸上部に所属する高校1年生。

幼い頃からチャイルドモデルをしていた美しく健やかな少女・夕子。

“対男用”のモテ服好みなOL早希と、豪華な衣装部屋をもつ人気タレントのだりあは、幼稚園以来の幼なじみ。

結婚という言葉を使わずに、言いたいことを言うのは難しい。

一つ年上の幼馴染、千種と付き合う十七歳の遠馬は、父と父の女の琴子と暮らしていた。

娘の緑子を連れて大阪から上京してきた、「わたし」の姉でありホステスの巻子。

二十一世紀終盤。かの震災の影響で原発が廃止され、ネオンの煌めく明るい街を知らないこの国を、新たな巨大地震が襲う。

「むらさきのスカートの女」と呼ばれる女性が気になって仕方のない〈わたし〉は、彼女と「ともだち」になるために、自分と同じ職場で彼女が働きだすよう誘導し……。

神奈川県川崎市で、14歳の女子中学生・冬野ネガが、同級生の春日井のぞみを殺害した容疑で逮捕された。

黒田みつ子、もうすぐ33歳。一人で生きていくことに、なんの抵抗もない。

なんて小さな都だろう。 私はここが好きだけど、いつか旅立つときが来る――。

35歳。起業しポルシェを購入した太郎。

僕はこの世界に左足から登場した―。圷歩は、父の海外赴任先であるイランの病院で生を受けた。

私に命令できるのは、この世界で私ひとりだけ……。 私の名は、矢島大穴(ダイアナ)。

「黒髪の乙女」にひそかに想いを寄せる「先輩」は、夜の先斗町に、下鴨神社の古本市に、大学の学園祭に、彼女の姿を追い求めた。

あの日、あんなことをしなければ…。心ならずも親友を裏切ってしまった中学生さくら。

3年ごとに開催される芳ヶ江国際ピアノコンクール。

大学院生・栗栖川亜理は、最近不思議の国に迷い込んだアリスの夢ばかり見ている。

砂丘へ昆虫採集に出かけた男が、砂穴の底に埋もれていく一軒家に閉じ込められる。考えつく限りの方法で脱出を試みる男。

就職活動を目前に控えた拓人は、同居人・光太郎の引退ライブに足を運んだ。光太郎と別れた瑞月も来ると知っていたから――。

今から100年前、殺人は悪だった。10人産んだら、1人殺せる。

記憶が80分しか持続しない天才数学者は、通いの家政婦の「私」と阪神タイガースファンの10歳の息子に、世界が驚きと喜びに満ちていることをたった1つの数式で示した…。

クラスでは目立たない存在の結佳。

生前の罪により、輪廻のサイクルから外されたぼくの魂。だが天使業界の抽選にあたり、再挑戦のチャンスを得た。

あみ子は、少し風変わりな女の子。

「真夜中は、なぜこんなにもきれいなんだろうと思う」。わたしは、人と言葉を交わしたりすることにさえ自信がもてない。

専業主婦の小夜子は、ベンチャー企業の女社長、葵にスカウトされ、ハウスクリーニングの仕事を始めるが…。

藤子・F・不二雄を「先生」と呼び、その作品を愛する父が失踪して5年。

高校生の時、偶然ピアノ調律師の板鳥と出会って以来、調律に魅せられた外村は、念願の調律師として働き始める。

“わたしたちは仲間です”―十四歳のある日、同級生からの苛めに耐える“僕”は、差出人不明の手紙を受け取る。

「命をかけてた恋が、終わっちゃったの! 」失恋して自殺未遂したと噂される女友達。

人はいったい体のどこで考えているのか。

おしゃれして、好きなインテリアで部屋を飾って、(ブラックだけど)アパレル勤務 みきは憧れの〈女子的生活〉を謳歌していたが、ある日、マンションの部屋の前に不審な男が。

1972年夏、キクとハシはコインロッカーで生まれた。

婚約者・坂庭真実が忽然と姿を消した。 その居場所を探すため、西澤架は、彼女の「過去」と向き合うことになる。

一九七〇年の夏、海辺の街に帰省した“僕”は、友人の“鼠”とビールを飲み、介抱した女の子と親しくなって、退屈な時を送る。

中学に進んでまもなく、どうしても学校へ足が向かなくなった少女まいは、季節が初夏へと移り変るひと月あまりを、西の魔女のもとで過した。

廃病院に集まった十二人の少年少女。彼らの目的は「安楽死」をすること。

あなたと共にいることを、世界中の誰もが反対し、批判するはずだ。

その日、兄とあたしは、必死に山を登っていた。見つけたくない「あるもの」を見つけてしまうために。

いつになったら、私は自由になれるのだろう。恋愛小説の最高傑作。

30年前に小樽で発生した母娘惨殺事件。死刑 がすでに執行済みにもかかわらず、被告の娘 が再審を請求した。

商社で働く志村栄利子は愛読していた主婦ブロガーの丸尾翔子と出会い意気投合。

「愛美は死にました。しかし事故ではありません。

目覚めると、私は闇の中にいた。交通事故により全身不随のうえ音も視覚も、五感の全てを奪われていたのだ。

おかっぱ頭のやんちゃ娘ヘガティーと、絵が得意でやせっぽちの麦くん。

武蔵小杉高校事変で優莉結衣に救われた濱林澪はショックから不登校になっていた。

日本推理作家協会賞(短編部門)受賞後第一作! 2001年、長らく手付かずだった戦前の名家・旧紫峰邸の敷地内から発見された二つの白骨死体。

7年前、25歳で死んでしまった一樹。

時は大正時代、東京府――。

27歳のタクシードライバーをいまも脅かすのは、親に捨てられ、孤児として日常的に虐待された日々の記憶。

あのとき、ふたりが世界のすべてになった―。ピアノの音に誘われて始まった女どうしの交流を描く表題作「愛の夢とか」。

謎のカルト教団と革命の予感。自分の元から去った女性は、公安から身を隠すオカルト教団の中へ消えた。