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告白
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告白の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.48pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全176件 141~160 8/9ページ
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頭の中に沸いてくる様々な角度からの思考・意見のなかで、どれが本心から言っている ことなのかわからないと迷う人は主人公の熊太郎に深く共感できるはず。 ただし、バッドエンド。 「すんませんでした。全部嘘でした」 | ||||
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夏に大阪で河内音頭を踊ったヒトなら、この物語があたまに渦をまいているかもしれない。 河内音頭と作品はコラボレーションしている 踊っているとこんないみも不明な情景がリズムに乗って浮かんでくるのだわ♪ 未体験の方は一度、河内音頭で昇華してから、告白を読むとよくわかるとおもうよ オススメ☆ | ||||
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彼の短編を読んで、面白いと思った人は読んでみると良いです。 (というか、絶対読め!) 町田節に笑わされ、時に泣かされる最高傑作だと思います。 話の流れはえらい遅いんですが、登場人物がどれもこれも個性的です。 彼の作品は、好き嫌いが激しく別れるようなので、いきなり長編で合わなかったらかなりの痛手かも。 | ||||
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これは現時点における町田康の最高傑作であると思う。(今後も活躍されることと思いますが) 小説家にとって、「長編」を執筆することはひとつの抗いがたい欲望である。得も言われぬ使命感に駆られて作家は書き始め、そのことが多かれ少なかれその作家に転機をもたらしうる。連載形式であろうと書き下ろしの形であろうと、それは大変な困難を伴う作業にちがいないが、その労力と引き換えに、作家は何かを手に入れるのではないか。 「長い」と仰る方の気持ちも分からないではないが、これはそういう性格を帯びた小説なのである。それはある意味、作家の自己満足なのかもしれないが、私たちはひとりの作家がさらなる高みに向かって駆け出す瞬間に立ち会えるのである。そこに私は歓びを見出す。 | ||||
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タイトルが「告白」であり、それは一人の男の魂の叫びなのだ。 ああイッキによめて感動したな、 って感想なワケ無いでしょう。 読むの辞めたくなるほど辛いシーンもありますが、 それは小説として優れているからです。 そして間違いなく、読んでよかったと思える一冊です。 | ||||
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例えばあまり親しくない人に本を薦めるとして、これを推す事はまずないでしょう。 町田節とも言うべきこの倦怠感あふれる文章は 面白いのですが、一般受けするタイプではないように思えます。 展開も、非常に遅いです。前の方が書かれているように、 前置きはいつ終わるんだと辛抱強く読み進めていたら終わってしまった という感じ。 町田康が肌に合う人以外が読了しようと思ったら、相当な忍耐力が必要では? 私自身としては、この内容をここまでだらだら書ききってしまう町田康に好感を覚えます。 | ||||
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観念が観念を呼びまくり過ぎて観念地獄と化し 結果 自らが生み出した泥沼の中で もがき苦しみ 表出する言動とは裏腹に 善行を欲すものの その実行に於いては頓挫or自爆+挫折・・・ と いう 感じ かどうかは 読めば分かる かもしれない 今ンとこ 町田作品中最高のクォリティの小説だと思う | ||||
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熊太郎は、実際はどんな人物であったのだろう?作者は熊太郎を、心の中の思いと 言葉が一致しない人間として描いている。このことが彼自身を自ら追い詰めていく ことになるのだが。熊太郎の生い立ち、そして大事件への軌跡。それらはとても 興味深いものだったが、ちょっと長すぎるような気がする。熊太郎の心情を描いた 部分も、だらだらとしている。作者はこんな事件を起こした熊太郎という人物を どういうふうに思っているのか?そのことが全然伝わってこない。単に面白おかしく 書かれたもの・・・ただそれだけの印象だった。 | ||||
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自分の考えている事が他人にうまく伝えられないから相手に伝えることを諦め、それが誤解を呼び、他人の利益のために利用されて身に覚えのない罪を着ることになり、窮地に追い込まれ、身銭を切ってあがなう。このような体験がいくつも重なるうちに、何でおれだけ!という境地になって、とうとう凶事におよぶ、というストーリーだが、 この体験エピソードがいくつもあり、テンポも遅いので、読んでいて一体前置きはいつ終るんだ、早く本筋に入れよと思ってるうちに、最後まで来てしまう。これだけ書かないとあの鬱屈感は伝わらないと言うかもしれないが、やはり長い。 | ||||
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「自分の考えている事が他人にうまく伝えられない」熊太郎の抱く疑問は誰もが抱くもの。しかし誰もがそれを当たり前だと思い生きていく。熊太郎はそれができなかった。私は誰もが熊太郎だと思う。誰の中にも熊太郎はいる。 | ||||
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これだけの長編を一日で読んだのは初めてです。町田康はダメ男を書くのが本当にうまいですよね。おもしろい、だけど切ない・・気づいたら主人公にハマってしまう。やっぱ小説家の中では町田康が一番好きだな〜って改めて感じさせてくれました。さすがです。参りました。 | ||||
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時代劇の好きな町田氏が、近代的自我を持たない社会の中に、極端に自意識過剰な自我と思弁を持ち込んだら、両者に生ずる摩擦とかズレがさぞ面白かろうに、と思って描き始めたのかどうかは分かりません。しかし内容は、そういう単純な意図を越える内容を描ききっています。 小説は近代的過渡期に生まれた悲劇を描くに留まりません。人が成長してゆく過程の中で、思弁的かつ自己弁護的なるものを捨て「大人」に成ることに付いてゆけない者の圧倒的孤独をも描いており、そういう点においては、現代的かつ町田的テーマでもあります。 ここには、「人は何故人を殺すのか」ということ以上に、「人は何故に生きるのか」「何故に死すのか」という命題をも含んでいます。熊太郎のダメ姿を自己投影する読者も多いはずです。そこに町田文学に対する共感があり、そして考えさせられます。 改めて思う、町田氏は凄いです。 | ||||
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俺たちって普段自分と自分以外の世界を隔てるキグルミを被ってる。 感情や心の中で渦巻くいろんな考えを上手にフィルタリングして、社会に溶け込めるように調整してくれる。 熊太郎のキグルミはつぎはぎだらけだった。 だから自分の過剰な思いが屈曲して外に漏れ出す。あるものには見透かされる。 外から入ってくる感情や言葉も屈曲し、時に剥き出しのまま彼の中に積もって腐って発酵していく。 もしくは自分が放ったものまで再び自分に溜め込んで。 で、熊太郎ははじけた。 俺たちがなんの気無しに着込んだキグルミは丈夫だけど、この小説はそこに少なからず綻びをもたらす。 これ読んだあとは用心しないと意識がそのまま滲出する。 外の世界と溶け合うことが苦痛になる。 あ,蛇足だけど、俺は夏目漱石の「こゝろ」の世界観を感じた。下ね。語るべき言葉を持った熊太郎は先生だろうかKだろうかって考えた。 | ||||
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或る男が生まれる。齢を重ね自意識が芽生える。そこから生を絶つまで延々と続く思弁の流れを澱みなく描ききったすごい「告白」小説である。自分の思弁と発言の間に深い断絶があるため、世界と人々とコネクトできなくて懊悩と孤独を抱える男。読売新聞夕刊で連載されていた部分は、その「ずれ」を河内弁という強力な武器によって、蟻地獄的爆笑の渦にまで昇華している。それぞれの年代の彼のエピソードがツボにはまって、苦しくて次の文が読めないほど。喫茶店読書には向いていないかも知れない。私はアルバイトの給士に変な奴だと思われただろう。本書の1/3を占める終盤の書き下ろし部分になると、ユーモアはなりを潜め、シリアスな心の葛藤が大きな波濤の如く迫ってくる。 | ||||
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町田康の集大成にして最高傑作。 主人公の内面の狂気に迫るねちっこい言葉と、人物間でかわされる 軽妙な河内弁が、壮大な物語を織り上げて読者を圧倒し翻弄する。 「紀州の伝さん」「正味の節ちゃん」「合羽の清やん」といった 脇役も光っていて、今思い出しても笑いがとまらない。 あまりにも深刻なストーリーとあまりにも笑えるディテールが 絶妙に配合されている点に、町田康の天才が感じられる。 従来の文豪には生み出せなかった大傑作であり、文学の愉悦を これほどまでに味わわせてくれる作品はあまりないだろう。 絶対買うべし。 | ||||
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いつも町田康さんの作品は大笑いして拝見させていただいております。 特に主人公「熊太郎」は自分の内側の虚無から外側の世界を眺めて、それを言葉にするときのあのどぎまぎする様子がとてもおもしろく感じられました。 面白い「喜劇」であると思うのと同時に人間の深層心理を深くついている文学だと思います。是ッ非!読んでみてください・・・。 | ||||
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今まで宮部みゆきなど「殺人犯の心理」を探りたい気持ちで読んだ作品があるが、ピンと来るものがなかった。しかし町田康さんのこの作品は、主人公の破天荒さだけでなく、周囲の、小さい村の人々の悪意が事細かに書いてあり、それが主人公を犯罪へと走らせたことがよく分かった。貧しいと助け合う、のではなく、貧しいと生きるのに必死でここまで悪意をみなぎらせて生きるのか、と悪い夢を見そうなくらい作品に飲み込まれた。また旧き良き時代なんてのはノスタルジックな考え方で、小津安二郎の映画でも観ていればほのぼのするが、この『告白』では決してそういう気分は生まれず、こんな時代のこんな村に生まれなくて本当に良かった、と心から思えた。少ない資料からここまでの大作に仕上げた町田康の手腕に感服する。スゴイ。 | ||||
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読み進めるにつれて、イヤな気持ちになっていきます。 最初は、主人公が自分とあまりにも違う価値観を持つ人物ということが 原因だと思っていたけれど、読み終わってから、そうじゃないかこと に気づきました。つまり、私が感じるイヤな気持ちは、この主人公と 自分の差異ではなく、共通点から発せられているようなのです。 まとまらない思考。現実の問題を解決せずに逃げ出す姿勢。 頭の回転の悪さ。歯切れの悪さ。凶暴な精神。 悪い方へ悪い方へ転がっていく人生。他者を軽んじる利己的な人生観。。。 彼は、普段は目をそむけている自分自身の悪と愚の結晶。 おんどれ、うわべだけ善良ぶって生きとんちゃうん?と問われている ような、強烈な揺さぶりをかけてくる本でした。 たまにはこんな本も良いです。 | ||||
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熊太郎は思考と表現が一致しないという違和感をかかえながら最後までもがき続ける。あるとき獅子舞の獅子を被った熊太郎は、自分がかぶりものの裏側を通して相手を見ているのに対し、人がかぶりものの表側を通してこちらを見ているそのずれを、思考と表現が一致しないときに感じる違和感と似ていると気付く。 熊太郎は自意識過剰で大人になっても自分探しをしているモラトリアム人間の定義のような人である。常に現実逃避しながら自分の内面と戦っている。自分の内面を重視しすぎて何をするにもシュールさを求めすぎる。 彼はいったい誰のために装っているのか。そこにばかばかしさと悲しみを同時に感じる。悲しみとは熊太郎はただ一人死ぬその時まで「まだ、ほんまのこと言うてへん気がする」と思い、自分の心の奥底を探すとき、何の言葉も思いも出てこなかったことだ。これは誰にも笑えることではない。 熊太郎は自分が特別な人間だと思っているが、思考と表現が完璧に一致する人のほうがめずらしいのではないか。それに気付くのか付かないかの違いではないのか。内向する思いを徹底的に育ててしまったことと、最後までそれを表現する術を持てなかったことが彼を殺人に導いてしまった原因ではないかと思う。 ストーリーの重苦しさとは裏腹に、河内弁の表現はリズム感があってよかったし、下手な漫才より笑えた。笑いとは悲しみが伴ってこそ本物だと気付く。ロックを聞いて哲学を知るような感じだ。衝撃的だった。 | ||||
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「浄土」につづき、読みました。 テンポの良い河内弁、相変わらずの町田節。こちらまでが「くほほ」と読み進めている状態。熊太郎は確かに「あほ」なんだと思うけれど、その心の深いところまでしっかり入り込んでいる作者の目に脱帽です。 自分の人生を何度かやり直そうとして、でもまた深みにはまっていく熊太郎。そんな彼を兄貴分として慕い、命までも共にする弥五郎、金や権力に惑わされ、汚くなっていく人々よりも、彼らのほうがよっぽど純粋に思えました。 「まだ、ほんまのこと言うてへん気がする」と、死の直前につぶやき、自分の本当の、本当の思いを探って話す最後の言葉には、重みがありました。 町田氏渾身の超大作といえます。でも、町田ワールド初心者の方は、まずは軽いものから読んで、その後本書を読んだほうが、よりわかりやすいと思われます。 | ||||
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