■スポンサードリンク


告白



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
【この小説が収録されている参考書籍】
告白
告白 (中公文庫)

告白の評価: 4.48/5点 レビュー 176件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.48pt


■スポンサードリンク


Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全176件 121~140 7/9ページ
No.56:
(5pt)

「お笑い」より面白い

実話を基に完璧に逆算されつくしたキャラクターや
人間関係が現代にも通じていて、その秀逸さに本作が小説ではなく
全くの事実ではないかと思わされてしまう。
登場する人間の行動や動作、その感情や心理、動機を見事に文体化し
それらの表現の仕方が最高に滑稽。
(関西以西の方は大丈夫だと思うが河内弁の表現が
 理解できなければ滑稽さが若干伝わりにくいかも)
時には笑いを超え感心すらしたし、切なさに読後も数ヶ月余韻が残った。

あらためて町田康を天才だと思った作品。
告白Amazon書評・レビュー:告白より
4120036219
No.55:
(5pt)

ずっと読んでいたい

この分量なのに、どんどん読み進められる語り口。水分の世界観が脳裏から離れず、河内弁がすきになってしまいそうなほど心につきささってきた。おそらく、人生で何度か読み返す小説だと思う。難しいテーマをこれほど元気に展開、最後のオチで終わることを実感し、さびしくなった。
告白Amazon書評・レビュー:告白より
4120036219
No.54:
(5pt)

パンクな音頭=町田節

“河内十人斬り”の主犯であり、“告白”の主人公、城戸熊太郎。
熊太郎はいかにして十人もの人間を斬り殺すまでに至ったのか!?

       一人の男の人生ココニアリ

明治初期の話ですが、熊太郎は昭和後期、平成生まれの現代人みたい。
時代モノであるが感情移入しやすいです。もはや自分自身主人公です。

孤独と闘って、矛盾と闘って、己と闘って、必ず無惨に敗北。そんな男。
人生の岐路を踏み外し、狂気し乱舞し酒乱と化す。読んでいて痛々しこと甚だし。

しかし傍若無人に突き進むパンクな音頭=町田節。ざっくばらんに抱腹し絶倒すること間違いなし!!

現代日本文学に熊太郎の最期の言葉が突き刺さる。涙し狂気し絶望し至った周知の結末を超えたラスト。
告白Amazon書評・レビュー:告白より
4120036219
No.53:
(5pt)

詰まった醤油差しの憂鬱

文庫にして堂々3.5センチの厚み。
湊かなえ『告白』をチェックしていてその下にあった。
あまりの絶大な支持レビューが気になり購入したが
反面ロックシンガーの二足わらじとたいした期待もせず
が、町田さんゴメン!のとてつもない大傑作、大作でありました。

どなたかのレビューにも書かれてあるとうりまさに饒舌の文学です。
主人公熊太郎の内面の生き辛さ、周りとどんどんズレてゆく焦り諦めは
魅力的な河内弁に姿を借りてとうとうと語られます。
ラストに至っては延々3ページにも渡る行変えのない文字どうり「告白」が続きますが
不思議と少しも長い文章という気がしません。
挫折と慟哭の告白は パワフルな河内弁と相まって
かなりなページ量をものともせずダレルことなく最後まで読者をひきつけます。

生きづらいほどの感性を抱えて生まれてきてしまった熊五郎の思弁は
さながら<口のつまった醤油瓶>のようです。
なんとかして出よう出ようとしなからも、だらだらと垂れて本人を周りを汚す....
文中<林のなかを飛んで行き次々と割れる無数の酢醤油の瓶>が暗示的でもあります。
しかし多分に読み手の感覚を問われるのも確かで上の文章を読まれて
なんのこっちゃ!と思われた方はやめたほうが良いかも....
告白Amazon書評・レビュー:告白より
4120036219
No.52:
(5pt)

魂、感じへんか?

「告白」というタイトルにこめられた町田氏の真意は明らかだ。
言葉が思考を裏切ってしまう熊太郎に「これ俺ちゃうんか?」と共鳴する者と、「なんや、よう分からん」と思う者とでは作品の意味が違ってくるのではなかろーか。
私は震撼した。町田氏には臆する事なく魂を探求し続けて頂きたい。パンクスノットデッド。
告白Amazon書評・レビュー:告白より
4120036219
No.51:
(5pt)

破滅へ向かう人間

まず前半にある主人公の内面描写に驚いた。俺と同じやんか!!
ここで共感できたらこの作品を大いに享受できます。
また最後の「告白」も実にリアルで感動的です。
告白Amazon書評・レビュー:告白より
4120036219
No.50:
(5pt)

町田康渾身の犯罪心理小説

すさまじい吸引力。最初の三ページで完全に引っ張り込まれ、あとはもう最後のページまで、流れに身を任せてついてゆくしかない。
河内音頭に唄われる、「河内十人斬り」の城戸熊太郎が主人公。
熊太郎がなぜ谷弥五郎とともに村人十人を斬殺するに至ったか、少年時代以降の心の動きが、670ページにわたり徹底的に書き尽くされる。
とは言え描かれるのはあくまで熊太郎の思考なので、凄惨な印象は薄い。
「こんなことまで!」と思うような微細な心の動きも容赦なくつかまえて、すべて書き言葉に変える。
それでいて決してしつこさはなく、むしろ執拗な描写が心地いいリズムを作り出している。
読み手が「ちょっと疲れてきたな…」と感じる直前、そのことをまだ自分でも意識しないうちに、町田康独特のロックでうねりのある文章が挿入され、また小説の世界に引き戻される。

小説の力。というものを思い知らされる一冊だった。
圧巻。
告白Amazon書評・レビュー:告白より
4120036219
No.49:
(5pt)

正義の功罪

この分厚い本を一本の矢で射抜くとしたら、それは正義、という言葉。その言葉の元に全てを捧げて、そのためには、と考えたことの何度あったことか。それは今となっては中学時代の淡い思い出。
人間は結局、多分、死ぬ。もしもそれに何かを捧げるとしたら、それは功利的な幸福なのか、ともすると自己中心的な正義なのか、社会全体を見渡した上での正論なのか、それともそうしたあらゆるものが都合良くバランスよく織り混ざった何かなのか。答えは結局、考え抜いた論理にも、十人を殺す重い事実にも、道端の羊歯のような日常のふとした瞬間にもなく、自分の中の、声にならない声にしかない?
そんな答えで、声にならない、で諦められる?
諦められないから、人はときに歌い、踊り、恋をする。
熊太郎の魂よ、永遠なれ。
告白Amazon書評・レビュー:告白より
4120036219
No.48:
(5pt)

何度か読んで、

毎度違う自分が読んでいるようで面白い。

変わらない気持ちは
町田さんが見せるこの物語で、力強く人間を支えていくことに私は勇気づけられる。
作家をまるで親友のように感じる。
出会えて良かった。
告白Amazon書評・レビュー:告白より
4120036219
No.47:
(5pt)

歴史に残したい傑作

『くっすん大黒』、『夫婦茶碗』、『屈辱ポンチ』 あたりまではちょっとふざけたミニマリズム作家だと思っていた。おもしろいんだけど、話芸の域を出ていなかったと思う。だから短編になる。そんで『パンク侍、斬られて候』を読んで、変わったと思った。おもしろい上に、きゅっと締まるところがある。で、その町田康の今までで一番長い小説。これはもう本当に脱帽である。これだけのイマジネーションと文章力がある作家は、他にいないでしょう。天才です。

本書の主人公は河内音頭のスタンダードになっている、「十人斬」の城戸熊太郎。なんで十人を斬ることになったのか、というのが850ページ延々と書いてあるのだが、全く飽きさせない。緊迫と弛緩のバランスが絶妙である。例えばこんな箇所。

<「そらそうかもしれんけど念には念いうからな。ちょっといてきて」
「さよか。ほないてくるけど人が来たらどないしたらいいの」
「なんぞけったいなことしい。けったいなことしたら人は注意をそらされる。人間の気持ちっちゅうのは一箇所向いたら他のこと聞こえんようなんねん」
「ほならチンチン出して目ェ向いて祝詞いおか」
「それくらいやっといたら大丈夫やろ」>
(p.109)
ある兄弟の会話。ただのあほだが、これは作品中で最も緊迫した場面の一つである。
それで、締めるところはびしっと締める。こういう箇所にはびびっとくる。

<現れたのは獅子頭である。
熊太郎はこれをかぶり、取り付けた紐を襷がけにして身体に結わえつけた。
熊太郎の眼前に内側の虚無が現出した。
雨降る暗い夜よりもっと暗い闇が俺と世間の間にはさまったのだ。はさまっていたのだ。>
(p.748)

世間と自分の間の「暗い闇」。これは熊太郎の独白であるが、天才的パンク作家の感じる屈託を表しているのかもしれない。9割方笑える小説なのだが、残り1割が深い。
告白Amazon書評・レビュー:告白より
4120036219
No.46:
(5pt)

町田康はとうとうここまで来てしまった

朝日新聞の書評に近代的自意識がどうたらこうたら書いてたけど、「ちょっと違うんじゃないの」と思った。なんというか、そんなええもんちゃうでしょ?単なるええかっこしいのアホですよ、この熊太郎は。
でも、そんな熊太郎と弥五郎を「アホ」とばかり笑っていられるかというと、必ずしも他人事とは思えない部分もあるわけで、それがこの物語のすごいところだ。
弥五郎が妹と分かれる場面。私は不覚にも電車のなかで、この場面を読んでしまった。妹に対してうそを言うことが出来ない弥五郎の不器用さに、涙が止まらなかった。
町田康はこの「告白」のなかで、すべての時代のすべての人間が生まれ持っている業というものを描いている。それを「近代的自我にめざめちゃったかわいそうなボクチン」小説として読んでしまうと、なんと陳腐なお話か。
「近代」なんか関係ない。だからこそ、こんなに読む人の心に突き刺さってくる。
どっちかちゅーたら「近大的自我」のほうが近い思うで。河内やし。
そして、この物語でなによりも重要なのは、読者が結末を知っているということだ。あの陰惨な結末に向けて、熊太郎と弥五郎が吸い込まれていく様子を読者は見届けなければならない。
こんなに悲しくて痛い話を私は読んだことがない。
告白Amazon書評・レビュー:告白より
4120036219
No.45:
(5pt)

現代にも通じる、失敗例から学ぶ人生指南

自分の考えを相手に伝える言葉をもたない熊太郎の
こころの声が全編に渡り、
細かくかつ論理的につづられている。
もし、熊太郎自身も町田康のように、
言葉と相手を選んで自分の思いを
せめて、小出しでもいいから、
伝えることができたら、
結末のような大惨事は起きなかっただろう。

でも当時においても、
現代においても、
コミュニケーションで使われる言葉が
すべてを語っているのはではない。
誰もが語りつくせぬ自分自身の深い世界を持っている。

それは熊太郎だけでなく、
自分自身もそうであり、
また自分を取り巻くひとたちもそうである。
自分自身でも予測できない内面の世界と、
感じることのできない他人のこころを
照らし合わせながら生きていく。
時には見切りをつけたり、あきらめたりすることも出てくる。
熊太郎は、そして、現代でも
ひとを殺してしまうひとは、
そういうことに逆に潔癖すぎるのではないかと思った。
もちろん、殺人者の中にはもっと私欲にかられて
罪を犯すひともいるから、すべてがそうではないが。。。

まるで自らドツボにはまっていく熊太郎の様子を
追いながら、思わず感情的になってしまう場面も
少なくない。

熊太郎の妄想やこころの声と、
ナレーター役?ともいえる町田康のコメントが絶妙の
ドキュメンタリー作品のようだ。
テーマは硬いが、的確な語彙と笑いを誘う表現が多いので、
耳慣れない河内弁や時代背景もこの長編ゆえになじんでくる。
毎週決まった日にみる連続ドラマのように。

人生うんぬんのハウツー本にはない、
生きることの真理を、熊太郎の人生から知ることができるはず。
告白Amazon書評・レビュー:告白より
4120036219
No.44:
(5pt)

皆さんが正しく評価しています

単行本・文庫のレビューを読めば、
多くの人が正しく評価して、その思いを書き記しています。

熊やんは、ドラマの中の人物ですが・・・
熊やんが、思っていること、感じていること、
それは、読んでいる私と同じなのだと、皆が感じているのです。

誰でもみんな、自分自身にとっての陵墓の記憶があり、
誰でもみんな、自分自身のほの暗い洞穴を覗き込んでいる。

俺とおんなじ奴が本の中にいて
その本を読んで
俺とおんなじ思いをしている人がこんなにいるんだ。
ちょっと、砂埃のなかを空き缶が転がっていくような気分です。
告白Amazon書評・レビュー:告白より
4120036219
No.43:
(5pt)

町田康最高傑作

第41回谷崎潤一郎賞受賞作品。

842ページ。
読み終えるのに1ヶ月もかかった。

いや、でもこの作品は、町田康の最高傑作であり、1ヶ月を費やすのに相応しい小説であった。

河内音頭で知られる明治時代の大量殺人事件「河内十人斬り」をモデルに、主人公・城戸熊太郎が犯行に至るまでの心の有様を町田康節で書き尽くす。

「人はなぜ人を殺すのか」

帯にも書かれている、この永遠のテーマを、町田康は「小説」という媒体を用いて、「小説」が持ちうる限り全ての力を使い、思考し、表現した。
現代日本文学に刻まれる名作である。

この小説には僕ら人間のあらゆる部分が網羅されている。

実は僕らは、本当のことは何一つ言っていない。
そんな自分に気付き、悩む熊太郎。

そして熊太郎は言う。

「俺の思想と言語が合一するとき俺は死ぬる」

彼の生き様を見よ。
告白Amazon書評・レビュー:告白より
4120036219
No.42:
(4pt)

快さと苦しさと

明治の大量殺人事件「河内十人斬り」をモチーフにした長編小説である。谷崎潤一郎賞受賞作。

過剰に思弁的でありながら、その思弁を表現する言語を持たぬため、他者とのコミュニケーションに苦慮し、孤立感、疎外感を味わい続ける熊太郎の長大な物語。安政4年に生まれ、明治を生きる熊太郎の営み、懊悩が、平成の彼方から独特のリズム感に満ちた語り口で綴られる。河内弁が効いている。この語りは読者にある種の快感をもたらすであろう。しかし語られる内容はといえば熊太郎の思弁と言語がつながらない滑稽さともどかしさであり(皮肉だ)、このことが招きよせる失敗や災難である。その終着点が「十人斬り」と自決だ。読んでいて苦しかった。自分の思考がうまく言葉にならず、空疎なつぶやきが上滑りする感覚に歯がゆい思いをした経験は少なからずある(若い頃特に、多くの人が経験することではなかろうか)。その極まりが熊太郎かと思えば、いっそう切なく、つらい。

快と引きかえに味わうつらさを厭わないというかたには、一読をお勧めする。コミュニケーションに困難を抱える人の苦悩が魅力的な語り口でもって綴られた、興味深い、そしてただならぬ迫力を備えた作品だ。
告白Amazon書評・レビュー:告白より
4120036219
No.41:
(5pt)

町田音頭

久々に、読み終えてから寂しくなった作品でした。
熊太郎、弥太郎は何かというと博打ばかりしてる「あかん奴」なのに
どうにも魅力的で、相当に入れ込んでしまった。
何が善いことで何が悪いのかはっきりしないまま、思考や感情の渦に
まかれて訳わからん状態になったときに、羊歯がおいでおいでをしている。
その方向が合ってるかもわからない。
熊太郎の苦悶がこれでもかという程、描かれている。

町田氏の作品は読み手を選ぶようで、「告白」の単行本レビューで見られるように
人によってはだらだら長いだけの陳腐な作品となるようです。
「それって素敵」
自分のなかでは読まずに死ねるかベスト本に入る傑作です。
告白Amazon書評・レビュー:告白より
4120036219
No.40:
(5pt)

だらだら。

小説のなかで、私にとってはどうでもいいことでだらだらぐるぐると考えをめぐらす主人公の熊太郎。自分だったらこうはしないのに!とか、熊太郎の馬鹿!とか思えるのは、それだけ熊太郎が小説の域をこえて、私にとって本当の人間として動き出した証拠のようにも思えます。ほか登場人物に関しても、怒りが込み上げすぎて、しばらく読みたくなくなっちゃったことも、この小説のすごいところなんだろうと思います。
最後のシーンは、もうやりばのない気持ちで、涙がだらだらと流れました。本当に良い小説。人間はたったひとりでも絶望出来ると思ったら、どうしようもなくなりました。
告白Amazon書評・レビュー:告白より
4120036219
No.39:
(4pt)

饒舌の文学

文庫化を機会に読んでみましたが、こういう、とにかく饒舌に語る小説がまだ生き延びる余地があることに驚きです。どこまでも語ることの気持ちよさ。しかも、明治の主人公の語り(会話文)に現代の町田の語り(地の文)がかぶさっていて、二重に饒舌。しかも、それが河内弁と標準語にしっかりわけられているかというとそうでもなく、町田の語りが河内弁になったり、主人公が標準語使ったりする。

何語を使おうと語りつくせないものが残るというのがテーマであり、それが主人公の内面を形づくっているという意味で、伝統的な物語の形をとりながらも、正統的な近代文学でもあります。

圧倒的な量(文庫で800頁以上!)にもかかわらず、後半になると終わってほしくないと思う魅惑の小説です。徹夜してでも一気に読むべし!
告白Amazon書評・レビュー:告白より
4120036219
No.38:
(5pt)

弥五郎に救われる一冊

自分の中では10年に一度の傑作だと思った。

熊太郎が自分のようで、そして身近な誰かのようで、とにかく読むのが苦しかった。(文体は逆に楽しく、苦しみながらもふき出してしまう場面多。そこが妙でまた特別な印象を残しました。)

ところが弥五郎の登場が快挙で、彼の強さが小気味よく、全てがォく進んでも弥五郎がいるなら大丈夫、というちょっとした保険のような安心感で、物語も(悲惨ながらも)面白くなったと思う。なぜなら読者は彼が最後の討ち入りまでついてきてくれる事だけは知っているのだから。

大量殺人に一緒についてきてくれる同士がいる、というのはある意味ですごい。そんな友達を持っていた熊太郎は幸せだったと思う。

問題の討ち入りはまるで最後には忠臣蔵のようで、語弊はあるかもしれないけれど、「いよいよその時か」というような、いさぎよさ、すがすがしさ、静、というものを感じました。

これだけの長さがあったからこそ、そういう雰囲気が出せたのでは、と思います。

蛇足ですが、酒屋を襲うシーン、最後の討ち入りのシーンの躍動感、疎外感を獅子舞の被り物から見た世界とリンクさせる場面、葛城ドール、葛城モヘアというネーミングのセンス、。衝撃的でした。
告白Amazon書評・レビュー:告白より
4120036219
No.37:
(2pt)

この人に長編は合わない。

文章だけ見れば面白いです。しかしなんの偉い賞とったか知りませんが
この人は短編が本領の人だと考えます。
町田さんは若いころ落語やらに通いつめたおかげで特異な文体を身に着けた作家で
エッセイなどには無類の強さを持っています。
しかしこの人の思考回路は思ったことをそのまま書き散らしていくものらしく
じっくりとものを考えたりはしないようです。
その向きが今回の作品にあらわれたようで、この長編、退屈です。
「このつぎはどうなるんだろう」というワクワクを欠如しています。
作品の主題はとても明白なのですがこの主題だけを下手なテクノ音楽みたいに
延々とループされ、ああもういいよ、どうせ熊次郎がヘタレなんだろ、と投げ出したくなります。
この人はひとつのテーマで700P埋めるべき作家ではない、とひしひし感じます。
告白Amazon書評・レビュー:告白より
4120036219

スポンサードリンク

  



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!