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消人屋敷の殺人



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【この小説が収録されている参考書籍】
消人屋敷の殺人
消人屋敷の殺人 (新潮文庫 み 64-1)

消人屋敷の殺人の評価: 2.50/5点 レビュー 10件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点2.50pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全3件 1~3 1/1ページ
No.3:
(3pt)

○○系トリックとしては悪くないが…。

✻ ネタバレビューです。未読の方はスルー推奨 ✻

この作品の肝(メイントリック)は叙述系であり、その一点において特化しているシナリオ構成。私は叙述系という事を知らずに読んだけど、それでも読んでいて違和感を感じる人物描写や、誰がしゃべっているのか妙に分かりにくい部分があったので、初めから叙述系と知った上で読むとさらに違和感が強いかも。ラスト付近でその違和感の理由が判明するが、人物描写を曖昧にしたり、時系列をバラす事で上手く読者を引っ懸ける事に成功している。分かってしまえば仕掛け自体はシンプルな叙述トリックで良く出来ていると思うけど、やはりそこには好き嫌いが出るタイプの作品かと。

ただ残念なのは、タイトルにもなっている肝心の「かつて衆人環視のなか、人間が何人も屋敷から消えた謎」に関しては、はっきり言ってトリックとは呼べないお粗末なもの。あれだけ過去話で振っといて、あまりにも工夫の無いそのまんまの真相には脱力。まあそれしか無いだろうけど、当時も散々家探しされたはずなのに見つからなかったのは、いくら協力者がいたとしても、ちょっとご都合主義が過ぎる。またそれが現代の事件において都合の良い「死体の隠し場所」としか機能していない。さらに「人間が空を飛んだ謎」に関してはもっとヒドい。日常も使っている渡り廊下をそんなに滑り落ちるくらい急坂でツルツルにしておく意味が分からない。そんなスキージャンプみたいな廊下じゃ生活できないだろ(笑)。そもそも、その「人間が飛んだ」謎って要るか?実際、消失トリックについてはこの真相じゃなくても別に問題は無いので、この謎には期待しない方が良いでしょう。

また動機面に関しても、あの二人をわざわざ殺害する理由が分からない。傾きかけていた会社を立て直してくれた作家で、別にアイデアが枯渇したわけでもないのに、監禁みたいに扱うから不満を持たれるわけで、普通の待遇にすれば良いだけ。しかもその作家と入れ替わって作家活動を続けるなんて、いくらアイデアノートがあるからと言っても、そのネタがヒットするかは分からないし、そもそもネタが尽きたら終わりだろう。生きて書き続けてもらった方がずっと利益になるはず。

叙述トリックの整合性の方を優先したため、他の部分がちょっとテキトーになってしまった印象を受けるのが残念。ラストシーンのふたりのやり取りも気持ち悪い。なんでああいう方向に持って行くかなあ。もう少し爽やかに終わらせてよ。
消人屋敷の殺人Amazon書評・レビュー:消人屋敷の殺人より
4103512318
No.2:
(3pt)

シナリオ自体は面白いのだけれど

陸の孤島に閉じ込められたクローズドサークルなミステリー小説を読みたくて読了。
時系列、描写、端々に感じる違和感など雰囲気の作り方はとても素晴らしかったのですが、『消人屋敷』の所以や、トリックに関しては若干拍子抜け。
小説として読み込むなら面白い作品ですが、ミステリーとしては微妙でした。
消人屋敷の殺人Amazon書評・レビュー:消人屋敷の殺人より
4103512318
No.1:
(3pt)
【ネタバレあり!?】 (1件の連絡あり)[]  ネタバレを表示する

ネタバレしたらそれまで?

何をどう書いてもネタバレになるので実にやりにくいのだが、本作のきもは叙述トリックである。2つの出来事を時制を曖昧にしたまま並行して記述し、且つ複数の人物を1人称の語り手「私」にすることで、意図的に読者をミスリードするわけだ。本作では新城・幸田のコンビが主人公格だろうが、それぞれの弟と兄が物語に絡み、つまり同じ苗字が2人ずついるのも叙述トリックに一役買っている。
事件の内容自体は極めて単純である。だから、この物語を本来の時系列に沿って並べ直したら、全く陳腐な代物なのだ。同じ年の6月29日と9月20日の出来事を、読者に明かすことなくシャッフルして並べたのがポイントなので、それが分かってしまうと再読する興味は薄いだろう。殺人のプロセスや方法にもうひと捻り欲しかったところだ。
消人屋敷の殺人Amazon書評・レビュー:消人屋敷の殺人より
4103512318

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