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銀河鉄道の父
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銀河鉄道の父の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.51pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全116件 81~100 5/6ページ
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図書館から忘れたころ順番が来ましたと案内が来たので、今読んでいる本を止めて、こちらを読みました。 事実をどこまで素材として反映しているかわからないが、読みやすく物語としては面白かった。 宮沢賢治も作品だけ読む分には聖人だが、石川啄木と同じで生活力はまるでなかったようだ。 同郷の少し先輩である石川啄木との大きな違いは経済力のある父の後ろ盾の有無ではないかと思う。 「永訣の朝」のエピソードは作家と凡人の意識の乖離が父の目を通してうまく表現されていた。 宮沢賢治全集は全て読んでいたので興味深く読めました。 2年前に出版されたドナルド・キーンの「石川啄木」と本書。 どちらが版を重ねるでしょうか。 また別のサイトでも本書は大評判のようでした。 これをきっかけにもう少し宮沢賢治が読まれることを期待します。 | ||||
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宮沢賢治の父、政次郎の視点で描かれる物語。 父として、商人として、いかに生きるかという彼の苦悩が、きめ細やかな描写でひしひしと伝わってきました。 それと共に息子である賢治の思いも切実で、何度も心を揺さぶられる作品です。 | ||||
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この父があったからこそ、宮沢賢治が残ったんだと思います。 なんだかんだありながら、賢治を囲む人たちがいて数々の名作が生み出された。 最近読んだ本では傑出していました。 | ||||
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家族でも伝わらないことってあると思いましたが、最後まで読んでスッとした良い気分になりました。。 | ||||
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花巻には何度か訪れているのですが、宮沢賢治の視点に立った見方ばかりをしてしまいます。その背景に光を当てた視点は面白いものです。できれば、この3倍ぐらいのボリュームにしていただけるともっと楽しめたと思います。 | ||||
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一気に読める。父親から見る息子。そうだよね。息子を愛おしく思うのはまさにその仕方。女性ファンから見ると賢治が過少評価されているかのように誤解する人もいるかもしれませんが、父が一生懸命息子をサポートしようとする視点の問題で賢治の偉大さにかわりはありません。その偉大な賢治も父からは誇らしくも可愛くて可愛くてしょうがないそんな存在なのですから。 | ||||
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宮沢賢治という個性的で純朴な人を家族に持ったら、その家庭ははどんなだったのかと興味が湧く。その宮沢家の父親の視点で物語は進む。家長としての威厳を保ち、質屋という家業を支える父親の苦労が良く書かれている。そして賢治という破天荒な長男と妹のトシの関係なども微笑ましい。五人の子供を育てる明治の無骨だけれど深い愛情を持つ父親。岩手の厳しいが美しい自然の中で育まれた親子の愛と確執の物語は時に笑い、時に涙し父性という、地底から滲み出てくる泉のような清冽な愛情がある事を思い起こさせてくれた。 | ||||
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正治郎の言葉が印象、本を読み活字との無言の対話で生身の人との対話の苦痛、一緒に成長するということは相手の中に自分にないものを発見するその連続 | ||||
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宮沢政次郎、つまり賢治の父に焦点をあてた小説である。 賢治をはじめ、子ども達に厳しくあたろうとするけれども、結局甘くなってしまう父親。賢治が病気になれば病院に泊り込み看病する。「質屋に学問はいらねー」という隠居の喜助の言に対し、中学校へ行くという賢治の肩を持ち、店を継ぐ話があったにも拘わらずそれを沙汰止みにして高等農専に進学することに承諾を与えてしまうところなどにそれは現れる。宮沢家が「南無阿弥陀仏」なのに対し賢治が「南無妙法蓮華経」を唱えるのに異論を持っても、賢治が亡くなって政次郎は「改宗しようか」と思うのである。 本作は、賢治の所業を網羅せず、父との関係において必要なエピソードのみで構成される。それゆえ、賢治の全体像は見えない。それは、妹トシや弟清六にしても同様である。 | ||||
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本著は直木賞受賞作品で宮沢賢治の父親である宮沢政次郎の視点で宮沢賢治を書いている。 宮沢賢治と言えば、「注文の多い料理店」「銀河鉄道の夜」「雨にも負けず」、また岩手県をモチーフにした「イーハトーブ」という美しき理想郷。 地元の名主でお金持ちの家に生まれた事がコンプレックスであり、県下一の学府盛岡中学校、そして盛岡高等農林学校卒業の頭の良さ。愛嬌があり色んな人から慕われる人望ある青年。貧しい者・困ってる人を放っておけない優しさ。 そんな彼は家業の質屋を継がせようとする厳格な父親とは反りが合わず(宮沢家は浄土真宗だが賢治は父親の大反対を押し切り日蓮宗に改宗する程日蓮宗に心酔していた)何度も家を出る。ですが、その自由奔放さが返って彼の幻想的で我々読者の想像力を駆り立てる作品に繋がった。 詳しくはかきませんが、本著はこの私が抱いて居た「宮沢賢治観」を大分違った物にするものである。父親目線だとこう捉えられるのか、なるほどと。 賢治と政次郎は対立とまでは行かなくても、分かり合おうとしてもお互い分かり合えない心の蟠りみたいなのがあり、それを読んでいてチクチクするほど各所で感じる。 が、賢治の事を最初から最後まで心配し、賢治が亡くなる所から最後までの10pは読んでいてスッーと納得がいく終わり方になっており、久しぶりに本を読んで泣いた気がします。 賢治が生前出版したところや、草野心平や高村光太郎など当時の著名人との交流についてもう少し記述しても良かったのでは?と思わなくもなかったですが、読んだ感想は良かったです。 | ||||
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宮沢賢治の人間性、成長、苦悩を父視点から、親子の葛藤を交えて描かれた作品。この主題を軸に、昔の家族、人生のあり方が伺え、何かに打ち込むことができなくなっている現代人には、立ち返る場所を教えてくれるような作品。 | ||||
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宮澤賢治の父、政次郎を中心として、宮澤家を描く。 家業を継ぐものとして、向学心を抑えて、家を継いだ政次郎。 家長としてどう振る舞うべきかと悩む政次郎。 従来の「男とは」、「家長とは」という概念が彼の行動や思想を縛る。 長男賢治の、家業への拒否感を、自分への反抗ととらえきれない政次郎。 経済的に恵まれていて、父の愛は、その経済力に裏付けられていたのかもしれない。 賢治の幸せも、不幸せも、「家」、「父」を抜きにしてはなかったのだなあと思った。 父の悲哀がそして幸福感が、行間から透けてくるようないい小説だった。 映画化するとしたら、 父親には浅野忠信さん。 賢治には、三浦春馬さん。 妹のトシには二階堂ふみさんもしくは門脇麦さん。 なんて感じはいかがでしょうか? | ||||
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宮沢賢治の父親の視点とはかなり面白い設定。中身もなかなか面白い。賢治がらみだと、どうも熱狂的信奉者やファンのしてんで書かれているようなものが多く、批判的なものが少ない感じだけど、父親の目という冷静な視点で書かれているのが気に入った。本当の賢治像に近いのではないかとも感じた。 | ||||
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生活の金を稼ぐための質屋という商売と子供たちや社会のためにと思う心や行動が対比的に書かれている。ある意味、現代社会の縮図でもある。父親とは、それほどまでに、子供のために、身も心も尽くすことができるのだろうか。長男ということもあって、質屋を継がせることと子の思いに添いたいこととの葛藤が、頻繁に書かれる。 宮澤賢治記念館で抱いた賢治像とは、いささかずれているような気もするのであるが、結局は童話作家としての賢治を導いた父の生きざまが、このような小説になっていることだとも言え、小説の力をじっくり味わえた。もっともっと長編にしてくれてもよかったのに、とさえ思う。 | ||||
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とにかく、文句なしの直木賞です | ||||
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今までの宮沢賢治のイメージが、大きく変わる作品でした。明治時代にしては、比較的裕福な家庭に育ちながら、進学に理解のない厳格な祖父や、父親とのやり取りは、天才詩人の意外な一面を知らされたような気がした。 家業の質屋の店番を任された時のエピソードが、彼の優しさを物語っているような気がする。 当時の教師として、その優しさがわざわいしていたように思う一面もみられる。 子供に愛情を注ぐ父親の姿は、現代人のそれにつながるようで、時代をこえて感動が伝わってくる。 読み終わって、ますます残念な生涯であったと思うのは、私だけではないでしょう。 | ||||
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子供のころの自宅には世界少年少女文学全集があり、小学生の時に古今東西の文学を一通り読んだのだけど、宮沢賢治はそこで読んだ記憶がない。世界文学全集といっても、日本文学については近世以後は対象外で、漱石も鴎外も宮沢賢治も、載っていなかったのだ。 それでも彼の本を読んだ記憶がある。中学生の時の読者ノートに担任教師が「最近宮沢賢治を読みふけってますね」と書いてくれたことがあった。当時は銀河鉄道の夜など2~3冊を続けて読んだのだと思うが、読み進みつつもよくわからないもどかしさがあったことを覚えている。わかりにくい岩手弁、天と地を直接的に捉えた世界観。童話と言いながら説明的ではないので、読者には共感か解釈かのどちらかを迫られる。 宮沢賢治は数え十九で質屋の帳場に立つも、大人たちの世知辛さに直面し、客をうまく捌けなかった。大人の客を捌くことはできなかったが、岩手の石や星とは対話することができた。どちらが絶対的に正しいということはないが、子供の才能と直面する試練を腹に収めていけるかに親としての器量が問われる。この問い難い問いを正面からぶつけたところに、本作が直木賞を得た価値があるのだろう。 | ||||
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父親として、共感の連続! 息子への愛情、そして父親としての威厳。両立できないことへの葛藤。 | ||||
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これは宮沢賢治の話であるが、主人公はその父親である。宮沢賢治の童話は子供の頃の愛読書で、何度も読み返していたが、生い立ちについてはまったく知識が無かったので、面白くて前のめりになりながら読んだ。賢治が妹・トシに誇らしげに朗読する「風の又三郎」の書き出し、「題名は、風野又三郎だじゃい。どっどどどどうど、どどうど、どどう。ああまいざくろもふきとばせ、すっぱいざくろもふきとばせ。どっどどどうど、どどうど、どどう・・・・・」には子供の頃の、こころが弾むような気持ちになり、「あめゆじゅとてちてけんじゃ」には、もの悲しい思いが重なる。 話は、宮沢賢治の父親・政次郎の眼を通しての息子、賢治像であるが、それはとりもなおさず作者が父親と言う媒体を借りて賢治の生い立ちや生き様を述べたものである。これによって、作者は政次郎の親心と子供である賢治の両方の性格を表現することができたのであるが、その試みは成功している。読者は知らずのうちに父親の気持ちに同調しながら賢治を俯瞰しているのだった。この本の後半部分、賢治が東京で貧乏暮らしをしているときつぶやいた、「お父さん・・・・おらはお父さんになりたかったのす」などは賢治の父親感を素直に表していると思った。 作者、門井慶喜氏の著作はこれが初めてではなかった。昨年、2017年3月に「屋根をかける人」という、アメリカ人宣教師の日本での数奇な人生を描いたものを読んでいる。興味深い話ではあったが、表現がところどころ雑で、もう少し文章に磨きをかけてもらいたいと思ったものだった。 ところが、この本では文章が格段にうまくなっていることと、表現の多彩さが印象深かった。例えば、政次郎が出張から帰って生まれたばかりの賢治と対面したときに、「(あっ)政次郎は、目の奥で湯が煮えた」とか、賢治が物書きになろうとしたきっかけをつかんだ時の、「あっ、声が、家々の壁にひびいた。胸腔内の熱い岩漿(マグマ)がガスを吹き出し、頭蓋を割った。」などは、その場の情景を表現するに的確で、政次郎の、そして賢治の湧き出るような感情を正確につかむことができた。 若い頃に、家族で岩手県や東北地方で暮らしていたことがあったので、岩手の方言が懐かしく、人々の温かさや素朴さにも触れることができて、楽しくそして心に響く内容だった。 | ||||
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感動の一冊。 | ||||
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