■スポンサードリンク


銀河鉄道の父



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
【この小説が収録されている参考書籍】
銀河鉄道の父

銀河鉄道の父の評価: 4.51/5点 レビュー 116件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.51pt


■スポンサードリンク


Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全116件 61~80 4/6ページ
No.56:
(5pt)

とても面白かったです。

父親の目から見た宮沢賢治が書かれています。
今でこそ国語の教科書にも必ず載っていて、知らない人はいないほど有名な作家ですが、生前は転職を繰り返したり、家出したり、なかなか身が立つことがなく、苦労したんだなと思いました。
そんな息子を心配しながら見守るお父さんは、大変だったんだなと本を読み終わってしみじみ感じ入りました。
しかも、やっと自分の道を見つけることができそうだなと思ったところで息子が亡くなってしまうので、余計切ない。
父親の役割として、子どもの壁になったり、ほめて伸ばしてみたり・・、でも、家長でもあるので、家族全体のことも考えなくてはいけないし・・、息子は息子で父にほめられたい、父より立派な人間になりたいと思っている・・そんな父と息子ならではの親子の葛藤がよく描かれていて面白かったです。
あと、題名のつけ方が上手いと思いました。一目で宮沢賢治のお父さんのお話だと分かります。
銀河鉄道の父Amazon書評・レビュー:銀河鉄道の父より
4062207508
No.55:
(5pt)

宮沢賢治に親しみ

宮沢賢治の父親という視点がすばらしい! 
賢治以下の子ども達もよく書かれている。
この本のおかげで,宮沢賢治に親しみを感じた。
妻のイチについても,もう少し書いてほしかった。
文章にリズムがあり,さすがだと思った。司馬遼太郎に似ている。
銀河鉄道の父Amazon書評・レビュー:銀河鉄道の父より
4062207508
No.54:
(3pt)

それなりに

直木賞を受賞した本とは思えないんです。個人的な趣味と合わなかったかな。
銀河鉄道の父Amazon書評・レビュー:銀河鉄道の父より
4062207508
No.53:
(4pt)

直木賞

直木賞受賞かつ、門井慶喜さんの作品なので、期待して読了。宮沢賢治ではなく、父親を主人公にした作品、非常に興味深いです。宮沢賢治という人物がどういう環境や家族の中で育ち、どういう人生を歩み、作品を仕上げたのか初めて垣間見ました。宮沢賢治の書いた詩や童話はメインではないですが、父親目線で描いていて、読みやすい作品です。
銀河鉄道の父Amazon書評・レビュー:銀河鉄道の父より
4062207508
No.52:
(5pt)

楽しくは読みました

宮沢賢治の父、政次郎から見た賢治一代記。
宮沢賢治と言うと盛岡高等農業学校出身で地元で土壌改良などの実践的な農業指導をした教育者の側面もあり、真摯な「雨ニモマケズ」の詩と合わせ、私などは真面目な堅い道徳家という感じを持っていたのですが、この本によって、少年時代に河原での石ころ収集にはまり、餓鬼大将ではないけれどやんちゃ仲間のリーダー格でアウトドア好き、妹や弟たちに面白いことを言ったり、自作の童話を聞かせてやったりして、明るい少年であったこと。
小学校では全甲の成績であったが、中学校では大した成績でなく「凡人」であった。
ことなどが解って宮沢賢治に親しみを持てるようになりました。

家業の質屋を継ぎたくないと、父親に唐突に飴製造業や人工宝石事業などを持ち掛けたり、東京での童話売り込みの生活では幾度も金の無心をしたり、家が代々浄土真宗信徒なのに法華経にこり日蓮宗の国柱会にのめり込んだり、勝手なことをしていた賢治であったが、最後は<子供のかわりに童話を生む>という信念で童話作家の道を選んだ。早逝した妹トシは兄の才能を知っていて子供時代に一緒に童話の本を作ろうと賢治に話したこともあった。

父親の政次郎は絵にかいたような子煩悩で、無茶をやり手前勝手な賢治に対して一時は怒っても最後は支援した。賢治の子供時代の二度の病気に際し妻や看護婦に任せず自ら病院に泊まり込んで賢治の面倒を見たこともあった。父親(賢治の祖父喜助)からは「お前は父でありすぎる」と揶揄されたほどだった。当時の風潮からは、一家の長が自ら子供の看病をするなどは特異なことだった。

父親の喜助から<質屋には学問が不要>と言われ、成績優秀だったのに中学校に行けなかった政次郎は自分の子供たちには高等教育を与える。また、質屋業に対する世間の心無い中傷に配慮し、自費で東京の名士を呼んで講習会を定期的に開催する文化事業も精力的に行った。
病床にあった賢治をして「おらは、お父さんになりかったのす」といわせるほどの完璧な父親であった。

この政次郎と賢治、そして早逝した利発な妹トシ、賢治の遺言を守って兄の作品を世に出すことに尽力をした弟清六、そして「賢さん、賢さん」と賢治を一途に愛した母親のイチ、これら宮沢政次郎一家の織り成す暖かい家庭環境があってこそ宮沢賢治の詩「雨ニモマケズ」、童話「銀河鉄道の夜」のような作品世界が残されたのだと、この本を読んでつくづく思った次第です。

宮沢賢治文学のフアンはもとより、一般のお父さんにも推奨したい本でありました
銀河鉄道の父Amazon書評・レビュー:銀河鉄道の父より
4062207508
No.51:
(4pt)

世界観が良かった

父の視点から丁寧に描かれる世界が、ノスタルジックな時代背景も相まって、とても良かったです。
宮沢賢治の描く、人間の優しさや残酷さ、そして世界の美しさ、そういったものがどういう背景や心情で描かれたのかをより具体的に想像できるようになりました。
読後、宮沢賢治の小説を読むことがさらに面白く、そして味わい深くなりました。
銀河鉄道の父Amazon書評・レビュー:銀河鉄道の父より
4062207508
No.50:
(5pt)

父親あっての賢治、こういう見方もあって良い

賢治の崇拝者、研究書や論評はそれこそ星のごとくあるが、父親やその家族についてはあまり聞いたことがない。直木賞受賞作品という興味のほかに、先週どっぷり浸かった賢治の「グスコーブドリ大学校」の延長でもある。頭の良かった父政次郎は家業の質屋を継ぐため、学問をする機会がなかった。そんな父は、次第に賢治の興味に心を開き、賢治七歳で赤痢に罹った時は寝ずに看病する、鉱物に興味を持った賢治のため、標本箱を一度に五百個も注文する、長じて結核の時も必死で看病する、一方で賢治を盛岡中学、盛岡高等農林に進学させ、その後の金の無心にも結局は文句をいわずに振り込んでやる。父親のおかげで、賢治は自分の好きな道を好きなようにやってきた。初めての文章が雑誌や新聞に載ったときの政次郎の喜び、私家本『春と修羅』の最初の理解者は父政次郎だった。短い生涯に、あれだけの作品を書き、人々の心を動かしている賢治の陰には、こういう父親が居たのだ。また、妹トシや賢治が病に倒れても、資産家だったことも幸いした。小説なので、当然フィクションもあるだろうが、こういう見方もあって然るべきだろう。エピソードとして語られる妹トシが書いた祖父への手紙があるが、これを読むと、トシがもっと長生きしていたら、あるいは賢治をしのぐような文筆家になったかもしれないとは、もう一つの感想である。
銀河鉄道の父Amazon書評・レビュー:銀河鉄道の父より
4062207508
No.49:
(4pt)

父の視点

伝記などでは対立する存在としてしか描かれていなかった政次郎が賢治を見つめる人間として描かれている。賢治のファンとして、また自分が父親としてそうであって欲しいと思って読み終わった。
銀河鉄道の父Amazon書評・レビュー:銀河鉄道の父より
4062207508
No.48:
(5pt)

この父にして「宮沢賢治」

読む本がなかったので、直木賞だし、とりあえずあまり期待せずに読むことにしました。

ところが読み始めてすぐに宮沢賢治の父政次郎氏の、子への愛情が溢れながらも、一家の大黒柱たる孤高の父親像を崩すまいと葛藤する人間らしさにぐいぐい引き込まれていきました。

封建的社会の父親とは現代の私たちとは全く違う生き物のような気がしていましたが、弱く柔らかい部分とあるべき強い姿の板挟みで揺れ動くまさに私たちそのものなのだと思いました。そして、頑固なようであり、自分自身は時代の犠牲になったにもかかわらず、自分が感じ取った時代の変化に柔軟に対応しようとしていたり、我が子のために与えるものを惜しまなかったりするところも平成も残りわずかな今、何ら古びた感覚ではありません。

「宮沢賢治は素朴で、働き者で、心優しく、真摯に、弱者の目線で生きた」そんな私の賢治像が少し崩れる甘ったれた放蕩ぶりにも驚きましたが、どんなときも息子を愛し、違和感を感じながらも最後は全力で受け入れ、支えるお父さんの姿に胸を打たれました。

賢治が生み出した全ての作品の父であり、銀河の星々の中で暖かく輝き続ける素晴らしい父。そんな政次郎氏について知るきっかけを与える本作を生み出して下さった門井さんにも感謝です。
銀河鉄道の父Amazon書評・レビュー:銀河鉄道の父より
4062207508
No.47:
(5pt)

本当に面白かった‼

直木賞と芥川賞も、今回は共に宮沢賢治に絡んだ物だった。それも面白く、両方読みました。
おこがましいが、一言で上手くなったな~と思った。以前読んだ著者の作品は、何か足りない気がしていたが、この作品は過不足なく、読みやすく、自然な流れで引き込まれた。
また一つの新しい"宮沢賢治"を知りました。
銀河鉄道の父Amazon書評・レビュー:銀河鉄道の父より
4062207508
No.46:
(4pt)

父親とは、結局なんなのか…

恥ずかしながら宮沢賢治については、国語の教科書レベルでしか知らなかったのですが…その父親の話、ということで手にとってみました。
今まさに男子の子育てに関わっており、父親とは何なのか、というところは常に考えるところです。
壁として立ちふさがりたいとも思うし、とにかく尽くしてあげたいとも思う。そして、無常にも、自分よりも先に息子、娘を失うということ…。
頑固一徹を気取りながらも、心は迷いつつ、でも決して押し付けがましくない。常に息子ファーストであろうとする、そんな賢治の父、政次郎。
父親のロールモデルが思い当たらない…。そんな悩める父親世代に、一つの指針を与えてくれるかもしれません。
銀河鉄道の父Amazon書評・レビュー:銀河鉄道の父より
4062207508
No.45:
(5pt)

「今から遺言を書き取る」が見事な伏線

妹はともかく賢治までが逆縁とは知りませんでした。童話も最初は自費出版、父が100部を買って協力したこと。100億部の発行作品もこうして始まったと感激。小学校の国語の教科書とは随分違う賢治の人物像が描かれており、親しみを覚えました。
銀河鉄道の父Amazon書評・レビュー:銀河鉄道の父より
4062207508
No.44:
(5pt)

ツンデレ親馬鹿っぷりに

キュンキュンした。家長としての威厳を保とうとしつつも、最愛の息子に振り回されるのを止められない。賢治のワガママに渋い顔で付き合い、病気になったと聞いては動転し、将来のことで揉めても結局は折れてしまう。仲良くなりたくて。
次から賢治を読むときは、愛しげに目を細めるお父さんの姿が脳裏に浮かぶだろう。
銀河鉄道の父Amazon書評・レビュー:銀河鉄道の父より
4062207508
No.43:
(4pt)

男親とは切ない存在なのでしょうか?

静かな筆致、柔らかで木綿の様な肌触りの筆致。春、夏、秋、冬の自然豊かな岩手花巻の描写は我ら日本人の心のふるさとの
原風景を想像させます。頭脳明晰で何不自由なく育った「賢治」への愛情をどう伝えたらいいのか、伝えない方がいいのか、
明治の親父はなんとも不器用です。でもその姿に私は微かな矜持を覚えます。子供のいない男には想像したくないし、想像で
きない深奥の風景なのでしょうか。現在の親父の姿は子供にあまりにも近すぎると感じるのは、私のひがみでしょうか?
銀河鉄道の父Amazon書評・レビュー:銀河鉄道の父より
4062207508
No.42:
(4pt)

父親から見た賢治

父親から見た賢治で、父親の苦労もあって、宮沢賢治が育ったという事が分かった。私は、読んで良かったと思っている。
銀河鉄道の父Amazon書評・レビュー:銀河鉄道の父より
4062207508
No.41:
(5pt)

納得できる父親像

タイトルからも分かる通り、宮澤賢治の父親政次郎が主人公です。
この本を読んで一番感じたことは、父親の子どもを思う心です。
主人公は、五人の子どもを持っていますが、明治の父親だけに、「家」の中で大きな権威を持っています。
しかし、その子どもを思う心は、今も変わらない心があります。
ただ、そこは「威厳」を示さねばならぬところもあって、すべての場面で直接示される訳ではありません。
それでも、行間にその父親の心が、しっかりと書き込まれています。
私自身の「父親」としての経験にも、ピッタリと来るところが沢山ありました。
子どもが大きくなるにつれての父親としての対応についても、自分の経験に照らし合わせ納得しました。
その優しさをテレから示せない場面もあり、良く理解できます。
それにしても、箱膳の並べ方などにも、確かにそうだったなあと感じました。
更には、卓袱台の登場や黙読がまだまだ一般的でなかったことなど、改めて知ることも沢山ありました。
銀河鉄道の父Amazon書評・レビュー:銀河鉄道の父より
4062207508
No.40:
(5pt)

親ってありがたい

賢治の父、征次郎は家長として、父としてこうあらねばならぬという強い信念を持ち、また子どもの長所も短所も客観的に判断できる冷静さがある人物だ。一方で、時に自分でも当惑するほど子への愛情や想いがあふれ出し、ここぞというときには惜しみなく子どもに手を差し伸べる。
読み進めていくうちにそんな征次郎に感情移入して、「がんばれ、お父さん」と声援を送りたくなる。
賢治とその妹のトシ、二人の子どもを逆縁で亡くすわけだが、それぞれの死に際しての征次郎の有り様に心を打たれる。
読後もしみじみと感動が広がる作品。
銀河鉄道の父Amazon書評・レビュー:銀河鉄道の父より
4062207508
No.39:
(5pt)

子煩悩な父の姿を見る

お父さんの気持ちがよくあらわされています。この親あっての賢治なのだろうと思います。
銀河鉄道の父Amazon書評・レビュー:銀河鉄道の父より
4062207508
No.38:
(5pt)

お父様、宮沢賢治を「夢想家のお坊ちゃま」のままでいさせてくれてありがとう。

昔、宮沢賢治の伝記を読んだ時、
「賢治が中学校入学時に、質屋を経営する名士の父が、皆の前で懐中時計を出して時間を確認したのを、
貧しい者からの搾取を感じ、恥ずかしく思った。」という類の記載があった記憶がある。
ところがどっこい、
この作品では、あくまで小説なのですが、
知的で優しくて、ちょっと甘やかし過ぎ感もある、すごくいいお父様として宮沢政次郎が描かれています。
「懐中時計」の件は、宮沢賢治の父としては外せないエピソードのようで、
表紙にも懐中時計の絵、政次郎サイドからの懐中時計エピソードが描かれている箇所があります。

一見、宮沢賢治作品を「社会・共産主義的」という人もいるけど、
後世で評価を受けた作品は「実は貧乏臭さが微塵もない」「霞を食って生きているのか感」が漂う、
単なる金持ちじゃない、ある意味「田舎の新興貴族」の、金と知性・教養があるのが前提の世界観。
お父様、宮沢賢治を「夢想家のお坊ちゃま」のままでいさせてくれてありがとう。

家族が皆、知的で品がある、ほのかなユーモアの余裕もある。
まぎれもなく宮沢賢治は一族の一人であることが伺え、「血統と環境って重要だ」と感慨深くなった。
最後までほのかな暖かさ感じながら、中だるみすることなく読み進めました。
銀河鉄道の父Amazon書評・レビュー:銀河鉄道の父より
4062207508
No.37:
(5pt)

「宮沢賢治」をつくった父の偉大さ

これは宮沢賢治の父・政次郎を主人公にした小説である。父親の目を通して描かれる賢治の姿は、これまで私の信じてきた賢治像とは大きく異なる。宮沢賢治は、貧しい農民に尽くしながら文学の道を歩んだ聖人君子のような青年ではなく、相当に変人で、生活力に乏しい、夢を追い続けた男だったというのである。

政次郎は商家の2代目に生まれた。学業優秀であったが、父に「質屋に学問はいらない」と言われ、小学校卒で家業を手伝った。彼は辣腕の商人となって事業に成功するかたわら、長く町会議員を務め、東京から文化人を招いて講習会を開くなど、地方の名士として尊敬を集めた。彼は家長らしく厳格に振舞おうとしたが、子供たちにはつい甘い顔を見せてしまうのだった。

賢治は子どもの頃から病弱で、気に入ったものには異常に熱中する、かなり変わった少年だった。彼は強く希望して盛岡中学校へ進学し、やがて盛岡高等農林学校へ進む。卒業後は家出して上京したが、父はそれを咎めるどころかむしろ温かく見守り、賢治にせっせと送金した。親バカではあったが、親は子どもの壁になってはならないとの自覚からの放任であった。賢治を冷静に見守りつつ、援助を惜しまない父親の心情には 胸を突かれた。

政次郎が賢治の特質を見抜いて彼の望むようにさせたことで、賢治は独特の世界観を育むことができた。彼の作品群は父の財力と庇護のもとでこそ生まれたのである。そこが同郷の天才歌人・石川啄木との違いであろう。一般に父親は自身が果たせなかった夢を男の子に託し、男は父を超えたいと願うものだ。政次郎と賢治は互いに尊重し合いつつ、思いはすれ違う。読み終えてタイトル「銀河鉄道の父」には深い意味が込められていることに気づく。まさに政次郎が「宮澤賢治」をつくったのである。

終章の賢治没2年後の夏、政次郎が孫たちを前にして「雨ニモマケズ」を読みあげる場面に泣けた。創作ではあるが、限りなく史実に近いのではないか、と思わせる力を持った父と子の物語である。
銀河鉄道の父Amazon書評・レビュー:銀河鉄道の父より
4062207508

スポンサードリンク

  



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!