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(短編集)
シルエット: アイリッシュ短編集4
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シルエット: アイリッシュ短編集4の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.50pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全2件 1~2 1/1ページ
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古い本なのでそのぶんキレイではないですが、読むには十分です。貴重な本、ありがとうございます。 | ||||
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アイリッシュを読むと必ずと言っていいほど頭に浮かぶ曲がある。B.Joelの"Stranger"だ。あの曲をご存知の方ならこれでアイリッシュの雰囲気をつかんで頂けるだろう。ニューヨーク生まれでコロンビア大学卒業という経歴を持つ彼にふさわしいイメージかも。孤独と寂寥、不安と焦燥が入り混じったような文体に軽妙なトリック。幸福と隣合わせの哀切さや日常に潜む恐怖をどれだけ巧みに描写するかは、日常的なありふれたシチュエーションにおけるサスペンスを好んで映像化したヒッチコックが彼の作品をモチーフに『裏窓』を制作したことからも分かるだろう。 この短編集で最も彼一流の哀愁を漂わせているのは『秘密』である。愛する人を守りたいという気持ちと無実の人間を救いたいという良心の要請との間に揺れる女性心理を巧みに描いている。彼女は過去に殺人を犯した自分の夫が再び殺人を犯したと思い、冤罪を訴え続ける被告を死刑から救おうと夫の過去の殺人を警察に密告してしまう。まさにエゴとヒューマニズムの葛藤。しかし彼女の選択は誰も救うことが出来なかった。何たる皮肉・・・。彼女が無実だと信じていた死刑囚は死刑の直前に殺人を自供し、夫は過去の殺人を問われ警察に逮捕されてしまう。自分が信じたものに裏切られる虚無感と愛するものに自ら引導を渡してしまった絶望感。人間の知恵の浅はかさを痛烈に感じた。冒頭の曇りのない幸福感との落差が見事に描かれている。 冒頭部いつもとかわらぬ夜。月が出ていた。星も出ていた。そしてクライマックスの主人公の心の呟き ≪あたしは死人のように口を閉ざします。永久に死人になります。 だってもうあたしは死人なんですもの。≫ いつもとかわらぬ夜。月はなく、星も出ていない。 切ない無常感にいつも涙が止まらない。 | ||||
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