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半身
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半身の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.25pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全14件 1~14 1/1ページ
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19世紀のイギリス、裕福だけど閉塞感に押しつぶされそうな、29歳未婚の「老嬢」が主人公。 彼女の日記と、彼女がミルバンク牢獄で出会った一人の女囚の日記で話が進められていく。 日記だから、完全に主観的なものであり、事の真偽はわからないまま話が進む。 驚愕のラスト・・・と謳われた小説だから、そのつもりで読んでしまうことを差し引いても、なかなかの結末であった。 ただ、主人公マーガレットの置かれた状況が、裕福で恵まれた環境でありながらも、余りにも孤独で、惨めであるため、気持ちよく読めるものではなかった。 重く、苦しく、閉塞感に満ちた主人公の日々を、ロンドンのジメジメした気候が、容赦無く包み込んでくる。 ああ、しんど。 霊媒なんちゅうものを全く信じていない私からすると、霊に関する全てに決着をつけて欲しかった気がする。 まあ、これは本筋ではないから仕方がないのだけど。 離れ離れになった己の半身を探し求める話は、ヘドウィグ・アンド・アングリーインチのオリジン・オブ・ラブを思い出してしまった。 | ||||
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1ミリの救いもない話。 ビクトリア時代のイギリスでは、貴婦人は、まるで人形のように生き方が決められている。そこに上手く収まることのできない主人公は、それでも社会の枠にはめ込まれ、ただ息を殺して生きていくしかない。しかしやがて、彼女は監獄慰問で知り合った1人の女囚(ドーズ)の存在によって、少しずつ自立の道を模索しはじめる。 ビクトリア時代の監獄とか、貴婦人の生活とか、まざまざと浮かび上がってくるような筆力はたいしたものだと思う。最初は回りくどく感じたが、それでもぐいぐい読めてしまった。しかしながら、ほとんどは主人公マーガレットの独白(日記)であるのだから、そこに感情移入できないと、なかなか読み通せない。 とすると、あのラストはどうなんだろうか。 正直、マーガレットに感情移入していくと、あのラストは納得いかない、というより、ひどい。 勢い、 なんだよこのはなし! っていう気分になる。 | ||||
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序盤あたりのミスリードにはすっかりだまされました。 真相がわかってから冒頭の箇所を読み返すとあるキャラにSATSUIが沸くレベル。 情景描写は結構緻密だし、主人公の心理描写には共感できるところも少なくなく、 技術的には素晴らしいと思いますが、しかし、後味が悪い。 主人公がかわいそうで、ここまでにくったらしい黒幕(仮称)ってそうはいないので。 その一方で、自分が黒幕と同じ境遇だったら、チャンスさえあれば同じことしたろうなとも思います。 ジャンル的にはこういうのもゴシックホラー兼ミステリー、なのでしょうか。 後味悪いの嫌いじゃない方は星プラス1で。 あ、あと若干冗長さを感じる箇所が少なくなかったです。 | ||||
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大変な読書体験となりました。ほんとしんどかった。これはこのミス1位なんでしょう。審査員の先生方にはぜひ読み易さってことも考慮に入れていただきたい。そもそも先生方はこれをスラスラ読めるのだろうか。 | ||||
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価格も一円なので、最初はこの傷んだ状態でも仕方がないかなぁとは思ったのですが、後から発注した別の業者さんの同じく1円という価格の文庫本の状態を見て、こちらの商品評価は「甘い」のかなぁ?という印象を受けました。 状態があまりよくない、とおっしゃっていただけてれば、がっかり感も少なかったかなぁ?と思いました。 | ||||
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荊の城同様、ゴシックロマンと言っていいと思います。 華やかに見えながらもたそがれを迎えつつあるかつての英国上流階級の 悲しくも美しい不思議な魅力と、当時の監獄のおどろおどろしさが味わえます。 上流階級と監獄という正反対なものを描写していますが、実はどちらも 似た空気が漂っています。裕福な生活を送っているものの、しきたりに 従って生きなければならない世界で、それに合わせる事の出来ない神経の 鋭敏な不器量で不器用な主人公。かたや霊媒であり不思議な魅力を持った女囚。 彼女たちは主人公が監獄への慰問という形で出会います。 主人公は家族の無理解(本人も心を閉ざしているけど)とも相まって、この女囚に どんどん精神的に依存していきます。この辺りはぐいぐいと読ませます。反対に、 女囚側の過去の描写は正直かったるいところもありました。 尚、女囚が金銭のことを口に出した辺りから大抵の筋は読めてしまったのが 少し残念でした。そのまま最後まで酔わせて欲しかったと思います。 | ||||
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19世紀を生きる、主人公の内面を描いた物語です。 ミステリーではないと思います、たぶん。 とにかく痛い、身につまされるお話です。 おそらく今より相当生きづらかったであろう、一昔前の年女の鬱屈した想いが じっくりたっぷりと執拗に語られます。 私は「あ、これはラブストーリーなのね」と思い込み、主人公に感情移入をして読んでいたので あまりにも救われない結末に、なにやら思いっきりヘコんでしまいました。 同性愛の描写が出てきますが、その気のある方は読まないほうが無難かも……生々しい描写が売りなだけに、作者に弄ばれた気分になります。 逆にそんなの全く理解できないという方には、いまいちピンとこない話でしょうし、難しい作品です。 19世紀当時の時代を緻密に描いた筆致は見事の一言です。 | ||||
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表紙絵とタイトルから想像するような ゴシックロマンではなかったのが残念ですが 小説としてはそうひどくないし、翻訳も読みやすかった。 ミステリーとして読んだ場合、 途中で結末の予想はつくでしょうし 最後まで待って読むほどの結末ではないので 時間の無い方は第5部を先に読んでも 全然構わないと思います。 ただ、全編女主人公の日記と もうひとりの日記で構成されていて 第三者の視点が欠けているのが難点。 冒頭で起こる事件の真相を明確に記して欲しかった。 読めばわかる、あるいは読者の判断に ゆだねられているのでしょうか? すっきりしません。 | ||||
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勝手にロバート・ゴダードみたいなゴシックミステリーと想像してしまったこちらに非があるのかもしれないが、正直、期待は大きく的をはずす。ミステリージャンルに何を求めるかの相違だろうけど、どこか「人」の魅力があり、「救い」もあって欲しい。その上でサプライズプリーズ。陰鬱な雰囲気の割には、「あれっ。なんだコミックだったのか?」てなノリの結末。この落差に引いた。延々と陰鬱調で400ページ以上もひっぱってくれた挙句に、いきなりコミック展開じゃあ…「手品の種明かし」みたいでしょうが。 | ||||
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章によって時代が前後したり、語り手が代わったりするので最初は少し戸惑いました。主人公がかわいそう過ぎて、読後感があまり良くないので星3つにしました。スカッと晴れやかになる本が読みたい場合はパスです。監獄のじっとりとした描写や、主人公の心が乱れていく様子がすごくリアルで読みごたえはありました。 | ||||
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主人公の個人的な痛み・呪縛などを傍線の背景として、刑務所慰問からはじまる主人公の悲劇を描いている。読者である私も主人公と同じように感じ、解釈するように引き込まれていく。霊的な表現も織り交ぜながら現在と過去がいりまじり、息をつかせない表現力はすばらしい。30もまじかな当時としては婚期を逃がした自己憐憫と利己主義の強い主人公は必ずしもすべてを共感できたわけではないが、彼女が希望を見出し今までにないくらいの行動力を発揮し、そして裏切られたときの絶望感はとても痛い。わくわく感よりは切ない心理的描写の多い佳作である。 | ||||
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冒頭の刑務所のイラストや水晶宮が伏線にもならずでした。19C,ロンドン、霊媒、刑務所という舞台装置にもかかわらず、登場する女性たちのバックグランドも曖昧なまま、の感が残念ですねえ。ゴシックっぽさがないのは、密室劇に近いから。会話劇として楽しめました。 | ||||
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「このミステリーがすごい」の1位ということで(確か・・・)期待して買って読みましたが、ミステリーというよりはむしろ恋愛小説として読んだ方が良いのかもしれないです。 オールドミス(死語?)のマーガレットは貴婦人の義務としてミルバンク牢に女囚の慰問に訪れ、そこで一人の女囚シライナと運命的な出会いをする。シライナは投獄される以前、貴婦人の間でもてはやされていた霊媒師だった。シライナは謎めいた言動とその美貌で次第にマーガレットを虜にしていく。母親や世間の因習でがんじがらめになっていたマーガレットは自身もまたシライナ同様囚われの身であることを自覚する。シライナの虜になったマーガレットは牢から逃れたシライナと共に逃避行をする決心をするが・・・ ゴシックロマン風の雰囲気とオカルト的な要素、そして同性愛。ミステリーとしてはどうかと思うが雰囲気のある小説なのでまあまあ楽しんで読めます。どちらかというと女性向きの小説かと思われますがいかがでしょう。 | ||||
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サスペンスを読みなれていないウブな読者であるため、主人公同様、すっかり作者のたくらみに引きずりまわされてラストを迎えました。こんなのアリかぁぁぁぁ!? と思いましたが、冷静に思い返してみれば、なるほどあちこちに伏線が・・・・。それはともかく、主要人物が収監されている刑務所の描写は、たいへん興味深かったです。 | ||||
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