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(短編集)
犯罪小説集
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犯罪小説集の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.55pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全33件 21~33 2/2ページ
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人間をしっている、作家という人種を尊敬できる。清張の増上寺刃傷にも匹敵する。 | ||||
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小説はほとんど読まない。恥ずかしながらこの有名作家の名前さえ知らなかったという。書店で何気なく手にとり、とりあえず小説は出だしが大事だという信念のもと、買ってみた。読ませますねー。うまいというか、丹念に物語が作られている。小手先のトリックや、ほれ、書いてあったでしょみたいな伏線より、文章の塊ごとが、有機的につながっているというか。さっき書いてた、それは、これとつながってるんだね。みたいな、いや、うまい。 大王製紙の社長、ギャンブル依存の情けない奴、東大でて、つかまって最近刑期を終えて出所したらしい、その後の家族VS社員の戦いはあまりに情けなくて、ほんとどうしようもない一族だと痛感する。そのどうしようもなさを産んだ、男の本質、、みたいなところまではそりゃ、短編なので描ききってはないが、余韻を残すことで、あるいは人々の記憶、うっすらした記憶と化学変化を起こすことで、結論なんかはっきりしない「良い感じ」を生成している。どうやってこの設定、作ったのかとか、やはり一流の作家ってすごいなとか、ドラマ仕立てにしやすいのかなとか、いろんな想像ができる人、感心しました。 あ、いや、褒めすぎか。。でも読書好き、物語好きで多少、文筆力がわかる人なら、うなると思うな。 他も、買って読んでみよう。 | ||||
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これといって特筆する部分もなく、吉田修一らしいといえば、そうなのだけどもう少し期待したいところ。 | ||||
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この本に収められている5本の短編は、読んでいるとといずれも、 「これは実際にあったあの事件に似てるな」と思ってしまった。 実話をモデルにして、それをアレンジした小説集なのだろう。 犯罪の種類も手口も異なるのだが、犯人たちに共通しているのは、 自分が「満たされない(あるいは、かつては満たされていたが失って しまった)」が故の(自暴自棄的な)犯罪ということではないだろうか。 すなわち、「青田Y字路」と「万屋善次郎」は『地域社会による自分の 承認と受け入れ』、「曼珠姫午睡」は『男』?、「百家楽餓鬼」は『解放感 と高揚感』、「白球白蛇伝」は『特別な人としての栄光の日々』が得られな いが故に起こした犯罪ではないだろうか。 | ||||
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各話とも面白い。けれども、重厚さがないというか、面白かったで終わってしまうというか…。 犯罪がテーマなので、一つぐらい胸を掻きむしりたいぐらい読後感の悪かったり、 自分の中にある性悪な部分を感じ、自己嫌悪に陥るような作品があってもよかった。 | ||||
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事件が発覚した時、当事者たちはどんな反応をしめすのか。5つの犯罪にまつわる小説を集めた短編集。 どの話も実際にあったような話だったが、個人的には「百家楽餓鬼」と「白球白蛇伝」が好きだった。 「百家楽餓鬼」は、バカラ賭博で何億もの借金を重ねる大企業の御曹司の話。常に誰かに何かを頼まれる生活を送ってきた御曹司が、憂さ晴らしをするかのようにバカラにのめり込んでいく一方、妻の難民キャンプも手伝うという組み合わせがおもしろかった。 「白球白蛇伝」は、華やかな生活から抜け出せなかった元プロ野球選手の話。家族からも特別扱いされ、プロに入ってからも贅沢をやめられなかった男が見栄を張り続けた結果どうなってしまうのか、最後まで楽しめた。 | ||||
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どれも実際に起こった事件をもとに書かれたものだと思いますが、そんな事件あったなーと記憶にあってもなくても十分読みごたえがあります。 我々は報道される事件内容しか知りえないけど、実は当事者のみが知る背景やもう一つのストーリーがそこにある。 なぜ犯罪に手を染めてしまったのか、犯人の心理描写もふくめ本当によく書かれているので、それぞれがおこした犯罪は決して許されるものではないけれど、なぜか少し犯人に同情してしまいます。ただ全体的に淡々と語られ、付箋や最後のどんでん返し等はありませんが、それでも十分楽しめます。 個人的には「百家楽餓鬼」が一番面白かったです。最後親友との飲み屋をあとにしたシーン、頭の中で映像化できちゃうぐらいリアルだったし、切なかったです。 あと、角田光代の「三面記事小説」がお好きな方は是非こちらも読んでみてください。 | ||||
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五編の小説が、それぞれ実際にあった事件を、どことなくモデルにしつつ、デフォルメ、深堀りを施して、人間の業のようなものに迫ります。ちょっとした偶然や、ちょっとした欲望の発火で、のっぴきならぬ事態に引きずり込まれていくそれぞれの人物が、愚かしくも切なく描かれていて、引込まれました。ただ、現実の事件を感じさせるということが、リアルな人物像として濃く立体的にすることに役立っているのか、かえって三流ルポのような陳腐さに堕してしまっているのか……難しいところです。 | ||||
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☆吉田修一 犯罪小説集 新聞の書評欄を読んで面白そう。タイトルは「人生の不可解な「真実」に迫る」。 犯罪に絡む不幸な人々が織り成す五つの物語~~。 ☆青田Y字路(あおたのわいじろ) ☆曼珠姫午睡(まんじゅひめごすい) ☆百家楽餓鬼(ばからがき) ☆万屋善次郎(よろずやぜんじろう) ☆白球白蛇伝(はっきゅうはくじゃでん) 読み始めると「曼珠姫午睡」以外知っているような事件ばかり。そのせいか読みやすい。 パッパッで即終了。いささか拍子抜けしちゃったよう。 書評読ませていただくと、もっと違うようなかんじがしたもんで。 吉田修一は初めて。それぞれの物語の終わり方に関しては秀逸だなぁと感じました。 これはこうだから、こうなった・・・結末までちゃんとお書きになるとルポ風に なってしまうのを避けるためなのか、余韻を残すというか、あとは自分で考えてね風に パタッと止めちゃう。こういう終わり方もあるんだよねって面白く感じました。 おかしかったのは「曼珠姫午睡」のマッサージ。こういうマッサージ師さんて現実に いるのかな。最後のさいご、ちゃんとやめる。よかったね。何となくほっとしました。 書評には何故か「曼珠姫午睡」のみ入ってませんでした。 事件のこと全く知らずに読んだら印象は違っていただろうなぁとはおもいます。 何かを踏み外す、その境界線のスレスレの怖さ、それは誰の身にも起きるかもしれない 生きていれば、起きないとは絶対に言えないだろう、そんな落とし穴みたいな心の闇を 自分自身のなかにも見たくないなと避けつつ見なければならないよと問われているような 小説でもありました。 | ||||
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すばらしく贅沢な小説集。 行間にあふれる豊穣とこのリアリティはどうだ。ため息がでるほど素晴らしい。 小説の巧さは、現役の小説家の中でも圧倒的。 16年度最高の小説集であることは疑いようがない。 掉尾を飾る「白球白蛇伝」は号泣もの。 吉田修一ファンならやはり愛蔵版で。 | ||||
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映画化もされ大ヒットとなった『怒り』が、 2007年 市橋達也のリンゼイさん殺人事件を元にしているように、 本書もそれぞれ元になっているであろう事件が時系列で配置されている。 「青田Y字路」2005栃木小1女児殺害事件 「曼珠姫午睡」2009首都圏連続不審死事件 「百家楽餓鬼」2011大王製紙事件 「万屋善次郎」2013山口連続殺人放火事件 「白球白蛇伝」2016清原和博覚せい剤取締法違反 意図的に改変している部分もあるものの、 ディティールを調べ込んだ事件に基づいての記述も多く、 軽くは読み飛ばせないような濃厚さがある。 しかし、当然ながら、個々の事件が独立した短編集なので、 3つの物語が混ざり合いながら重厚な不穏感を醸成していた 『怒り』と比べると、多少物足りなくも感じる。 | ||||
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吉田修一さんの著作を読むのは、「怒り」に続いて2作目です。本作も「怒り」同様、「ああ、あったなあ、こういう事件!」という感じで、実際に起こった事件をモチーフとしたような、5つの犯罪を描いた短編集です。(「犯罪小説集」というタイトルそのままです) 大会社の御曹司、プロ野球の1軍で活躍した元投手、名もない市井の人々。それぞれが、ほんのちょっとしたはずみから道を踏み外し、後戻りできないところまで堕ちて行く顛末が語られます。 ただ、「怒り」のようなミステリ的な要素はなく、なんというか犯罪のルポルタージュのような話ばかりなので、面白いことは面白いのですが、小説として物足りなさを感じるのは否めません。 | ||||
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まるで「怒り」の延長戦で、人間の心理的「逢魔が時」を 小分けにして書き連ねた短編集。 特別な収穫もない。特に第一話のオチのつけ方は失望した。 犯罪ものでも、「最後の息子」のような人間ドラマでもいいから もっと吉田修一らしい深みのある物語が読みたい。 次に期待します。 | ||||
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