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慈雨
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慈雨の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.53pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全150件 141~150 8/8ページ
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定年。この人生の大きな節目に誰しもこれまでの道程を振り返る。 神場の人生に自分の人生を重ねている。 ミステリーでありながら夫婦の物語、家族の物語、刑事、人間としての処し方など 多くのテーマが盛り込まれ、涙無くして読めませんでした。 読後カバーのイラストがなんと悲しくも優しく、心に染みてきました。 「慈雨」、八十八カ所巡り最後の結願寺を前にして神場夫婦を優しく潤している。 とても良い作品でした。 | ||||
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柚月裕子さんの最新長編 物語の主人公は42年の警察官人生を終え、定年退職した神場智則(じんば とものり) 妻である香代子とのお遍路の旅の途中で、幼女殺害事件の発生を知ります。 その手口が16年前に神場が担当した事件に酷似していた為 旅の間、部下であり娘の彼氏でもある緒方(おがた)を通して捜査に関わり始めます。 四国八十八ヶ所を巡礼しつつ、それと並行して幼女殺害事件発生から事件の解決へとストーリーが同時進行して行きます。 16年前事件に関わった際の後悔・そして罪悪感から逃れられない神場の胸中が 丁寧に細やかに描かれていて胸を打ちます。 正義感は元より、警察官である前に人として真摯な姿勢を持つ緒方の生き様も魅力でしたが 妻の香代子がとても素敵に描かれていました。 お遍路の旅の経験があれば、丁寧な風景描写でより楽しめる内容になっていますし その経験がなくてもミステリーとして、又人間ドラマとしても堪能出来る濃厚な1冊でした。 | ||||
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お遍路をきめ細かく取材し、物語の展開に絡ませてゆく作者の腕に感激。しかし、取材しずぎたのか、珍しく削り切れない部分も。自分の人生の選択が正かったのかー誰でも悩むテーマに取り組んだ作品。共感部分が沢山あり、退職期を迎えようとする方には必読の1冊。気が付いたらいつでも修正できる勇気を戴いた。 | ||||
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主人公の神場は、群馬県警を定年退職したばかりの元警察官です。退職を機に、四国八十八ヶ所札所巡りのお遍路に、妻と旅立ちます。お遍路の旅の話と並行して、高卒後警察に就職してからの彼の人生が語られます。派出所勤務を皮切りに、僻地の駐在所勤務、結婚、刑事への抜擢‥‥。 しかし、神場には警察官として大きな屈託がありました。16年前に起こった幼女誘拐殺人事件。容疑者として逮捕し、その後最高裁で結審し現在服役中の男が、冤罪だった可能性があった。そして、その可能性を組織ぐるみで隠蔽した‥‥。 その贖罪のためにお遍路に出たのですが、旅が始まってまもなく、地元の群馬で16年前と類似した手口の誘拐殺人事件が起こります。やはりあれは冤罪で、今度の犯人が真犯人なのか? 神場夫妻のお遍路の旅と、群馬県警の捜査が並行して進みます。 ミステリというよりも、どちらかと言えば人生ドラマといった内容で、テンポよくぐいぐい読ませます。 結論としては、16年前の犯人が冤罪だったのかどうか判明する前で、話は終わります。神場は、もしあれが冤罪なら、私財を擲って冤罪で受刑している男と今回の被害者の遺族に償いたいと妻に言いますが、そのあたりはちょっと???という感じです。受刑者がまったくの無実の人ならともかく、殺人はともかくその手の余罪がぞろぞろ出てくるような男で、どのみち実刑だろ?と思いますし、そんな男に元刑事が私財を擲つなんて単なる自己満足のような気がします。そのあたりが少々大袈裟で非現実的な気がしました。 | ||||
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主人公の心情描写がくどいです。 設定、ストーリー、会話全てがテレビのドラマ的で軽い印象 テーマの重さとは対照的に話の進行が平坦でたんたんと進みます 真犯人や真実に関してはあっけなく感じました とにかくくどいほど「刑事とは」の心情描写に付き合わされます | ||||
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とても美しい作品だった。 現代日本警察小説の旗手といえる作家さんだと思います | ||||
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どうも、主役の価値観が半世紀位ズレてる感じで楽しめなかった。今年定年退職した人でこれはないだろう、みたいな。 自分が直接の火の粉浴びなくなったタイミングで、次世代までも巻き込んでしまう性根が嫌だったらしい。 ついでに「ついていけ」じゃなくて「共に歩め」だと思うし、退職金その他私財の少なくとも半分は配偶者寄与分でしょうが。 実の親が付けた名前変えちゃう感覚も良く分からない。 「刑事の妻にはさせたくない」のは理解するが、それは自分の妻に言ってはいけないだろう。「お前はハズレくじを引いたが、お前にはハズレくじで充分だ」と言ってる様なもんだと気付け。とか。 自分なら、「いまのことは忘れてくれ」と言われたら「そんなご都合よくは行きません。謝罪は謝罪として受け入れますが、一生覚えています」と腹ン中で思う。 冤罪でも、「性犯罪の常習者」は隔離しとけよ、「それはこの場合どうでもいいよ」と、思うタチなのと、前述の細かい部分が引っかって、余り気持ちを入れられなかった。 個人的には、香代子キャラが気持ち良かったから読み通せたな、という感じでした。 | ||||
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”慈雨”とは、”万物を潤し育てる雨。恵みの雨”という意味だそうです。 定年退職した元刑事が自分を見つめなおすために、夫婦でお遍路をする。 事件を追い続けつつも、いぶし銀の刑事ひと筋の人生を振り返り、家庭を省みる。 そんななかで、15年前の事件に関して、決して消えることがない悔恨の情にさいなまれる。 現在の時間軸から、生い立ちから記憶をたどっていくシナリオで形成されています。 夫婦、親子、同僚との深い絆。 熟した味わいを出しています。 警官として忠実で、実直なキャラが映し出されていますが、全般に亘り、物悲しさが漂っています。 背負いものの重みを感じます。 ただ、事件を追う過程など警察OBが介在するといった所は現実的ではないと感じます。 家庭状況のくだりを含め、もう少し深くひねり、ドラマチックな展開を期待したかったです。 | ||||
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上記の方と同じように期待通りの作品でした。ラストでは涙を必死に堪えました。次回作を楽しみにお待ちしています。 | ||||
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柚月さんもいよいよこの領域に入る作家さんになりましたね。新作を読んで裏切られることがない。安心して物語世界へどっぷりと浸かることができる。警察官の真情と老年夫婦の慈愛をここまで深く彫り込むのはさすが。横山秀夫さんの警察小説よりもしみじみと心に染み込んでくる感じがします。2015年の『小説すばる』連載。 | ||||
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