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虎の首



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【この小説が収録されている参考書籍】
虎の首 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ1820)

虎の首の評価: 4.00/5点 レビュー 1件。 -ランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.00pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(4pt)

スーツケースに詰め込まれたバラバラ死体+『ユダの窓』型密室殺人

郊外のレドンナム村の駅で、次いでロンドンの駅で、切断
された女性の手足が詰められたスーツケースが発見された。
休暇から帰ったばかりのツイスト博士は、事件の話を聞いて、早速興味
を惹かれたのだが、いつの間にか博士自身のスーツケースの中に死体が……!
一方、事件の発端となったレドンナム村では、奇妙な連続盗難事件が発生し、さら
に、インド帰りの元軍人マグレガー少佐が、密室内で撲殺される事件が起きていた。
事件当時、少佐とともに密室の中にいて、同じように殴られ、重傷を負った男は、
少佐がインドから持ち帰った杖〈虎の首〉に宿る魔神の仕業だと証言するのだが……。
本作の「第一部」では、ツイスト博士と警察の捜査のパート「スーツケースの
殺人者を追って」と、レドンナム村の人々の様子を描いたパート「レドンナム
村の出来事」とが交互に語られていくカット・バックの構成が採られています。
本作では、「バラバラ殺人」、「連続盗難事件」、「密室殺人」という三つの
事件がどのように結びつくのか――が、眼目となりますが、前述したカット・
バックの構成を用いることで、ある事実について読者の誤認を誘うミスリード
をしているのが巧妙です(意図的な書き落としによる叙述トリックで、フェア)。
また、『ユダの窓』型の密室殺人は、動機だけで犯人が特定できてしまう
単純な代物ですが、これまた読者の目を真相から逸らすミスディレクション
として機能しているのが秀逸です。
ただ、事件の真相を究明したツイスト博士が、犯人に対して
行う、問題含みの“措置”には、賛否両論、あると思います。
▼付記
  登場人物表で、マグレガー少佐の甥の名前が、“ボビー・スター”と
  なっていますが、正しくは“ジム・マグレガー”です。ご注意ください。
虎の首 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ1820)Amazon書評・レビュー:虎の首 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ1820)より
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