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(短編集)
終末のフール
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終末のフールの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.59pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全203件 161~180 9/11ページ
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仙台市のマンションに住む8つの家庭のそれぞれの視点から世界の終末の様子が描かれ、一見内容に何のつながりがないように思える話だが、ところどころで他の家族との関連性を持たせているのがうまいと思った。また、タイトルも熟語にカタカタが付属し統一された形となっているが、ヨールについては夜をのばしているだけなので、ちょっとムリがあるように思った。8つの物語の中では「演劇のオール」が一番おもしろかった。終末騒動の混乱で一人ぼっちになってしまった人間に対し、演技をすることでつながりを持つことを考えた女性、そしてその女性が憧れる引退した俳優の発言がとても印象に残った。 | ||||
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伊坂幸太郎氏の著書として初めて手に取りましたが、傑作です! 小惑星衝突を3年後に控えて、という状況設定にはムリがあるかも しれませんが、だからこそ“人がなぜ生きるのかどう生きるのか” ということを不純物を排除して考えることが出来るのかと思います。 家族を持つ身だからこそ個人的にグッとくるものがあったかもしれ ませんが、小惑星衝突という背景に変に捉われずに読み進めること が出来ましたし、読後は心温まるものがありました。 著者の作品を次も次も読んでみたい!と思います。 | ||||
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8年後に小惑星が落ちて地球が滅亡すると発表された5年後の、 仙台の団地に住む人々のお話。 短編集なのですが、ひとつひとつが結びつきます。 発表当初は荒れまくっていた世界も、5年たって、少し落ち着いて。 両親が自殺したり、殺されたり、そして残された人たちが、 残り3年間という運命の中で、淡々と?生活している風景。 諦念が溢れている中で、どうにか生活を楽しくしようと。 なんていうか、あと、8年っていうのが微妙な長さだなと。 自分だったらどうするだろうなぁ。 荒れてる間は、ひたすら引きこもり、落ち着いたら・・・ 何をしましょう? やはり、生活するしかないわけで。 違う本で、「生まれたときに、死ぬことは運命付けられている」みたいなせりふがあったけど。 やはり、死ぬのはわかっていても、あと8年といわれたら・・・ 人間って弱いなぁ。 でも、この本、妙に明るいのですよ。 生々しさがなくて、一枚ガラスをとおして、世界を見ているような感じ。 神の目線なのかしら? | ||||
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伊坂さんの作品は「チルドレン」に続いて二作品目。 今回も面白い作品でした。 巨大隕石が3年後に落ちて人類は死滅する、そのときどう生きるか。 この舞台を8つの角度から描いています。 舞台は仙台のあるマンションながら、さまざまな葛藤や陰影をつけて描かれる8つの物語はとても読み応えがあり、楽しめる作品でした。 その8つの作品の中心にあったのが「許す」という言葉のように感じました。 自分を、人生のパートナーを、肉親の仇を、許すことができるのか。許せないのか。 どうなれば許せるのか。 許しなさいと作者はお説教じみた展開はしません。 さりげなく、あなたなら許せるのかとドラマを通じて問いかけてきます。 この舞台であなたは許せますか? また、あなたは自分自身を許せますか? あなたにとって「許せない」と握っている思い、出来事、人はいますか? そう問いかけてくる作品でした。 できればそんな思いを引きずったまま、末期のときを迎えたくない、ボクはそう思いました。。 | ||||
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この本を読んでしばらく落ち込んだ・・・。 話の中に、障がい児を持ったお父さんがいう台詞がある。 「小惑星が降ってきて、あと三年で終わるんだ。みんな一緒だ。そうだろ? そりゃ、怖いぜ。でも、俺たちの不安は消えた。俺たちはたぶん、リキと一緒に死ぬだろ。っつうかさ、みんな一緒だろ。そう思ったら、すげえ楽になったんだ。」 うちにも、障がいをもった子供がいる。 子供の将来への不安といったら、そら恐ろしいほどだ。 3年で世界が終わるなら、私もすごく楽になるだろう。 幸せとすら感じるだろう。 その家族がうらやましくて泣けた。 | ||||
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3年後に滅びる世界に生きる人々の一見淡々とした日常を描く。小惑星を爆破するヒーローも軌道をそらす未来技術もない文字通り死刑宣告をされた社会にあっても残された日々をそれぞれのやり方で生きようとする登場人物を見ると、逆説的ではあるが希望を感じた。考えてみれば、この世界は全世界的に不治の病で余命宣告を受けた状態なので、「難病に負けずに精一杯生きる」という内容の小説と同様の感動を得られるのかもしれないと思った。 | ||||
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SF的な設定ではあるけれども、 物語の時間を区切ることによって 生の意味を考えていこうという 不治の病モノと同じテクニック。 アイデアに斬新さはないが 絶望感の後の奇妙な静けさの中で それでも本源的な希望を失わない姿に 胸がほのかに温かくなる佳作。 | ||||
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3年後、小惑星が落ちてきて地球が滅亡する。 そんな報道があった時、人は残された日々をどのように過ごすのか。 犯罪が蔓延し、秩序は崩壊し混乱が続く中、仙台市の「ヒルズタウン」という団地の住人の生き様、8編が描かれています。 それぞれのお話が、他のお話とビミョウに控えめにつながりを持たせているところが面白かったです。 「終末のフール」、「太陽のシール」、「籠城のビール」あたりまではおもしろく読めましたが、終始テンションの低いお話に疲れてきてしまい、途中で飽きてしまいました。 | ||||
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ジャケットデザインが気に入って知らない演者のレコード、CDを買って失敗することがある。もちろんその逆もあるが。本書のデザインは国営TV局が特集を組むほどのカリスマデザイナーを使用しているにも関わらず、「ちょっと、何だよこれは?」という感じ。 作中の方舟からのイメージかどうかは不明だが、写真も題字の色もイマイチ感は否めない。 伊坂幸太郎の本じゃなければ全く人目を引かず売れそうもない。 内容も表紙のせいではないが、いつもの冴えがない。 半分まで読んで落ちそうになった。あまり力を入れて書いたとはどうしても思いたくなかった。力をいれてあれでは問題だ。 題材からすればもっと緊迫感がある内容を期待していたが見事に裏切られた。残念! | ||||
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小惑星が地球に向かっているという。 残された時間はあと三年。その三年をどう過ごすのか。 仙台のニュータウンに住む8組の家族の肖像。 きっと、大概の人はこう思っているはずだ。「余命が分かれば、楽なのに」 本当にそうなのだろうか。この小説はそのことに一石を投じている。 ここに書かれているように、社会は退廃するかもしれない 理性とか知性とか、欲望が暴走するかもしれない。 その可能性は極めて高い。 命の終わりと、世界の終わり。似ているようで、両者はかけ離れたものだということ。 平穏に生きることの強さや、最悪の環境の中で生まれてくる命。その必然と超然。 極限状況の愛情は我が儘であるが故に、真摯な響きを持つ。 人が生きていくために必要なものは?生きている理由は?存在の基礎は? 考えさせること多く、でもそれが、否定的ではないところが素晴らしい。 平凡の肯定。それを説得力を持って語っている。 さて、僕は終末を知ったとき、どうなるのだろうか。 | ||||
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まあ割りとよくあるネタといえばネタ。漫画とか小説で読んだことがある人も多いはずです。隕石が地球におちてくるのがわかって、それが「○年後」それを知らされた人たちはどうするか? と一言でいえばそんな話です。 絶望に走るのか? 残された時間を有意義に生きるか? 伊坂さん節で描かれたこの作品、テーマはありふれてますが、面白いですよ。 このテーマでかかれたものの中では一番よかったです。 | ||||
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全体的に底が浅い話ばかり・・ 人気作品というが、これがイイと感じてる人は、本当に面白い話を読んだ事が ないのだろうか・・。読み始めてすぐ白けた。描かれている人間に実在感が 感じられない。人生経験の浅いオタクが頭で考えて話としか受け取れない。 | ||||
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読み終わったとき泣き終わった後みたいな爽快感が残りました。もうすぐ死ぬとか後何年生きるとかそうゆう話なんだけれど、人が生きるのにそれは関係ないんじゃないかって思わされる気がしました。きれいな夕暮れみてたら悩みをその時は忘れてた。みたいな その繰り返しが結果生きる事なのかなって思いました。訳わかんないけど、そんな物語でした。お勧めは、太陽のシールです。これは私の想像する伊坂さんの作品て感じでした。読み終わったときに、あまりの幸せそうな3人の未来に胸が熱くなりました | ||||
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「死に物狂いで生きるのは、権利じゃなくて、義務だ」 「8年後に小惑星が衝突する」衝撃のニュースから5年。3年後に迫る人類滅亡の刻。死刑宣告をされた人々は日々をどう生きるのか。 絶望に駆られた人々が繰り広げる殺人や強盗、自殺などの場面を直接描くのではなく、また、某映画のようにそれに立ち向かう人類、という視点でもない。むしろ、それらが収まった後の今とさして変わらない日常のちょっとしたエピソードを描いているのが非常に伊坂らしい(村上龍なら間違いなく、凄惨な殺しあいの世界を描いていることでしょう。小松左京なら、小惑星衝突の場面か?)。 絶望的なお話のはずなのに、いつもの伊坂節も健在。ウィットに富んだ軽妙な会話や、各話が独立しているようで、重層的に繋がっている点などは、伊坂の他の作品と同様だ。 人はいつか死ぬ。なのに、何のために生きるのか。これは僕たち一人一人の問題でもある。深刻になりすぎずに、むしろ陽気に重大な問いを僕たちに投げつける作品。 伊坂ファンにはもちろん、はじめての方にもおすすめする。なお、各話のタイトルが楽しい。「天体のヨール」は無理しすぎで、笑えます。 | ||||
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三年後、この世界はやがて小惑星の衝突によって消滅する――。 その時、あなたなら何をしますか――? 終焉を迎える地球に残された人間達のヒューマンドラマ。 私的には『家族』というテーマが強く出ていたように感じる。 強い感動があるわけではないが、それでも読み終わった後に残る読了感とほんのりと残る寂しさと優しさが癖になる一冊だ。 決別していた家族のエピソード。 終焉を三年後に控えた世界を前に、子供の命の選択を迫られる男。 最期の世界で素敵な恋を夢見る少女。 伊坂幸太郎先生の世界は、激しい情熱を感じないが、だが静かに秘められた熱い想いが小説の中に眠っている。涙が溢れる程出てくる感動悲話でも無い、頭をふる回転して解くような特別な謎掛けがある訳でも無い。けれど彼の小説がこれほどまで人気を呼ぶのは、恐らく登場人物達の個性の強さと、その人たちの間に存在するドラマがしつこくもないのに濃厚で、心を惹きつけられる。(無論、伊坂幸太郎先生の魅力はそれだけでは収まらないが/笑)今回はその一様が色濃く出た作品に思える。 ふとした時に手を伸ばしてもらいたい一品です。 そして読み終わった後、存分に家族と仲良くしていただきたいと思います(笑) | ||||
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3年後に地球に隕石が落下して地球が滅亡してしまうかもしれないという設定。 こういうif物はリアリティに欠けすぎて面白みのない物になってしまうケースが多いのですが、そこはやっぱり伊坂幸太郎。本当にあってもおかしくない様な現実味をもたせて納得行く内容に仕上がっています。 発狂する者、絶望する物がいる中でこの小説の主人公達は(全員ではない)どうやら生きることを選んだ様だ。例え明日死ぬことになったとしてもどぶくさく、しぶとく生きることを。 この小説のテーマは次の一文に集約されている様に感じる。 「明日死ぬとしても生き方が変わるんですか?」 やはり伊坂作品は面白い。 | ||||
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私は、ほとんどの伊坂さんの作品を読んでいますが、この作品は、題材が終末という事もあって、いつもの作品よりも、ちょっと重く淡々とした時間の経過を感じました。 とはいえ、8つの物語の構成からなり、登場人物が要所要所で交差している事、 伏線の張り方は、伊坂さんならではと思いましたが。 終末を迎える時に人は本当にどう動くのでしょうか。 | ||||
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終末をテーマにした娯楽作品と聞けば、スケールの大きなパニックムービーのようなものを思い浮かべるかも知れません。 しかしこの「終末のフール」では、パニックからくる暴動は「あの頃は本当に酷かったね」という思い出話に過ぎず、出てくる登場人物たちは普通の人々であり、そして終末は3年後という設定です。つまりは娯楽作品としての”大きな見せ場”になりそうなシーンを意図的に描こうとしておらず、それによりSF設定でありながら、娯楽超大作と言うよりスケールの小さな文学といった作品になっています。 ですから”平板で特に何か事件が起こるわけでもない話”が苦手の人は、例え伊坂氏のファンであろうとも読まない方が無難でしょう。 非日常の日常とでも言うべきほのぼのとした話が多い連作短編なのですが、物語中「8年も前から小惑星との衝突を予測することは不可能のはず」ということが確定した情報としてではないながらも言及されるあたりは、伊坂氏の毒が一刺しと言うところ。 大勢の人が死んだ暴動の原因が単なるデマだったというのであれば、生き残った人たちは世の中のバカバカしさを呪いながら、長々とした余生を生きていかねばならないのですから。 この”情報を鵜呑みにする大衆の恐怖”というのは先行作品「魔王」のメインテーマでもあり、魔王の主人公・安藤が感じた危惧をより具体的且つ極端に示せば、終末のフールのような世界になるのかも知れません。 とは言えこのお話の雰囲気は魔王には程遠く、むしろ”死を悟っても坦々と日常を送る人”という共通点から言っても「死神の精度」のラスト「死神vs老女」に近いものです。ああいったほのぼのして爽やかな作品が好きならどうぞ。 | ||||
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5年後に地球が消えるという報道が流されてから2年後の世界を描いた作品。 この説明がないと、大きな誤解を招くと思う。 大混乱が起きて、一通り収まったあとの世界の話。 舞台は仙台。書き方は、各々の登場人物が章を分けて主人公として描かれる。 死に対して、準備することが良いことなのかはわからない。 この作品では、そこまで書き込めていない。伊坂作品なのに、みんな読める本。 パズルが解き合わさった爽快感はあるものの、魔王のような強烈な意識は感じられない。 ガス抜きの意味で書いたのだろうか。 相変わらず、登場人物のセリフの言い回しは、爽快で軽快。 | ||||
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ミステリーでは無いので、この作品にスリルを求めるのは、路線バスに乗って疾走感を求めるくらい詮無いことなのだが、それにしても、作者のいつもの警句と云うか諧謔の鋭さが従来の作品に比べて感じられなかった。これも重篤な患者が死を目の前としたときの小康状態のような世界を描こうとしたための意図だったのだろうか。 クオリティの高い作品を世に送り出している作者だけに、今回はちょっと辛口の評価でした。 | ||||
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