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(短編集)
終末のフール
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終末のフールの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.59pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全127件 1~20 1/7ページ
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チェ・ゲバラの名言「明日死ぬとしたら、生き方が変わるのか?あなたの今の生き方は、どれくらい生きるつもりの生き方なのか」。 てっきりオリジナルのセリフと思ったらゲバラの言葉だった。 井坂さん自体も別の本のインタビューの中で引用だと答えています。 | ||||
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「あと三年で地球に小惑星が衝突して、この世界は終わっちゃうよ」て状況に直面した、同じマンションに住む人たちの八つのエピソードを収めた連作短編集。 「ああ、これはあの話に出てきた人だな」とか、「そうか。あの人の名字は●●ていうんだな」とか、読み進めていくなかで見えてくる登場人物たちの繋がり具合が面白かったです。 心に沁みる言葉がいくつかあったんだけど、なかでも、生まれながらの難病を抱えた息子を持つ父親が《「人生ってのはいろいろあるもんだよな」》集英社文庫 p.79 て言うところと、暴漢に襲われた父親が息子に《『頑張って、とにかく、生きろ』》p.359 て言うところは、胸にずんと来ましたね。しびれました。 収録された八つの話のなかでは、「太陽のシール」と「冬眠のガール」が良かったな。 殊に、「冬眠のガール」の主人公・田口美智(たぐち みち)のキャラは、同じ著者の名作『砂漠』に出てくる〈南(みなみ)〉と通じる雰囲気があって、いいなあ思いました。 | ||||
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7年後に人類が滅亡すると分かっていても、ひたすら読書に励み、4年かけて2~3千冊の蔵書を読破した冬眠ガールの話は、その4年の読書の過程をもっと見たかったのだけど、ほとんどが読書後の話になってしまっていたのは残念だった。 ただその残念な思いは、人類の滅亡に関係なくひたすら日々のトレーニングに励むキックボクサーの話でひとまずは昇華される。でもやっぱり読書に没頭する話が読みたかったという気はする。 小説としては、完璧に回収される伏線、各話で細部がつながる抜かりない設定、など熟練のプロの技巧が存分に発揮された作品という趣きで楽しめるのだが、登場人物がいまいち魅力的ではないように感じた。特に第1話の悪態つきまくりの毒親的な男性は読んでいて気分が悪くなる。簡単には許さないどころか、相当の償いをしないといけないのではと思う。 | ||||
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『明日死ぬとしたら、あなたならどうしますか。』 これほどに陳腐で、使い古され、なおかつ備えられていない問いがあろうか。 あらゆる生物は始まりと終わりを持ち、成長するに従いその終わりを意識し始める。 でも、『さしあたり』この問いは保留されたまま。 ・・・ 本作『終末のフール』は、8年後に惑星が地球に衝突し、それが不可避で、とどのつまり大多数の人間が遠くない将来に絶命するというSF・ディストピア的設定。そして死が万人に意識され、騒擾がひとくさりあり、その後の小康を得たころの人々の有様を描いています。 ・・・ 惑星衝突を5年後に控えた仙台のとある住宅地という共通の設定。表題作「終末のフール」はじめ「太陽のシール」「籠城のビール」「冬眠のガール」「鋼鉄のウール」「天体のヨール」「演劇のオール」「深海のポール」の計8作の短編からなる。 ・・・ 今回、サスペンス・スリラーものではない作品として書き始めたそうですが、伊坂氏独特の人物の連関が随所に見られます。 従前は異なる作品で同一人物が登場したりしていましたね。 本作では短編間で同一人物が行き来します。「終末のフール」で登場するビデオ屋の渡部は「深海のポール」では主人公ですし、そのほかにも渡部氏は登場します。 むしろ、この仙台の団地「ヒルズタウン」を各主人公の視点で切り取った、というべきか。その点では8編で8様の終末物語が描かれているといっても良いかもしれません。 ・・ そして、これもまた伊坂作品でつと言われる「健全な倫理観」のようなものがベースに作品が構築されている気がします。 今回でいえば「生きること、それだけで正しい。生き抜くことは義務」とでも言った生命観。特に最後の短編「深海のポール」で、主人公渡部とサッカー仲間の工藤との間で交わされるセリフが胸を突きます。 「渡部の親父さんの言葉は鋭いよ。『光あるうち光の中を歩め』っていう小説があるだろ。あれを真似れば『生きる意味がある限り、生きろ』ってことだ」 「どういうことですか」 「死に物狂いで生きるのは権利ではなく、義務」 ・・・ 人は、とかく、物事に対して意味を求めがちです。生きることにも当然意味を見出したくなります。意味はあると言えばあるし、無いと言えば無い。人によって、宗教によって、異なることもあるでしょう。神の命のもと生かされていると思う人もいるでしょう。あるいは、リチャード・ドーキンスよろしく、個体の生命なぞ所詮、種と遺伝子の「のりもの」で、個々人の人生に意味などないとシニカルになることもあるでしょう。 多元的な考えが認められるからこそ、この「とにかく生きる」というシンプルなメッセージの基礎づけが重く沁みます。 もちろん、それでも答えを欲しがるのは若者にありがちな話です。自分の生きる意味なんてあるのか、どうせ死んでしまうのに一生懸命頑張って何になるのか。とか。 私も自分の父親に真剣に問うたことがありました。確か大学なんて通っても意味がないとやめようとしていたんだと思います。あまり覚えていませんが。 あれから30年ほどたちます。いまだに生きる意味なんて分からんし、生きる目的や好きなことだってどんどん変わるものだと感じています。むしろ若い時に確信してる方がちょっと嘘っぽくね、くらいにすら思います。 ・・・ ということで非スリラー系伊坂作品でした。 誤解を恐れずに言えば、「生きる」原理主義とでもいった倫理観の通底する、ディストピア作品?でありました。 そうした点でいうと、思想系の好きなかた、議論好きなかた等には楽しんで読んでいただけると思います。倫理のディスカッションのネタとしても面白く読めると思います。 | ||||
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伏線が終盤で次々と回収されていく、いつもの伊坂作品という感じでした。伊坂作品ではぶっきらぼうな人間とひょうひょうとした人間がよく出てきますが、彼らが特に面白いんだよなぁと読みながら思っていました。 | ||||
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8年後、確実に人生が終わるとわかった人々の、行動を描いた連作集。人も沢山死ぬし、パニックに陥った人々の暴走もあったが、不思議と落ち着いた世界で、ラスト3年を迎えた人々の、生き様を描くと言う趣向。 哲学的な重い内容にも出来そうだが、淡々とした語りで、作者らしい軽妙なエンタメ作。重いテーマを抱えていても、深入りはさけ、読み易い。 人生の意味について、そこそこ考えさせるものもあり、そこそこ楽しめた。あり得ない設定だけど、登場人物の行動に、不思議とリアリティも感じられた。作者としては、平均的な出来ではなかろうか。 | ||||
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人生に絶望したときに読む本。救われる。 | ||||
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さすが伊坂幸太郎と言った感じの何とも言えない人の面白さ温かさが伝わる自分の人生とは何なのかと考えさせられる作品でした。 | ||||
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すごく面白いです。 | ||||
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商品も評価通りだと思います。良かったです。 | ||||
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期待通り最高です! | ||||
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『砂漠』や『重力ピエロ』の後に読むと、伊坂作品のなかでも異色な作品に見えると思う。突飛な性格のキャラはいないし、ストーリー展開もスタンダード一色。 従来の伊坂幸太郎さん節を楽しむより、素直なオムニバス短編集として味わうのが最も良いだろう。 「8年後に世界が滅ぶ」と知らされてから3年後の世界を舞台とした短編集。この段階でなかなか引き込んでくる設定なのだが、中身を見てみるとさらに深みにハマっていく。 詳しいストーリー解説はさておくとして、概説を一つ。 全体的なムードは共通していて、「明るいが、むなしい」という雰囲気が一貫して漂っている。作中の登場人物はほとんどが世界の滅亡を甘んじて受け入れていて、良く言えば大人びている。悪く言えば、枯れている。 その枯れ具合が絶妙なスパイスとなり、日常生活に思い思いの色を重ねてくれる。この雰囲気こそ、引き込まれる最大の要因であろう。 ……レビューを書いているうちに気づいたが、良さを伝えるのがなかなか難しい作品だ。五段階で評価が分かれているのもうなずける。 しかし一編およそ50ページ、読みやすさは疑いようもない。一度手に取って、なんとも言えない良さを体感してみてはいかがだろう。 | ||||
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もしも小惑星が地球に衝突したら。。。 もしかしてあるかもしれない終末の社会が描かれてます。 どう死ぬかよりも、今を逞しく生きるべきと思える一冊です。 | ||||
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伊坂幸太郎の小説を読むのは数年ぶり、高校の朝読書以来か。ゴールデンスランバーとか、死神の精度とか読んだ覚えがある。死神の精度は、同じ世界の話で短編がつながるみたいな構成で、この小説も数年後に終わりが訪れる仙台の街の物語で、読んだことあるような、そんな錯覚に襲われた。 伊坂さんの小説って、なんか伊坂さんが伝えたい、想っていることと、言葉遊びを物語にうまく取り入れていて、書いていて楽しいだろうなぁと思った。章ごとの題名も、ハライチじゃないけど、韻を踏んでる。(というかこの小説はハライチが出てくる前か?)それでも天体のヨールはちょっと無理あるとは思うが笑 朝井リョウのあとに伊坂幸太郎を読むと、ウラがあんまりないので、きっと伊坂さんは良いひとなんだろうな、と思う。でも、読んで面白いのは朝井リョウの方だったりする。朝井リョウを読み続けるのはしんどいから、伊坂でサンドイッチしたのは正解であった。 以下小説の感想など。 私たちは、どうしても先のこと、遠い未来のことを考えて今を犠牲にしがちである。 いい大学に入るために小学校のうちから勉強漬けになっていたり、就職してすぐに、老後の年金の積み立てを始めたり、といった具合である。それは決して悪いことではない。でもどこか違和感を感じてしまう。 しかし、数年後に世界が終わるとしたら?いつかっていつだ?明日死ぬとして、生き方は変わるんですか?あなたの生き方は、あとどのくらい生きるつもりの生き方なんですか? そんな質問を、読者に問いかける。毎日、明日死ぬつもりで生きていたらそれはそれでしんどいが、いつかの先のために今を犠牲にするのも違うんじゃないかなと思う。明日死ぬとして、今やりたいことは何か?そんなことを考えてみるのも、自分が進みたい方向を見つける一つの方法なんじゃないかなと思った。 | ||||
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伊原幸太郎さんが地球に小惑星が衝突し滅亡する運命を予告された三年前の今を生きる人々の気持ちの持ち様、心の在り様を描いた人生物語8編の連作短編集。本書はSFパニック小説みたいに小惑星の軌道を変えて人類滅亡を回避するといった物語ではなく衝突はほぼ不可避の事実として描かれますが、でも必ずしも100%決定的ではなく僅かに覆る可能性も残していますから著者の死神シリーズより若干は希望の余地がありますね。伊坂さんは悲しみや恐怖心の中にもとぼけた冗談や笑いを織り交ぜて冷静な自分である事の大切さを説かれているのでしょうね。 伊坂さんは芯の部分ではごく真面目ではあってもそれをやたら深刻調にしたり教訓的にしたりせずにさらりと軽快に描かれる所が人気の秘密なのだと思いますね。そういえば伊坂さんのキャラにはプライドの高い人間はまずいなくて気さくな一般人か飛び切りの変わり者が多いですね。そして8編全てに過去に何らかの事情で亡くなった方が出て来ますが幸いに生き残った人々は少なくとも3年後まではどうにか頑張れそうな運命が暗示されていますね。但し「天体のヨール」の主人公は不吉なラストですが私は再び冒頭に戻ってぐるぐる回る話であれと願いますね。 | ||||
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終末世界が確定した後の、沈静化した世界を描く小説。 読んだ後には、自分の終末を想起しました。 | ||||
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本書で最も心に響いたセリフがある。 「明日死ぬとしたら、生き方が変わるんですか?あなたの今の生き方は、どれくらい生きるつもりの生き方なんですか?」 これは自身を振り返り、ズシリと重い言葉だ。 まさか自分が明日死ぬと思って生きている人は数少ないだろう。 じゃあ明日死ぬとわかったら今何をする? 死ぬ前にしておくことが決まったとして、明日死なないとしたら、じゃあそれはいつする? 結局したいことをしないまま死んでしまうのではないのか? そこで思った。 何十年といった単位ではなく、たとえば10年後というある程度リアルに想像できる単位の期間で自分が死ぬと仮定して、そこを目指して今の生き方を想定する。 これが今の私の生き方だ。 と人に聞かれたら答えよう、と本書を読んで思った。 私は本書、結構好きだ。 | ||||
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初めて読んだときは、2011年3月。 東日本大震災が、生きることの確かさを揺るがしていた。 東京の日常に、テレビの映像や節電といった形で、非日常が混ざり混んでいた。 小説の舞台は、終末を告げられパニック状態となり、その後、小康状態を取り戻した世界。 そこには日常でありながら、そこはかとない非日常が漂う。 小説の日常と非日常が、現実の日常と非日常と、渾然一体となり、 私の生活を揺るがしていたのを良く覚えている。 私の生活が決して日常のみで構成されているのではなく、 非日常がそこかしこに忍んでいることを思い出したい時に、読む一冊。 | ||||
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そういえばね、最近小説を読んでね。(岩井) 何読んだんすか?(澤部) 終末のフール(岩井) 週末のフール?週末にHulu!ってね、何見ようかってね、家族で楽しい週末をなんてね。(澤部) 太陽のシール(岩井) 眩しい!なにあれ?えっ、太陽のシール?誰が貼ったの太陽のシール!眩しくて目が開けられないし、そもそも眩しくてシールはずせないじゃん。(澤部) 籠城のビール(岩井) 籠城しててもビールはうまいよねぇ。枝豆無いの?枝豆にビール、これが最高だよねぇ。(澤部) 冬眠のガール(岩井) 冬眠するから、私冬眠するから!春になるまで起こさないでね。桜きれいに咲いたら起こしてね。絶対だよ!(澤部) 鋼鉄のウール(岩井) 硬い。何この鋼鉄のウール!硬い…硬いよ…鋼鉄だから硬いよ…(澤部) 天体のヨール(岩井) 天体観測するの?いつ?夜?天体観測、夜に見るの?そっかまさに天体のヨールだね。(澤部) 演劇のオール(岩井) 演劇部恒例のイベントね、一年に一度、とうとうこの日が来たわね。演劇を一晩中やり通す!これが演劇のオール!(澤部) 深海のポール(岩井) 海深くまで来てしまった…果たしてあいつはいるのか…おーいポール!深海のポールやーい!(澤部) エンドロール(岩井) 原作、伊坂幸太郎。主演、なし!(澤部) 仲村トオル(岩井) もう関係なくなっちゃった。何仲村トオルって、途中から関係なくなってきてるじゃん、ってこれ全部各章のタイトルじゃん!ってな訳で、終末のフールおすすめだよー!(エンドロールはタイトルにございません) | ||||
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新鮮で初々しい気持ちで読み進めることができました。切なさ、やるせなさなどの感情を実感しました。 | ||||
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