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(短編集)
終末のフール
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終末のフールの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.59pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全203件 181~200 10/11ページ
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小説やエッセイなど、 最近色々読み始めたばかりの僕ですが、 この作品は非常に読みやすかったです。 ストーリーも絶望的でいて、なにか温かい感じで とても好感がもてます。 ひとつの出来事にそれぞれの想いを廻らす主人公達。 続きが気になって一気に読んでしまいました。 読み終えた後、とても温かい気持ちになりました。 ゲームの「街」を思い出したりもしました。 「あまり小説を読んだことがないけど、 なにか読みやすい本はないかな?」 という方に是非おススメいたします。 | ||||
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三年後に地球が消滅する(本当はちょっとニュアンスが違うのですが)!という状況のもと蠢く人間達を描いた連作短編集。 本当に伊坂作品を読む度に思ってしまうのですが、展開が尋常ではありません。作中人物が「あと・・年ねぇ」とつぶやく場面があり、病気なのかななどと思ってみるのですが、まさか地球が消滅するとは…。 収められた8作品の主人公にはある共通点があり、少しずつ、ほんの少しずつ、交錯しています。 娘と絶縁状態にある父親、一家心中から一人取り残された女性、妻の妊娠に驚く男性などの登場人物達全員に等しく残された時間のなかで、皆それぞれ精一杯生きています。限られた時間の中、ある者は必死に、ある者はおだやかに、暮らしています。 自分ならどんな風に過ごしていくのかな、などと私自身の残された人生についてちょっと考えてしまいました。 | ||||
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2006年度の「本屋大賞」、上位に食い込んだ連作短編集。 仙台の郊外にある住宅街、とある一つのマンションに暮らす人々を通じて8つの エピソードが重層的につづられる。 小説すばるに3ヶ月ごとに連載された作品で、小説内の時系列も章ごとに3ヶ月ずつ 前進し、破滅の日へと向かっていく。 小惑星落下によるカタストロフ前夜、という設定は荒唐無稽でハリウッド映画的だが、 そこに描かれるのは非常に淡々とした日常の延長だ。 まあ、現実の世界だって、今夜にも滅んでしまうかもしれない危うさをはらんでいるわけで、 ここにさりげなく描かれる狂気と殺戮、無慈悲さえもすべて現実の延長線上だけれど。 たくさん登場するキャラクターのいずれもが生気にあふれ、なかでも女性キャラクターは かつさばさばとしているのが印象的だ。 それがまた、この寂寞とした世界観の中で爽やかさを醸している。 各短編のタイトルが「終末のフール」「篭城のビール」「演劇のオール」「天体のヨール」… などと韻を踏んでいて、それぞれ本編中でタイトルのヒントが語られる。 ちょっと苦しげなものもあるのだが、それもまた面白く、作者の遊び心を感じさせる。 | ||||
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伊坂幸太郎さんの作品は、洗練された文体や幾重にも重ねられた物語の構成が目を引きますが、常に感じるのは物語の底辺に流れる暴力(そして悪意)の影です。この作品でも隕石による地球滅亡よりも、それによって引き起こされる人間の愚かさ、残酷さのほうがリアリティを感じさせます。そしてそんな世界の中でさえ、ポジティブに生きて行こうとする登場人物達の姿勢が心を打つのではないでしょうか。さらりとした物語のように思えますが、実に奥深い作品だと思います。 | ||||
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人生。病気で、寿命が決まっているわけではない。 至って健康だ。 しかし、3年後には地球は小惑星により終わりを告げる。 その3年間をわれわれはどのように過ごすだろうか? 最近、「日本沈没」という映画が放映された。 だから、一度は誰もが最後に何をしたいか?は考えた事があると思う。 この小説の場合は、3年ある。 家族と一緒においしいものを食べたり、友達と遊んだり・・・。 あるいは、もう将来等どうでもよくなって自暴自棄になるかもしれない。 3年あれば、様々なドラマが生まれるはず。それも急速に。 人は寿命が決められると精一杯、その時間を有意義に使おうとする。 自分のしたい事、しなければいけない事を成し遂げようとする。 その様々なドラマを小説として、紹介している。 世界が終わりが3年と決まってない、普段の生活の大切さが 身に染みてわかった気がする。 | ||||
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あと3年で世界が終わるなら、 自分なら何をするだろう・・・??? 読者はそう考えずにはいられない。 仙台市のあるマンションに生き残っている人たち それぞれが選んだ生き方を描きつつ、 伊坂幸太郎お得意の巧みなリンクで各章がうまく繋がっています。 私達は自分の死期を知らないから、 日常をなんとなく生きていられるのかもしれない。 しかし、世界に終わりは来なくても 自分の命には必ず終わりは訪れる。 それをしっかりと意識したら、 今よりは充実した、後悔のない、 素敵な人生が送れるのかもしれないなぁ。 8つのお話を読んで、 もし自分がこの境遇に置かれたなら 「演劇のオール」みたいな最後を送りたいと思いました。 | ||||
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たとえば、地球は後8年で消滅しないかもしれない。若くして子供を生んでもその子の成長をみずに死んでいくのかもしれない。私達にとっていつだって、人生そのものに期限があるということ。一番好きな人の側にいたいと思うのは、本当はこの世の中で一番大切な事なのに、忘れてしまうのです。 | ||||
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小惑星との衝突による終末が予告された世界で生きる人達の、9つの物語。 各々の物語は巧みにリンクし、全体で大きな風景を描き出している。 極限状態で前向きな物語を紡ぎだす著者は、自らの資質に挑戦しているかのようだ。 世界全体の終わりでなくても誰にも死という終末はやってくる。 終わりを前にどのように充実した生をおくるか、また大事な人を亡くしたことにどう折り合いをつけて生きていくか。深く考えさせられ、また勇気付けられる。 著者の本を読んでみたいという人に、最初の一冊として自信を持ってお勧めできる傑作。 | ||||
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前から読んでみたかった作者の一人。 「世界滅亡まであと8年」を伝えられて、混乱の5年を過ぎ、 自殺、他殺、暴動、何でもありの時期を乗り越えた人たちが 束の間の平穏の中、残り3年をどう生きるか語っている。 舞台は仙台のとある街。 P.300に8篇、それぞれの登場人物で語られるのでサクサク読める。 みんなご近所で少しづつ次の話にも登場する。 噂話や会話の中や、行き先に… 設定はハリウッド映画の突飛な感じそのものだが、 リミットのある世界で如何に生きるかが面白いと思った。 だらだら続く世の中ではしないだろう事、有り得ないことが身近になる。 今までのお金とかの価値観も変わってしまう。 将来と言う発想のない中で自分を全うするにはどうするか考えてみたりした。 | ||||
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いい作品ですね。仙台土着作家ってのが、いい味になってるのかも。 あなたの人生での優先順位一位は何ですか? 最後に一緒にいたい人は、誰ですか? そういうテーマが、はっきりしていて良かった。 自分が幸せに生きてることを、再確認できた。 鋼鉄のウールがいいですね。 ストイックなのには、あこがれるんだなあ。 | ||||
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伊坂幸太郎お得意の伏線を使った繋がりが無いせいか、物足りなく感じた。 レビューのタイトルは読み終えたときの感想。 伊坂氏の特徴として、初めにどこにどうやって絡んで来るのかがわからない部分があり、それが最後になって「あぁ、ここで最初のアレが繋がるのね」と読者が納得するような書き方をする、ということが挙げられると思う。 この本ではそういった「納得感」が薄かったような気がする(あると言えばあるけども)。 短編でさえ(例:透明ポ−ラーベア)そういった書き方をしていたのに、この本では何故しなかったのだろう? 期待をしていただけに少し拍子抜けしてしまった。 | ||||
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あと3年の人生。その先がない。 これまで味わったことがない絶望によって人類は試される。 8年後に小惑星が地球にぶつかると報道されると、 世は乱れ、暴力が幅を利かせるようになった。 必ず死ぬと判ってしまった人生はむなしい。だから、 したいようにする人間が現れることは、当然の流れなのかもしれない。 しかし5年が経ったころ、平安な時が流れ始める。 ここはちょっと乱暴だが、「みんな飽きたんだ」と説明されている。 暴れることに飽きた、馬鹿らしくなった、と。 そして、何はともあれ小康状態が訪れて、 表題を裏切らず、世界の「終末」を舞台としたお話が始まる。 ここに登場する人物は皆、生きることに真剣に向かい合っている。 赤ちゃんを産むかどうかで悩む男性、ボーイフレンドを探す女の子。 3年以降に馳せた想いがすべて無駄になるとしても、 人は日々を精一杯生き、前を向いて進むしかない。 この設定どおりの状況に陥ったら自分はどう行動するだろうか、 おそらく読者はそう考えずにはいられなくなる。 暴動に加わるか、座して死を待つか、 もしくは登場人物のように一生懸命あがいて生きるのだろうか? 残酷な設定と、人間の強さと脆さ、そして読者に残す無言の問。 本作の魅力はそのあたりにある。 | ||||
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伊坂幸太郎って、仙人になろうとしているのか? いろんな人間を、「あとちょっとで地球壊滅」なんて極限状態に泳がせて、眺めてる感じ。 上からな。上から。 嫌な意味でなくて、ずっと上方から登場人物たちの生活を眺めてるような感じで読み終えた。 自分だったら・・・・ | ||||
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毎日の平凡な生活があと何年か後には失われてしまう。終わりが見えて いる人生。自暴自棄になる人、耐え切れずに自ら死を選ぶ人、他人を 襲う人。架空の物語なのだけれど、読んでいて背筋がぞくっとなった。 人類最期のときまで、いったい何をすべきなのか?いつもの日常が 断ち切られるなんて想像もできないけれど、実際にこういうことが 起こったら、私も耐えられなくなるかもしれない。この絶望的な状況の 中でいつもの生活を送ろうとする人が、とても強く見える。確実な 未来なんてない。そのことに気づかされるこの作品が、とても重く 感じた。 | ||||
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全世界に「あと8年の寿命」と報道があってからの8つの物語。内容としてはそれぞれの話が裏設定程度にリンクしていて家族の話が多いですが、恋人探しだったり、まったく変わらないボクシングジムの先輩と会長だったりとそれなりに飽きずに読めました。また、死が決まっている人間のとる行動がその人間性によって様々に分かれてくる部分がしっかりと書かれていてよかったです。自暴自棄になる者や奇跡を願う者、家族ごっこを始める者、死を受け入れ人類最後の死人になろうとする者。人間とは不思議な存在です。死が訪れることは早いか遅いかの違いしかないのに、その状況・状態で悪い方向にも良い方向にも自身で持っていくのです。地球上にそのような存在は人間だけだと言えるでしょう。だからこそ多くの思いや願いが存在するのだと思います。死が訪れる瞬間私たちは何を思い、願うのでしょうか。この本を読みながら考えてみるのも一興だと思います。 | ||||
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伊坂幸太郎の最近のパターンでもある、短編が連なり、8家族から残り3年の人々が浮かびあがる。 伊坂幸太郎は、人間が弱くて、ずるくて、みっともないことを、逃げも隠れもせず、この作品でゆっくり呈示してくる。 どんなに惨めでも、カッコ悪くても、恐くても、生きるしかない。 私達が1日を大切に生きようとしないとき、流れたしまった時間の尊さを、伊坂幸太郎は覚えているような感じだ。 余命3年の状況でも、進むべき生き方は、今でも同じだと語られている気になる。 <あきらめるな>静かな闘志が、心を揺り動かす。 | ||||
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今回の物語は 3年後に小惑星が地球にぶつかり、世界が終わる... そしてそれまでを誰とどう過ごすのか?仙台のヒルズタウンという マンションに住む人々を中心に描かれている短編集。 正直に言うと、伊坂氏の今までの小説の中で一番、読み終わるのに 時間を要した本です。それはどういうことなのか? 短編集ということも理由になるのでしょうが、 「次が読みたいわくわく感」が感じられず、 ページをめくる手が進まなかったということです。 良くも悪くも優等生的な作品に感じられました。 平均点以上は確実に取っているけれど面白みに欠けていて 個人的にはあまり楽しめませんでした。 どうせならもっと現実離れしたものにしてほしかったなあ...。 エラソーな事を言わせてもらえば これで直木賞はとって欲しくないです。 なんかもっとこう、パンチの効いた疾走感のある伊坂ワールドが読みたいのです。 次回作に期待します! | ||||
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ヨカッタ。 「生きる」ってことがこの作者のライフテーマなんだろうなと。 作品を振りかえってみると全部「生きる」って話なのに驚いた。 テーマとしてはごくごくありふれたもので、 この時代にそういう青臭いメッセージはどうかとも思うけど、 この作者の場合、単なる楽観主義でもなく、シニシズムでもなく、 残酷さをもって静かに書ききってしまうところがすごい。そして面白い。 だから許せる。 気になったのは各章のタイトル。 天体のヨールはどうなんだと思う。 でも、お話としては一番好き。 だから許せる。 あと、登場する女性がみな度量が大きいというか ちょっと現実離れしてる感じはした。 でもみんな斉藤和義のいくつかの曲に出てきそうな感じで魅力的。 だから許せる。 | ||||
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伊坂氏の得意路線の連作集。 今回は「滅亡することが分かった地球」がテーマで、各話が微妙にリンクしながら話が進みますが、「死神の精度」ほどのエンタメ路線ではなく、どちらかといえば静謐な佳作という印象。レビューにもあるように、ネタは隕石衝突なのですが、同じフィクションでも、映画「ディープ・インパクト」や「アルマゲドン」に比べたら、こちらの方が虚構の世界らしい現実感がありますし、読み始めたら止まらないことは保証します。 相変わらず「感傷」を排したように淡々と進みながら、物語の幕切れは「急にパーっと視野が広がるような」感じで、読後感は良いのですが、本作は若干の物足りなさもあります。ただ、テーマがテーマだけに、これ以上のカタルシスを求めると「ご都合主義の嘘」になってしまうので仕方ないかもしれません。 ところで、読みながら何となく、高野文子さんのコミック『棒がいっぽん』の世界観を思い出したのですが、両作品をお読みの方どうでしょう?未読の方にも併せてお薦めしたいです。 | ||||
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私は伊坂氏の今までの作品の魅力にすっかり浸透され,どうしてもひいき目なレビューになりがちかもしれないが, 読んで得るものが大きい作品であることは間違いないかな,と思う。 3年後に地球に小惑星が衝突して,世界が無くなってしまうという設定で繰り広げられる8つの短編は, なんてことがない話だったりするが,それぞれがユーモアに溢れつつ,人生について考えさせられる。 正しい生き方って何かな?と。短編だから余計にストレートに伝わる感じがする。 「明日死ぬとしたら,生き方が変わるんですか?」 「あなたの今の生き方は,どれくらい生きるつもりの生き方なんですか?」 ときどき,グサリグサリとくる。 | ||||
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