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(短編集)
終末のフール
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終末のフールの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.59pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全203件 121~140 7/11ページ
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エンターテインメント性の高い、さらりとした印象の一冊。 リズム感があって、緊迫した状況設定の割にほわんとした空気もあって、気楽に読める。 だが、3年後に人生と世界の終末を控えた人々の姿に、「生きる」ことの意味を考えさせられるた。 そして、絶望的な状況を絶望的と捉えるかどうかによって大きくその生き方も変えられるのだと思わされた。 この物語の状況設定で、生きている人達と言うのは、何らかの芯(信)を心に秘めた人々であった。 物語の随所随所で目にする、美しくて心をに響く言葉達。 命が限りあるものであること、そして残りの人生をどう生きるのか。 読んでいる間、認識と自問を繰り返した。 「やるべきことをやるだけ」 「俺は、こんな俺を許すのか」 強い信念を持ち、剛と柔を兼ね備えた一人の登場人物の言葉であるが、生きるとはそういうことではないだろうか。 自分と現実を受け入れ、信を通し、成長する気持ちを忘れない。 難しいことだが、そんな風に私も生きたい。 現実世界では、この物語のように、死を意識して生活することは難しい。 しかし、死を意識することによって、生を感じられるのも事実だ。 また、この物語は個人を描いているようで、結局は人と人との繋がり―俗にいう人間模様―を描いている。 生を感じながら生きる人たちの交流は、心をくすぐるものがある。 生きるとは厳しいものであること。 生きるとはあたたかいものであること。 生きるとは無限の可能性を秘めた、限られたものであること。 これからの毎日を大事にしたいと思える。 | ||||
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背景は、何年後かに小惑星がぶつかる混沌とした社会なのですが、 その中で様々な登場人物が、自分を探し、迷い、時には決断し生活していく 日常が、物寂しく、温かく描かれています。 短編がリンクしていくところが作者らしく、楽しくも感じました。 背景はどうでもいいのだと思います。そういう状況になった時、人は 何を一番大切に思い、過去の自分や他人をどう許し決着をつけて生きていくのか。 本当に大切なことは、今生きている日常であり、本当のドラマもまた 平凡な今から生まれている、、、。それに私たちは気づかずに生きている、、、。 「終末」でありながらも、希望と再生を感じさせる何かがあります。 これからを担わなければならない一人として、息子にも読ませたい一冊です。 短編ごとに面白さの度合いが違うので、星を一つ減らしました。 | ||||
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地球が滅亡すると聞いたとき、自分だったらどうするか…とひたすら考えながら読めました。 フィクションとは言え、細かい設定や人間模様がとてもリアルなため、 読んでいる間ずっと日常と非日常の狭間にいるような感覚で物語の世界感に 浸れていたのが楽しかったです。 てっきり最後には大どんでん返しがあるのかと思って読んでいたので、 淡々と終わっていったのには逆にびっくりしましたが、 それもリアリティがあっていいかと思えました。 | ||||
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あと8年後に小惑星が地球に衝突し、地球は滅亡する予告された状況での人それぞれの生き方を描いたもの。 本書では予告から5年が経過し、残り3年の状況である。 自分なら何をして生きるのかを考えたり、本書にでてくる人物の考え方を読みながら、こういう考え方もあるよねぁと思ったり、楽しめました。 私は、中でも天文オタクの考え方、生き方は参考になりました。 ...詳細は本書でお楽しみください。 | ||||
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数年後に世界が滅ぶ、という突飛な設定をよく描き切ってるなぁと思います。みんなある程度冷静になってきているところなんか、妙にリアルですしね。伊坂さんらしいメッセージも込められていて、読んで損はないと思います。 しかし個人的には、この設定でこの長さの短編集を最後まで楽しみきることはできなかったかなぁ。正直すこし飽きがきてしまいました。元々この設定に惹かれて買ったわけではなく、伊坂さんの本だから、という安直な理由で買ったせいでしょうか。 純粋にこの設定に興味が湧いた人にとっては、期待を裏切らない出来になっていると思いますよ。 | ||||
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後8年で世界は滅ぶ.唐突に,理不尽に定められた結末.この手の物語は大抵末期が描かれるがこの作品はそうではない.もう誰にもどうしようもない終わりが定まっているなかで,5年が経過し,一頻り生じていた喧騒,混乱が小康状態に入った時期の物語が綴られている.落ち着いた状態はいつまでも続かないと皆が分かっている中で,各登場人物たちはそれぞれの生活を送るっている. 終わりが決定事項であり,それを避ける術も見当たらない.そんなとき自分ならばどうするのだろうか?願わくば,彼らのように自分を見失わずに残された時間をすごしたい. | ||||
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どことなく他人事感のある語り口。 ありえないファンタジーを入れてくるのになぜか現実的。 いつもの伊坂作品なんだけど読後がすっきりしなかったなぁ。 3年後に落ちてくる隕石に人類全体が「もうどうでもいいやぁ」という心境の中でそれぞれの人物が何を考え何をするのかというのはとてもよかったんだけど、全編読み終えたあとで「一歩踏み出したあの人たちはどうなれたの?」というところが気になってすっきりしなかった。 | ||||
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設定とストリー展開に無理がありすぎます。また全体をなんとなくハッピーに納めようというのが見えるのもつらいです。伊坂幸太郎のなかでは一番つまらない作品だと感じました。 | ||||
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8年後に地球が滅亡すると発表されてから5年経過した時点で、 生き残った人々の日常の生活を描く。 ビルの上から観察しているような浮遊感と、静かにピンと張りつめた 緊張感、それでいて、やさしさがある雰囲気がうれしい。 公園で偶然に出会った人々をそれぞれの視点から それぞれの人について描く手法は、一人の過去を行ったり来たりする のとは違って、それぞれ相手からは見えない部分があったり、 見方がずれていたりして、これも面白い。 極限状態でも懸命に、あるいは、けなげに生きる人々を見て、 生きることの大切さを訴えていると、捉える人もいるだろうし、 私の場合は、誰だって持っている何らかの恐怖心(大災害とか、 飛行機の墜落とか)と、その人それぞれの感じ方を書いている ように思える。 | ||||
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思いっきり大仰な設定と、地味な人々の平凡な日々の積み重ねの取り合わせが憎い。けっこう泥臭く書かれていて、いい感じだと思った。「フィクションは嘘が多くても、楽しいほうがよい」、という彼の考えに賛成。「小説を読んでいると時折り、……毛布をかけられるような優しさを感じとることがあった」という一文が心に残る。彼の作品にはそんな精神的な健全さがあって、いつもどこかほっとさせられる。 | ||||
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伏線や理屈でデコレートされた物語の中に「気持ち」を隠して、娯楽小説として伏線やどんでん返しを楽しみながら、でも読んだ後ふと思い出す場面はキャラクターたちが何か「気持ち」を貫こうとしてるとこで……伊坂幸太郎の書く小説はそんな物語だと思います。 「終末のフール」もそんな「気持ち」にあふれた物語です。 それぞれキャラクターたちが世界の終わりで恐怖に打ちのめされながら、でも歯を食いしばりながら貫こうとしている「気持ち」は僕ら読者に「何か」を残します。 そんな「何か」を残してくれるこの本に出会えたことを本当に幸せに思います。 | ||||
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この小説の絶妙なポイントは、自分の人生が後8年で終わるとわかってから5年が経過し、終わりまで後3年までとした設定だろう。 自分の死に自暴自棄になるには時間が経ち、かといって、もう本当に終わりというには時間がある。そんなときこそ自分の生き方を見つめなおすタイミングであると、作者が言っているようにも思える。 本作品は、いろいろな登場人物のいろんなシチュエーションを描いた短編集なのだが、作者が思うことは1つであるため、いろんなパターンで表現していても結局は同じようなテーマを描き出されるだけなため、最初は面白かったのだが、ちょっと後半になってくるとマンネリ化してきた印象があった。 ただ、自分の死と向かい合う本作が持っているテーマを、自分ごととして読んでみるとまた面白いだろう。 | ||||
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伊坂幸太郎とは、叙述トリックや構成のパズル性、それにキャラクター遊びが好まれている娯楽作家だ。 ……と、ボクは認識している。 より正直に言ってしまえば、その他には価値を見出しがたい浅薄な流行作家、という認識であった。 下手なセリフをしつこく繰り返してみたり、露骨な伏線を張ってみたり、お手軽でダサいあざとさばかりが目立つ、 いかにもセンスのない(あるいは、ボクのセンスとはそりが合わない)野暮ったい作家、という評価だった。 本作も、控えめな味付けながら、作者らしいクセのある文章、表現、構成である。 あなたが何を期待しているのかにもよるが、これらは従来と特に変化なく、そつのない出来といえるのではないか。 だが、ボクにとって本作は、「伊坂さんごめんなさい」と思わされた作品である。 なんだ、書けるんじゃないか、マシな話が。 伊坂氏に欠けているとボクが考えていたものは、本作において、十全にではないにせよ、それなりに補われていた。 それは、構成のシャッフルとか、奇抜な発想とか、そういうテクニックや発想一発ではない、「物語の中身」のことだ。 中身があってこそ、初めて構成の妙が活きるし、奇想が血肉を得るのだ。 逆に、それがないのに洒落た媚売りの文章なんかを着てたりすると、もう鳥肌が立ってしまう。 本作で、ボクは伊坂幸太郎を、初めて誤解なくすっきり読んだ気がする。 中短編の連作という点も、有利に働いたのかもしれない。無理に長編を書く必要はない。 『ラッシュライフ』も悪い印象ではなかったが、買って読むかと言われればNoであった。 だが、本作は買ってよかったと思っている。 点数化してしまえば70点ぐらいの、手放しで絶賛なんかできない、平凡な作品ではある。 だが、期待ができる。 読むに値するテーマを核に持ち、得意の構成力を存分に発揮し、十分に彫琢された表現で編まれた、 伊坂幸太郎の未来の傑作を、ボクは素直に想像することができる。 本作は、ようやく彼に期待させてくれた作品という意味で、少し特別な作品となった。 | ||||
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「8年後に小惑星が落ちてきて地球が滅亡する」と発表されて5年後。犯罪がはびこり、秩序は崩壊した混乱の中、仙台市北部の団地に住む人々は、いかにそれぞれの人生を送るのか? と内容説明には書かれていますが・・・ 実際、地球が8年後に滅亡するなんて言われても、急に前向きに生きる気持ちをなくして犯罪に走ったりしますかね?・・・ そこに強い違和感を感じてしまってあまり楽しく読むことができませんでした | ||||
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伊坂さんの作品は1冊だけしか読んだことがないのですが、 楽しめたので、他作品も読んでみようと、人気があったので買ってみました。 設定は面白いと思います、ただ長編だと思って読んでいたので がっかりしたのかもしれません。 淡々としていて、なんとなく盛り上がりに欠けた気がしました。 でもそんなところがこの小説の面白いところなんでしょうか。 | ||||
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パニック!!絶望!!の文字が頭に浮かびますが、この作品を読むと、暖かい気持ちになってしまいます…しかも…泣けて泣けて仕方なかった(笑)きっと、私が独身で物事を斜に構えて見ている時期に、この物語を読んでいたら、違った感想を持っただろうな。読了後、きっと隕石は回避されるであろう…そう勝手に解釈をして切なさと涙を止めました(笑) | ||||
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“この夏の最高傑作!” というの宣伝文句に惹かれ、読んでみました。 地球滅亡へのカウントダウンを生きる群像を描いた作品で、 8つからなる短編集です。 伊坂氏の作品らしく?それぞれの作品に繋がりを持たせ、 終末を題材に、家族の再生、新しい生命への希望、過去の恩讐… 今日を生きることの意味を考えさせられる内容となっています。 短編それぞれが『終末のフール』のように、 『○○の×ール』との題名になっています。 (無理矢理の?こじつけとなっているものもありますが…) 『鋼鉄のウール』の苗場の人間としての美しさに、私は魅了されました♪ 少し辛口なのかもしれませんが、★3とします。 ■私が共感したのは… ・「でもさ、許すよ」(P.44) ・「いや、もうすでに、いるんですよ」 …「ずっといるんです。申し訳ないです」(P.206) ・「明日死ぬとしたら、生き方が変わるんですか?」 …「あなたの今の生き方は、どれくらい生きるつもりの生き方ですか?」 (P.220) ■私のアクション ・人を許す ・後悔しない生き方をする (ともに、人生における大きなテーマです☆) 世界滅亡まで3年。 私だったら何をするだろうか?と考えたときに、 『冬眠のガール』の美智と同じように、 読書に耽ったり、気になる人に会いに行くのかなと思いつつ、 『鋼鉄のウール』の苗場のように、 自分自身を貫いていたいとも思いました☆ | ||||
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人類滅亡まであと3年。 あらすじがかなり面白そうだったので購入してみましたが 短編集のような構成になっており 仰天するようなオチはなく、意外にあっさりと読んでしまいました。 壮大なテーマの割には淡々と、日常的に物語が進んでいきます。 伊坂作品特有の、ラストに向かって伏線が次々と回収されていく 爽快感のようなものは今回はありません。 決して面白くない訳ではないのですが、 長編作品が好きだった方は少し物足りなさを感じてしまうかも。 | ||||
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「8年後に小惑星が地球に衝突し、地球は終焉を迎える」という発表があってから5年が経過した…という設定。つまり「地球の生命は残り3年」という設定の、“杜の都”仙台が舞台。 発表後、街には頻繁に略奪が起こり暴徒が闊歩したが、今はそれらも一段落した…という状況の設定で様々な人間模様が描かれています。 仙台市北部の小高い丘の上の団地で生きながら“その日”に様々な想いを巡らせながら生きている人々。「選ばれた人がシェルターに入る事が出来る」と説く新興宗教っぽい連中が現れ、それに呼応するように集会に集う人々がいる一方で、同じ日常を繰り返す人々。いったんは諦めムードが漂った時期を経て、それでも残りわずかな日常を生きようとする人々の様子を淡々と描いた、どこかクールでありながらも穏やかな文体が魅力的な小説です。 最終的に作者が言いたかった事は、「生きるという事の尊さ」。 この種のテーマを命題とした小説を書く作家に白石一文氏がいます。彼は登場人物の言動に強いメッセージ性を持たせて哲学的な手法でそれを説くのを得意とした作家だと思いますが、この小説はそれとはベクトル的に逆の手法を採っているように感じます。終わりが見えているという極限の状況にあっても、穏やかに、「普通に」生きようとする人々の様を描く事によって「生きる事」の大切さを説いているのでは?。 「平凡な日常を懸命に生きる事の大切さ」。この普遍的なテーマを穏やかな文体で訥々と、セピア色のイメージで描いた、不思議なムードの小説です。 | ||||
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同じ町にいる8つの話がそれぞれで完結しつつ、ちょっとずつ関係しているという感じ。 伊坂作品らしく独特な世界観。 死をどうとらえるか、8つの話に出てくる登場人物がそれぞれ考える。 考えていないように本人が思っていても、吐いてしまうなど、体は正直に反応してしまう、などなど、実際にそんなことになったら自分たちもそうなるのかなと思ってしまうことがたくさん。 死を意識することで、どう生きるのかを自分にもあらためて問いかけるきっかけを作ってくれる作品。何気ない日常も大事にしたいと読み終わって感じた。 | ||||
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