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(短編集)
終末のフール
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終末のフールの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.59pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全203件 141~160 8/11ページ
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7年後に地球に小惑星が落下することがわかった。 遙か昔にも小惑星が地球に落下したことがあった。 その時に滅んだのは恐竜である。(もちろん恐竜だけが滅んだわけではない・・・) 今度は人間が滅びる番だ。 それから4年が過ぎた、日本の、東北の、仙台市郊外の、と或るニュータウンがこの連作短編集の舞台である。 世界は7年後の滅亡を知って大パニックを起こし、暴動が起き、殺人や自殺が頻発、生きる目的を失った人間たちは社会生活を放棄した。 物語では直接触れていないが、物語の始まりまで生き延びた人間は全体の何割だったのだろう。 死の宣告から4年目、なぜかはわからないが世界は落ち着きを取り戻してきたように見える。 細々ながら流通機能が戻ってきて、食べ物が手に入るようになった。 いつ誰に襲われるかわからない、まちがっても一人歩きはできなかった治安の悪さもなんとなく収まってきた。 そして、終末まではあと3年だ。 8つの短い物語はこの状況下のニュータウンに暮らす人々の、日常と心理を描いている。 ひとつひとつの物語は独立した作品でありながら、緩い繋がりもあって、最終話ではすべての登場人物が顔を見せていた。 そういえば伊坂幸太郎の小説では、前作の主人公が次作に顔を見せるのは恒例行事だから、いつもの手法とも言える。 エリオットの「世の終わり」を思い出しました。 (人類最後の日を描いた小説「渚にて」の原詩です。 映画のほうが有名かな) In this last of meeting placesWe grope togetherAnd avoid speechGathered on this beach of the tumid river伊坂流で同じテーマを扱うと、渚がニュータウンになるのね。 | ||||
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おもしろかったですが、新井素子の「ひとめあなたに」と似すぎてませんか? 隕石が落ちてくること(落ちてくるまでの期間は違うけど)やそういう状態になって、人が狂っていく様など、読めば読むほど、「ひとめあなたに」を思い出しました。 | ||||
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設定にかなり無理があるけれど、読み進むうちにその設定のなかで物事を考えさせてくれます。 SFが好きな方からすると、小惑星とぶつかることがわかった混乱期がないのは物足りないかもしれませんし、他の作品のように、「最後に氷解」というほど見事ではないけれど、悪役のいない世界で人が繋がりあう点で最後まで面白く読むことができました。 | ||||
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伊坂作品は基本的にすべて満点だと思っているが、友人の評判を聞いて単行本は買い控えていた。 作家の個性は処女作に凝縮されるというが、「オーデュポンの祈り」のシュール感、音楽や小動物(自然)を愛する気持ち、キャラの立った2枚目というその後の作品に受け継がれていく「伊坂節」が確かに感じられなかった。 しゃれた台詞(それをキザと評価する人もいるが)がないのも伊坂さんにしては珍しい。 唯一、タイトルは忘れたが、夕食中の家族に復讐をする作品には伊坂ワールドが垣間見えた。 配送費がかからないように一緒に買った名もない作家の無限ループ (講談社文庫)のほうが面白かったのは、嬉しい誤算であると同時に、やはり伊坂さんの今後に期待せずにいられない。 乙一さんのように、一線を退いてしまわないように祈るばかりだ。 | ||||
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三年後、人類は滅亡する最後の瞬間あなたは何を想い誰と過ごすのだろう | ||||
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実にユニーク且つ奇抜な設定ですが、切り口と味わいの異なる章の積み重ねと各章間で登場人物が微妙に交差し合うという構成で、短編のオーソドクッスな王道です。 作者ならではの工夫や仕掛けも見られますが、強いて言えば独特なキレや尖った部分が抑え目で、ファンとしては若干寂しいかも。その辺がレビューの星のばらつきにも表れているような。その換わり、ヒューマンな要素がより前面に出ています。 | ||||
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3年後に「間違いなく」隕石が衝突し、終末を迎える日本のある都市に生きる人々を 描く作品。誰もがパニックになった後、ある種の諦めと退廃感が漂う中で、取り上げられた 人々が「何か」に気づいて行くと言うパターン構成になっている。 ただ、自分の考え方が青臭いのかも知れませんが、8年後に世界が滅亡すると確定したら、 勉強する意味が無いから生徒は学校に行かなくなり、働く意味が無いから、多くの人々が 働く事を止めてしまう、と言う設定に非常に違和感を持った。本当は、所詮人間なんて そうなってしまう物なのかも知れないが、「例え3年後に世の中が終わる」と分かっていて も、最後の日を迎えるその日まで、前向きに生きる自分でありたいし、それが日本と言う国 の良さなのでは、と強く感じ、感情移入出来ませんでした。丁度特攻隊に生きる人々の心の 葛藤を描いた作品(永遠の0)を読んだ後だっただけに尚更です。 と言うことで、どこが素晴らしいのか正直理解できない中で「本屋大賞4位」とか、各種の 宣伝はやり過ぎじゃないかな〜。金を払って読む本じゃ無いと思います。 | ||||
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3年後に小惑星が地球に衝突する。 物語は短編ですが、それぞれが微妙に繋がっています。 地球が滅亡すると言う状態での世界を描いていますが、成る程と思える設定でした。 普通は壮絶な殺し合いや、食料の奪い合い、治安崩壊となると思いますが、物語ではそれを経験し、何故かそれなりの従来の生活に戻っていると言う設定です。 そういう発想もありだなぁ、と妙に納得しました。 あまり現実的な世界とは感じられませんでしたが、それぞれの人間の描写が旨く描かれており、あまり伊坂氏の本は好きではなかったのですが、この本で見方が少し変わりました。 | ||||
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隕石の存在がわかって5年,落下まで3年. 当初の混乱が落ち着くのにかかる時間と 奇妙な穏やかさと安定を維持している時期として妙にリアルな数字である. ディストピアを扱ったフィクションとしては世界観の緻密さに欠けるものの この時間設定だけで作者のセンスを感じる. 迫りつつある終末を背景に繰り広げられる群像劇であるが 深刻さの中にも,どことなく肩の力の抜けた空気感が漂っていて 諦観とも前向きとも違う伊坂作品独特の離人感とでもいうべきムードは健在. この種のテーマにありがちな重苦しさ,押し付けがましさがなく 舞台設定のシリアスさとは乖離している分 読む人によっては軽薄で不謹慎な印象を受けるかもしれない. ま,その辺は好き好きではあるが 1つのテーマに沿った短編集としてはよくまとまっていると思う. 個人的には,主人公格としては扱われていないが 障害を持った子供の親のセリフが印象に残った. 世界の終わりにもそれを救いと感じる人間がいる. 万人に等しい価値などないと思い知る場面である. | ||||
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この短編集を読んでまず思ったのは、登場人物がみんな素敵で魅力的だなあ、ということです。優柔不断な富士夫くんとそんな彼を深く理解している美咲さん夫妻をはじめ、伊坂ワールドの根っこはやはり登場人物、そして彼らがやりとりするまるでダンスのような会話、にこそ あるのだと再認識しました。三年後に世界が滅亡する、という状況にも関わらず今作に溢れる穏やかさ、楽しさはさすが伊坂さんと思わずにはいられません。実はあまり期待せずに読んだのですが、僕は何の問題もなく楽しめました。ただ読む、のではなくこの小説世界に入り込んでみて下さい。絶望的な状況に陥っても彼らのように生きれればなぁ、そんなこと考えました。 | ||||
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(毎週更新されるが)ブック総合ランキング一位。それだけ売れている本です。 私は書店に言って「面白そうだな」と思い購入。期待はそこそこでしたが、期待以上に面白く、見事に期待を裏切ってくれました。 2xxx年、8年後に「小惑星」が衝突し地球が滅亡されると予言された。世界はパニックに陥り、逃げ出すもの(意味が無いが)、自殺するもの、または貴重な食料を取り合い殺されてしまうもの、そんな状態が続いた。 それから5年たち、争いはなくなり平穏な小康状態となった。仙台北部の団地、「ヒルズタウン」の住民達も同様であった。彼らは「余命3年」という短い時間の中、人生を見つめなおした。 そんなヒルズタウンの住民たちにスポットをあてた短編集。余命3年という短い時間の中で前向きに生きる人々を描く。 生きることとは何か、それを訴えかけてくるような1冊。短編集なので息抜きなんかにもいいと思います。 結構面白かったので☆4つです。 | ||||
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小惑星が8年後に地球に衝突、地球滅亡のカウントダウンが迫る中、人々はどういう行動をとるのか?伊坂氏は今回、フィクション構築を地球滅亡にした。 壮大なテーマながら登場人物の行動はいつもの伊坂ワールドだ。 舞台を仙台市高台の団地に小さく設定。今や地球滅亡は3年後まで迫っている。密かに過去の許しを請い願う居丈高な父親、妻の出産を決めかねる優柔不断な青年、強い絆で結ばれた兄弟、おっとりした若い娘…。 オーウェルの宇宙戦争のような大騒動が起こった後、我に返った人々は平和な日常を過ごすことにしたらしい。拍子抜けする設定だが、案外限定された時間を待ち続ける人間の行動はこんなものかもしれない。 結局人間の生き様は、未来が読めない不安定な現在も同じ。『鋼鉄のウール』の孤高のボクサーのセリフに集約されるのだろう。 「明日死ぬって言われたらどうすんの?」―「練習します」 「明日死ぬのにこんなことする訳?」笑う相手にボクサーは「明日死ぬと言われたら生き方を変えるんですか?あなたの今の生き方はどのくらい生きるつもりの生き方なんですか」(『鋼鉄のウール』から) −その通り。強烈な左フックだ。こんなセリフを突きつけられたら完全にノックアウトだ。 井坂氏のセリフはどれも格好いいのだ。 | ||||
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3年後に小惑星の衝突により、人類滅亡の危機が迫る。 実際にこのシチュエ−ションにいたったとき、自分がどのような心理で、どのような行動に出るのか?想像ができません。 言い換えると、生きることの意味をなくし、仕事や社会貢献の責務から開放されたとき、人は(いろいろな立場のなかで)なにを求め、どう生きるのか(死ぬのか) 死期を知らされた人が、自分の人生をどう総括するのか?を問いかけているのかもしれません。 あと3年の世界に新しい命を誕生させるのか? 完遂していない夢を実現させるのか? 社会に貢献するのか? おる意味、その人の本質が問われる中で、ポジティブに生きるのか、ネガティブに生きるのか? とても、興味深い作品です。 | ||||
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あと数年後に地球が滅びるとしたら・・・。そんなテーマで書かれた短編集。短編集でありながら、登場人物同士が微妙につながっている。 死を意識しながら生きていく人々を様々な立場から描いている。 井坂幸太郎の作品としては平凡すぎるかも。少しガッカリ。 | ||||
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初出は『小説すばる』2004年2月号〜2005年11月号、単行本は2006年3月30日リリース。3年後に隕石が地球に衝突して最後の日を迎える、ということが前提になった短編8編からなる。色々な小説手法を実験的に試している感がある最近の伊坂幸太郎の作品の中でも飛び抜けて設定が映画的(あるいはSF的)な作品である。 時間軸をずらしながら並列的に登場人物を動かし、魅力的な会話で作品構成することが得意な作家が、時間軸を意図的に3年後で終了と決定し、終末期に人間はどう行動するのかを描く、というのはある意味、自分の持ち球を全部封じ手にして、利き腕でない方の腕で投げるピッチャーのような状態ではないだろうか。実際、この連作集はそういう結果に終わってしまっているようにぼくには感じられた。つまり、いつもの伊坂作品のノリがないのだ。 題材も『砂漠』の取材で使ったネタを再利用したりと気に入らない部分が多い。伊坂幸太郎唯一の駄作で、無理してまで出すべき作品ではないだろう、と思う。本屋大賞第4位は納得いかない。 | ||||
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今の時代にぴったりだと思った。 各篇の主人公達は沢山泣いたんだろーし割と冷静に動向を見つめているけど、生きてる。多分消滅するときも誰といるのかが思い描ける、それまで生きてる、それが嬉しい。 | ||||
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小惑星の衝突のため、三年後に地球滅亡を控えた時代を舞台に、様々な人間模様を綴った連作短編集。こうしたSF的設定では、逆に作者の現実把握力が問われる所だが、虚しい結果に終った。作者が、"地球滅亡"を余りにも安易に捉えており、登場人物達の言動は現実味に欠け、地球滅亡を単に作品構成上の"免罪符"にしているとしか思えなかった。 父と娘が和解するための免罪符。子供を産む決心をするための免罪符。妹の仇を許すための免罪符。乙女がメルヘンの世界に浸るための免罪符。泰然自若とした男の中の男の存在を誇示するための免罪符。宇宙オタク(科学的にかなり正しい事を喋っている)のオカシサを浮き彫りにするための免罪符。家族ゴッコを描くための免罪符。そして最後に取って付けたように、生きる事の意味を問い掛けるラスト。 作者の特徴は、「生きて行く上での希望を爽やかに描く」事にあると思うが、そもそも"地球滅亡"をそのための"盾"に選ぶ必然性が全く感じられない。どの作品も、地球滅亡なしでも書けるテーマであり、構想倒れの感を強く抱かせる。地球終末を軽々しく扱うこの内容は、作者の見識不足としか言いようがない。伊坂作品の中では一番の凡作ではないか。 万が一、本作に興味を持たれた方はR.ミュラー「恐竜はネメシスを見たか」を読んでみるのも一興だろう。 | ||||
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伊坂作品は単行本で持っていたり、読んでいても 文庫化されると その度にまた買ってしまう…。 久々に読み直した今作は やはり伊坂らしい世界観で、この世の終わりが近いという設定なのに読んでると浮き浮きしてきてしまう。 私は特に 主人公が可愛い「冬眠のガール」、大円団の「演劇のオール」、流石の最終章「深海のポール」が好きです♪ | ||||
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どこか人を喰ったような、浮遊感のあるエキセントリックな伊坂幸太郎の世界。そんな伊坂テイストを残しながらも、本書ではミステリーではなく、SFちっくな極限状態におかれた人間群像を描いている。 2***年。「8年後に小惑星が落ちてきて地球が滅亡する」と発表されてから5年が経った。 恐怖心が巻き起こす、暴動、殺人、放火、強盗、デマ、そしてパニック的な逃避行動・・・。社会に秩序がなくなり、世界中は大混乱に陥っていたが、ここへきて“5年ぶりに祭りが終わったかのように町に落ち着きが戻り”(「鋼鉄のウール」)、世間は危うい均衡が保たれていた。 舞台は伊坂小説のフランチャイズ、仙台。本書は、その北部の丘を造成して作られた団地「ヒルズタウン」に建つ、築20年のとあるマンションの、“世界の終わり”騒動の後も、今なお生き残って住んでいる人たちが、入れ替わるように一人称で語る8話の連作短編集である。 彼らはいずれも今回のパニックか、あるいはもっと以前に何らかの理由で家族を亡くしている。心の中にあるのは絶望のはずである。冒頭から主人公の自殺未遂で始まる物語もあるくらいだ(「天体のヨール」)。 しかし、本書のすごいところは、ただ単に人々の絶望やパニックを描いているのではなく、その向こうに「生きる道のある限り、あと3年の命を精一杯生きよう」という前向きの姿勢を導き出しているところだ。8つの物語はいずれも主人公の前向きな「生きる決意」で終わっている。 「じたばたして、足掻いて、もがいて。生き残るのってそういうのだよ、きっとさ」(「深海のポール」)。 本書は、極限状態に置かれてもなお生き抜こうとする人間の強さを静かに訴えた傑作である。 | ||||
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地球滅亡が分かり混乱が去ったあとの様子を描いた作品。 混乱を描くのはありがちだが、これは見たことがない。 そんなわけで構想勝ちだと思う。 物語は不安定な上に気づかれた変な安定がある 日常を淡々と描いたオムニバス形式。 意外にこういう状況で人はこんなものなのかな、と 妙に納得してしまう感があった。 全編通じてバラード調のエンディングテーマが私の頭の中で流れていた。 | ||||
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