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狗神
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狗神の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.88pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全33件 21~33 2/2ページ
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確かに全体の裏に隠れたからくりは、7章ですでに予感はあり、13章にまで至れば確信できてしまう。しかし、その骨組みがあるからどういう展開になり、最終的な決着を(善光寺でのプロローグへの対応も含めて)どうつけるのかというところが読みどころだと思う。 恋愛小説としての設定は、予感があったからこそかもしれないが、不自然には感じなかった。しかし、「狗神」自体(獣ではなく)はちゃちな感じがして、悪夢に出てくる赤ん坊の方がよっぽど怖いのは、バランス的にどうなのだろうか。クライマックスでのヒロイン美希の最終的な運命も、そうなる理由がわからないのが不満である。まあプロローグは、エピローグ部分を書きたいがための伏線だったのかと納得。 | ||||
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高知の小さな山村を舞台に、古くからの伝承を現代によみがえらせ、想像を絶する壮大な悲劇に仕立て上げています。高知へは仕事で何度も行っているので、親しみやすく読めました。 寒村に颯爽とバイクで登場した青年教師と、地元で世捨て人のように染物をして暮らす薄幸の女性との恋物語と、いわくつきの旧家の一族にまつわる不吉な物語が同時進行し、やがて両者は極めて密接につながっていることがわかってきます。 緻密な設定と念入りな描写で読者を引きつけます。決して長編ではありませんが、坂東作品の中でも一二を争う名作だと思います。映画化されたのも頷けます。そっちは観てませんが。 | ||||
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高知県が舞台の、憑き物筋の家の話。 登場人物がかなりキツい方言を話すので、正直意味がわからない言葉も何箇所かあった・・・(笑) 作品を通して流れる暗く、民俗的な雰囲気は程良く怖いし、憑き物筋の家の人間がムラ社会ではどのように見られてきたか、そういう部分はかなりリアルに描けていると思う。 ただしそれももう少し掘り下げて欲しかったし、少し展開が急過ぎる気がした。 先が読めないとかそういう類の話ではなく、読めた先がどれほど濃く描かれていくのかが気になってどんどんページをめくってしまう、そんな話。 暗い内容の割にはかなり読みやすかった。 | ||||
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四国に伝わる"狗神伝承"を基にした伝記ホラー小説。怖い筈なのだが、小粒の妖怪もどきが出てきたりするのだ。私は作者が本気で「ゲゲゲの鬼太郎」のパロディを書いているかと思ってしまった。そして、本作の中心となるヒロインの恋である。物語の設定上やむを得ないとは言え、二十歳過ぎの若者が、四十過ぎのオバさんに恋するなど全く興ざめである。女流作家にしか書けない設定であろう。姉弟関係にすればまだしも感情移入が出来たのに...。 また、最後のシーンで若者は村人からヒロインを助けるため、自身の身を投げ出すのだが、結局あっけなく死んでしまうのである。"霊力"を持っている筈の"狗神"の化身が普通の人間に倒されるとは不甲斐ない。ここはいっそ若者が"狗神"に変身して、村(人)を焼く尽くす(あるいは呪い殺す)といった展開の方がスッキリしたのではないか。 若者と悲劇の恋に落ちたい作者の自己願望の作品に思えてならない。 | ||||
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映画を先に見てからこれを読んだのだが、映画よりもおどろおどろしい描写が多く、話の緩急がはっきりしてるせいで後半に向けての盛り上がりが際立っている。美希の諦観や鬱屈、そして晃との出逢いによって再び呼び起こされた希望と欲望…と、美希の内の変化もうまく著われていて、伝奇でありながら恋愛小説の要素もあり。あと、映画ではどうにも聞き取り難くて意味がよく分からなかった方言が活字だといくらか分かったのが有り難い。 | ||||
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会話の訛が特に土佐の地方感を醸し出していて興味深い(東京者には特に)。主題の狗神と悪夢のアイデアは面白く、ヒロインの日々の生活に対する穏やかな不満と諦めが共感を呼ぶ。しかし最終場面の超非現実的な現象やパッチワークの様な辻褄の合い方は、私には合成的であまりしっくりこなかった。美味しい所を盗られた感じ。なぜか映画の「Mulholand Dr.」を思い出した(途中まで良い感じのミステリーで興味をそそるが、最後意味不明の下らない場面が全てをパーにした、というのが私のこの映画に対する感想。『狗神」ではそこまで劇的に失望はしなかったけれど)。 味は出ているので、筆者の他の著作も試してみようと思う。 | ||||
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この作品には、深淵から湧いてくるような恐ろしさがある。 四国に伝わる狗神の俗信を題材として作品に取り入れながら、村社会の閉塞性と禁忌、代々受け継がれる血筋、そうした「縛り」が物語の恐怖心を増大させる。 主人公の「美希」の欲望や諦観など、心の内奥を抉るような描写は、文学的にも質が高い。 衝撃的な最後に、読了後暗澹たる想いが残るかもしれないが、読んで損はしない作品である。 | ||||
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日本的な怖さが存分に出ていると思います。 今流行のアメリカ的な「13日の金曜日」とかのようなショッキングなヴィジュアル的怖さではなく 後味の悪い糸を引くようなまさに日本的な怖さです。 どうぞ、ホラー好きなら一読を進めます。 | ||||
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コレは怖い。特に最後の、美希の墓から子供が生まれる(?)ところが不気味でした。あとは暗闇の中に生まれたばかりの赤ん坊が臍の緒をだらりと垂らしながら美希の前に現れるシーンがめちゃ怖い。 コレを読んで私はしばらく夜が怖くなりました。 | ||||
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高知の山里で暮らす41才の坊之宮美希が主人公。彼女の一族は「狗神筋」と忌み嫌われながらも普段は平穏な暮らしをしているし、美希に想いを寄せる男もいる。その山里に25才の教師が赴任してくるが、それは単なる偶然でなかった。 「狗神筋」としての抗しがたい運命。美希がそれから逃れることはできないのか? 運命に翻弄される美希の、土俗的雰囲気の中での描き方が見事で、ストーリー的にもよく練られた作品です。 | ||||
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エンターテイメント小説としては、おもしろかった。 読みやすいので電車などで読むにはいいと思う。 日本の土俗的な雰囲気は出ていたし、 狗神や和紙についての話も興味深かったけれど、 中途半端で消化不良な感じは残った。 あえて読みやすさを考えた上で、 深くまで追求しなかったのかもしれないけれど、、、。 残念なのは物語の流れが弱くて、 最後の部分でゾクッとするだけの怖さがなかったことかも。 初めて読んだ坂東作品だけれど、 他の作品を読みたいという気持ちにはさせてくれた。 | ||||
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本当にこの本を書いたのは、「死国」を書いた板東さんなのでしょうか?この本の感想を書きます。 1 設定に無理があるため登場人物(特に主人公)に感情移入できない。 2 田舎のどろどろしたところ(横溝風)を出したかったのだろうが、奥行きが全然感じられない。 3 ストーリー展開が、見え見え。半分読み進めたあたりからすべて見えてしまった。 死国を読んで期待していただけに、痛かった。以上。 | ||||
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坂東真砂子さん独特の世界が十分に味わえる一冊です。読んでいくにしたがい、深く入り込んで行かせるところは感心してしまいます。文章の上手さ、読みやすさ、さすがです。山間部の閉鎖された集落に伝わる、狗神という先祖に受けつがれ逃れられること無い、なんとも哀しく切ない物語。ハッピーエンドではありませんが、そうなってもしょうがないか、と思わせられてしまいます。それも坂東真砂子さんの力量なせる技なのでしょう。 | ||||
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