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Self-Reference ENGINE
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Self-Reference ENGINEの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.60pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全25件 1~20 1/2ページ
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円城塔「Self-Reference ENGINE 」読了。10年程前に買って塩漬けになっていたがようやく読み終えた。当初は何の話だか掴めず途中で諦めた。ところが昨今のAIの進展を眺めた上で改めて読み返すと大変面白かった。巨大知性体とはAIで多宇宙を介する三体も凌駕する今こそ読むべき先見の本なのかもと思えた。 | ||||
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ひとつなぎの連作短編集。わかっているわけではないけど、よかった。 | ||||
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難解だと思えば難解だし、さらっと読めると思えば読める。結論を待つ前にあちこちに飛び跳ねる作者の脳内思考の現れを見ているのだと思えば、あるがままを読めばよいのだということに気が付くのだけれど、この思考に慣れない人というのは世の中には一定数いて、それが良いとか悪いとか、理解力があるとかないとかいう話ではなく、そういう人にはこの本の内容は不快極まりないだろうな、とは思う。 「ゴジラSP」を観てからの読書だったので、ある程度予想というか心構えができていたから楽しめた。 SFの名作だからこれを読めといきなり言われていたら途中で投げ捨てていたかもしれない。 そういう内容なのだというのはあらかじめ知っていてから手に取った方がよいかもしれない、とはお伝えしておきたい。 | ||||
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久しぶりに小説を読みました。歳をとるにつれて物語を読まなくなっていましたが、とあるゲームアプリで勧められてこの本を読みました。一度読み終えてももう一度読みたくなる、そんな本でした。 | ||||
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正直言って内容の半分も理解出来なかったけど、メチャクチャ面白い。小難しい理屈を重ねたホラ話で、SF魂を強烈に感じる。オムニバス短編を22作集めて何かを表現してるのだけど、凡人の頭ではそれが理解出来ない。なのに圧倒的な面白さで、個々の物語は意外に叙情的。豊穣な読書の楽しみを十分堪能する事が出来た。 個人的に一番面白かったのは死んだ老女の家の22畳の床下から発見された22枚のフロイトの話。まあ何の意味があるのかは不明だけど、想像するだけでもおかしいではないか。上質なコントを見せられた気分になった。 まあ誰にでも勧められる類の本ではない。例えば、金田一耕助が犯罪防止に何の役にも立ってないじゃないか、とイチャモンを付けるようなマジメな人はダメだろう。これ以上ないくらいの高学歴で芥川賞まで受賞してしまった天才作家が本気でバカを書いてる。それを面白がるつもりで読書しなければ。 | ||||
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「彼女のこめかみには弾丸が埋まっていて、我が家に伝わる箱は・・・」というサマリーを見て、 『フィネガンズ・ウェイク』みたいなのが送られて来たらどうしようとビビりつつ発注。 ビビっていたのは杞憂でしたが、別の不安にかられました。 内容が無いのです。 二部構成ですが、特に一部の方は、そこで起きている事象に対し、思弁を弄ぶだけで 「一切何の解決も提示されない」 (これは読むだけ無駄と序盤で諦める人がいても仕方がない) それはそれで凄い”文芸”だけれども、全篇これでは飽きてしまうなぁ。 ・・・と読み進めて二部になると、今度はちょっとは展開があり、割りと普通に読める。 話はちょっと戻るが、”Ground256”って、吾妻ひでおの作品でこんなのなかったかな?(『不条理日記』あたりか) とにもかくにも肝は二部である。 異彩を放つ”Yedo”は面白い。 また、”Disappear”の寂寥感や”Echo”のリリカルさに、ちょっと泣きそうな気分になれる人とは 美味い酒が飲めるかも知れない。思っただけで行動には移さしませんが。 解説では明言されてないですが、”Ground256”の世界観(村)は、ディスクドライブのセクタではないか的なことを言ってますね。 ”Infinity”では「この宇宙は平面」であるとも。同作に出てくる32次元は、32ビットのことではなかろうか? 過去の書き換えなんかはお手の物なワケだし、ここで人間とされて名付けられてるのは、サブルーチンの事? いろいろ考えてみると全体的に、PC内部の話なのかも。 話は関係ないんですが、読了のタイミングで『インデペンデンスデイ』の新しいのを観たら 「超知性体」が出てきて笑ってしまった。ははは、こんなんか!みたいな。 脱線しましたが、この作品いいところも見い出せるのだが、結局のところ あまりいい時間つぶしにはならないかも知れない、これは本だ(本書で最も気にかかった表記法を拝借)。 | ||||
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用いられている語句は確かに難しいのですがそれが理解出来ないということは全くなく、楽しく読み終わりました。 しかも一晩で読み終え、読み終わった尻から再読したくなるような小説。 不思議な読後感、小説の新しい形などと言ったら大袈裟になりますが、それを言いたくなるような構成だったり工夫が成されています。 ただ何かしらが解決したり物語が完結したりはしないのでそういう意味でのカタルシスは得られないですね。 そこでの批判はあると思いますし、ちょっと小難しくてよくわからないという人にはお勧めが出来ない一冊。 読書を趣味とするような人間には何も難しくはないと思うのですがそこは人それぞれですかね。 | ||||
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真面目な顔で冗談をいう人がたまにいるが、そのようなノリで描かれており論理的な硬い文体でふざけた事が描かれている。 奇書「ゲーデル・エッシャー・バッハ」を発展させたようなところがあり「自己参照する系」について思索と論理展開を重ねるとこのようなヘンテコな世界が出現する。 文章あたりのアイデアの濃度が非常に濃く、平均的なSF小説100冊ぶんぐらいのアイデアが一冊に濃縮されている。一行読む毎に想像と思考がとめとめもなく広がり読破するにに時間と根気が必要。 要約不能であり、これ以上圧縮できないので感想を書くのも大変であるが、通常の作家であればこの濃度を希釈して書くので、ある意味すごく「お買い得」な本です。 主人公に感情移入し、情景を想像し、物語に身を委ねるタイプの本ではないので読者を選ぶが100年後にも残る傑作だと思う。(100年後には哲学書の扱いになっているかも) | ||||
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独自、独自、孤高。 他では絶対に味わえない領域です。 円城塔、入門編に。 | ||||
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私は数学物理その他いわゆる理数系は全く素養がない、というか全然わからないので、この本は落語の「あたま山」とか「つぼ算」みたいな、バカ話・法螺話の集成として、面白く読みました。最初と最後がつながる(回帰する)のは、目次の構成と文庫本カバー絵からも予測ができますし。 それで読んだあとの感想は、「お話(=言葉)による、お話(=言葉)のための、お話(=言葉)についてのお話(=言葉)だなあ」に尽きます。 あと、「何でもあり」って便利(な言葉)ですね。 で、すごく個人的な感慨ですが、ラストの「エピローグ」は光瀬龍の『百億の昼と千億の夜』の転輪王を思い出しました。転輪王よりも呑気で飄々として見えるのは、「何でもあり」だからエントロピーゼロも気にする必要が無いってことかなー、でもそれなら、この本(このお話)のあしゅらおうは「リタ」って名前なのもありかもなー、とか。 | ||||
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時空改変と多元宇宙、人工知能の自律進化と超越的知性、再帰性と無限、メタフィクションなどのテーマを扱っているが、シリアスでハードな内容ではない。 かなり無茶苦茶でナンセンスなドタバタSFといった趣。 『SRE』は奇想とナンセンスなドタバタSFという点で筒井康隆みたいだと思ったけど、本人はインタビュー(作家の読書道)で筒井康隆を唯一読めない作家といっているのは面白い。 『虚航船団』だけ読んで『虚人たち』は挫折したそうだけど、読む作品の選択を誤っている気がする。 筒井作品なら純文寄りの実験的な作品よりも初期のドタバタSFの方が小説として面白いし、円城氏の作風に近いと思うのだが。 | ||||
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不思議だねえ、この連作短編集は。 時空。次元。リタ。ジェイ。にょきにょき生える家。靴下。評価関数。22体のフロイト。アルファ・ケンタウリ星人。トメさん。八丁堀。巨大知性体。超越知性体。。。。 いちおう、SF。 でも、とにかく、わけわかんない。 なのに、ひたすら衝撃的。 この作家のデビュー作。 文庫化にあたって、2編が追加されているという。 帯に、「時代が円城塔に追いついた」と書いてあるけれど、 もしこれが本当なら、大丈夫か、こんなもんに追いついてしまって(笑)。 一時的に脳を占拠してしまった知性体群が命ずるままに、 とりあえず、5つ星です。 | ||||
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難解という言葉が独り歩きしてしまっているが、実は、 世界観とか結構オーソドックスなSFしていると思った。 作品の要約が難しいのだが、巨大知性体と呼ばれるAIがシンギュラリティに達して時空がバラバラになり、因果律が様々な形で混乱している世界。 巨大知性体たちは時空を元の状態に戻そうと壮絶な計算合戦を行う。 作品は20編の短編が緩やかに結合しながら、SF、ユーモア小説等様々な手法で、因果律が崩壊した多次元世界のスケッチを提示していく。 また、いくつかの連作短編には、時空の崩壊により幼馴染の女の子との初恋の過去を失った親友とその友人たちの話を配置して、恋愛小説としての側面を加えることで、読者が共感しやすい構造になっている。 同時に、短編の中に、時空がバラバラになった原因及び結果を、きちんと説明した章を配置することで、作品世界をきっちりと理解できるように考慮がなされている。 そういう意味で、わかりにくいという感じはしなかったが、 短編ごとに、作風や視点がめまぐるしく変わるので、集中力を持って作品を読むのが、 意外に大変だという感じがした。 ただ、色々な読み方ができるので、連作と考えず、独立した短編を集めた本と考えて、ユーモア小説、とかバカSFとして読むのも楽しいし、詩的な作品もあるので、そういう読み方もあると思う。 この作品でデビュー作というのだから、本当に力量のある人なのだろう。 道化師の蝶的な表現をすると、僕にとってはこの本は『汽車の中で読むに限る』本にあたるかなと思います。 読もうかなと迷っている人は、本を手にとってプロローグをまず読んでみて下さい。 それで、いいなと思ったら、きっと貴方の本だと思います | ||||
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断言しよう。この本には、読む意味が無い。同時に、読むべき理由が全て含まれている。 全ての可能性はこの本の中にあらかじめ書き込まれているし、それと同時にすべてあらかじめ失われている。 僕は思う。この本は生きる意味を示している。生きる意味は無限に存在している/生きる意味なんてものはそもそも存在しない。 ーーでは自分の生きる意味はどうやって見つけたら良いのだろう? それは自分自身の中に記述されているはずだ。自分を参照し、その意味を見いだせばよい。Self-Reference. と、思わず真似をしたくなってしまうほどに衝撃を受けた作品。 文学的な書き方、内容でもあり、なるほど確かに芥川賞を受賞してもおかしくないな、という印象である。 物語は短編集のようになっている。それらは独立した作品として楽しめるほど、関係性はないように読める。 しかし、プロローグとエピローグによってそれらは繋がれる。個別の物語が大きなストーリーを紡ぐ。 確かに難解なストーリーだ。けれど、そこに込められた意味を見いだして自分で意味を見いだしていくのが楽しい。 ただ、意味が見いだせなかったとしても。短編ごとにもメッセージは込められていて、単なる短編集として読んだとしてもこの本は楽しめると思う。 SF的に読むもよし。 個々散り散りの物語から意味を見いだすように、文学作品のように読むも良し。 ユーモアあり、SFあり、純文あり。一冊で22度美味しい短編集として読むのも良し。 人それぞれ、合った楽しみ方を出来る。そんな立体感を持った作品だ。 | ||||
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まず、「解説」のお話。 「・・・物理学や数学、或いは論理学などの知識が乏しいと、その面白さを真の意味では理解できない、(中略)それはまったくもって浅薄な誤解である。(中略)それらについて一切知らない/分からないままでも、本書を読むことは十分に可能」だとしつつも、この解説が25ページ以上もあるのは何をか言わんや、である。 でもね、わかんないけど面白い、それが小説だよね。 解説者が言っているとおり「一切知らない/分からないままでも、本書を読むことは十分に可能」で、書いてあることを素直に追っていくだけでも、“本読み”であれば十分に楽しめると思う。ハードSFだ、純文学だとかテリトリーに囚われずに読むとさらに。 もちろん、一般向け科学書(複雑系がどうとか)を何冊か読んでいたほうがイメージしやすいのは間違いない。それはやっぱり、知識が豊富なほうがニヤリとしたり、ふーむと唸ることが多くなるのは当然でしょう。 この22篇の短編の集合体である長編小説は全体を通じて絶望感が漂っているように私には感じられたのだが、一方で各編が他の編を参照して「無」へ進んで行く姿に何とも言いがたい可能性も同時に感じてしまうのだった。 | ||||
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無限に広がる文字列の中、文法による峻別をかいくぐって存在を許された、解決を見ない命題。 矛が盾を貫き、盾が矛を防ぐという永遠を紡ぎだすエンジンが、広大な宇宙の一部を紹介してくれる。 難しいと思うから難しいし、難しいと思わないから難しくない。 反対の反対は賛成かもしれないし、賛成でないかもしれない。 それでいいのです。 一次元の直線の上に有限の文字が配列された文章という身近な宇宙の、奥深さと白々しさを堪能できること請け合いです。 | ||||
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結局、着眼点の問題だと改めて意識した作品。僕は、小説を読了後に、世界観の余韻に浸る事に重きを置いている。嘘でも出鱈目でも『連れて行ってくれた』と感じれば幸福なので、そういう切り口で見ると本書は、残念な感想を持つ。中段辺りから「執筆している著者」が、見え隠れしている印象を持った。また、安部公房の香りが、ふんわり漂う印象も持った。(それが、悪いという意ではない。)ただ、色々なギミックを試みるのは、大いに評価するのだが、その割りには読了後に、あまり「残り香」を味わう事ができなかった。簡単にいうと「すぐに、同著の次の作品が読みたい。」とは、思わなかった。けれど、本書は、「反芻し、読解し、解釈し、咀嚼する。」という作業的な読み方が、とても愉しめた作品であったと思う。「また読み返したい。」と思わせてくれた作品で、その時には、また違った色彩で彩られる可能性のある作品だと思う。最後に、満点を付けた理由は、「0点が付けられないから。」これを、どう受け取って頂いても構いません。 | ||||
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いくら何でもぶっとびすぎだよ。 時間がバラバラになった平行世界に巨大人工知性体でしょ。 プロローグからエピローグまで一段ずつ次元が上がって(下がっているのか?)短編が並び、第2部では反転して対応するように次元が戻って来る。 自己言及にタイムパラドクス、なんだかいろんなモノがごった煮になって、楽しめるような苦行のような不思議な小説。 読みながら、頭に浮かんだもの。 東浩紀、ポストモダン、ハルヒ、モノリス、バックトゥザフューチャー、ゲーデル・エッシャー・バッハ、自己同一性、Lisp、再帰プログラム、等々。 読んだ皆さんは何をイメージするのでしょうか。 | ||||
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時空が崩壊したという世界、多世界、の話。 長編となってますが、時空が崩壊した多世界を描いてるので、短編集のようでもある。 それぞれの章に繋がりも多々見られるけど、それは読者側が勝手に関連があるんだと思ってるだけで もしかしたら全然関係が無いのかもしれない。 インパクトのある話ばかりで、なんでもありな感じでもいろんな論理(理屈?)でなんか納得 させられる。 そしてユーモアもたっぷり。 巨大知性体達はなかなか笑える。 特に『Yedo』。 八丁堀最高。 でもしっかりSFしててカッコよかったり。 ミヒャエル・エンデの『鏡の中の鏡』を思い出しました。 | ||||
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単行本のときも読んでいたんだけど、あまりの難解さにほとんど理解できなかった作品。普通は単行本を読んだら、文庫化されても買わないんだけど、再挑戦の意味も込めて、今回文庫化された方を買って読んでみた。 相変わらず、難解だけど、自分も彼の文章に慣れてきたせいか、初読のときより読みやすかった。というより、なんで、初めて読んだときによく解らんと思ったのかが不思議なくらい、すっと読めたし、面白く読めた。 メインは巨大知性体。それに絡んだ短編が20編あって、それでひとつの長編小説になっている。一つ一つの小説は独立しているようで、それが大きな物語を構成しているところが面白い。単独では分からなかったことが、全体を読むと分かる。なんて、言ったけど実は佐々木敦氏の後書きの解説を読んではじめて理解できたことが多い。これぐらいの解説がないと自分には辛かったかも。 単行本にはなかった2編も追加されていて、文庫本も買って良かった。 | ||||
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