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Self-Reference ENGINE
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Self-Reference ENGINEの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.60pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全43件 41~43 3/3ページ
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これは、確かに難解な物語である。混乱した時間と空間の中に閉じ込められた、《巨大知性体》。時間と空間を軽がると超越した、《超越知性体》。存在しない物語をかたる、存在しない語り手、《Self-Reference ENGINE》。この3者が、この物語の主要登場《存在》である。そして最後に、存在しない語り手が、存在しなくなることによって、この存在しない物語は、存在することをやめる。この物語の真の主人公である《Self-Reference ENGINE》が最後に語る、『私は何度でもそれを乗り越えてみせる』という台詞の中に、作者の決意表明と、読者へのメッセージが込められているように思う。ただ私個人としては、《全てを乗り越えた》その先に待っているのは、《超越知性体》への進化の道であるような気がする。いずれにしても、本格SFとしても、純文学としても、素晴らしい内容を持った、画期的な傑作です。日本SFの最高到達点の一つ、と言っても良いと思います。 (追記:《大切な何かが失われた世界の中で、その大切な何かを探し求める》というテーマは、ディレイニーの傑作『アインシュタイン交点』に通じるものを感じる。また、《SFという架空の物語を通して、自分自身を物語る》という作品構造は、大原まり子氏の傑作『ハイブリッド・チャイルド』に通じるものを感じる。いずれにしても、多重的な読み込みが可能な、非常に優れた作品である。まさに、21世紀的なパースペクティヴに立って描かれた、《21世紀のSF》という感じである。) | ||||
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葬儀の形見分け、巨大知性体同士の軋轢、未来からの弾丸、自己の改変、無限とゼロの関係うんぬんと、縮尺ばらばらな18の文章がゆるく連なっている作品集。 「変わりゆく自分ははたしていつまで自分なのか」という種類の問いが、解決する前に前提から無効になってなしくずしのまま次の問いが提出され、、という繰り返しの果てに気が付いたら元の位置に戻っていた。という読後感でした。立とうとするはしから倒され続けるような。 各所の用語は,前後にある説明だけを頼りに読んでいいと思いました。理解しようとすると途端に止まりましたが,字面の理解だけでさらさら読んでも面白かったです。 野暮を承知で言えば,エンデの「鏡の中の鏡」やボルヘスの「伝奇集」好きにお勧め。 | ||||
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『SFが読みたい! 2008版』国内篇第2位に選ばれた話題の作品なのに、誰もレビューを書いてないことに驚いた。でも書いていないことに納得してしまった。なぜならこの小説は誰かに紹介しづらい作品であるからだ。 18の短編で綴ったこの連作集は、専門用語が溢れる数理的かつ複雑なSF小説だ。 深読みすればどこまでも深読みできる難解さと綿密に練られ過ぎてる構成を完全に理解できるかというと、それは難しい。だからこの作品はこうだよと人に勧めづらいのだ。 畳の下からフロイトが続々出てきたりと内容もかなり奇抜である。 実際、私自身も何が書いてあるのかよくわかっていない。それでも軽妙かつ饒舌な語り口とひねくれたユーモアに引かれて、スラスラと読んでしまえる面白さがある。深読みも軽くも読める作品だ。 この奇妙さをどう表現して、人に紹介すればいいのかわからないが、一読の価値はある作品であることは間違いない。真っ黄色い綺麗な本の装丁につられてジャケ買いするのも悪くない。 あと、誰かレビューを書きましょうよ。せめて5、6個ないと作品のちゃんとした紹介ができない・・・。 | ||||
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