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ライオンハート
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ライオンハートの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.79pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全61件 1~20 1/4ページ
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何年かぶりの再読後の感想です。恩田さんにはめずらしいすべて海外が舞台の連作集です。短編にしては1編はわりと長めです。最初の「エアハート嬢の到着」は初読時も強烈な印象だったので読むにつれて思い出しましたが、他のものはすっかり忘れていました、汗。 舞台と時代設定は以下のようになっています。 「エアハート嬢の到着」 1978年ロンドン 1932年ロンドン 「春」 1944年ロンドン 1871年シェルブール(フランス) 「イヴァンチッツェの思い出」 1978年ロンドン 1905年パナマ 「天球のハーモニー」 1978年ロンドン 1603年ロンドン 「記憶」 1969年フロリダ(アメリカ) 1855年オクスフォード 主役はエドワード・ネイサンとエリザベス・ボウエンという名の2人。ネイサンという名は、アメリカ作家で「ジェニーの肖像」を書いたロバート・ネイサンからきたんだなということがわかりました。「ジェニーの肖像」も似通ったところがある話です。エリザベス・ボウエンは特に「あの薔薇を見てよ」が有名だと思いますが、ヴィクトリア朝英国風な舞台設定でミステリ的な小説も書いている作家です。 また、恩田さんがこの小説を書くきっかけになった英国人シンガー、ケイト・ブッシュの曲「ライオン・ハート」。恩田さんとほぼ同世代なためこの曲も知っていて大好きで、これらがすぐに頭に浮かんだので作品のイメージをつかみやすかったです。 何度も生まれ変わりを繰り返し出会ってはすぐ別れる運命にある2人。これだけ聞くと悲劇になりそうですが、心から愛せる人を人生でみつけられたというだけでもなかなか得難い幸せであり、2人も幸せだと感じています。 誰もが知っている歴史上の人物や出来事をまるで見てきたかのように組み合わせて、リアリティと絵空事が見事にあわさった名作です。美しい絵空事にうっとりしながら入り込める人にはすばらしい物語だと思います。切ないお話に酔いしれてください。 | ||||
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生まれ変わり、信じますか? 私は結構信じる派です。とはいっても俗に言われる仏教的言説に基づいて、生というのは苦しいわけで、その輪廻の軛から抜け出たい、というかそういう意味合いです。 だって最愛たる奥様でも、時にマジで話が通じなくて・・・笑 連れ合いとの関係が時に辛いなあーって感じること、ありません!? ・・・というのは半分冗談ですが、家内や子供たち親や友人と今関係している偶然を鑑みると、その偶然は本当は偶然ではなく、この人生の前から何らかのシナリオ・紐帯があったのでは、と考えてしまうのはそんなに不自然なことではないと思います。 ・・・ で、本作『ライオンハート』は愛し合う二人の輪廻の物語。しかも人生の中でほんの一瞬しか出会えず、結ばれもせず、その一瞬で愛する人との別離を余儀なくされるというもの。ただしその邂逅の際に震えるほどの喜びを味わうという。 というと、時と輪廻の流れでは互いに絡まりあうのに、その撚り合わせは人生でほんの一瞬。の撚り合わせはというよりも触れ合うだけ、という状況かもしれません。 しかもその一瞬の邂逅はお互いに同じ年ごろというわけではなく、青年と老女、青年と少女、のように本当に年齢もバラバラ。にもかかわらず、お互いに『この人だ!』と分かる。 とまあ、ややメロドラマ的な作りかもしれませんが、楽しめるひとは楽しめる作品。私は乙女なものも割とイケるキモイおっさんなので、若干感動しかけました笑 他方、心から愛し合っているのに、一生で一瞬しか出会えないとなると、それは寧ろ呪いでしかない!?とも思いました。 ・・・ この二人の愛について、そもそもの交わりのスタートがどこかにあるはずです。物事にも必ず原因・スタート・Inceptionがあったはずです。 本作では、これを、歴史上の女傑(イギリス、1600年+αで亡くなった方、といえばもう明らかな筈!?)に関連させて筋立てています。ここだけはちょっと???って感じでした。 ・・・ ということで恩田氏のラブストーリーでした。 『運命』とか『永遠』とか、そういうキャプションがあってもひるまず入り込める人には楽しめる作品だと思います。シニカルな態度がカッコイイと思う懐疑主義の若者や、冷めきった大人はあんまり楽しめないかもしれません。 『こういうことって意外とあるかも』って思える想像力のある方には安心してお勧めできる作品です。 | ||||
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何回も読み返したい。 | ||||
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何度も読み返し、実際に各章の絵を海外に観に行ったりもしました。万人に読んでほしいです。 | ||||
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恩田陸さんの作風は真っ二つに分かれます。 日常の風景を生き生き描く現実的な作品と、ファンタジー夢幻に振れたはちゃめちゃな作品です。同じ作者の作品とは思えないほどかけ離れた作風でいて、どちらも捨てがたい傑作揃いなのですが、私は後者が好きです。超能力、死後の世界、宇宙からの侵略者、時空を超えた愛。「ライオンハート」は「光の帝国」「夢違い」と並んで大好きな作品です。現実とはかけ離れた美しい空間に読者を連れて行ってくれること間違いなしです。オルセー美術館所蔵の、ミレーの「虹」を見て、この絵がこの破天荒なストーリーを触発したのだということがよく分かりました。もっとこういう作品を描いてくれないかなあ。 あ、「月の裏側」「夜の底は柔らかな幻」も大好きです。 | ||||
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元々文庫本を読みとても気に入っていた小説です。本が手元になくなったので再購入しましたが手軽に読めるように今度は電子本にしました。 感想はレビューに山ほどあるので割愛しますが、小説の世界に心底惹き込まれる恩田陸先生の名作だと思います。 レビュータイトルの理由は、この本の重要なキーポイントである絵画の挿絵が、紙の本ならあるのですが電子版にはないことです。 各章のテーマとして用いられているミュシャやミレーの絵画たちがなくては、この小説の魅力が半減してしまいます。恩田陸先生は、ある一枚の絵画を美術館で見たことによってこの小説の創作が湧いたそうです。それを無くしてしまっては作者に失礼ではないでしょうか。 今後訂正などによって電子版にも挿絵が入ることを願います。 | ||||
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なんか不思議だけど胸がきゅーんとする本だった。エリザベスとヘンリーね。なるほど、出会いはいつも…(内緒)変わった題だから、なかなか手にしなかった。早く読めばよかった。 | ||||
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1978年のロンドンから始まる物語は、時空を超えて何度も出会う男女の切ないメロドラマに仕上がっている。多読家の恩田さんの小説であり、伏線も最期の心温まるエンディングもいくえもの想いが込められている。同じく転生輪廻を主題にした三島由紀夫の「豊穣の海」とまた違ったラストは、異国を舞台にしているが普遍的であり、かつ暗示的である。 | ||||
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最初の一編が強烈な印象だった為、残りの物語がやや霞んでしまいました。 一度読んだだけでは分からない難解さもありますが、SFらしさは堪能出来ました。 | ||||
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何度も生まれ変わり、エリザベス・ボウエンとエドワード・ネイサンとして出会い、一瞬で分かれる。何度も過去や未来の夢を見る。 時系列に出会うわけではなく、未来に行ったり過去に行ったりするので、なかなか入り込めない部分もあります。なのでもう一度流し読みしました。 章ごとの扉絵に章のタイトルとなる絵画がカラーで載っていて、調べてみると意味があり、小説のストーリーとの兼ね合いが面白いです。 【エアハート嬢の到着】 扉絵:シッカート。 まさにこの絵の瞬間に二人は出会う。が、悲しい別れ。 【春】 扉絵:ジャン=フランソワ・ミレー。 主人公はミレー。この絵の風景をミレーが見た後に、二人が出会う。が、悲しい別れ。その場面を二年後に絵にしたらしい。 必ず悲しい別れは、なんだか切ないです。 【イヴァンチッツェの思い出】 扉絵:アルフォンス・ミュシャ。 主人公はロンドンの大商人・ジェフリー・ハワード。妻を殺した犯人を追ってパナマへ来る。なぜか「イヴァンチッツェの思い出」の幻や夢を見る。最後、意外な人物がエドワードとエリザベスで出会う。 【天球のハーモニー】 扉絵:ベルナルド・ブオンタレンティ。 時空を超えて二人が出会う謎が明かされる。まさにSF。 【記憶】 扉絵:フェルナン・クノップフ。 絵は、7人の同一女性(画家の妹)がひとつの風景内で立つ構図。 時空の旅をする、色んなエリザベスの残像が目撃されるところから選んだ、ストーリーにマッチした絵だと思います。 エリザベスとの出会いを夢見すぎる老人エドワードが妻をないがしろにしてしまう。。最後の出会いは感動です。 なかなか入り込めず、最後も理解できずにもう一度読み。という意味では、軽く読める作品ではなかったですが、著者の作品はだいたい、もう一度読み直すので、こんなものかと。それも著者の思惑通りかも。理解すると、なかなか奥が深く、うまくできていると思います。 ホラーっぽいのよりは、すっきりと終われてよかったです。 | ||||
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里中満智子さんの「海のオーロラ」で30年以上前に読んだストーリーがヒントかな。三島由紀夫の「豊穣の海」にもどこか似ているような。 | ||||
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今までの奥田さんの作品とは違う感じがする。 最初読み始めて難しかったので、読むのやめました。 | ||||
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文章は綺麗でした。 でも、???。 そこまで理詰めで考える方じゃないですが、意味が分かりません。 エドワードは、人間だよね?? エリザベスの夢の中から生み出されたということ?? 同じ時間に、何人ものエリザベスがいるような気が…??それとも、なんか根本的に自分が間違っている? 理解が全くできず、入り込む以前に、???の嵐でした。 SFは、基礎に真実味があったほうが、個人的に好きです。 初めの方は、綺麗な文章でわりと楽しく読めていましたが、なぜか、最後の方はどっと疲れてしまいました。 評価は、絶賛も多いので、好みや理解の問題かも。 私は苦手でした。 | ||||
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"いつもあなたを見つける度に、ああ、あなたに会えて良かったと思うの。 会った瞬間に、世界が金色に弾けるような喜びを覚えるのよ。" 久しぶりの再読。 時と場所を越えて何度も巡り会うSF小説。 タイムトラベルというよりは転生の物語だけれども、17世紀の倫敦、19世紀のシェルブール、20世紀のパナマ、フロリダと時代に即したそれぞれの物語が用意されています。 輪廻するハンカチーフというアイテムに、魅力的な男女の恋物語。 恩田陸さんの作品は読者を最後に突き放してしまうような喪失感のある物語が多いのですが、この物語はすっと心に落ち着き先を用意させるラストで自分好み。 一つ一つの出会いと一つ一つの別れにひりひりするほどの手の届かなさ、恋の気持ちを味わえます。 うーん、大好きやわ、この物語。 | ||||
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恩田陸の本を読んだのは「六番目の小夜子」、「夜のピクニック」に続いて、これが3冊目だった。また随分違った傾向のものを書くものだと思った。これは、一応恋愛ものということになるのだろうか。しかし、普通のラブストーリーが描く、仲が進展していったり、すれ違ったりという男女の間の話は一切ない。ただ、時空を超えてつかの間出会い、別れるだけ。過去・未来・前世・現世・来世――全ての記憶は交錯し、いつから始まったのか、なぜそういう運命なのか、そしてなぜ一瞬しか会わない相手にそんなにも惹かれるのかもわからない。しかし男女はいくつもの違う時代をほんの一瞬会い、別れるために生きる。だから何なんだ、と思う人もいるだろう。私もストーリーがあるような、ないようなこの話に多少消化不良の感は否めなかった。はっきりとしたストーリーラインの恋愛小説のほうが余程わかりやすい。しかし17世紀のロンドン、19世紀のシェルブール、20世紀のパナマ、ロンドン・・・普段あまり触れることのないそうした時代がひとつひとつ描かれていて、その中には歴史的事件を登場させているのも多い。それだけでも少し勉強したような気になるし、そうした時代に思いを馳せるのも悪くない。特別おすすめというわけではないが、独特の雰囲気をもった作品だった。おもしろい試みだったと思う。 | ||||
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夜のピクニックに続いて読む恩田作品でした。 文庫本ながら、装丁・紙質、各章のテーマを表すカラーの絵扉など、贅沢な造本です。 実は、日本人の書いた外国・外国人の話は、初めてです。 イメージがわきにくいのではないかと、心配でしたが、エドワードとエリザベスの2人の男女の恋物語なので、それほど抵抗はありませんでした。 各章毎の連作小説のようなもので、それぞれが出会う年齢が違っていたり、出逢いの方法に工夫が凝らされています。 少女マンガのようなイメージもあり、時空を越えての逢瀬というのも、ファンタジーとして読めば楽しめました。 ただ、エドワードとエリザベスの運命を定めたモチーフの章がありますが、私が世界史の知識に疎いこともあり、よく理解できていません。 タイムマシンものを読んだときにいつも感じますが、一回読んだだけでは、時空のつながりがよくわからず、頭の整理がつきません。 今度はそのつながりをすっきり理解するために読み返そうと思っています。 (197) | ||||
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「ライオンハート」は、もっとも好きな本の一つです。 単行本が絶版で、文庫なら手に入りますが、単行本の装丁の美しさから、ぜひ単行本で持っていたい本でした。 今回、このような完璧に美しい状態の初版を手に入れることができ、大変満足しています。 信頼できる出品者だとお勧めいたします。 | ||||
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知名度に誘われて購入したら痛い目見ました。 時を超えた恋愛といってもスケールが大きいわけではなく、なぜ時を超えても惹かれあうのかの説明はなし。 考察もほとんどなし。 話は彼か彼女かのどちらか一人称の視点で進んでいくのだが、著者の訴えたいこと?言いたいこと?がまったく伝わってこなかった。 "未来でまた会える恋"とかなら良かったけど、未来から過去に遡るのは意味不明。 しかもやっぱり説明はないし。 時を超えるたびに環境が変わらない分、普通の何事もない恋愛小説のほうがよっぽどおもしろい。 | ||||
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恩田さんの「6番目の小夜子」はいまひとつ私には最後まで読むことができなかったのですが、この作品は中盤から一気に読んでしまいました。 “時空の中で何度も巡り合う”という設定は、小説という夢にどっぷり浸るのに格好の世界観でした。 (普段ロマンス小説はあまり読まない方なのですが) 真夏の寝苦しい夜中に、壮大な時代の流れを俯瞰しながら、恋愛ともまた違う生命の輝きを見届けた気分です。 ストーリーは先をなんとなく読めてしまうのですが、それでもなお、何度も鳥肌が立つくらい心が震えます。 時代が飛んで紛らわしいという感想もありますが、私は全くそこは気になりませんでした。むしろそこがタイムトラベルの魅力なのでは。 頭で理解するより、その切なさ、温かさ、人生において最も煌めく瞬間を感じることがこの小説の醍醐味ではないでしょうか。 | ||||
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恋愛色の強い小説が苦手なので、期待せずに読み始めました。 が! 素晴らしい。 なんて暖かい気持ちになる作品なんでしょう。 各章を短編として読んでも楽しめます。 難点は、外国のお話だし、急に時代や場所が変わるので読みにくいと思う人が多そうなことですね。 けれど、大好きです。 本当に出会えてよかったと思える小説です。 | ||||
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