■スポンサードリンク


銃・病原菌・鉄



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!

銃・病原菌・鉄の評価: 4.05/5点 レビュー 465件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.05pt


■スポンサードリンク


Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全465件 261~280 14/24ページ
No.205:
(4pt)

なぜ石器人は少数なのか

なぜ戦争は起こるのか、逆に、なぜ石器人は少数なのか。 世界には6000の言語があり、1000がニューギニアにあるという。 多数の部族が毎日のように争いを起こす。 しかし集団は大きくならない。 戦争は文明の高い所から低い所で発生する。 だから同じレベルでは紛争止まりになる。 このあたりが日本のガラケー市場に似ていると思った。 文明が進歩するにはどうすればいいのか 長々と書いてあったが、要は突発的に発生する。 会社で部下に発明を命令するのではなく、買収するのが正解なんだなと思った。 前編の半分くらいはとても面白かった。 凄いと思った。 しかし無駄に長すぎなので減点。
銃・病原菌・鉄〈上巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎Amazon書評・レビュー:銃・病原菌・鉄〈上巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎より
4794210051
No.204:
(3pt)

「人類史」という教科書

ダイアモンド博士による人類史の栄枯必衰の根本原因を追及するための論考の下巻。
上巻にて、根本原因を説明してしまっているので、その補足要因としての発明・技術と、社会制度の論考についての主張がメイン。
正直、上巻のみでも話としてはわかるので、あえて、下巻の内容を入れ込む必要があったかどうかはわからない。
要は、人口稠密社会が出現することによる必然の歴史、というものを説明している。

エピローグにて、なぜ中国や肥沃三日月地帯ではなく、ヨーロッパが世界を征しえたのか、という論考はしており、個人的には、ここが一番に参考になった。
しかしながら、その理由として挙げられている中国には十分な競争環境が無かったや、肥沃三日月地帯は自然環境が適していなかった、という論考は、やや推測が強く、あまり説得力をもってはきくことができなかった。だが、理由の一つとしては傾聴に値するとは思う。

上下巻を読み込んでみてのおすすめ度合としては、長々とした論考を読むことを苦にしない読者であればお勧めするとしか言いようがない。
一般の普通の読者の方には、全くお勧めできない。残念ながら。
銃・病原菌・鉄〈下巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎Amazon書評・レビュー:銃・病原菌・鉄〈下巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎より
479421006X
No.203:
(4pt)

人類史

同著者の「文明~」も決して易しい内容ではなく、この文庫もそれと併せて読むことで、人類史の発展や文化の最近の予想を知ることができます。 学術的な内容が多く、一歩進んだ世界史としての印象があります。
銃・病原菌・鉄〈上巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎Amazon書評・レビュー:銃・病原菌・鉄〈上巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎より
4794210051
No.202:
(5pt)

学際的に問題を解決することの大切さを教えてくれる良書

私がこの本を初めて手に取ったのは小学校5年生の頃である。 気候学・疫学・地質学等といった複眼的な観点から徹底した論理により、懇切丁寧に歴史を紐解いている。 この本に書かれていることは、現代及び未来の国際情勢を予測することにも大いに役立つと思われる。
銃・病原菌・鉄〈上巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎Amazon書評・レビュー:銃・病原菌・鉄〈上巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎より
4794210051
No.201:
(5pt)

学際的に問題を解決することの大切さを教えてくれる良書

私がこの本を初めて手に取ったのは小学校5年生の頃である。 気候学・疫学・地質学等といった複眼的な観点から徹底した論理により、懇切丁寧に歴史を紐解いている。 この本に書かれていることは、現代及び未来の国際情勢を予測することにも大いに役立つと思われる。
銃・病原菌・鉄〈下巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎Amazon書評・レビュー:銃・病原菌・鉄〈下巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎より
479421006X
No.200:
(5pt)

アンフェア(全二巻)。

人類は過去、病気、餓え、戦争等に果敢に立ち向かい、生き残ってきたのが我々の先祖であり、最終ランナーが今を生きる我々である。

弱い遺伝子は滅び、強いヤツしか生き残れなかった。 故に、我々は強いんだよ。

簡単にマイッタしたらアカン。 脈々と命繋いできたんだから、どんなものにも克服できるパワーがあるんだよ。

生まれながらの才能よりも、環境(出自)のウェイトが占める割合が大きいっていうくだり「歴史は、異なる人びとによって異なる経路をたどったが、それは、人びとのおかれた環境の差異によるものであって、人びとの生物学的な差異によるものではない」(上巻:45P)は、現世にも通じるものを感じられる。

出自が良ければ、労せず恵まれた人生を送れる(成功の階段を登れる)。 凡人は、ハンディを背負ってるように思うんだけど、これを克服すると、もの凄いパワーを発揮できる。
自分の中に眠る素晴らしい力に気付く方法が、魔法の言葉「わたしは神です。 あなたも神です。 みんな神です。」(斎藤一人) さしずめ、成功のエレベーターに乗るようなもの。

凡人には、ならではの闘い方がある。 凡人ナメたらアカンぜよ!

魂の成長のために、あの世にいる時、自ら描いてきた運命だもの、乗り越えられないはずがない。 運命幸転は、思いのままに。
銃・病原菌・鉄〈上巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎Amazon書評・レビュー:銃・病原菌・鉄〈上巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎より
4794210051
No.199:
(5pt)

これを読むとCivがしたくなる

現代の国力差はどこからきたのか?を真剣に考えた名著。 文庫になって書いやすく、読みやすく、持ちやすくなった。
銃・病原菌・鉄〈上巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎Amazon書評・レビュー:銃・病原菌・鉄〈上巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎より
4794210051
No.198:
(5pt)

本当の世界史

なぜヨーロッパ人が他の地域の人より進んだ文明を持ち世界を席巻したのか。 進化生物学者がその問いに答える。  誰もが一度は抱いたことのあるこの疑問。 著者はそれは民族の差ではなく彼らがいた環境の差であると答える。  それらの違いは作物として得られる植物種や家畜に向いた動物種といった他生物のことであったり、それが伝わる場所の広さであったりするわけだが、その一つ一つが唸らされ、どんどん先が読みたくなる。  私達が今ある地位は民族の努力もあるだろうが、大半は運であるという謙虚な気持ちにさせてくれる一冊。  これは本当の世界史の本だ。
銃・病原菌・鉄〈上巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎Amazon書評・レビュー:銃・病原菌・鉄〈上巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎より
4794210051
No.197:
(3pt)

日本に関する章は未訳出

下巻は、まず文字の発明、技術の受容、社会の集権化を概説した後に、上巻で示した仮説を敷衍して個別の地域への検証を行っている。
 大胆な仮説を提示した上巻に比べると、やはり地味な印象はぬぐえないが、ところどころ興味深い事実の指摘があったり、独特の視点からの解釈などがあって、読んでいて飽きさせない。

 興味深かった点をいくつか拾い上げてみる。
・初期の文字はメソポタミア、エジプト、中国、メキシコなど農耕がが最初に始まった地域から生まれてきた。当初、文字は用途が限定されていて、表現できる幅も非常に狭かった。文字はあくまで支配の道具だった。
・技術に対する社会的受容性は、同じ地域において、常に同じだとは限らない。
・オーストラリアのアボリジニとニューギニア人との間の発展の差は、アボリジニが農耕に適さない広大な砂漠が広がるオーストラリア大陸で狩猟生活に適応したために起きた。
・地形状の障壁が比較的少なく、なだらかな平地が続く中国では、政治的な統一が早くに始まったが、そのために返って、権力の集中を招き、政治的な自由を制限し、内部での競争を阻害してしまった。

 本書の題である銃・鉄・病原菌がどれほど歴史の発展に関わったのかということは最後までほとんど触れられておらず、著者の理論からすれば、それらは、地理的な差によって現れる付随的な結果としての役割しか果たしていない。銃・鉄・病原菌を主題に据えて、それらが果たした役割をもっと考察してもまた違った面白い議論が出来たのではないだろうか。

 それと原著では、日本に関する章が新しく追加されているが、本書では訳出されていない。原著で参照してみたが、日本人から見ればそれほど目新しいことは書かれていない。ただ、日本がナショナリズムにこだわるがゆえに、歴史学的、考古学的な議論を受け入れられていない、といった著者の理解には疑問を感じる。日本人のルーツが韓国、中国(特に雲南)、東南アジアといった広い地域から渡って来ていることは当然のことだろう。

 浩瀚な書物だが、読んでいて最後まで飽きさせない面白さはある。だが、非西欧社会はなぜ技術の進歩が遅れたのか、産業の発展がなかったのか、支配される立場となったのか、という問題提起の仕方には最後まで納得がいかなかった。地域の差を発展の差として理解することそのものが、そもそもの間違いなのではないだろうか。人種的な要因に還元する議論を一見乗り越えているかのようで、そもそもの前提に差別的な違和感を覚える。地域差を発展の差としてではなく、純粋に多様性の差として理解する発想が初めからあれば、本当の意味で人種的議論から離れた歴史を語ることができたと思う。
銃・病原菌・鉄〈下巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎Amazon書評・レビュー:銃・病原菌・鉄〈下巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎より
479421006X
No.196:
(4pt)

歴史の眼差しが変わる一冊

非常に面白い。 現代の民族の分布は、各民族の能力の差が生み出したのか? 農耕民、狩猟、科学、宗教の歴史的な意味に違う視点が入る。 下巻も是非読みたい
銃・病原菌・鉄〈上巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎Amazon書評・レビュー:銃・病原菌・鉄〈上巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎より
4794210051
No.195:
(3pt)

著者の議論に見え隠れする自己正当化

原書は、1997年の刊行で20年近く前のもの。
 人類学や考古学では、近年クロマニヨン人とネアンデルタール人について、交配や共住があったという従来とまったく異なる研究成果なども発表されているので、本書の記述がかなり古く感じるのは否めない。
 だが、人類学、考古学、動植物学、疫学など幅広い分野の研究を横断して、一つの仮説を提示してみせる著者の力量は優れたもので、一読の価値はあると思う。

 本書はまず、現在の文明の発展の差、富の偏在は何によるものか、という問題提示から始まる。世界史の発展の差は、主に地理的要因によってもたらされるというのが著者の考えで、それをさまざまな分野の業績を引きながら検証している。世界史の発展に地理的、環境的要因が作用するというのは、ある意味当然のことだが、それが人種や社会制度、思想といった他の要因よりも決定的に重要だったというところに本書の主眼がある。

 本書(翻訳書上巻)で展開されている理論を以下、簡単に要約してみる。
 人類が最初に自力で狩猟生活から農耕社会へと移行した地域は、肥沃の三日月地帯など一部に限られていた。栽培化、家畜化が可能な野生種は偏在していて、ユーラシア大陸起源のものが多い。このような栽培や家畜化に対して適性のある野生種が、人間によって意識的、無意識的に選り分けられ、人間の手を介した自然淘汰という形で栽培品種、家畜へと変化していった。そして、一度栽培化、家畜化が始まると、それを継承したり、伝えたりすることのほうが容易なため、近縁種やその他の種の改良を止めてしまう。したがって伝播の速さが、歴史の発展に大きく寄与することになる。
 ユーラシア大陸は、東西に長く緯度の差が少ないため、気候の地域差が緩やかで、そのため農耕技術の伝播がアフリカ大陸やアメリカ大陸に比べ容易だった。この環境的差が、農耕技術に地域差を作り、それが社会発展の速度の違いを生んだ。
 農耕による食糧の増産は、人口の増加と集住をもたらし、社会が緻密化する。この緻密化した社会に家畜由来の病原菌が蔓延するようになる。早く定住型の農耕社会に移行した地域ほど病原菌に対する対生の獲得も早かった。こうした要因がユーラシア大陸の他地域に対する優位を決定付けていった。

 このような著者の仮説を見ていくと、本書がアメリカでさまざまな賞を受賞し、非常に評価された理由が見えてこなくもない。
 穿った見方かもしれないが、著者の論理立ては、アメリカおよび西欧社会の正当化に寄与していて、大衆の無意識的な自尊心をうまく救い上げているように思える。
 西欧諸国は文明の先進地域であり、世界中の富を生産し保持している。そして、その大前提の下で、発展段階の差を生んだのは環境差であることを積極的に認めることで、西欧文明は人種的偏見からも脱している。その意味でも西欧社会は他地域に比べ先進的である。著者の議論には、こうした意図や思惑が透けて見える。
 著者は人種的説明に関して、日本を引き合いに出し、日本のような国では今でも文明の発展の差を人種的要因に帰する説明が無条件にまかり通っているのだという。こうした見方自体、非常な偏見だと思うのだが、著者にはそのような自覚はなさそうだ。

 西欧文明がなぜ先進的な文明をもたらし、世界を支配することになったのか、というそもそもの立論自体に非常に違和感を覚える。結局そこから出てくる答えは、西欧文明が世界に対して支配力、影響力を持つことの正当化でしかない。人種的偏見を積極的に乗り越えたかのように喧伝する一方で、どうしても裏の意図が見え透いてしまう。
 本書の理論では、帝国主義による世界の植民地化、奴隷貿易、原住民の虐殺などの歴史を必然的なものに読み替えていくことができるようになる。その意味でアメリカなどでは非常に歓迎される議論なのだろう。大著で専門的な内容であるにもかかわらず、アメリカで非常な売り上げを記録し、さまざまな賞を受賞した理由には、このような西欧の自己正当化が働いていたように思える。本書は、著者の議論のそうした性格を念頭に入れた上で読み進める必要があるだろう。
銃・病原菌・鉄〈上巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎Amazon書評・レビュー:銃・病原菌・鉄〈上巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎より
4794210051
No.194:
(4pt)

中々の本だと思います

とても博学な人だと思いました。 ただ、最初に落とし所を決めておいて、そこに向かって資料を集めているように思えるところが多々ありました。
銃・病原菌・鉄〈下巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎Amazon書評・レビュー:銃・病原菌・鉄〈下巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎より
479421006X
No.193:
(1pt)

学術書の皮を被ったトンでも本

確かに示唆するものは多い。
しかし欠陥があまりにも多すぎる。

まず検証が雑。
他の方のレビューにもある日本語における漢字の扱い方もそうだが、全体的に自分の論旨を展開するために都合の良い証拠を持ってきているように見える。
やたら沢山の事象を挙げているから一見尤もらしいがよくよく読むと、「○○学者はこんなことを言っているが〜」というような、だれが言ってるのかもわからないような言説を持ち出し、
それに対する反対意見を述べているというような文面が多い。
自説にたいして反対意見の論文なりを取り上げて、それの欠陥を指摘する形での自説の補強という展開をとっておらず、そのせいもあってか、全体的に論が薄っぺらい。

また、読んでいて鼻につくのは、筆者の「自分は一般白人社会に並み居る、人種によって優劣が存在してる、と考えるような愚かな人間ではなく、開明的な思想を持つ人間である」という過剰な自意識である。
この本が表向き言わんとしていることは人種による優劣は存在しない、ということのはずなのだが、
結果として主張されているのは、ユーラシア大陸がこのように環境に恵まれていたから、今のような優秀な社会となり、
(私のような自己反省的かつ開明的な考え方ができる)優秀な人間を擁するようになりました、めでたしめでたし。という物語にしか見えない。
それと同時に「アメリカ原住民やアフリカ人は環境に恵まれず、とてもかわいそうな人々だ」と言っているようにまで見える。

おそらく筆者は無自覚かつ無邪気なキリスト教信者で、産んで殖えて地に満ちた現在の欧米文明は正しい文明である、ということを無条件に信じており、
おかれた環境のために発展が遅れた(この言い方にもそもそも問題があるが)ほかの文明は結果として劣っていたのだ、という論旨の展開についても何の違和感をも感じていないのだろう。

医学博士や鳥類学博士がそういった考えを持っていても別に何とも思わないが、こと文化、文明の発達ということを考えよう、という時に
現在こそは最善の状態である、という考え方をもとに論旨を展開することによって生まれる偏りは看過できるような小さなものではない。

また、こうした人種による優劣が存在する、という考え方そのものがそもそも日本では欧米ほどには幅を利かせていないため、おそらく、彼の主張の特異性は多くの日本人にはピンとこないだろう。

これだけあれこれと引っ張ってきているが耳にタコができるほど同じ主張が繰り返されていて、正直読みつかれる。
大体エピローグさえ読めば筆者の言いたいことは全部伝わる。

こんな本がこれだけの評価を得る状況を考えるにつけ、アメリカには人種差別は存在しない、ととくとくとして語る白人がいるそばで、
黒人が警官に射殺される社会を思う。

また、こうした本では大した話ではないかもしれないが、翻訳があまり良いようには思えない。
この本の中で散々出てくる「稠密」という言葉だが、意味は伝わるけど、もうちょっとすんなり入ってくるほかの言葉があったはずではないか、と思うし、
文章も、ところどころ、内容は大したことを言っていないところなのに、つなぎが悪くて何を言っているのかすんなりと伝わってこないところがあった。
翻訳者が自動翻訳システムの専門家だそうで、翻訳ソフト通しただけの文をそのまま本にしたのではないかと勘繰ってしまった。
もちろん、それで自然に通じる文章なら別になんの問題もないのだが。
銃・病原菌・鉄〈上巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎Amazon書評・レビュー:銃・病原菌・鉄〈上巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎より
4794210051
No.192:
(5pt)

ミスプリ

P235 一行目「命を奪って」は「命を守って」ではないでしょうか。
銃・病原菌・鉄〈上巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎Amazon書評・レビュー:銃・病原菌・鉄〈上巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎より
4794210051
No.191:
(5pt)

ここには、西洋人の先進性を謳ったこれまでの世界史を根本から覆す、斬新な切り口が存在する。

西洋人にとっての人類史の探求とは、西洋人が他民族を支配する大義名分、つまり遺伝子や文明における優位性を証明する目的だった、という衝撃から始まる。幸い、無事失敗に終わったようだ(汗)。西洋人学者たちは「おお神よ!」と叫びたくなっただろう。が、アジア人としての自分が、今、感謝をもって同じセリフを叫びたい(笑)。

この本、売れているらしい。世界史という固いテーマでこの分厚さで、というのが不思議だったが、読んで納得、面白い!

ここには、西洋人の先進性を謳ったこれまでの世界史を根本から覆す、斬新な切り口が存在する。

「なぜ西洋人は他民族を征服できたのか?」
(ピサロ率いるスペイン人はたった168人で8万人のインカ帝国を滅亡させた)

その答えが表題だ。銃・病原菌・鉄

狩猟民族が農耕をおぼえて集団化し、資産を蓄積し、軍人を生んで他民族を侵略し、武器職人や僧侶などを生んで戦争をさらに継続させる。同時に家畜を増やし、そこから病原菌に感染し、体内に免疫を育てながらそれが他民族にうつって壊滅させる。

そして、ユーラシア大陸人が有利だったのは、優良な作物や家畜種が存在したことと、南北に長いアメリカやアフリカと違って東西に長い陸地だった故に、気候が似ていて伝播のスピードが早かったこと。

つまり、西洋人に遺伝子や文明上の優位性があったかどうか、についてはこうなる。
歴史上では、アフリカ人や東洋人やポリネシア人の方の文明が進んでいた時期もあった。西洋人が現代文明を築いたのは、たまたま環境条件がそろったから、であって、同じ環境下に置いた上でどちらに優位性があるか、は証明できない。

アジア人として深い共感を覚えつつ、学究人として大いに好奇心をそそられるものである。

目からウロコとはまさにこのこと。下巻も楽しみっ!
銃・病原菌・鉄〈上巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎Amazon書評・レビュー:銃・病原菌・鉄〈上巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎より
4794210051
No.190:
(3pt)

長かった、、、

著者が出会ったパプアの青年が発したある疑問から始まった本書。
最初は期待させるような構成だったのだが、中身はとにかく冗長である。
専門家ならともかく、こんなに一般人に売れる本の内容ではないと思う。
けど、これだけの内容をなんとか最後まで纏め上げた筆者はすごい。
そういう意味で構成がしっかりしているかもしれない。

ポイントポイントで興味深い知識、発想は非常に多く(本書はページの角を沢山折った)、
全体としてはおもしろいのだが、何度も読むのをやめようと思った。
自分のように本書を教養書として読んでみたい人にかなりの体力を要する。
読みたいトピックスだけ読んでも、なんとか全体はつながる。

友人は「本当におもしろい!」と絶賛していたがそれだけの時間に見合うかどうかはわからない。
おそろく、本書でのポイントは150ページくらいの新書でなんとかまとめるだろうから、
この本を読む1/5の時間でそういう本を5冊読んだほうがいいかも。
銃・病原菌・鉄〈上巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎Amazon書評・レビュー:銃・病原菌・鉄〈上巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎より
4794210051
No.189:
(2pt)

文章が残念。

内容はとても興味深いです。
ただ、、著者の書き方が悪いのか、そもそも訳本だからしょうがないのか、私の頭が悪いのか分かりませんが、日本語の文章が非常に読みづらいです。
はっきり言って頭に入ってきません。

また内容自体ももう少し整理したり、一般人に対して親切に書こうとは思わなかったのか。
(一体どれくらいの人が、"先史時代におけるオーストロネシア人の地理的広がり"と言われてすぐさまピンと来るのか)

段落構成や、主張の冗長さ、日本語表現など、読んでいて不快でした。
テーマ自体はすごく面白いのに残念。。

あとは他の方も書かれていますが、日本史の考察など見ても、「本当かよ?」と疑いたくなるような文が見られます。

この本の内容はあくまで筆者の主観による意見と捉えるべきです。
銃・病原菌・鉄〈下巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎Amazon書評・レビュー:銃・病原菌・鉄〈下巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎より
479421006X
No.188:
(5pt)

彼のロジックを日本にあてはめると?だが、巨視的な視点提示に価値あり

下巻では文字の発明、技術面での発明、社会の大規模化の過程が説明され、その後は各論として世界の特定地域に関する分析が述べられています。基本的な主張は上巻と同じで、食糧生産を早く進めた地域が大きなアドバンテージを得たということになります。またユーラシア大陸のように東西に長い大陸は食糧伝搬が早いのに対して、南北に長い北中南米大陸とアフリカ大陸では、大陸内の気候の差が激しい、あるいは地形的な問題で食糧や技術、文字の伝搬がきわめて遅かったという分析がなされています。

 他の方々が述べられているように、ところどころ納得しがたい点はあるものの、全体を通してみれば筋が通っているという印象は持ちました。エピローグには欧州と中国の比較分析をして、なぜ中国が世界の覇者になれなかったか、というのを政治システム面と地政学的側面から述べているのはなかなか面白かったです。というよりもエピローグではなくもっと早く本編でしっかり分析して欲しかったと思いました。

 しかし最後までわからなかったのは、彼のロジックを日本に当てはめるとどうなるのか、という点です。巨砲を備えたアメリカ軍艦が幕末に日本に来た後に、なぜ日本はインカ帝国のようにならなかったのか。なぜ日本は超スピードで欧米に迫るキャッチアップができたのか(インカ帝国はキャッチアップできなかったのか、病原菌のせい?)。しかし全体的にはなかなか読み応えがあって知的好奇心を満たしてくれましたので大満足ではあります。
銃・病原菌・鉄〈下巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎Amazon書評・レビュー:銃・病原菌・鉄〈下巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎より
479421006X
No.187:
(3pt)

読みにくいけど内容はそこそこ面白い

内容自体は、一つの説として、読み物として面白いものだと思いました。 が、文章が真面目過ぎ。 論文のように字がぎっしり、空間もなく、非常に読みにくい。 真剣に読むのではなく、力を抜いて、ほどほどに読まないと非常に疲れる。 結局、世界の人種の差異は、最終的には環境が原因ということに行き着く。 その原因を一つ一つ語っている。 それは良いのだけど、ページが水増し気味なので、もう少し整理されてたら 読みやすかったと思う。
銃・病原菌・鉄〈上巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎Amazon書評・レビュー:銃・病原菌・鉄〈上巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎より
4794210051
No.186:
(5pt)

先史時代からの人類の歴史を、農業(&病原菌)、鉄器などの発生と伝搬、世界の地理・地形的特徴などから解説した良書

人類の歴史を、ホモサピエンス・サピエンスの出現、農業や野生動物の家畜化の技術習得の時期とその地域的不均一性、それら技術の伝搬とその速度などを大陸の形や地形などから解説している。農業習得と集団の住む地理的特徴から、社会形態とその発展時期に差が生じ、それが民族の繁栄と絶滅という運命の差を決定したとある。農業は人口密度を増加させ、人の集合に、政治と階層や専門化(武装集団など)を備えた、”社会”を発生させる。農業の次に鉄器の発展が重要で、必然的に鉄は武器に用いられる。南米のインカ帝国の数万の軍を相手に、スペイン、ピサロ軍が征服出来たのは、銃とキリスト教で武装していたからと説く(この部分は他書にもある)。このような世界の歴史を、深部から解説した全く新しい本だと思う。
 買われた方は先ず、第二章のマオリ族によるモリオリ族皆殺しの物語を読まれることを勧めます。人間の価値感も歴史の進展とともに変化します。今日問題になっている従軍慰安婦を考える上でも参考になる良書だと思います。
銃・病原菌・鉄〈上巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎Amazon書評・レビュー:銃・病原菌・鉄〈上巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎より
4794210051

スポンサードリンク

  



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!