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銃・病原菌・鉄
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【この小説が収録されている参考書籍】
銃・病原菌・鉄の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.05pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全465件 341~360 18/24ページ
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興味あれば、一読しましょう ※ゲーム「シヴィライゼーション」好きな僕は、より妄想してゲームを楽しめますw 現代の侵略した側(西洋など)、侵略/淘汰された側(アフリカなど)が、 存在することを皆さん否定しないと思います。 なぜそのようになったかも、漠然と知っているともおもいます。 どれが真実なのか、正しいのかはわかりませんが、 それを考える上で一読することをオススメします。 本書に書かれていることは、僕は漠然とどこかで聞いたことがありましたので、 すんなりと読めました。 ◆本書を読むことの価値は、その論拠や考察の過程を丁寧に読んで行く事だと思います。 時系列で1万3000年の人類の歴史を、その地勢状況から生じる結果を追っていくことは、大変おもしろかったです。 地勢状況が、「食料」から始まり「社会体制」を経て、「技術」の違いをこれほど生じるとは考えていませんでした。 途中、言語に関することなど、細かい考察の部分などは、文字だけで考えるのは難しかったりします。 読む方は、深く考えず、まずは通読すればよいと思います。 だって、何度も同じことを述べますので、そのうち理解できるかもしれませんし、概略だけでも価値ありです。 | ||||
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本書には、図解といえば、地図しかない。 多くの植物や動物が登場するのに、一切、生物の図解がない。 生物の話をするには、形態学的な情報が必要不可欠なのに、図解がないのだ。 印刷術が今とは比較にならないほど粗末だった江戸時代でも、解体新書には図解があった。 それほど、図は大事なのだ。 文字でくどくどと説明するより、簡単な模式図1枚の方が、はるかにましだ。 | ||||
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ものすごい評判がある本書。 確かに長いし、地理に疎い私は要所要所で理解に苦しむところがあったが、全部を読みとおすことで、人類つまり「ヒト」について大きく考えさせられた。 本書は一部の過激な人間が持ちたがる人種ごとの優劣というものを完全に覆している。 また、ヒトが人へとなった過程にはその環境というものが大きな影響を及ぼしており、そういう面で必然的であると言えると思う。 しかし、新しい技術も時として闇に葬られたように、タイミングなどがふと合ったときに更なる発展してきたという点では、その偶然性もまた重要な要因だと思った。 この必然であり、偶然という部分が今の人を人たらしめたものであり、この2要素というものは、歴史のどの場面でも存在してきたことであり、とても興味深い。 確かに長いけど、一読の価値ありですね。 | ||||
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人類の歴史を生物学や民俗学、文化人類学、地球科学の知見を総動員して、総合的に考察した内容になっていて、一人の著者だからこそできる人類の歴史の俯瞰となっていると思います。 ただ、少し長く、読んでいるとテンポが遅く飽きてしまうようなところがあると思います。 大変博学な著者だからこそ書ける本だと思います。 結構分厚い本です。 上巻だけ読み通すのにも時間がかかります。 | ||||
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人類は400万年のアフリカではじめて誕生し、 1万3000年前までには世界の主要な地域に拡散していった。 各地で文明を発達させてきた彼らが再び相まみえるようになるのは、 500年前のコロンブスの新大陸発見に端を発する。 そこで起こったことは、ヨーロッパ人によるアメリカ先住民の征服であり、 その逆ではない。 その要因は、銃や馬をはじめとする戦いのための道具の性能や、 新大陸には存在しなかった病原菌ということは広く知られている。 もともとはアウストラロピテクスと呼ばれる同属の個体であったのに、 これらの差異が生じた究極的な要因はなんだったのだろうか? 筆者は生物学的な差異を理由とする、 白人至上主義を持ち出すことはしない。 環境が文明発展のしかたを左右したことを、 考古学的証拠と言語学的証拠の両面を示しながら証明していく。 その究極的要因とは、 ユーラシア大陸が東西に長く、アメリカ大陸が南北に長いことである。 ここからどのような因果関係を用いて、 1533年のピサロ率いるスペイン軍による、インカ皇帝アタワルパの捕獲という結果につながるのか。 これがミステリーの謎解きのような知的興奮をわき起こしてくれる。 文系的な学問だと思っていた歴史学も、 データと論理を積み重ねればサイエンスと呼べることを教えてくれる作品だった。 | ||||
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この本の原書は買ったまま積ん読状態でした。その理由は、英語版の挿入写真の1枚に天皇陛下の写真が様々な原住民族の写真の中に1枚だけあり、日本人が蔑視されているような感じがしたのと、文章自体は難しくないものの専門用語が多く使われて辞書を引くのが億劫だったからです。 その間、同じ著者の文明崩壊上・下を読み、著者の力量に瞠目もしましたので、廉価な文庫本が出た機会に購入して上巻を読了したところです。 科学的手法で人文学的事象に臨むといった手法は、文明崩壊で駆使されており新鮮さを感じましたが、この本ではあまり新鮮さを感じませんでした。なるほど、翻訳年を見ると文明崩壊の方が後なので、その理由がわかりました。また、失礼ながら訳もこなれていません。どちらかというのであれば、強く文明崩壊を読まれることをお薦めします。手法の洗練さ、物語性の面白さなど、より高く評価できるからです。 私は、この上巻で専門用語を学習したので、下巻相当分は原書にチャレンジしようと思います。 以上のややネガティブな印象がどうなるか少し興味深いです。 | ||||
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ニューギニアの政治家からの素朴な問いかけ・・・ 既存概念をもってすれば、一言二言で片付けてしまいそうな回答となるところを・・・・ 真摯に、何故・・どうして・・と、問いかけ、全方位的観点から回答を探し出そうとした渾身の作となっている。 歴史書としても、地球と人類と言う観点からも、今迄の概念をも再考させられる、とても面白いものです。 一読の価値ある本だと思います。 | ||||
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邦訳出版から10年以上の歳月が経過しているにもかかわらず、いまだに評価の高い人類史、文明史の書。 このほど文庫本上下2巻として新たに刊行された。 本書は上巻。 上巻での圧巻は、本書のカバーイラストにもなっている(と思われる)インカ帝国の数万の兵士を、スペイン側のわずか百数十人の部隊が壊滅に追い込むシーンであろう。 その信じられないようなイベントが起きた理由が「銃、病原菌、鉄」だと著者は言う。 「銃」といってもわずかな火器しかないスペイン側の軍勢が、何故数万のインカ兵をケチらしたかを語るあたりを読んでいると、あたかもそのシーンが脳内に再生されたかのような錯覚に陥る気がする。 | ||||
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本書を読む直前に、今話題を呼んでいるファーガソンの文明: 西洋が覇権をとれた6つの真因を拝読した。書中で著者のファーガソンは、文明が「銃、病原菌、鉄」で生まれ出るほど簡単ではないと切り捨て、独自の「6のアプリ」の有無が西洋文明の(一時的な)隆盛をもたらしたと述べている。 こうして双方の書を読み比べてみると、いずれが正しいかどうかを議論するよりは、ものごとを簡単に規定してしまうことの危うさを逆に感じる。 但し、そもそも地球の地政学的上の理由が大きいとする本書の主張の方が、個人的には説得力があるような気はする。 本書の冒頭に登場するニューギニアのヤリにとっては、それは悲しいことかも知れないが。 | ||||
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新大陸の原住民の大多数は西欧から持ち込まれた病原菌で死んだとか、新大陸にはなかった鉄や馬の威力についてはどこかで聞きかじっていたが、その辺の背景や事情について頭の整理になったので読んでよかったと思う。 が、それは最初の数十ページで充分。 あとは辟易するほど同じ論旨の繰り返しで、「うん、わかったから次行きましょう、次・・・」と独白しながらやっと1冊読んだ。 で、次はなかった。 著者の学者としての能力や評価は別として、1冊の(2冊だけど)本を出版しようとするなら、当然求められるべきエディトリアルな能力というものがあるはずだ、と実感した。 | ||||
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ずいぶん評判になっていたので、文庫化され、さっそく手にとりました。 読了後の感想をひとことでいうと「長すぎる!」です。 壮大な人類史にまつわる良書だとおもうのですが、 乱暴に要約すれば下巻の「エピローグ」の章、約30ページを読むだけでことたります。 要するに人類がたどった歴史は大陸の環境の差異によるもの、ということです。 これを考証するのに何度も何度も同じ考察が繰り返され、少しイライラさえします。 上下2巻は長すぎます。 とはいえ、内容に関しては科学的な良書であるとおもいます。 | ||||
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ジャレドの「銃・病原菌・鉄」は人類が動物の一種として進化してきた後の今から13000年前を起点として、人間として文明を進化させてきた「道のり」を論じた珍しい論点からの論旨を展開している。つまり、いまから600万年前ごろに類人猿から分岐した人類の祖先は、徐々に生物学的な進化してきたが、13000年前までは「2足直立歩行、大きな頭脳、ネオテニー化した身体、言語活動、葬送儀礼、道具の作成と使用、狩猟採集中心のバンド単位の社会生活」を特徴とした大型哺乳動物であった。 何らかの理由で樹上から草原へ降りた類人猿が進化したとして、ここまでの特徴は類人猿であるチンパンジーやゴリラと似通っている。知能が優れ、最もよく適応したサルとして地球規模で移住し終えたのが、ジャレドの言う最後の氷河期が終了した13000年前であろう。 13000年前の気候の温暖化とともに人類は新たな「文明」という生物学的範疇を超えた進化プロセスに突入するのである。この進化もダーウィンの自然選択原理が働くが「文明の進化」の淘汰圧の大半は人類自身である。従って、この淘汰圧の中には意図せざる人為選択を導入せざるを得ないのである。 人類が「文明」を基礎づけるためには「狩猟採集生活」から「農耕生活」への切り替えが必要であった。世界で自発的に農耕が始まった個所は9か所ほどだとジャレドはしているが、それは周辺に栽培に適した野性植物が自生している地域であった。その中でも「肥沃の三日月地帯(小麦と豆)」と「中国の中原地帯(米・コーリャンと豆)」が最も古い地域である。その後、遅れて「南アフリカ」「中米メキシコ」「南米ぺルー」「ニューギニア」などで農耕が始まっている。「農耕」は人類が自然を改変して収奪する最初の環境破壊であったが、単位面積当たりの人口収容力が10倍から100倍になり、人類が初めて人口稠密な社会を形成する基盤になったのである。同時に、大型哺乳動物の家畜化によって労働力と動物性たんぱく質を確保し、余剰食糧を多く得たのである。 これにより、生産に従事しない階層が生じることが「文明」の進化には最も重要であった。非生産階級として政治・統治をおこなう「貴族」、信仰・祭事を行う「神官」、戦闘行為を行う「軍人・戦士」などが生じるのである。「神官」が文字を作り、「軍人」が武力を発展させ、「貴族」がそれを集中運用することになり、これ以降、人類の部族同士による戦争を通じて、支配・被支配による離合集散を繰り返すことになり、血で血を洗う自然選択(意図せざる人為選択を含む)が始まり、人類の「軍事力」を中心とした技術文明は飛躍的に進化・発展していくのである。 一方、「農耕」に伴って始まった「動物家畜化」と人口稠密な社会の定住によって「病原菌」の文明化が始まり、人間と病原菌の共生が始まり、天然痘・麻疹・赤痢などの疫病を起こす病原菌が文明社会には常在することになるのである。このような進化プロセスを最もよく行えた地域がユーラシア大陸の数々の国家群であり、他の4大陸は「農耕」の始まりが遅れ、十分な発達過程を経ないまま。西暦1500年代にヨーロッパ文明と邂逅することになったのである。これにより、ヨーロッパ文明に圧倒的に支配されてしまうのである。(ユーラシア大陸の一地方であるアジアは一時的にヨーロッパに支配されたが、今日、それは解消されている。進化論的にみればそれは一過性の出来事であろう。) ジャレドのこの論文を1個の文明論としてではなく、ダーウィニズムに基づく生物進化論の一環としての「文明進化論」としてとらえたいと思うのである。この観点から言えば、DNAゲノムに対応する文明の設計図は「文字(ATGC塩基に対応)」によって書かかれた「本(染色体に対応)」ということになるである。それはドーキンスの「ミーム論(meme)」につながっていくものなのである。ジャレドの考察はまだ不足部分も多いが、新しい観点からの大胆な仮説提案であり、特に家畜起源の病原菌での文明社会との共進化の観点は新鮮であった。星4つは少し辛めの評価であるが、アジアのことを少し知らないすぎる表現が見られるのが減点である。 | ||||
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内容はいいのだが、何度も同じことの繰り返しが出てくることと、筆者が日本に関して無知なことで、評価は星三つとしておく。 | ||||
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異なる民族が衝突した際に起きた結果から、どういう理由でその結果が 導き出されたか説明されます。 食糧生産が世界に広く広まった理由に ついて説明されます。 実験で検証するわけにはいかないので遺跡から出る 遺留品を元に推察されるのですが本当かどうか誰が証明するのでしょうか。 | ||||
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「文明格差=どうしてヨーロッパの人々が世界を支配し、インディアンやニューギニアの原住民が世界を支配することはなかったのか?」、という、世界史を勉強したり、海外旅行をしたときに誰でも一度は考える素朴な疑問に正面から向き合った本。 筆者は「人種間の能力の差」という考えを真っ向から否定し、格差の原因は、ユーラシア大陸とアメリカ大陸の地形の違いであり、生息していた動物や植物の違いであり、人類が住みはじめた時期の違いだと言う。それが、食料生産や金属生産や文字の使用の時期のズレを生み出し、先進的地域と後進的地域が生まれたと言う。 読み始める前は、考古学や生物学の知識がないと付いていけない内容ではないかと思っていたが、実際には、大学の一般教養レベルの知識で、十分に理解できる内容だった。 トウモロコシや豚や馬は、人類が野生の動物や植物の遺伝子を自らの目的に合ったものにするため、長い間かけて作ってきたものだということ、家畜が人間にもたらした病原菌が少数民族殲滅に役立ったこと、世界史は沢山の弱い種族や言語が失われ続けてた過程に他なならない、というようなこと、1つ1つが極めて興味深い。 下巻になると繰り返しが多いとか、細かい点に間違いがあるといった指摘もあるが、そうしたことを割り引いても、価値のあるスケールの大きな教養書。息長く売れるのは当たり前で、多分、古典としてずっと読まれ続けるだろう。繰り返しが多いが、論点はとても明快。翻訳も上手。 グローバル化する世界で、さまざまな国々の人々と接する機会がある日本の若者は、近視眼的な実用書でなくこういう本を読むべき。世界を見る目が変わる。 | ||||
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上巻を受けて、言語や文字を軸に、なぜ現代のような西洋主導の世界が成立したかに迫る。 これまでも中国やインドに近代が生まれず、なぜ西洋で生まれたかに関する考察は数あったが、環境の観点から明快に説いた好著。 経済水準と民族性に関する公平な見方を示してくれる。 | ||||
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ピューリッツアー賞受賞の本ということで期待して上下と分かれている上巻をとりあえず買いましたが、はっきり言って退屈。 下巻の方で面白くなるのかもしれませんが、上巻の方は延々と植物の伝来を読まされます。 中盤まで我慢して読み続けてきましたが、興味がほぼ半減。それから先も特にモチベーションが上がるような内容も無く、私にとっては下巻を買うほどの魅力をもてませんでしたので、下巻はパス。 学術的な視点で読む人にとっては面白く思える人もいるかも知れませんが、なぜモンゴロイドが世界中に渡って行けたのかということからの興味で購入した身にして見れば、植物のことはどうでもよく、この段階でギブアップです。 途中まではそこそこ面白く感じたので、おおまけに星3つです。 | ||||
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皆様のご意見とご感想、どれも共感しました。 私としては、「いいとこに目をつけなさった」から「面白い」が…読み進むと「冗長」だし「どことなく胡散臭い」し「未訳の部分が気になる」でした。 | ||||
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(上下二冊のレビューです) ジャレド・ダイアモンド(倉骨彰訳) 『銃・病原菌・鉄 一万三〇〇〇年にわたる人類史の謎』(上)を読む。 英語の原書を以前読みさしていたが、今回は邦訳で読んでみた。 原題は"Guns, Germs, and Steel ーThe Fates of Human Societies"。 人間社会(複数)の運命について書かれた本なのだ。 どうして文明Aが文明Bを滅亡させることができ、その逆がないのか。 一万三千年の人類史を俯瞰し、その謎に迫っていく。 歴史学、考古学、生物学など複数の学問の成果を駆使しながら、 こうした壮大なテーマに挑む学者の仕事は尊敬に値する。 学問の世界はともすると専門的になるばかりで、 統合的な視点が欠ける。 しかし、統合化と口で言うのはたやすいが、 天才と情熱が揃わなくては不可能な仕事である。 ジャレド・ダイアモンドの筆は モーツァルトのように軽快である。 家畜を飼うことが可能になって文明は進化・強化する。 病原菌の免疫を持つ文明Aが、免疫を持たない文明Bを滅亡させる。 著者の論点が要所要所に簡潔にまとめてある。 おりしも、宮崎県の家畜に発生した口蹄疫で日本は騒然としている。 まさに現代的テーマである。 朝日新聞社が企画した00年代ベスト50の第一位に選ばれた。 1998年一般ノンフィクション部門でピュリッツァー賞]受賞。 ●●● ジャレド・ダイヤモンド『銃・病原菌・鉄 一万三〇〇〇年にわたる人類史の謎』(下)を読む。 UCLA医学部教授が執筆した 「東アジア・太平洋域から見た人類史」である。 家畜とし栽培することができた野生動植物の種を多く持つこと。 技術の伝播を比較的容易にする東西に広がる大陸であること。 その結果としてユーラシアの人類は 他大陸に生きる人類より優位に立った。 人種の違いより環境の違いが、 征服する社会、征服される社会を決定する 最大の要因になったと著者は説く。 一万三〇〇〇年の時間の物差しで モノを考えることは普段はそうない。 しかし、著者の複数領域の学問にまたがる洞察の成果で、 そうした視点、思考法を 読者である僕たちも手に入れることができる。 余剰食糧の確保が人類社会の発展を進め、 同時に解決困難な問題を生んだ源になったとは なんと皮肉なことだろうか。 飢えからの脱出が、次なる欲望を生み出すことに直結した。 草思社は経営危機を乗り越え、2000年にこの本を発売。 以来10年、ロングセラーとなってきた。 志ある出版社の存在は、 僕たちが暮らす社会の共有財産である。 身銭を切って本を購入することで 僕もそうした出版社の活動を個人としても支援していきたい。 朝日新聞社企画、151人の書評家が選ぶ 「00年代のベスト50冊」]第一位。 | ||||
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私の人生の中で読んで良かった本のひとつです。(新しいバージョンのものは、賛否両論あるようなので、この版のみの話です) 移住、民族の興廃、食料、家畜と大枠でこのようなカテゴリーで話が進みます。人類がどのようにして、世界中で繁栄を治めることができたのか、その足がかりを知る上で、人類の起こりから考えるほうが非常に説得力があります。 私たちが今、普通に目にしているすべて物は、私たちの祖先が裸一貫でスタートしたからこそ、今の私たちの存在、生活、歴史があります。ただ単に、年代と単語を覚えるだけの歴史の授業ではなく、「なぜ、どうやって人間の祖先が繁栄できたのか」を知ることができる貴重な本です。少し難しい本ですが、知的な好奇心をくすぐること間違いありません。 | ||||
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