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ゼンデギ



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【この小説が収録されている参考書籍】
ゼンデギ (ハヤカワ文庫SF)

ゼンデギの評価: 2.89/5点 レビュー 9件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点2.89pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全3件 1~3 1/1ページ
No.3:
(3pt)

重苦しくてしんどい

前半の退屈極まる革命描写はバッサリ捨てても問題なかったのではないかと思う。これのせいでかなり読み進むのが大変だった。
中盤以降は、小学校低学年の息子を持つ父親として、主人公に強烈な親近感を感じざるを得ず。
結果として辛く、重苦しく、救いのない作品だった、という感想。
SFのキモとしてはタイトルの「ゼンデギ」(VRゲームポッド)よりも、そのアバターを作り出す「サイドローディング」になるだろうか。
人間を電子情報化する際に、脳マップをまんまアップロードするのではなく、一定のテストに対する反応から、それと同じ反応をする人工知能を作るもの。うまいサッカープレイヤーをサイドローディングすると、やっぱりサッカーの上手いアバターが出来上がる。
最近のディープラーニングされた人工知能の振る舞いに近いように思われて、さすがイーガン先見の明がある、と思う。
ただ、2017年現在、この手の”人工知能”は「道具」としての進化は続けているけど、西海岸的「人格のアップロード」文化とは馴染まないきがするなぁ、と思いつつ読み進めると案の定のラスト。肩すかし感は否めない。ただ、イーガンは西海岸的”それ”を信じているようだ。だとするとこのラストは何だろう。
とにかくこれだけ哀しい思いをしてこのオチか、という、ちょっと怒りにも感じた絶望感がある。こんな灰色一色のSF書く人だったっけかなぁ。それとも自分が何も読み取れていないのか。
冒頭のLPからのリッピングの描写や電子書籍化の際の取りこぼし描写(ラストを読んだ後この辺の描写をみればオチの示すところは明らかだ)についてこの先人類がどういう結論を下すのかはわからないけど、「時間の波に洗われる」ことが加速されているのではないかなぁ、とも思う。ScanSnapの前で紙束のpdf化に土日祝日を割いている身としては、結局「灰は灰に」ということなんじゃ?という気持ちでもある。

いや、面白かったんですよ!(付け足しのように)
ただ、お話が、悲しかったので。

イーガンがいいたかったのは、”魂”は”振る舞い”とは全く違うところにあって、振る舞いの完コピが
魂を生み出すことはない、方法を変えないとね(例えばディアスポラのように)ってことなのかなぁ、
とは思う。思うけどもさ。
ゼンデギ (ハヤカワ文庫SF)Amazon書評・レビュー:ゼンデギ (ハヤカワ文庫SF)より
4150120145
No.2:
(3pt)

難解ではない

カノグレッグ・イーガンの作品ということでかなり構えて手にとった。
が、意外に手におえないほど難解であるということもなく普通に読み進めることが出来た。

イラン民主化を描く冒頭はイーガンにしては少しエンターテイメントしてるなと思った。
ハリウッド的というか、映画的というか。
この箇所が知人などの言う冗長な箇所であったのだろう。
その後に書かれるVRMMOのようなシステムや脳マッピングなどはわかりやすいイーガン、一般人に妥協してくれたイーガンとして読めた。
ゼンデギ (ハヤカワ文庫SF)Amazon書評・レビュー:ゼンデギ (ハヤカワ文庫SF)より
4150120145
No.1:
(3pt)

エンタメとしては低評価せざるを得ない

まず無駄に長いです。第一部のイラン革命の部分を楽しめる人がどれだけいるのか。(第一部は185ページ)
後半の話に繋がる要素がいくつか含まれているとはいえ大幅にカットしても差し支えないレベルのつまらなさです。
また、全体を通して持って回った言い回しが連発し辟易してしまいます。
(これはイーガン特有のものなのか、翻訳者特有のものなのかは不明ですが)
ただでさえ小難しいことを書いているのに輪をかけて読者の理解を妨げる要因になっており、ページ数増の原因にもなっています。

ここまでマイナスな部分を書いてきましたが、やはりイーガンなので一定の評価ができる部分もあります。
人格のデジタル化の技術考証はもちろん、
デジタル人格の扱い、社会的な反応などの問題をリアルに描いている点、
そういった技術的、哲学的な発想と突き詰め方はやはり他の作家と比較しても抜きん出ていると思います。
本作は一言で言うならば「人格デジタル化史黎明期」という感じで、
そう考えると主人公の結末も「黎明期」の一部としてしっくり来る気もします。

ただやはり冗長なのは否めず、結末も肩すかしな感じで本当に「歴史の一部」のようなたんたんとした印象の話です。
故にエンタメとしては低評価、それほどおもしろくありません。
ゼンデギ (ハヤカワ文庫SF)Amazon書評・レビュー:ゼンデギ (ハヤカワ文庫SF)より
4150120145

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