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黒革の手帖



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黒革の手帖の評価: 4.25/5点 レビュー 124件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.25pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全105件 61~80 4/6ページ
No.45:
(5pt)

ドラマもいいが、やはり松本清張氏の原作は素晴らしい!! 伏線の張り方も、原口元子はじめ魑魅魍魎のキャラクター達もお見事

『舞踏会の手帖』は社交界デビュー当時の手帖を頼りにヒロインがむかしの恋人を訪ね歩くというものだったけれど、本作は銀行の地方支店の預金係の原口元子が架空名義預金や無記名預金の写しを盾に7千6百万円を横領、それを元手にクラブのママとなり、第二、第三の『黒革の手帖』を武器に野心的にのし上がっていこうという犯罪小説である。

数年前に米倉涼子さん主演でドラマ化されてずっと気になっていたのだが、やっと読むことが出来た。

自分は下戸で酒はやらないのだが、年に数回、女の子のいる店に飲みに行く。飲むといっても、もっぱらウーロン茶で、2時間でカラオケなんぞをやるとそれだけで3万円近く取られるのがどうも合点がいかず、かといって美人のママに質すのも格好悪いので、一言も文句も言わず帰ってくるのだが、飲み屋の会計の仕組みを覗きたいというのが本書を手に取った第一の理由であった。

結果、飲み屋の会計の仕組みは分からなかったが、松本清張氏の小説の手腕に酔ったというのが最大の感想である。

不美人の原口元子が大金を手に入れたからとはいえ、クラブのママに収まり、ホステスやバーテンを自在に操り、表面的には慕われもするのは、小説読了時は不自然と感じたが、それはこの堅牢で見事な小説世界の前では些末なこと。松本清張氏の頭脳はどうなっているのかと彼の小説を読むたびに感嘆してしまう。
黒革の手帖〈上〉 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:黒革の手帖〈上〉 (新潮文庫)より
4101109532
No.44:
(5pt)

ドラマもいいが、やはり松本清張氏の原作は素晴らしい!! 伏線の張り方も、原口元子はじめ魑魅魍魎のキャラクター達もお見事

『舞踏会の手帖』は社交界デビュー当時の手帖を頼りにヒロインがむかしの恋人を訪ね歩くというものだったけれど、本作は銀行の地方支店の預金係の原口元子が架空名義預金や無記名預金の写しを盾に7千6百万円を横領、それを元手にクラブのママとなり、第二、第三の『黒革の手帖』を武器に野心的にのし上がっていこうという犯罪小説である。

数年前に米倉涼子さん主演でドラマ化されてずっと気になっていたのだが、やっと読むことが出来た。

自分は下戸で酒はやらないのだが、年に数回、女の子のいる店に飲みに行く。飲むといっても、もっぱらウーロン茶で、2時間でカラオケなんぞをやるとそれだけで3万円近く取られるのがどうも合点がいかず、かといって美人のママに質すのも格好悪いので、一言も文句も言わず帰ってくるのだが、飲み屋の会計の仕組みを覗きたいというのが本書を手に取った第一の理由であった。

結果、飲み屋の会計の仕組みは分からなかったが、松本清張氏の小説の手腕に酔ったというのが最大の感想である。

不美人の原口元子が大金を手に入れたからとはいえ、クラブのママに収まり、ホステスやバーテンを自在に操り、表面的には慕われもするのは、小説読了時は不自然と感じたが、それはこの堅牢で見事な小説世界の前では些末なこと。松本清張氏の頭脳はどうなっているのかと彼の小説を読むたびに感嘆してしまう。
黒革の手帖 (1980年)Amazon書評・レビュー:黒革の手帖 (1980年)より
B000J87IJY
No.43:
(5pt)

文章が美しい

ストーリーは、昭和の匂いがして古いカンジですが、文章が読んでいて心地よいというか、とにかく美しいと感じます。
黒革の手帖〈上〉 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:黒革の手帖〈上〉 (新潮文庫)より
4101109532
No.42:
(4pt)

概要がほぼネタバレ

一介の銀行員だった元子が次々に男たちの弱みを握り大金をせしめていくがやがて……と、
中盤ややだれるもののストーリーは中々面白い
ただそれなりに個性的なキャラだった画家や叡子の出番が最初にしかないのが勿体無い
下巻で元子がそれまでの流れを振り返るところあたりを彼らにやらせても良かった
一番問題なのが背表紙の概要にストーリーの流れの9割近くが載っていることだろう
新規で読む人は概要は読まずに読んだほうが楽しめるはず
それ以外は作者のファンなら安心して買える作品だろう
黒革の手帖〈下〉 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:黒革の手帖〈下〉 (新潮文庫)より
4101109540
No.41:
(5pt)

清張の傑作の一つ

非善人の主人公が、その反社会的(しかし発覚しないまたは処罰されない)企みを成功させて着々と望みを達成していくと思いきや、後半になるとより大きな勢力によって壊滅的破滅への下り坂に突き落とされるというオチが待っている。因果応報ではあるが、決して勧善懲悪ではない。より大きな悪が勝利するだけという、著者の得意とするパターンのサスペンス小説。

このパターンに属する長編は以下のものがあるが、決して焼き直し・使い回しではなく、それぞれが独立したストーリーと魅力を持っている。
・黒革の手帳
・けものみち
・告訴せず
・夜光の階段
・連環
・わるいやつら

前半から中盤にかけての、合法・非合法を取り混ぜた非善人の主人公の悪巧みの成功の過程は小気味よさや羨望の気持ちを与え、後半の奈落への転落は同情さえ覚えせ、人間誰しも持つであろう持つ黒いどろどろした欲望の極限の破裂の成れの果てを感じさせる。

松本清張と言えば「推理」が有名だが、彼の推理ものはよく読むとあまりにも現実離れした荒唐無稽のものが多い。然るに本書のようなサスペンスものは「もしかしたらそういうことが実際にどこかで起こっているかも知れない」という程に、現実との乖離が程よく収まっている。

何度読んでも飽きのこない傑作。
黒革の手帖〈上〉 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:黒革の手帖〈上〉 (新潮文庫)より
4101109532
No.40:
(5pt)

最後の余韻がなんとも言えない

主人公の女性の運命が予測はできたが最後は色々と考えさせる展開で終わっています
黒革の手帖〈下〉 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:黒革の手帖〈下〉 (新潮文庫)より
4101109540
No.39:
(5pt)

故郷の大作家の初期の作品

小生の高校時代にデビュ-した作家であり当時夢中で読んだ記憶がある。その後「点と線」など多くの傑作を発表。また、映画やテレビで何度となく見ましたが偶然にもアマゾン書籍で発見し50年ぶりに読みました。
設定は銀座を舞台にしたサクセススト-り-ですが現在でも変わりなくよくぞあの時代にこんな小説が書かれたものと感心しています。同年代の諸兄にお勧めです。
黒革の手帖〈上〉 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:黒革の手帖〈上〉 (新潮文庫)より
4101109532
No.38:
(5pt)

黒革の手帳(上)

個人読書履歴。一般文学通算220作品目の読書完。1984/02/15
黒革の手帖〈上〉 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:黒革の手帖〈上〉 (新潮文庫)より
4101109532
No.37:
(5pt)

黒革の手帳(下)

個人読書履歴。一般文学通算220作品目の読書完。1984/02/25
黒革の手帖〈下〉 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:黒革の手帖〈下〉 (新潮文庫)より
4101109540
No.36:
(4pt)

水商売の世界を活写した非常に面白い物語

器量のよくないベテラン銀行員が、横領金を元手にして銀座のママに転進した。お客、その周りの人々を巧に利用して商売の拡張を推し進める中で起きる葛藤,さまざまな事件等々を見事に描いた非常に面白い作品。人間の本性までも炙り出して見せてくれています。この手の作品を描かせたら、今も昔も清張氏の右に出る作家はおりません。お勧めの作品です。
黒革の手帖〈上〉 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:黒革の手帖〈上〉 (新潮文庫)より
4101109532
No.35:
(4pt)

悪漢小説

夜の世界で生きていく人間達の、金と性欲に塗みれたピカレスク小説。

1人の女性の、出来すぎなくらい上手くいく成り上がり。しかし最後まで読むと、そこには練りこまれた伏線があって、完璧に作りこまれている。脱税という、昔も今も変わらない悪巧みと、それに関わるドロドロの人間ドラマは一級品。

作品全体を通して、スマートで気障な雰囲気を感じた。間違いなく面白いが、清張初心者の私のような人間よりも、この作風に慣れた人間の方が楽しめそう。
黒革の手帖〈上〉 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:黒革の手帖〈上〉 (新潮文庫)より
4101109532
No.34:
(5pt)

現代と同じ

時代背景はかなり昔だが,このストーリーで描写される肝となる部分においては現代と全く同じ.

金銭にあまり深くのめり込むと,必ず裏社会に行き着く.
素人が調子に乗ると痛い目にある.

この現代に至るまでの普遍性は,今後未来にも継続されるのか.

巨匠,流石.
黒革の手帖〈下〉 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:黒革の手帖〈下〉 (新潮文庫)より
4101109540
No.33:
(4pt)

流石!!

非常に面白かったです。かなり完成度が高いと率直に感じました。M1に例えるなら960点以上は確実かと。2010年でも全然読めます。特に主人公のキャラ設定が読者に媚びてない普通な感じが好感もてます。(個人的に昨今の主人公をやたらと魅力的にする、ありがちな安易な誇張設定が余り好きではない為)星4.85です→細かすぎっ!
黒革の手帖〈下〉 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:黒革の手帖〈下〉 (新潮文庫)より
4101109540
No.32:
(4pt)

世の中は「善」でも「悪」でもなく、「秩序」が裁く。

世の中では善人が勝つか、悪人が勝つかといった見方があるが、善悪ではなくて「秩序」が制裁する、「秩序」による物事の修正力はすさまじいものがあると作品から感じた。
 本作の主人公は型破りな女性で、元銀行員の野心的なホステス元子。彼女は”悪女”として夜の銀座でのし上がっていくが、同じ”悪事”をはたらいている男たちと違って何故に世の中から責められるのか。
元子自身はそれを「自分が女性だから」と考えている節もあるが、それは表面的な見方であって、本質的には、世の中の秩序に反する型破りな主人公に、秩序による物事の修正力が及んでいるのではないだろうか。
 元子を責めるキャラクター達は、悪事をはたらいていても「秩序」の中で生きる者たち。
悪女でワガママにみえるが、「ホステス」の立場をわきまえて、成りあがる手段としては「女を売る」ことしかしないホステスの波子。「愛人」の宿命を認めた上で、強く生きる婦長の市子。
こういった女性たちに対しては、元子は応援することはあっても先に攻撃することはないにもかかわらず、強く憎まれてしまっている。その理由は、「秩序」の中でおとなしく生きる者達には、元子のように型破りな存在が許せないからだろう。自分を応援してくれた人間にも関わらず、そしてそもそも自分たちを位置づける「秩序」が不平等であるにも関わらず…。
なお、楢林医院長や橋田理事長も”架空口座”や”裏口入学のあっせん”といった悪事をはたらいているが、元子の悪事に比べると社会的地位の高い人間の裏側が社会的な秩序として許されている感がある。
 元子に惹かれる男性は、楢林・橋田は征服欲から、安島は同志としての共感からだと思われるが、暗黒街のドンである長谷川会長は、単純な所有欲からだろうか?
元子をめぐる男たちは皆「秩序」の中で生きる者だが、唯一、長谷川だけが「秩序」を創る者である。そのような男が型破りな元子に対して持っている興味は、深いものがあるだろう。
元子は長谷川を”自分を罠にかけて手篭めにする支配者”として切り捨てているが、長谷川は最強の敵でもあり、元子を高い次元から評価する存在でもあったであろう。
長谷川とて、自分の創った秩序の中で生きざるを得ない(自分の信奉者たちの元子を憎む感情をドンとして処理しなければならない)ために、長谷川の残された自由は愛人として元子を手元に置いておくことしか出来なかったのでは…。
「世の中の秩序の犠牲になるのは女性だ、女性に自由を」という声はよく聞くが、それは女性の社会進出によって改善されてきた。
けれども「男性に自由を」という声もそろそろ必要ではないだろうか?
秩序の中で生きることが男性の人生はそもそも大前提となっていて、男性に自由はない。
この作品を男性キャラ側からみると、また面白いかもしれない。
黒革の手帖〈上〉 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:黒革の手帖〈上〉 (新潮文庫)より
4101109532
No.31:
(5pt)

清張の最高傑作だ。

これ以上、おもしろい作品があるだろうか。
他のレビューアーと同じく、私も一気読みしてしまった。
想像や勉強だけでは、おそらくこれほどの現実感のある文章は書けないだろう。実際、この主人公にはモデルがあるのではと思ってしまう。でなければ、これほどまでに夜の女の心理までわかるはずがない。きっと、清張に教えた女性がいるのだろう。あまりにもみごとな描写だ。
実際、水商売の女が、自分の「店」に抱く愛着というのは尋常ではない。犯罪を犯してまで、自分の店を持とうとするひとりの女の戦いを描いた傑作といえる。
清張の渾身の一作だ。
黒革の手帖〈上〉 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:黒革の手帖〈上〉 (新潮文庫)より
4101109532
No.30:
(5pt)

まずは成り上がる

30年前の作品だが、私はつい最近初めて本著を読んだ。
全く時代を感じさせない。最近の新著と言っても通るぐらいである。
まあ、男と女の営みは昔も今も変わらないと言うことか。
上巻ではまず主人公である元子が成り上がっていく。
銀座の飲み屋の儲けの仕組みや、裏口入学、その他トリビア的なところも満載で、それが松本清張氏の筆で描写されていくのだから面白くない訳がない。
ぐいぐい引き込まれる。
と同時に銀座の飲み屋での様々なことがああこうだったのかと思いだされる。
もっと早く読んでおけばこんなに銀座に金を落とすこともなかったのに、と思いながらあっという間に上巻を終える。(→下巻へ)
黒革の手帖〈上〉 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:黒革の手帖〈上〉 (新潮文庫)より
4101109532
No.29:
(5pt)

かなりのショック!!!

ラスト、主人公があんなことになるなんて、あまりにムゴくて
ビックリしました。
男はよくクールな女性があられもなく淫らな姿にされるのを好みますが、このクールな主人公は素っ裸で逆立ちさせられて笛吹きながら町内一周!って位にひどい目に合います。屈辱なんてもんじゃないです。震えました。古い小説だからとあなどっていたらとんでもない!
正に魑魅魍魎の世界。松本清張マジ恐るべし!!
黒革の手帖〈下〉 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:黒革の手帖〈下〉 (新潮文庫)より
4101109540
No.28:
(4pt)

お勧めの一冊

銀座のクラブを舞台にした知的な女性を主人公にした物語。出だしは好調。どんどん先が読みたくなるストーリー。男の弱さや不正につけこみ、大金を獲得していく様は、爽快。ドラマになったのも納得。下巻が楽しみ。しっぺ返しが来るのでしょうか・・・。
黒革の手帖〈上〉 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:黒革の手帖〈上〉 (新潮文庫)より
4101109532
No.27:
(4pt)

松本清張がわらしべ長者を書いたら!

松本清張の作品の中でも、面白い上位に入る小説だ。
何が面白いのかというと、わらしべ長者なのだ。
原口元子は、さえない女子銀行員。それが3年前に自分でのし上がっていくことを決意したときから、彼女は変わる。
銀行の不正取引を元に、横領した金額をチャラにしてもらって、バーを始める。
では終わらず、次の恐喝を始める。
どうして、1軒目のバーの運営に専念しなかったのか、どうして、予定よりお金がかかったからといって、次の恐喝を思い立つのか?
思い立たなかったら、わらしべ長者的ストーリーにつながらず、「面白い小説」はなり得ず、そんなくだらない小説を松本清張が書くはずもなく、ということだろうけれど。
また似たような話が次から次へと発展していくことは週刊誌の連載小説ならではだ。
最後の急展開は、性急すぎるが、それも週刊誌の予定掲載期間が迫ったためだろうか? 確かにそれまでが面白く、予定より枚数をいってしまったのだろう。
黒革の手帖〈上〉 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:黒革の手帖〈上〉 (新潮文庫)より
4101109532
No.26:
(5pt)

野心のある女性は是非。。。

 私はこの作品を何百回と観ています!それでも飽きません。政治、企業、男性社会、、、金、権力、富が渦巻く世界にこうした一枚も二枚も上手な賢い女性がいても面白いとおもいます。「黒革の手帳」=悪女という印象がありますが、たった一人で汚い世界に立ち向かう勇敢な女性とも思えます。
 気丈な元子の「世間の片隅で忘れられてる方がよほど、、、」という台詞には寂しさや孤独も感じられ心打たれます。。。
 是非、御覧あれっ!!!
黒革の手帖〈上〉 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:黒革の手帖〈上〉 (新潮文庫)より
4101109532

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