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の評価: 4.18/5点 レビュー 11件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.18pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(2pt)

松本清張にしては・・・

松本清張という大家の作品に向かって言うのも何だけれども、
この小説は面白くなかった。
「視聴率」という不明確なものに対する着眼点や
問題意識については「さすが!」と思う。
視聴率調査の正確性についての問題提起は鋭い視点だ。
しかし、物語の進行がぱっとしない感じ。
ほとんど登場人物たちの思い込みによって進行していく。
「AだからBと思われる。だからCであることはたしかた」
という展開ばかり。問題に関する確証が何もないなかで
行動する登場人物に対して「それでいいの?」と思ってしまう。
そんな進行に嫌気が差し、
途中から読むのがしんどくなってしまった。
最後で真相が明らかにされていくのだが、
納得のできないエピソードがいくつか残る。
また、伏線でないエピソードを盛り込みすぎたと思う。
読者としては真剣に読んで関係を推測しようと
躍起になっているというのに、結局は無関係なのだ。
そんな読者の惹きつけ方は好きじゃないな。
いまいちスッキリしない読後感は、著者がこの物語で
何を言いたかったのか解らないことかもしれない。
冒頭あたりで視聴率に対して問題提起をしている部分は、
その問題に対して私も「ふむふむ」と思いながら
読み進んだのだが、その後の展開が・・・
視聴率調査に対して論理的に根拠を追求していくのかと思いきや、
そうではない。視聴率については結局曖昧なままで終わってしまう。
日経新聞に連載された小説ということだが、
方向転換せざるを得ない事情でもあったのだろうか。
あと、この小説は昭和52年のものであるが、
昭和36年の作品である『影の地帯』とは文体が変わっている。
句読点の打ち方が劇的に違う。
私の読みやすさとしては、この『渦』の方が読みやすい。
あくまで、私の好みですが。
渦 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:渦 (新潮文庫)より
4101109443

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