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砂漠の塩



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砂漠の塩の評価: 4.06/5点 レビュー 17件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.06pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全14件 1~14 1/1ページ
No.14:
(5pt)

素晴らしかったです

凄く素晴らしかったです
松本清張全集 19 (19) 霧の旗・砂漠の塩Amazon書評・レビュー:松本清張全集 19 (19) 霧の旗・砂漠の塩より
4165091901
No.13:
(5pt)

使用感のない大変状態の良い本でした

説明の通り帯の焼けはあったものの、経年を考慮すると大変状態の良いものでした。
本自体は、もっと状態が良く使用感の無い大変良いものでした。
松本清張全集 19 (19) 霧の旗・砂漠の塩Amazon書評・レビュー:松本清張全集 19 (19) 霧の旗・砂漠の塩より
4165091901
No.12:
(5pt)

中東の過酷な旅行

著者の実体験に基づく中東の過酷な旅行の実態がよくわかる作品でした。
砂漠の塩 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:砂漠の塩 (新潮文庫)より
4101109524
No.11:
(5pt)

清張のミステリーものというよりも純粋な恋愛小説の傑作です

読み終わったあと、しばらく愕然としました。それほど物語の最後の部分の衝撃はおおきかった。
夫以外の男性 (谷口真吉) を好きになってしまった野木泰子と、妻を捨てて泰子にのめり込んでしまった真吉。別々に日本を離れ、エジプトのカイロで落ち合ったこの二人の恋の逃避行を中心に物語はすすんでいきます。

恋人たちの足跡は、エジプトのカイロを皮切りに、ベイルート、バールベック、ダマスカス、ルトバと、シルクロードゆかりの町々にあわただしく印されてゆく。しかも死に場所を求めての逃避行なのです。

泰子は真吉を心から愛しているにもかかわらず、行く先々のホテルにおける彼との関係を最後の一線で踏みとどまっている。抱き合ったりキスし合ったり、ボディータッチやネッキングくらいはしょっちゅうやっている二人ですが。
それは、泰子の心の中にいる夫・保雄の存在が良心の声とも神の代理ともなっているからに他なりません。なぜなら保雄は、7年間の結婚生活で泰子を熱愛し続けた、余りにも優しい夫なのです。

だが、そんな泰子と真吉が、ダマスカスのホテルでのある些細なきっかけから、ついに結ばれ、泰子の頬に歓喜の涙が流れる。それから10日間というもの二人の恋人はすべてを忘れて愛の歓び、性の歓びに酔い痴れる。

やがて、二人の逃避行は泰子の夫・保雄の知るところとなる。泰子を心から愛している保雄は、矢も楯もたまらず会社から長期休暇をもらって、泰子を探す旅へと出る。

バクダッドに向かう途中のルトバで真吉が病に倒れ死の淵を彷徨う。泰子はもちろん必死の看病をします。この時の泰子の行動力にはしんそこ感動しました。女性は熱愛する恋人のためなら、すばらしい勇気で立ち向かい、どんな困難も克服するんだなって。
泰子は意を決して、まともな医者もいないルトバを離れ、砂漠の中をヒッチハイクをして車で4時間もかかるバクダッドの町まで医者を求めて遠出します。熱病でいまにも死にそうな真吉を宿に残しての決行なので泰子は砂漠を爆走する道中、それこそ死ぬほどハラハラドキドキのし通しですが、読者もつられて気が気でない。どうか間に合ってほしいと、祈るような気持ちでページを捲る手が止まらなくなります。

バクダッドでつかまえた英国出身の医師と女性看護師は、真吉の命を救ったあとバクダッドに戻ってからも親切心を働かせるのですが、その親切が結果的に二人の恋人を精神的に追い詰めてしまうというところが、さすが松本清張だと思いました。

夫・保雄は泰子と真吉の居場所に肉薄しつつも、不慮の交通事故に遭遇し重傷を負ってしまう。
ダマスカスの日本大使館からの使いで来た日本人留学生の話によって、保雄の事故の顛末を知った泰子と真吉は、いよいよ砂漠のど真ん中での心中を決行する。だが、その先に、読者の意表をつく余りにも愕然とする結末が待っていた・・・。

・夫婦って何だろう? 
・夫は妻を優しく愛するだけではダメなの?
・泰子も夫の保雄にはあれほど感謝の気持ちを持っていたはずなのに、けっきょく最後の最後は内なる良心、内なる神と戦って、保雄の入院するダマスカスの病院に駆けつけることを拒み、あくまでも真吉と行動を共にするなんて・・・、しかもその結末があんな予想外のどんでん返しだなんて。
・善良な夫を裏切ったことで最後に泰子が得たものは何だろう? 
・そもそも許されない恋に走った泰子は本当に幸せを掴んだのだろうか?
・泰子と真吉に、もっと別の選択肢はなかったのだろうか?

などなど、読後、さまざまなことが脳裏をよぎりました。これくらい読後に深い余韻をのこす恋愛小説を読んだのは本当に久しぶりでした。
砂漠の塩 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:砂漠の塩 (新潮文庫)より
4101109524
No.10:
(5pt)

時代を感じさせない面白さ

かなり以前に、テレビ化されて話題になっていましたが、見逃した部分が多かったため本を購入しました。前半は、ややスローな感じでしたが、中頃からピッチがあがり、面白くて本が手放せなくなりました。後半のドラマチックな盛り上がりと結末は、衝撃の一言。松本清張の偉大さを感じました。
砂漠の塩 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:砂漠の塩 (新潮文庫)より
4101109524
No.9:
(5pt)

松本清張全集(19)

個人読書履歴。一般文学通算34作品目の読書完。1973/09/01
松本清張全集 19 (19) 霧の旗・砂漠の塩Amazon書評・レビュー:松本清張全集 19 (19) 霧の旗・砂漠の塩より
4165091901
No.8:
(4pt)

イスラム世界への男女の逃避行

ヨーロッパへ観光ツアーで向かった野木泰子はパリで一行と別れカイロへ。会社の出張、香港で辞表を書いた谷口真吉。ふたりにはそれぞれ夫と妻がいたが、出発前からの計画でカイロで落ち合う約束をしていた。
もちろん、家族には内緒で。妻を捨てた夫と夫を捨てた妻、不倫の旅路である。真吉と泰子は砂漠に死に場所をもとめていた。カイロからベイルートへ、ベイルートからダマスカスへ、さらにバグダットをめざす。しかし、途中でルトバまでバスで来て、真吉は高熱に襲われた。
日本で留守をあずかるそれぞれの夫と妻は異変に気づく。旅先からの便りがないのである。不信に思った野木保雄は妻を捜しにヨーロッパに飛んだ。会社から長期の休暇をとっての決断だった。そして保雄の追跡が始まった。
盛り上がりを見せるのは、泰子による真吉の救済、保雄の追走と自動車事故、そして泰子、真吉の砂漠での情死までである。最終章はイラン・イラク地質調査隊員森本誠の手記。
ふたりの遺体はこの調査隊によって発見された。神を裏切ったものは、神のおきてにしたがわなければならない。それがイスラム教の掟である。イスラムの地でふたりの逃避行の結末としての死は、まさに贖罪を完結させる行為に他ならなかった。
砂漠の塩 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:砂漠の塩 (新潮文庫)より
4101109524
No.7:
(4pt)

ノン・ミステリーの佳作

前半は、今日において珍しいものではなくなった海外旅行の見聞が
やや退屈に感じられた。

後半、些細なすれ違いから至った不倫関係の後悔を、
やがてイスラム世界に入り込むうちに運命(=神の思召し)として
甘受していく姿に自然に引き込まれる。

妻に逃避された夫が足跡を辿って行く展開はミステリー調で、
生死のゆらめく緊迫感、結末もよい。
所謂「謎解き」はないが、そういった類の清張作品では最もよい読了感を味わえた。
砂漠の塩 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:砂漠の塩 (新潮文庫)より
4101109524
No.6:
(4pt)

ノン・ミステリーの佳作

前半は、今日において珍しいものではなくなった海外旅行の見聞が
やや退屈に感じられた。

後半、些細なすれ違いから至った不倫関係の後悔を、
やがてイスラム世界に入り込むうちに運命(=神の思召し)として
甘受していく姿に自然に引き込まれる。

妻に逃避された夫が足跡を辿って行く展開はミステリー調で、
生死のゆらめく緊迫感、結末もよい。
所謂「謎解き」はないが、そういった類の清張作品では最もよい読了感を味わえた。
砂漠の塩 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:砂漠の塩 (新潮文庫)より
4101109524
No.5:
(4pt)

二人は死ぬ為にここまで来た。最期の痕跡すら残らないような死に場所を求めて。

確かに非現実的な話かもしれない。 
私もあなたも、不倫の恋人と一緒に、死ぬ目的で、
はるばる砂漠まで愛の逃避行に旅立つ事など、
まあ、この先万が一にもあるまい。 
しかし、読み進むうちに、いつしか自分がカイロの空港で恋人を待っている。 
ベイルートのホテルで恋人と朝食を食べている。
砂漠で風と砂にうたれながら、泣いている。
自分が主人公そのものになりかわっている事に気付く。
これは不思議な小説である。
ダマスカスからバグダッドまで20時間かけて運行するバスの中で、
真吉は高熱を出す。
ルトバで途中下車をするが、この町に医者はいない。
彼の容態は悪化する一方。 その時、彼女はどうしたか。
この物語のクライマックスである。
砂漠の塩 (松本清張小説セレクション)Amazon書評・レビュー:砂漠の塩 (松本清張小説セレクション)より
4124033214
No.4:
(4pt)

二人は死ぬ為にここまで来た。最期の痕跡すら残らないような死に場所を求めて。

確かに非現実的な話かもしれない。 

私もあなたも、不倫の恋人と一緒に、死ぬ目的で、

はるばる砂漠まで愛の逃避行に旅立つ事など、

まあ、この先万が一にもあるまい。 

しかし、読み進むうちに、いつしか自分がカイロの空港で恋人を待っている。 

ベイルートのホテルで恋人と朝食を食べている。

砂漠で風と砂にうたれながら、泣いている。

自分が主人公そのものになりかわっている事に気付く。

これは不思議な小説である。

ダマスカスからバグダッドまで20時間かけて運行するバスの中で、

真吉は高熱を出す。

ルトバで途中下車をするが、この町に医者はいない。

彼の容態は悪化する一方。 その時、彼女はどうしたか。

この物語のクライマックスである。
砂漠の塩 (松本清張小説セレクション)Amazon書評・レビュー:砂漠の塩 (松本清張小説セレクション)より
4124033214
No.3:
(4pt)

砂漠の塩は涸れた涙の味

この作品はミステリではなく、恋愛小説である。同時に、海外旅行がまだ珍しかった時代の、中東旅行案内のようにもなっているし、アラブやイスラムの考え方を、良い面、悪い面からバランスよく的確に観察してもいて、紀行文としても面白く読める。不倫の恋人との愛に殉じたいと覚悟し、心から願った不貞の妻・泰子にとって、優しく善良な夫・保雄こそが実は自らを赦し追い求めてくれる「神」のように心の支えとなっていた、という苦さ。旧約聖書の十戒およびそこから派生したコーランは、男の浮気は体の浮気と認めても(また古代の一夫多妻制から)、人妻の浮気は絶対に許さない。日本社会の束縛から逃避行した中東で、人類の起源地ならではの社会と内面両方からの呵責ないモラルの束縛を目にする二人。
砂漠が人心に与える様々な影響を的確にとらえている箇所が多く、砂漠好きとしては楽しく読めた。
タイトルの「砂漠の塩」は、罪の意識にさいなまれ真剣な恋に落命した二人と哀れな夫と三人の涙が、やがて時間という虚無の砂にさらされ乾いていく様子を想像させられる、見事な結末であった。
砂漠の塩 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:砂漠の塩 (新潮文庫)より
4101109524
No.2:
(4pt)

愛について考えさせられる作品

前半部分は、日本人にとって海外旅行が今ほど一般的でなかった時代の、中東各国の旅行記のような描写で多少退屈であったが、後半部分は急展開もあり、最後には男女間における愛とは何なのであろうかと深く考えさせられる内容であった。様々なテーマについて作品を出している松本清張氏はやはりすごいと思う。
砂漠の塩 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:砂漠の塩 (新潮文庫)より
4101109524
No.1:
(4pt)

「愛」について考えたいときに

第5回婦人公論読者賞(昭和41年)受賞作品。配偶者のいる男女が、中東の砂漠までお互いの愛を確かめあうために逃避行する話です。登場人物たちの辿る人生のその結末は「救いのない」もので「暗い」。砂漠を舞台にしているところ、互いの愛を信じている間柄でも伝わらない思いがあることを痛感させられるところなど、「シェルタリング・スカイ」(ポール・ボウルズ)を彷彿とさせ、読後感も似ています。また、中東の歴史や旅行を計画されている場合には、彼の地との文化の違いや歴史などを知るのに役立つ。
砂漠の塩 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:砂漠の塩 (新潮文庫)より
4101109524

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