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木製の王子
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木製の王子の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.50pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全16件 1~16 1/1ページ
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麻耶作品はほぼ読みましたが、『王道的な完成度』という観点からするとこちらはかなり上位にあがる傑作ではないでしょうか。最初に話題にあがる複雑なアリバイトリックも、それが単なるゲーム的遊戯に陥らない意味づけがなされていて、深い批評性と完成度の高さに感嘆しました。読後にネットでいろいろな考察を読むのも楽しいです。 | ||||
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名探偵 木更津悠也とメルカトル鮎の後継者なれど役立たずぷりが甚だしい如月烏有の登場作品。時系列的には『翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件』後にあたる。 クローズドサークルもので、殺人事件の容疑者たちの誰もが誰かのアリバイを証明してしまうという不可能犯罪が発生する。列車ミステリを揶揄したかのようなアリバイ崩しは、頭痛の種をまき散らしてくれた。理解することすら放棄してしまったまま、相変わらずの力技にやられてしまうことになる。 事件の背景には胡散臭さを感じざるを得ないが、狂気に駆られたかのような怒涛のクライマックスは戦慄を覚た。 | ||||
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探偵として覚醒した烏有君が、尋常でないアリバイを崩して すっきり解決するお話を期待したのに、ちょっとがっかり。 メインのタイムラインは、「痾」の続きだというのに、木更津に”今鏡事件”より前のシーンがあったり等 とにかく時間がやたら前後に飛ぶので、流れが把握しづらいかな。 散りばめられた色々な人のエピソードも、親切に明らかにはされないし・・・。 肝心のアリバイを問われるシーンも、探偵への知力を尽くした挑戦というよりは 結局”オリエント急行”みたいなもんだしな~。 もちょっと捻りある真相を期待してたのですが、あの家系図の様な収斂でした。orz そして最後は、もう1度犯人と安城のやりとりを見たかったところ。 結局本当の母親の顔は・・・・・ | ||||
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翼ある闇を読んで好みの作風だったのでいきなり木更津シリーズのこの本を読みました 登場人物にメルトカルシリーズの人が出ていたりネタバレが入っている気がします 翼ある闇では謎が出たときにはもう木更津が答えを導いているという探偵無双の流れが好きだったのですが今作では全くそういうことがありません また、最後に香月が事件の真相を暴くということもなく残念でした 肝心の推理要素は数分単位で1時間分、10人近くのアリバイが図に載っていて読む気、考える気がしませんでした 数ページにわたって~分の間に~が④の部屋の部屋に~という感じでうんざりしました けれどほぼ読み飛ばして正解だったような気がします。なぜなら真相はかなりこじつけで無理があるものだったからです(無理でも実際に起こったからそれで正解、事前に住人に分単位のスケジュールが配られていてそれに沿って行動してたなど予防線はあるが) 所々にある謎の人物の視点での物語など語り手がぐるぐる変わるので読みづらい印象でした 奇妙な形の館が全くアリバイトリックに関係しなく読者への裏切りようは笑うしかありません 麻耶さんの作品は完成度にばらつきがあるというので次は出版順に読んでみようと思います | ||||
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今まで読んできた麻耶作品としては本作が一番出来が良く、最高傑作だと個人的には思う。 10人以上による屋敷内での分刻みのアリバイが話題となる作品だが、本作の凄さはそれだけに留まらない。 この複雑すぎるアリバイの記述を面倒臭そうだと思って敬遠している人もいるかもしれないが、このアリバイの複雑すぎる構成要素は流し読みして何となく全員に事件を起こすような時間がなかったなんだなという大雑把な把握でも全く問題ないので読んでいて全く状況が把握できなくても気にせず読み進んでいって大丈夫である。 本作の魅力はこの分刻みアリバイ崩し以上に、後半明らかにされる閉じられた家族の秘密と何故事件が起こったかの動機の設定があまりに常識外れの論理で展開するため、リアリティがないのに説得力は物凄くあるというこの著者ならではの得意な世界観が最もストレートな形で具現化されている。 麻耶作品としては絶版状態ということもありマイナーな扱いだが、是非読んで頂きたいこの著者の代表作と言える作品である。 | ||||
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数回読まないと確実に理解できないので、是非買うべし。逆に数回読めば確実に理解できるのだから、氏の作品にしては珍しく誰でも楽しめると言える。 麻耶雄嵩は周到にプロットを立て丁寧に伏線をはるが、凡百の作家と違い、謎解きで「ここにこんな伏線がありました〜すごいでしょ!」とは言わないので読者に要求する物が大きい。しかし逸脱しすぎだと思わせない範囲であり得ないぐらいの発想力を見せ、またそのアイデアの処理の仕方が極めて自然であり、まさに神業と言う他ない。同じアイデアで別の作家に書かせたら、やたらドロドロした人間ドラマになるか、不自然極まりないご都合手技的ミステリになるかどちらかだろう。Why done itでこれほど読み応えのある作品が書けるとは…。 人間味溢れるいかにも凡庸そうな人達の、軽く読み飛ばすような何気ない一言が、すべてを理解した後ではことごとく戦慄の詞となる傑作。このクオリティなら遅筆なのも頷ける。 | ||||
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比叡山の山奥に隠棲する白樫家と那智家。 両家は、数世代に渡り婚姻を重ねることで、白樫宗晃ひとり に収斂する、完璧に左右対称な家系図を持つに至っていた。 その白樫家の屋敷において首切り殺人が起き、 死体の首だけが、ピアノの鍵盤の上に残された。 雪により外部と遮断されていたため、家族の中に犯人が いると思われるが、家族全員に堅牢なアリバイがあって……。 屋敷には、全室・全廊下に大型デジタル時計が設置されていたため、 生首が発見されるまで、関係者全員がどう行動したかが、分単位で 把握されています。 そうした奇異な状況を踏まえ、烏有や「ピブルの会」の面々が、 関係者のアリバイ崩しを試み、推理合戦を繰り広げることに。 このアリバイ崩しの推理合戦は、正直、煩雑なうえ退屈。 作者からすれば、病的に細かいアリバイ崩し自体が目的なのではなく、 固有の人格を持ちえない人間を駒として扱う、人工的で異様な世界を 構築するための手段として導入したものだったのでしょうが、やはり そこだけ物語から浮いているという印象は否めません。 なので、読者としては、そこの部分は読み飛ばし、 後から必要な部分だけ読めば、十分だと思います。 ところで、本作では一つの「家族」の崩壊が描かれるのですが、それに 烏有と桐璃の結婚を対置させているのには、いろいろと深読みを誘います。 家族を得た烏有が、従来通り、事件に惹きつけられる特異な一般人のままでいるのか、 それともメルカトルや木更津が期待するように、探偵としての資質を開花させていくのか、 興味深いところです。 | ||||
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2000年に講談社ノベルズとして出たものの文庫化。木更津・烏有もの。 メタミステリと大仕掛けな設定が融合した作品。なかなか面白いと思う。 容疑者たちの行動を細かい時間ごとにチェックして、いったい誰に犯行が可能だったかを割り出していく。のかと思いきや、まったく違う方向性をちらつかせ、最終的には思いもよらない真相へと到達する。このアンチミステリ感と、それを支えるトリックが読んでいて心地よかった。 気になる烏有の結婚問題についても書かれていて良かった。 | ||||
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2000年に講談社ノベルズとして出たものの文庫化。木更津・烏有もの。 メタミステリと大仕掛けな設定が融合した作品。なかなか面白いと思う。 容疑者たちの行動を細かい時間ごとにチェックして、いったい誰に犯行が可能だったかを割り出していく。のかと思いきや、まったく違う方向性をちらつかせ、最終的には思いもよらない真相へと到達する。このアンチミステリ感と、それを支えるトリックが読んでいて心地よかった。 気になる烏有の結婚問題についても書かれていて良かった。 | ||||
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デビュー作以来、久々に理解できる話に出会った。わかりやすくはないが。 しかし、著者が理解されたがっているのかどうかはわからない。 正統的な推理小説も書けるのだなという印象である。これが正統的に見えるのは、他の作品があまりに型破りなせいかもしれないが。 すっきりする話では全然ないが、如月烏有のその後の姿を知りたければ、はずせないだろう。 そうでなくても、普通ではないパンチの効いたものを欲するならば、麻耶雄嵩を読みあさるといい。何がなんだかわからなくなる。 才能の大きさは確かだが、どこへ行きたいのだろうとはよく思う。 | ||||
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アリバイ崩しの部分は、あまりに細かすぎて読む気もしなかったのだが、やはりとりまく世界観やらがとてつもなく好き。メインはアリバイ崩しなのだが、そこは読まなくても(てゆうか、読むやついるのか?)十分に楽しめると思う。最後の宗教的に関する惨劇は読み応え抜群でなんともいえない読後感がこの作者の持ち味。 あと、この小説はあらゆる小説の中でキャラの名前を覚えられない小説ナンバーワンだと思う。最後まで誰が誰だかわからない。 | ||||
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アリバイ崩しには興味がないので、とばして読みましたが、この小説の面白さはそこではないので問題なし。最後の崩壊感が凄い。この発想はこの作者ならでは。 | ||||
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はっきり言って麻耶氏の著作の中で一番の駄作である。まず、アリバイ崩しにあきれた。麻耶氏が鮎川哲也ファンでこういうのが好きなのは分かるが、あまりにややこしすぎて自己満足に終わっている。 また、麻耶氏がこの作品で何をやりたかったのか疑問である。この作品には「翼ある闇」の意外性も「夏と冬のソナタ」の小説性もない。はっきり言えば、ミステリとして弱すぎるのだ。強いて言えば意外な動機だが、それだけで勝負するのは無理がある。麻耶氏はトリックのストックを失ってしまったのか。もっとがんばってもらいたい。 | ||||
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時間的にメルカトルが出てこないので、今までの作品に比べてかなり普通のミステリになった気がする。奴こそが全ての物語を「創る」人間だったね。木更津探偵は探偵としては活躍しているわけじゃないし、そういう意味では面白いかも。メルカトルが探偵として活躍していたかと思うとそれはあれなのだが。 | ||||
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アリバイ崩しがこの作品の焦点なのだろう、多分。 前半はなんだか宗教的な背景がありそうで深そうな世界観があるのだ、と匂わせている。後半、もう少し深く描写してくれれば面白かったのに。 動機があってこそのトリック、というタイプの読者にはお薦めできないのでは? アリバイ崩しやトリック暴きなどが好きな人にはいいのかもしれない。 | ||||
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得体の知れない過剰さが麻耶作品の魅力として挙げられよう。しかもその部分は作品を重ねるごとに増している。本作品中で出てくる(読ませる気があるのかすらわからない)アリバイ表の異常な細かさときたら! | ||||
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