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(短編集)
ジャイロスコープ
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ジャイロスコープの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.22pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全9件 1~9 1/1ページ
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以下の七つの短篇を収録しています。 ★ 浜田青年ホントスカ (『晴れた日は謎を追って がまくら市事件』創元推理文庫。2014年12月) ★ ギア (「エソラ」vol. 3。2006年4月) ★ 二月下旬から三月上旬 (「新潮」2014年6月号) ★ if (「小説トリッパー」2015年夏号) ★ 一人では無理がある (「小説新潮」2014年12月号) ★ 彗星(すいせい)さんたち (『エール! 3 』実業之日本社文庫。2013年10月) ★ 後ろの声がうるさい (書き下ろし。2015年7月) 異形の生物〝セミンゴ〟の風変わりな生態が気にかかる「ギア」。新幹線の車内清掃の仕事が不思議なファンタジーへと行き着く「彗星さんたち」。この二篇が魅力的で、印象に残りました。 ひとつ選ぶとすれば、「彗星さんたち」かな。ファンタスティックな伊坂マジックがいいなあ、素敵やなあ思いました。 | ||||
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伊坂氏の作品が好きで、この一年、過去作から振り返るかのように、既読未読ともにいちから読んできました。 本作は短編集ですが、伊坂色がありつつもこれまでと趣を異にする作品でありました。 ・・・ その中でもSF色が強くこれまでと趣向が異なるのが「ギア」であったと思います。 近未来のディストピア的世界では「セミンゴ」に地表という地表が食い荒らされているのです。バスに乗り込んだ数名の老若男女と運転手との会話から徐々に様子が浮かび上がる。 ・・・ ちなみに私のお気に入りは、「一人では無理がある」と「彗星さんたち」。 「一人では無理がある」は、言わば「本当の」サンタクロースを営むNGOの話。 それぞれの家庭の事情からプレゼントなど望むべくもない子供にプレゼントを届ける団体の話。ここの人事がこれまた適材適所としか言えない個性的な人物をリクルーティングし、多少のトラブルがあっても、適切なプレゼントが子どもたちに配られるというもの。思いこの団体側の内情・視点から物語が描かれます。 「彗星さんたち」は、新幹線の清掃係の方々の話。 これまた当該業務に就く方々が個性的で、かつ遭遇するお客様が非常にユニーク。やや業界よりな所が気にかかるものの、倒れて意識の戻らないリーダー「鶴田さん」を思うそれぞれの視点がやがて新幹線で出会うお客様の様子と重なる様は秀逸。 そのほか、「浜田青年ホントスカ」「二月下旬から三月上旬」「if」「後ろの声がうるさい」を収録。どれも伊坂色が大なり小なり混じっているものの、どこか新たなエッセンスが感じられました。 ・・・ ということで伊坂氏の短編集でした。 そうそう、あとがきとして対談が掲載されていました。 15年を振り返ってと銘打って、デビューから15年間の作品を振り返るものです。そこに、作風の変化への意欲等も書かれていました。 まあ確かに、おんなじやり方を一定年限続けていると、少しやり方を変えてみようと思うものですよね。私も今の業務、10年続いてしまいました。そして少し飽きがあります笑。 当初はいつもの伊坂氏とちょっと違う、と少し違和感(不満?)がありました。とはいえ、ここから更に進化するのかもと思えば、この試みもまた将来の傑作への布石となるはず。今後の作品についてもまた期待しております。 | ||||
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15周年記念作品らしいが、実態は寄せ集め短編集に過ぎない。冒頭作は面白かったが、以降あまり感心する作はなく、書き下ろしのラスト作も本来無関係な作品群を無理矢理関連付けてみたもの。 良く言えばバラエティに富んでいる、実際は寄せ集めの短編集で、作者にしてはイマイチだった。 | ||||
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「if」の「挽回のチャンスをくれて、本当にありがとう」が好みど真ん中 伊坂氏のキャラは、どんな突拍子ないキャラでも↑の善良性が根本にあるトコロが、ツボ 飛ぶトナカイの「うんちく」が楽しい 「飛ぶのは1割」 「赤鼻2%」 そこはかとなく漂う間抜けな感じと、「へえ~そうなんだあ~」と、その瞬間、それを、トリビアとして「真に受ける」自分がいたりする 楽しく読ませて頂きました | ||||
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帯は「洒脱な会話、軽快な文体、そして独特のユーモアが詰まった七つの伊坂ワールド」。 現実的ではない世界が、現実的に感じる独特の創造性と筆致力、機知に富んだ会話。 著者の新たなる試みを感じた。 ジャイロスコープとは、回転儀。 3つのコマが重心の中心に自由に回転する。 まさに、そんな感じ、さまざまな人たちの人生が交差する。 ・浜田青年ホントスカ 相談屋にアルバイトとして居候した青年が実は・・・ 人の悩みもさまざま。ほぼ決まっているけれど、同意が欲しい。 そんな人の揺れる心理を垣間見た。 ・ギア 謎な生物「セミンゴ」についてバス内で語り合っているうちに・・・ 人類が淘汰されるのはでないか?という現代に緩んだ日本人へ危惧を抱いた。 ・二月下旬から三月上旬 毎年2月下旬~3月上旬だけ親友との交流する、という腐れ縁の日記的物語。 道徳や秩序に対する問題提起を感じた。 ・if バスジャックが起きた。その時乗客はどうしたか? 「あのとき、ああすれば良かった」という誰しもある反省に勇気を与える。 ・一人では無理がある サンタクロースはいない。しかし、クリスマスプレゼントを配る組織は存在する。 そんな中、児童虐待の現場に希望を感じるファンタジー。 ・彗星さんたち 東北新幹線の車両清掃員「コメットさん」たち裏方の人間味あふれる物語。 ・後ろの声がうるさい 新幹線に乗っていた主人公が、後ろの座席の会話に気に取られる。 そこには、隣り合わせた二人は実は、幼き頃別れた父と息子という・・・ 一番好きな物語は、彗星さんたち。 シングルマザーの主人公は、人と喋るのが苦手。 喋らなくてもいい、掃除だけをしてればいい、と思って選んだ清掃の仕事。 けれど、おもてなしの心を持って取り組む真剣な仕事だった。 清掃時間は、東京駅停車7分間。 テキパキとこなす様が颯爽としていて格好いい。 そして、シングルマザーとして、日々悪戦苦闘する主人公が、 チーフ格となる先輩たちと交流の中で、前向きになっていく姿に心温まる。 伊坂ワールドは、エッシャーのだまし絵「滝」みたいなものだと思う。 水路が周る違和感。けれど、だまされて、ニヤッとしてしまう。 そんな感覚が伊坂ワールドの醍醐味だ。 | ||||
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驚きと意外性に満ちた伊坂ワールドの短編集。 作品としては短編集として独立しているのだが、最後には受け皿のような話があって微妙につながりが感じられたのが伊坂さんらしいと思った。 個人的には「一人では無理がある」と「彗星さんたち」が好きだった。 どちらも、最後はほっこりとさせられる内容だったのがよかった。 最後に書かれているデビュー十五年を振り返ってのインタビューは伊坂さんのこれまでの作品に対する思いや考え方の変化などが描かれていて、伊坂ファンとしては読んでおきたいと思った。 | ||||
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伊坂さんのどろどろしてない犯罪の話や、シュールなところが好きでしたが この頃そういう話が少ないなぁと思っていたら、この短編集もでした 解りづらいところもあり、楽しくは読めなかったです | ||||
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個人的には「これはこれで面白いかも」と思いましたが……伊坂さんらしくないなぁ〜と思いました。もっと読み応えのある作品を書いて欲しいです。 | ||||
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収録作に『ジャイロスコープ』という篇はなく,そのあたりを気にしつつ開いたところ, 巻頭での『gyroscope』の説明と,それに絡めたタイトルの由来に冒頭から思わずニヤリ. 各篇については,近年の作品が多めとなっていますが,掲載誌もテーマも異なるため, 自分の好きな伊坂さんと,そうでない伊坂さんが,ハッキリしやすいのではと思います. また,書き下ろしとなる最後の篇は,いつもながらにお見事な幕引きの一篇となっており, いささかやり過ぎの感もありますが,あの人たちのあれやこれやを思い浮かべたくなります. デビューからの十五年を振り返るインタビュでは,各篇の『セルフ解説』もそうですが, ここまでを小中高と,学生の成長になぞらえて,意識や作風の変化を語る様子が興味深く, 読者と著者,こちらとあちらとの間にある,大きくて難しい問題が窺えるようで印象的です. | ||||
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