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黒い樹海
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【この小説が収録されている参考書籍】
黒い樹海の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.71pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全4件 1~4 1/1ページ
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松本清張作品で、がっかりさせられたことはあまりない。まあ、そんなにたくさん読んではいないんですけどね。 ただこの作品だけはちょっと・・・ いささか「がっかり」という心境にさせられた。他のレビュアーの方の書き込みを見ても、そう感じたのは自分だけではないようだ。 ようするに話が単純すぎる。中盤から怪しいと思っていた人物が、そのまま犯人だった。ヒネリも何もない。あまり書くとネタバレになってしまうか。 この作品は、ドラマ化もされたもので期待していたのだが、初期の作品のせいなのか、清張にしては作りが雑だ。 まあ、他の作品は傑作が多い。★は3つにしたが、これは清張作品にもこういうのもあるという意味で、そうした。 | ||||
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没後30年を過ぎても旧作がこうして装いも新たに再刊される松本清張は、やはり大したものだ。 本作は彼の推理小説としても最初期のもので、素人探偵モノ。捜査権を持たない民間人が肉親の不慮の死を巡る疑惑を追及するため苦心惨憺するわけだが、終幕は例によってやや駆け足に解決まで進んでしまう。今日の目で見ると、松本清張の作品は新聞や雑誌の連載物で、読者を退屈させまいとするサービス精神のせいか、無闇に殺人が起こるなど、展開が結構荒っぽくて再読するほどにその感は強い。現在、一流作家の長編ミステリは書き下ろしとして刊行されることも多く、松本清張がそのようにじっくり構成を練って作品を仕上げられる環境にあったら、もっとクオリティの高いものに出来たのではないかと思う。 今回の新装版は活字を大きくしていて、視力の低下が気になる年齢になった者には大変有難い。一方で、旧版にあった著者略年譜や解説がなくなってしまったのは少々残念だ。作品の発表年代や、その当時の著者の執筆動向というのも作品を味わう上での要素だと思うので、旧版からの再録であっても解説は残して欲しい。 | ||||
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謎解きと人間ドラマを両方を含んでいるという点では松本清張の特徴は出ている。 仙台へ旅立ったはずの姉が浜松で事故にあった。平凡な日常が破られていく情景が精密に描かれて、妹の笠原祥子の心の動きまで追体験できて、こちらまで息苦しさが伝わる。 松本清張はやはり精密な描写のときに筆が冴える。それから、松本清張の風景描写は、悲しみと結びついたときに優れている。彼は若い時から、辛さや悲しさを心に秘めながら風景を見ていたのかもしれない。 姉が亡くなったときに、一緒にいた人物は瀕死の姉を見捨てて逃げた。祥子はその人物を見つけ出そうと決心する。彼女が糸口を掴み始めたときに、連続殺人事件が始る。松本清張の作品は映画の原作としても優れているが、これはまさしく映画向きかもしれないと思う。文学としてのみ考えると、殺人事件が始ると、謎解きが中心になり、松本清張の特徴である精密な人間ドラマの部分が弱くなる。殺人事件がなくても、あるいは無い方がミステリーとして緊張感があったかもしれないとも思う。もちろんこれは私の勝手な感想である。。 | ||||
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謎解きと人間ドラマを両方を含んでいるという点では松本清張の特徴は出ている。 仙台へ旅立ったはずの姉が浜松で事故にあった。平凡な日常が破られていく情景が精密に描かれて、妹の笠原祥子の心の動きまで追体験できて、こちらまで息苦しさが伝わる。 松本清張はやはり精密な描写のときに筆が冴える。それから、松本清張の風景描写は、悲しみと結びついたときに優れている。彼は若い時から、辛さや悲しさを心に秘めながら風景を見ていたのかもしれない。 姉が亡くなったときに、一緒にいた人物は瀕死の姉を見捨てて逃げた。祥子はその人物を見つけ出そうと決心する。彼女が糸口を掴み始めたときに、連続殺人事件が始る。松本清張の作品は映画の原作としても優れているが、これはまさしく映画向きかもしれないと思う。文学としてのみ考えると、殺人事件が始ると、謎解きが中心になり、松本清張の特徴である精密な人間ドラマの部分が弱くなる。殺人事件がなくても、あるいは無い方がミステリーとして緊張感があったかもしれないとも思う。もちろんこれは私の勝手な感想である。。 | ||||
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