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黒い福音
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【この小説が収録されている参考書籍】
黒い福音の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.19pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全41件 21~40 2/3ページ
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松本清張の本を初めて読んだのですが、思ったよりも読みやすかったです。文庫本で結構厚みがあったのですが、あっという間に読み終わってしまいました。 内容は、私の通勤経路が話の舞台になっていたので、興味もあり面白く感じました。 これは、実話をもとに松本清張が念入りに調査をした上で、フィクションに仕上げて書いたと聞いています。宗教も絡んでいるので、よい勉強にもなりました。 | ||||
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松本清張の本を初めて読んだのですが、思ったよりも読みやすかったです。文庫本で結構厚みがあったのですが、あっという間に読み終わってしまいました。内容は、私の通勤経路が話の舞台になっていたので、興味もあり面白く感じました。これは、実話をもとに松本清張が念入りに調査をした上で、フィクションに仕上げて書いたと聞いています。宗教も絡んでいるので、よい勉強にもなりました。 | ||||
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これは実際に起こった外人神父によるスチュワーデス殺人事件を基にしている。 この作品の根底には、正当な審判が行われなかった被害者への松本清張氏の共感、そのような事態を引き起こした教会組織の残忍さ、それを黙認した社会の構造への激しい怒りを感じる。そのような激しい思いがなければ、松本清張氏はこれほど徹底的な取材はしなかっただろう。 犯罪に手を染めながらも、それを正当化する神父たちの論理もうまく描かれている。また、貧しい家の出である若者が、社会で這い上がるために神父の道を選びながらも、魅力的な女性に心を奪われていく姿。そして、女性に惹かれながらも、しかし自分と故郷の残された家族を守るために非情な選択をしていく姿も納得できるものである。そして信じている者に殺されてしまった女性も克明に描かれており、哀れである。 実際の証拠を松本清張氏の推量で埋めているのだから、すべてが正しいとは言えないが、私見ではかなりの精度であろう。 | ||||
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これは実際に起こった外人神父によるスチュワーデス殺人事件を基にしている。 この作品の根底には、正当な審判が行われなかった被害者への松本清張氏の共感、そのような事態を引き起こした教会組織の残忍さ、それを黙認した社会の構造への激しい怒りを感じる。そのような激しい思いがなければ、松本清張氏はこれほど徹底的な取材はしなかっただろう。 犯罪に手を染めながらも、それを正当化する神父たちの論理もうまく描かれている。また、貧しい家の出である若者が、社会で這い上がるために神父の道を選びながらも、魅力的な女性に心を奪われていく姿。そして、女性に惹かれながらも、しかし自分と故郷の残された家族を守るために非情な選択をしていく姿も納得できるものである。そして信じている者に殺されてしまった女性も克明に描かれており、哀れである。 実際の証拠を松本清張氏の推量で埋めているのだから、すべてが正しいとは言えないが、私見ではかなりの精度であろう。 | ||||
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BOACスチュワーデス殺人事件を題材にした「実話小説」です。二部構成をとっています。第一部が事件発生に至る経緯を松本清張が解釈し、小説仕立てにしたもの。第二部がその解決篇です。 第一部は正直にいって長い。神父の動機を伝えるにはこれくらい必要だったのかもしれませんが、面白さという点では冗長さが上回ってしんどいところがあります。第二部は平塚八兵衛がモデルと思しき刑事「ロクサン」と新聞記者「佐野」の絡みが渋く、熱い。佐野はおそらく松本清張自身の投影です。 小説とノンフィクションの間を狙った松本作品としては「日本の黒い霧」などのほうが、史実かどうかの論点はさておき、「読ませる」ものであると思います。でもこれだけの長い作品をきっちり構成して「話の辻褄、一応合ってるね」(藤沢刑事)というところまでもっていける筆力にはいつものことながら唸らされます。 最後に、事件発生から2009年でちょうど50年。清張さんの推理がかなりの部分、当たっているとして、被害者の冥福を祈りたいと思います。 | ||||
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BOACスチュワーデス殺人事件を題材にした「実話小説」です。二部構成をとっています。第一部が事件発生に至る経緯を松本清張が解釈し、小説仕立てにしたもの。第二部がその解決篇です。 第一部は正直にいって長い。神父の動機を伝えるにはこれくらい必要だったのかもしれませんが、面白さという点では冗長さが上回ってしんどいところがあります。第二部は平塚八兵衛がモデルと思しき刑事「ロクサン」と新聞記者「佐野」の絡みが渋く、熱い。佐野はおそらく松本清張自身の投影です。 小説とノンフィクションの間を狙った松本作品としては「日本の黒い霧」などのほうが、史実かどうかの論点はさておき、「読ませる」ものであると思います。でもこれだけの長い作品をきっちり構成して「話の辻褄、一応合ってるね」(藤沢刑事)というところまでもっていける筆力にはいつものことながら唸らされます。 最後に、事件発生から2009年でちょうど50年。清張さんの推理がかなりの部分、当たっているとして、被害者の冥福を祈りたいと思います。 | ||||
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実際にあった事件である。社会派といわれる松本清張がミステリーに仕立てた。いかに当時の日本が国際的に不利だったかがよくわかる上にそうせざるを得なかったところに権威のすごさ怖さがあり、多分どこの国もどの時代でも同じだろう。実際キリスト教系(特にカトリック)と縁のあった者は、俯瞰して読む必要があるだろう。ただし、調査が綿密といってもあくまで作品として著者が書いているということを読み手は忘れてはならない。 内容は情景描写、登場人物等、リアルでわかりやすく、ミスマッチ手法および倒叙推理小説の構成をとって読み手をひきつけている。神父と被害者女性の描写は陳腐かもしれないと思ったが、当時の地図もついていて、ミステリーの読み手にはわかりやすくそして楽しめる。 権威主義的なものに反発はつきものであると同時に多くの人々が心の底では憧れているのも事実である。著者はこの作品をとおして人間の心の奥深くに潜む誰にでもある力のあるものに対するあこがれと嫌悪する心ー欲望もまたそうであろうかーの「黒さ」をも描こうとしたのか。大なり小なりそれに恩恵を受けるものとそうでないものが存在するように・・・。ある大学教授の言葉を引用させていただけば「神は死んだとニーチェは言った。この真意は宗教が護教的になり、自己目的的になったとき内部生命として衰退死したという意味である。」 松本清張が禁断のタブーにあえて挑戦した力作である。 | ||||
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この作品くらいから松本清張は自作にやたらと『黒い○○』というタイトルを付けるようになりました。これを誰も“清張のブラック・シリーズ”とは呼ばないので、しょうがないからせめて僕がそう呼ぶことにします。本作は1959年に実際に起きた神父によるスチュワーデス殺しを題材にしたもので、当時の日本が西洋人、特にキリスト教関係者に対して弱い立場にあったことが描写されています。 作風としては第1部では神父側の視点から殺人が起きるまでの様子を描き、第2部では刑事や新聞記者らによる真相究明を描くという、いわゆる“倒叙形式”をとっています。しかし、清張の眼目はあくまでも実際の出来事に対する義憤にあり、推理小説的な面白味はあまり感じませんでした。 | ||||
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この作品くらいから松本清張は自作にやたらと『黒い○○』というタイトルを付けるようになりました。これを誰も“清張のブラック・シリーズ”とは呼ばないので、しょうがないからせめて僕がそう呼ぶことにします。本作は1959年に実際に起きた神父によるスチュワーデス殺しを題材にしたもので、当時の日本が西洋人、特にキリスト教関係者に対して弱い立場にあったことが描写されています。 作風としては第1部では神父側の視点から殺人が起きるまでの様子を描き、第2部では刑事や新聞記者らによる真相究明を描くという、いわゆる“倒叙形式”をとっています。しかし、清張の眼目はあくまでも実際の出来事に対する義憤にあり、推理小説的な面白味はあまり感じませんでした。 | ||||
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推理の展開というよりは、スキャンダル的に面白い小説。特に、教会の美しく神聖な尖塔の光景から、あやしげな女の住む茂みに囲まれた一軒やへの冒頭の描写。肉の喜びと国際的犯罪に染まっていく神父の戦慄と自己正当化、女の自己中心的な恋愛。全体を通してのトーンの設定にうならされます。私もキリスト教系の学校にかよったが、政治や人間関係の争いは普通の社会と同じか、むしろ宗教をかさにきて自分に都合の悪い者を徹底排除する醜さはそれ以上でした。豪奢な校舎に芝生の美しい環境とは裏腹に、常に息づまるような閉塞感、すべてが上っ面の空疎。世間で名門校といわれるが二度と戻りたくない、と思わせるのは、どこか普遍的なクリスチャン的偽善の薄気味悪さも関係しています。それにしても清張という人は、どうしてこういろんなタイプの悪の、皮膚のなかに入り込んだようなインティメイトな心理を描くのがうまいのか?日本人を内心野蛮と軽蔑しつつ福音を教えてやるんだと心に決め、その国の法も無視した卑劣な手段もまったく悪いと思っていないという意味で、神のまえで何重もの罪を重ねている宗教的外国人に完全になりきっているとしか思えないぐらい、その言動の描写がリアル。やはり実際の事件とへの相当の怒りと、執念の取材があったのではと思わせる。作家の原動力となっている、全編を通して、不正を見逃しはしないぞという熱くたぎる思い、戦後という背景のなかで、いかにもこういうこともあっただろう、と思わせる筆力に脱帽です。 | ||||
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推理の展開というよりは、スキャンダル的に面白い小説。特に、教会の美しく神聖な尖塔の光景から、あやしげな女の住む茂みに囲まれた一軒やへの冒頭の描写。肉の喜びと国際的犯罪に染まっていく神父の戦慄と自己正当化、女の自己中心的な恋愛。全体を通してのトーンの設定にうならされます。私もキリスト教系の学校にかよったが、政治や人間関係の争いは普通の社会と同じか、むしろ宗教をかさにきて自分に都合の悪い者を徹底排除する醜さはそれ以上でした。豪奢な校舎に芝生の美しい環境とは裏腹に、常に息づまるような閉塞感、すべてが上っ面の空疎。世間で名門校といわれるが二度と戻りたくない、と思わせるのは、どこか普遍的なクリスチャン的偽善の薄気味悪さも関係しています。それにしても清張という人は、どうしてこういろんなタイプの悪の、皮膚のなかに入り込んだようなインティメイトな心理を描くのがうまいのか?日本人を内心野蛮と軽蔑しつつ福音を教えてやるんだと心に決め、その国の法も無視した卑劣な手段もまったく悪いと思っていないという意味で、神のまえで何重もの罪を重ねている宗教的外国人に完全になりきっているとしか思えないぐらい、その言動の描写がリアル。やはり実際の事件とへの相当の怒りと、執念の取材があったのではと思わせる。作家の原動力となっている、全編を通して、不正を見逃しはしないぞという熱くたぎる思い、戦後という背景のなかで、いかにもこういうこともあっただろう、と思わせる筆力に脱帽です。 | ||||
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実際に昭和34年に起きた殺人事件に関し、多少の脚色があるものの大部分は実際の真実を示していると思わせる内容である。事件に対しての(当時の)日本の弱さを痛切に思い知らされて非常にやりきれない気持ちになるが、未解決の事件について著者なりの推測も交えて世に問題提起した意義は少なくないと思う。 | ||||
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実際に昭和34年に起きた殺人事件に関し、多少の脚色があるものの大部分は実際の真実を示していると思わせる内容である。事件に対しての(当時の)日本の弱さを痛切に思い知らされて非常にやりきれない気持ちになるが、未解決の事件について著者なりの推測も交えて世に問題提起した意義は少なくないと思う。 | ||||
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こんなことがあったのでしょう。歴史の真実とは、こんなものなのかもしれません。推理ながら、真実よりも本当なのかもしれません。それがこの本だと思います | ||||
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こんなことがあったのでしょう。歴史の真実とは、こんなものなのかもしれません。推理ながら、真実よりも本当なのかもしれません。それがこの本だと思います | ||||
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当時社会を大きく揺るがせた事件を取りあげたために、事件の概要を先に読者に提示すると言う新しい手法が用いられているが、その手法にぐいぐいと引き込まれた。カソリック教会の閉鎖性や当時の日本の弱い立場といった背景もさることながら、神父が禁断の恋に手を染めていく過程とその心情が非常によく描かれている。しかし、犯人がどうして最終的に殺人という解決手段を選ばざるを得なかったのか。他の手段を選択する可能性も考えられるだけに、清張の推理で、その一点において満足がいかなかった。 | ||||
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当時社会を大きく揺るがせた事件を取りあげたために、事件の概要を先に読者に提示すると言う新しい手法が用いられているが、その手法にぐいぐいと引き込まれた。カソリック教会の閉鎖性や当時の日本の弱い立場といった背景もさることながら、神父が禁断の恋に手を染めていく過程とその心情が非常によく描かれている。しかし、犯人がどうして最終的に殺人という解決手段を選ばざるを得なかったのか。他の手段を選択する可能性も考えられるだけに、清張の推理で、その一点において満足がいかなかった。 | ||||
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実際にあったスチュワーデス殺人事件を清張が独自の推理で真相に迫ります。カトリックと言う網の中で行われる闇の取引。さらには、外国人だと言う事も加わり権力を利用して潰される事実。社会派の清張流の描写が、なんとも切なさ、空しさを感じさせ日本と言う国の力の無さが浮き彫りにされた作品でした。 | ||||
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実際にあったスチュワーデス殺人事件を清張が独自の推理で真相に迫ります。 カトリックと言う網の中で行われる闇の取引。 さらには、外国人だと言う事も加わり権力を利用して潰される事実。 社会派の清張流の描写が、なんとも切なさ、空しさを感じさせ 日本と言う国の力の無さが浮き彫りにされた作品でした。 | ||||
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実際にあった外国人宣教師がからんだ殺人事件をモデルにしたミステリー小説です。けっこう長い小説ですが、息をもつかせぬ展開で一気に読めてしまいます。数ある松本清張の作品の中でも、最も好きな小説のひとつです。 | ||||
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