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吉里吉里人



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吉里吉里人の評価: 3.95/5点 レビュー 78件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.95pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全78件 61~78 4/4ページ
No.18:
(2pt)

古びてしまったかつての名作

著者の代表作のひとつで、地方独立という主題を扱い、地方分権の可能性を広げた、という意義もあると思います。
しかし、今読むと、ギャグは出版当時はわかっても今の読者にはわからないものも多い感じがしました。また、経済については著者の勉強の後がうかがわれますが、医療に関しては昭和50年頃のマスコミの医師叩きをうのみにした、浅い知識しかなく、著者のファンとしては相当な失望でした。医師が一度医師免許さえ取りさえすれば勉強しなくてもやっていける、などの記述で、ああ、知らないな、と思ってしまいますし、吉里吉里国で語られる医療政策も抽象的なものでしかありません。
著者の作品では、戦争責任、日本語の曖昧さ、明治・大正期の文学者(樋口一葉や石川啄木)についてなど、様々な戯曲があり、そちらは全く古びていないので、どれかひとつなら、この作品を敢えて読む必要はないと思います。
吉里吉里人 (上巻) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:吉里吉里人 (上巻) (新潮文庫)より
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No.17:
(3pt)

下巻に来るとややマンネリ気味

文庫版で全1500ページのこの大作を読み終えた。最近なかなか読書に時間を割けなかったのだが、時間を費やした価値はあったと思う。私小説的な語り口で吉里吉里国という疑似国家を描くことで戦後日本の様々な問題点を描いたこの作品の意義は、文学的にも、さらには政治学的にも小さくないのではないかと思う。さらにズーズー弁をルビを振ることで表現するという試みは見事にはまっている。特に私は東北地方の出身であるため、吉里吉里人の言葉が妙に心地よかった。方言を読んで心地よくなったという体験をしたのはこれが初めてであり、言葉に並々ならぬ関心を寄せた筆者にとっては面目躍如となった作品なのではないか。

ただ、私見によれば、本作品は長過ぎた。上巻は夢中になって読み終えたが、読み進めていくうちに新鮮さが薄れて行き、マンネリ化が進む。これは長編にとっては仕方が無いことではあるが、筆者が得意とするハチャメチャな物語展開は、やや度が過ぎているのと、同じようなネタが多いということにより、一層強いマンネリ感を生み出してしまっている。物語の終わり方もちょっとあんまりなのではないかと思った。

読み方としては、時間がある時に一気に上中下巻を読んでしまう、特に中下巻は読み流してしまう、というのがいいかもしれない。
吉里吉里人 (下巻) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:吉里吉里人 (下巻) (新潮文庫)より
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No.16:
(5pt)

溢れ出る創作力、想像力

井上ひさしは仙台で育った作家ということもあり、仙台出身の私にとってずっと気になる存在ではあったのだが、これまで氏の作品を読む機会は不思議と無かった。だが、昨年、氏が他界したことを受けて、読んでみようと本書を手にとった。私の氏に対するイメージは、氏の政治的な言論から来ているもので、反戦リベラルの知識人というものだった。ただ、本書を読むと、確かに氏が強固な反戦リベラルのイデオロギーの持ち主であることが分かったが、氏のパーソナリティーはそれだけで説明できないほど奥が深いということ、氏が好きな言葉を使うと「面妖」とでも表現するしかないものであることがよく分かった。主人公である古橋健二には明らかに筆者が投影されている。吉里吉里人の奇想天外な発想も面白いが、古橋の言動もまた奇抜である。本書を読んで、筆者の溢れ出るような創作力、想像力に圧倒された感がある。

本書の最大の特徴は、かなりの部分が吉里吉里語、要は東北地方のズーズー弁によって書かれていることであろう。東京生活が長くなり、ズーズー弁をほとんど話さなくなった私だが、本書を読んで、そうそう、こういう言い方をする、と思わされた箇所がいくつもあった。井上氏はズーズー弁に関わる仕事もしていたと記憶するが、さすがによく研究しているなと思った。ただし、筆者は本書を通して何も東北地方の農村を描写したかったわけではあるまい。筆者は吉里吉里国を通して東北に限らない日本の農村の実態を明らかにし、経済大国と化した戦後日本の様々な問題をえぐり出すことに主眼を置いていたのだろう。本書は一見ドタバタ劇に見えるが、その実、シリアスな作品なのである。
吉里吉里人 (上巻) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:吉里吉里人 (上巻) (新潮文庫)より
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No.15:
(4pt)

次々と明らかにされる戦後日本の問題点

この中巻ではドタバタ劇が続く。抱腹絶倒もののシーンが多いが、もしかしたら好き嫌いが分かれるところかもしれない。また、物語の本筋に関係ない蛇足も多く、ここもまた評価が分かれるところであろう。

本巻では、吉里吉里人達から、どうして吉里吉里国が日本政府から分離独立するに至ったかについて詳細に語られる。最大の理由は戦後日本の農業政策の問題にあるのだが、話はこれだけにとどまらない。福祉政策と医療政策の混同、地方蔑視の東京中心主義、そして憲法第9条と自衛隊の問題についてまで語られる。本書は約30年前に書かれた作品だが、本書で描かれた日本の問題点はほぼ全て現在でも当てはまる。ギャグ小説としても本書は相当に楽しめるが、やはり最大の魅力は、戦後日本の問題点を徹底的に暴露した点にあるのではないだろうか。
吉里吉里人 (中巻) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:吉里吉里人 (中巻) (新潮文庫)より
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No.14:
(5pt)

高校生時に読んだ初大作です。

もう何十年も前の私が高校生だった頃、
初めて大作小説を読んだのがこの本でした。
今でも大切に所蔵しています。

東北のある地方で
日本国からの独立運動が湧き上がり、そして実行したが、
儚くも阻止されてしまった物語である。

吉里吉里という地名は、東北に実在し
ロマンを駆り立てる。
吉里吉里の人々は、とっても <めんこい>^^

「国家とは何か、どうあるべきか。」
真剣に、そして楽しく、夏休みを利用して一気に読んだのが最近のように
鮮明に覚えています。
レビューを書いているうちに、再び読みたくなって来ました♪
吉里吉里人 (上巻) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:吉里吉里人 (上巻) (新潮文庫)より
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No.13:
(5pt)

高校生時に読んだ初大作!

もう何十年も前の私が高校生だった頃、
初めて大作小説を読んだのがこの本でした。
今でも大切に所蔵しています。

東北のある地方で
日本国からの独立運動が湧き上がり、そして実行したが、
儚くも阻止されてしまった物語である。

吉里吉里という地名は、東北に実在し
ロマンを駆り立てる。
吉里吉里の人々は、とっても <めんこい>^^

「国家とは何か、どうあるべきか。」
真剣に、そして楽しく、夏休みを利用して一気に読んだのが最近のように
鮮明に覚えています。
レビューを書いているうちに、再び読みたくなって来ました♪
吉里吉里人 (中巻) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:吉里吉里人 (中巻) (新潮文庫)より
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No.12:
(5pt)

高校生時に読んだ初大作

もう何十年も前の私が高校生だった頃、
初めて大作小説を読んだのがこの本でした。
今でも大切に所蔵しています。

東北のある地方で
日本国からの独立運動が湧き上がり、そして実行したが、
儚くも阻止されてしまった物語である。

吉里吉里という地名は、東北に実在し
ロマンを駆り立てる。
吉里吉里の人々は、とっても <めんこい>^^

「国家とは何か、どうあるべきか。」
真剣に、そして楽しく、夏休みを利用して一気に読んだのが最近のように
鮮明に覚えています。
レビューを書いているうちに、再び読みたくなって来ました♪
吉里吉里人 (下巻) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:吉里吉里人 (下巻) (新潮文庫)より
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No.11:
(2pt)

昔、本書がベストセラーのとき読んだが

本書は、単なる娯楽小説。ひまつぶしのために読む読みもの以上でも以下でもない。

ラジオドラマ化され、録音もして欧州でも聞いた。しかし、私は、このようなものは、文学とは認めない。井上ひさしは、孤児院で育ったと聞いている。文章は平易で、なかなか読ませる腕の作家であることは認める。

しかし、この書が『ドン・キホーテ』のように、初版から四百年後の世界にも残る人類史上の最高傑作だとは、到底思えない。
吉里吉里人 (上巻) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:吉里吉里人 (上巻) (新潮文庫)より
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No.10:
(2pt)

笑いのセンスが古臭い

私には無理でした。
上巻のわりと早い段階から嫌気がさしました。
笑えないのです。

私自身、ドタバタはけして嫌いなほうでなく、
筒井康隆などはおおいにノレるのですが、
こちらはどうも...。

この違和感を喩えて言えば、
笑いのセンスに乏しい「おじさん」が延々と繰り出す
ひとりよがりなシモネタや駄洒落にゲンナリする
―あの感じです。
とくに「エロ系の笑い」はおっさん臭このうえなく、
知的洗練とはほど遠いです。

引き合いに出すのはフェアではないかもしれませんが、
たしかほぼ同じ時期に発表され、やはり一地方が日本から
独立する寓話を描いた大江健三郎の『同時代ゲーム』の
第4章のほうが、意外にも、よっぽど気持ちよく笑えました。
吉里吉里人 (上巻) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:吉里吉里人 (上巻) (新潮文庫)より
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No.9:
(4pt)

作者の知識がほとばしる

一農村が吉里吉里国として日本から独立を宣言。日本政府の妨害を如何に対処し目的を達成するか。吉里吉里人達が繰り出す奇想天外な対抗策とその行く末がこの小説の骨子であって、私が読み進む上での大きな誘因だったのですが、それだけを追うと大きな肩すかしを食らうでしょう。

読後に私の心に残るのは、そこかしこに散りばめられたエピソードに秘められた著者の持つ縦横無尽の博学さと、農業や医学や政治など諸制度に対する主張の根源性でありました。著者が抱く理想郷の片鱗を寄せ集めた結果が吉里吉里国なのだと思います。

やっつけ仕事の様に感じるどたばた喜劇の進行と猥褻表現と鋭い言語感覚と炸裂する知性と、ごった煮のアンバランスさにすっかり飲まれてしまいました。
吉里吉里人 (上巻) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:吉里吉里人 (上巻) (新潮文庫)より
4101168164
No.8:
(5pt)

高校生時に読んだ初大作♪

もう何十年も前の私が高校生だった頃、
初めて大作小説を読んだのがこの本でした。
今でも大切に所蔵しています。

東北のある地方で
日本国からの独立運動が湧き上がり、そして実行したが、
儚くも阻止されてしまった物語である。

吉里吉里という地名は、東北に実在し
ロマンを駆り立てる。
吉里吉里の人々は、とっても <めんこい>^^

「国家とは何か、どうあるべきか。」
真剣に、そして楽しく、夏休みを利用して一気に読んだのが最近のように
鮮明に覚えています。
レビューを書いているうちに、再び読みたくなって来ました♪
吉里吉里人 (1981年)Amazon書評・レビュー:吉里吉里人 (1981年)より
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No.7:
(5pt)

とにかく笑い転げました

最後まで笑いながら読みました。こんなおかしな小説は珍しい。たとえば、「吉里吉里語講座」では通常の語学学校の常識が転倒しています。普通は外国語を学ぶ際、劣等感を持たないよう、口をきちんと動かすようを指導していますがここでは劣等感をもちましょうとなっているのがおかしい。主人公のどじなキャラに愛着しました。自衛隊との衝突のシーンもずっこけていておかしいし、会話は漫才のようだし。東北弁も生き生きしているし。ナレーションはユーモラスだし。

政治的風刺も効いていて、ことばのあそびもおもしろくて。ラストシーンには、国家機密を解明する言葉の遊びが隠されているので、お楽しみに。どたばたであるとの意見もありますが、こういう上手などたばたなら楽しめます。
吉里吉里人 (上巻) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:吉里吉里人 (上巻) (新潮文庫)より
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No.6:
(3pt)

「名作」なのか?

ほとんど意地になって三冊を読みきりましたが、結局、最後までただのドタバタの羅列のようにしか思えませんでした。きっと「分かる人だけ分かる」系の力作なのでしょう。上巻を読んで自分には合わないと思った人は、無理して読み進める必要はないと思います。中、下巻もほぼ同じトーンで、時間も結構かかりますよ。
吉里吉里人 (上巻) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:吉里吉里人 (上巻) (新潮文庫)より
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No.5:
(4pt)

リアルタイム小説

東北の一小村、吉里吉里村が突如、独立を宣言した! 初めは悪い冗談だとして真剣に受け止めなかった日本の政府・マスコミも、矢継ぎ早に打ち出される吉里吉里国の方策の前に徐々に色を失っていった。日本政府は総力を挙げて、吉里吉里国を潰そうとするが・・・・・・

 ひょんなことから吉里吉里国初の入国者となった三文文士、古橋健治を軸に緻密かつ荒唐無稽に語られる、抱腹絶倒の騒動劇。スリル、サスペンス、アクション、ミステリ、ドタバタ、ギャグ、下ネタ、お色気と娯楽小説の要素を全て盛り込み、なおかつ骨太の論理で日本国の愚昧と国民国家の幻想を鋭く穿つ、超弩級の迫力を備えた大作。時にコミカルに、時にシリアスに、作者の胸につかえていたものを全て吐き出した感のあるこの小説には、井上ひさしの真骨頂が表れているといえよう。

 1981年、第2回日本SF大賞を受賞。また1982年、第33回読売文学賞(小説賞)を受賞。

 作者によると、小説の中で起こる時間と、読者が読んでいる時間が一致するよう計算したため、大長編になったらしい。物語の中では36時間進行するのだが、36時間かけると丁度読み終わる計算だとか(笑)
吉里吉里人 (上巻) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:吉里吉里人 (上巻) (新潮文庫)より
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No.4:
(4pt)

好みではないがお勧め

ある日突然、東北の一山村が日本から独立する、という筋のユーモア小説である。作者はこの小説を通じて「国家」というものを支える諸制度や権力関係について、日頃このような問題を考える機会に乏しい読者に触れて欲しいと思ったのだろう。そして、作品を読む限りその狙いは見事に成功しているし、ヘタな評論を読むよりもよほど勉強になる。
 しかし、こればかりは好みの問題で仕方がないのだが、文学評論的に言うと、「一般人より能力の劣る人間」を主人公にする、というユーモア小説のパターンを見事に踏襲しているような小説は、個人的には余り好きではないのだ。特に、本小説では必要以上に主人公の喜劇性が強調され過ぎている気がしないでもない。このあたりは好みであろうから、あまり気にされない方にとっては面白く読めると思われる。
吉里吉里人 (上巻) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:吉里吉里人 (上巻) (新潮文庫)より
4101168164
No.3:
(2pt)

えらいどうもすんまへ~ん

俺にはこの作品は合わんな。いいとか悪いとか言う以前に。途中で読むのを止めたから。いや、いろんなことやってるんだよ。読み始めの頃は「やるねぇ~」と唸りっぱなしだったし。だけど、長い(笑)。最後のほうはダラダラ読んでいたね。
ただ、読んでみる価値はあるよ(☆2つでこんなことを言うのも何なんだが)。俺の場合、根本的なところで感性が合わなかったから駄目だっただけ。吉里吉里語に関しては圧巻! もっと短ければ評価は☆5つになってても可笑しくないんだけどなあ。残念だ。
吉里吉里人Amazon書評・レビュー:吉里吉里人より
4103023120
No.2:
(5pt)

両言語による対比をお楽しみください

発行は56年。2段組834ページを費やし物語の時間はただの二日しか経っていない。こちらは読むために土日と慰霊の日をあわせ4日もかかってしまった。東北のある村が独立、吉里吉里国と名乗る。語り手と思われる記録係(わたし)とわたしに目を付けられた売れない作家古橋健二。この古橋、読むにつれ遅筆であることや締め切りを落とした経験など井上ひさしのパロディと思われる。最初のページからルビの振られた吉里吉里語(東北弁)が頻出。慣れると語感やリズムをつかめてくる。それを計算してか物語の中で吉里吉里語講座が始まる。発音、文法、例題、替え歌、名作文学の吉里吉里語訳と何でもあり。一つの村が独立するとどのような影響が出るのかが面白おかしく語られる。国防、経済、国籍、農業政策、医療と吉里吉里国を語っていながら、実はこれが裏返しの日本国批判、批評になっているという離れ業。ペダントリイ、下ネタ、ドタバタなどあらゆる言語的技術を駆使して書かれたSFだとスルドク断言していいでしょう。余談ですが、猿まねでもいい二番煎じでもいいから沖縄文学もこういうのやってちょーだい。
吉里吉里人Amazon書評・レビュー:吉里吉里人より
4103023120
No.1:
(5pt)

1日で読める?

著者の博覧強記ぶりが爆裂しているといってよい一冊。わずか一日の出来事を書いているのでちゃんと読むと24時間で読める、と聞いたことがありますが、ホントでしょうか。確かにやめられないおもしろさはありましたが、さすがに一日で読む時間的余裕がなかったので。
吉里吉里人 (上巻) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:吉里吉里人 (上巻) (新潮文庫)より
4101168164

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