■スポンサードリンク
(短編集)
樹海
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
樹海の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.00pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全2件 1~2 1/1ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
各章につき、富士の裾野に広がる「樹海」をモチーフにして展開していく。語られる主題はズバリ「自殺」。登場人物の背負う人生航路は揃いも揃って、みな果てしなく暗い。各章の人物は一見それぞれに無関係と思わせ、実は見えない線で繋がっており、因果は人知を超えた力によって関係付けられている。それが終章にて総括される、といった鈴木節が拝める。 各章ごとの登場人物が多く、叔母さんだの、実の息子だの、養子縁組だの、それが章を跨いで縦横無尽に語れるので、読者としては人間関係が把握し辛く混乱してしまう。日をあけて読書を再開すると、相関関係は忘却の彼方に飛び、不本意ながら前頁に戻って再読する始末だ。酷評すれば、結果ありきの因果付け物語で、後半は何となく先が読めてしまう有様。 鈴木光司お得意の展開、いわゆる短編を絡め最終章で納得のいく結論を出す、という往年の書き方だが、今回は最後まで読んでも期待したような結末、そう、リング3部作を読んだ直後に感じた様な「納得いく気の晴れる様な纏め方」は見出せ無かった。私事、後味の悪さだけが残る結末、という印象。 遍在:「小説新潮」2011年8月号(「樹海」より改題) 娑婆:「別冊文藝春秋」2012年9月号 報酬:「別冊文藝春秋」2014年3月号(「闘いの報酬」より改題) 使者:「別冊文藝春秋」2014年7月号 奇跡:「別冊文藝春秋」2014年9月号 禁断:「別冊文藝春秋」2015年1月号 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
タイトルから死(自殺)を巡る短編集かと思いましたが、趣きが少し違いました。樹海へのかかわりは各話ごとに濃淡がありますが、基本的に樹海そのものではなく、人々の人生に焦点があてられています。 各物語は主流傍流を問わず結びついていますが、ミステリー・サスペンス色は薄く、そこを期待する読者には向かないかと思います。 テーマは重く全体的に暗いトーンですが、各話とも内容、文章も濃密で、完成された小説なのではないかと思います。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!