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カクテル・ウェイトレス
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カクテル・ウェイトレスの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.14pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全11件 1~11 1/1ページ
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まだ読んでませんが、傑作の匂いがします | ||||
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著者自身の封印は最後仕掛けられた爆弾の猛毒性故か。ただ、やはり作者が開拓した肉感と独善性の荒野は嫌いじゃない。 | ||||
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さすが、ジェームス・ケインのストーリー展開。最後のところまで来ないと、誰が本当の犯人なのかわからない。ぼーっと読んでいると、読み終わった後でさえ、犯人を特定しないリドル・ストーリーにみえる。危うく、騙されるところだった。ただし、前半でまったく殺人事件が登場しないので、若干、まどろこしさが残る。後半のストーリー展開はすごい。 | ||||
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本書の訳者あとがきで田口俊樹氏が面白いことを書いていたので下の・・・内に転載したい。 ・・・<前文略>ケインの作品は何作もハリウッド映画の原作になっているが、長編『殺人保険』が映画化(邦題『深夜の告白』)されたときには、監督ビリー・ワイルダーとともにほかならぬチャンドラーが脚色を担当した。有名な皮肉な話である。・・・ この皮肉という比喩は、レイモンド・チャンドラーがケインのことを“文学の屑肉”とまでこきおろしていたからである。 このようにチャンドラーがケインの作品を罵倒していたことは、評者もかってなにかで読んで知ってはいたが、それほど毛嫌いしていたケインの『殺人保険』映画化の脚色に加わっていたことなど初めて知りなんだか嬉しくなってしまった。 本書『カクテル・ウェイトレス』は、1975年ケイン83歳という晩年の作品とは思えない迫力を感じながらページを繰ってしまったのである。 この作品は、長く日の目を見ることがなかった原稿を、本書の解説を書いているチャールズ・アルダイが探し出し編纂し、『The Cocktail Waitress 』という原題で2013年に刊行されたものを、一年後の2014年に邦訳出版されたのが本書である。 この物語の主人公であるジョーン・メドフォードという3歳の男の子を持った若き妻が、アルコール中毒でDVを繰り返す夫が自動車事故で亡くなった後の葬儀の場面からテープに録音する一人語りで始まる。 ほとんどの読者は、ジョーンが語ることを信じながら読み進むのだろうと思うが、「ちょっと待てよ!彼女が話すことがすべて真実なの?」と、疑いだして読者を引き込むのがケインの手練手管なのであろう。 評者もケインの手練手管に引き込まれた一人であることは言うまでもないが、物語が終焉を迎えたころページを繰りながら、「なぜ証拠を隠さないのだ!」と、いらいらしだしたのである。 ロンドンで知り合ったアメリカ女性から、この証拠となるものをもらった時から、これはなにかあるなと思っていたのである。 が、やはり最終ページの数行でケインの隠し技を知ることができたのである。(ジョーンが証拠隠しをしない伏線が不自然であると評者は感じてしまったのだが・・・) 読者が若い年代だったらケインの隠し技(証拠)の恐ろしさを理解できないだろうと思うのだが、この物語の主人公ジョーンを悪女としてとらえるなら、悪女としてそれなりの報いを受けることになるだろうとの恐ろしい余韻を残しながらこの物語を終えている。 ケインの隠し技の妙に浸りながらケイン最後の作品を読み終え、我が家の押入れの奥にあるケインの出世作『郵便配達夫はいつも二度ベルを鳴らす』を、何十年ぶりに再読してみようかな、と思いながら本書を読み終えた。 | ||||
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ジャック・ニコルソンの名演「郵便配達は二度・・・」の作家で有名。 事件の真実の行方を読者に委ねるところは、いかにも・・・ミステリーです。 ミステリー作家ではないがC・ブコウスキーと共通点があるような気がしました。 こんなフィーリングいいね。 | ||||
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それほどはまり込むような読まされ方はしなかったきがします。 でもすこぶるおもしろい。 作者の意図であろう、すーっと上っ面を読ませて、最後にあれれ・・・と考えさせる。 もしかしたら騙されてるのかも・・・と感じさせらる。 後味独特の読物でした。 | ||||
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ストーリーはかなりありふれているかもしれません でもそれをカバーするだけの底力がありました それは次のふたつです (1)女性主人公は金銭欲が強くジコチュウで実に いやな女です それでもそんな彼女を応援したく なるのは<これが私の生きる道>という強い信念 をもっているからです 不思議と共感できましたね (2)女性主人公を語り手にしたのはナイスでした 読者は猪突猛進&波乱万丈の彼女の人生を間近 に一緒に体験できるのです ちなみに本書は普通小説とミステリー小説のあいだ つまり中間小説といえるでしょう | ||||
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最初は、主人公の言動が私にとっては不可解で物語に入り込みにくかった。だが、一人称の視点で疾走する世界観とその速度に、いつの間にか慣れてしまうと、一気に物語に引き込まれた。ファムファタール。彼女の言葉、意思決定、行為、主人公の思考速度で読み進めていくと、その一つひとつが、まるで必然のように思えてくる。だが、連続した出来事を振り返って見た時、この女は悪女だ、としか言いようがない。関わった男たちは、強烈に惹かれてしまう自分を抑えることはできない。 ずるい女なのだろうか?計算高いのか?読者はどこまで行っても、ヒロインの全貌を知ることはできない。彼女がドライブする物語は、まっすぐに突き進み、違うと思えば、反対方向にハンドルを切ってアクセルを踏み込む。読者はただ、彼女が駆る、ブレーキが壊れた車にしがみついて行くほかはない。 そして、たどり着いた先は…。 ケインという作家の筆力を十分に堪能できる一冊。レイモンド・チャンドラーが毛嫌いしたというが、それだけ気になった稀代の作家だったということではなかったか。新たに発掘してもらったことに感謝する。 | ||||
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簡潔に。 郵便配達は2度ベルを鳴らす と同様に感じたことがある。 作家ケインの文体には、これから先何かおぞましい、おそろしい事が起こりそうだという予兆を感じるさせる技術をもつからだろうか、文章に強い引力を感じる。どんどん先を読みたくなる。 今回のカクテルウェイトレスについて。オトコをひきつけてしまう魅惑的な性格さらに頭もキレる、外見を持つ微悪魔的な女性から見た一人称の恋愛話し。 文章に読者を惹きつける、時折の野暮ったさ、比喩のきらめき、大衆性を感じる。男女関係での機微にも鋭い感性を感じる。はっきりいって勉強にもなる。 面白すぎる。 | ||||
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著者のジェームズ・M・ケイン(1892年7/2〜1977年10/27)は、郵便配達は二度ベルを鳴らす、殺人保険、ミルドレッド・ピアース などの作品で知られる米国の巨匠ですが、なんと幻の遺作が登場しました。 生前、本書の存在は、関係者の間では知られていたようですが、ケインの死とともに本書の草稿は、 彼の膨大な書類の中に紛れ込んでしまいました。本書の草稿がいかに発見され、編集を経て出版に至ったその経緯は、 チャールズ・アルダイの解説に詳しく書かれていますが、それ自体一篇のミステリーのようです。 本書の主人公は、21歳のジョーン・メドフォード、学生時代ふとした間違いで、妊娠し、一人息子テッドをもうけ、その男と結婚しますが、 そのため、両親とは縁切りされます。そして、その夫が飲酒運転の事故で死亡し、その葬儀のシーンから本書は始まります。 幼い一人息子を抱えて、生活に困ったジョーンは、カクテル・ウエイトレスの職を得、 その店で初老の大富豪アール・K・ホワイト三世と知り合い、気に入られ、求婚されます。 しかし、、ジョーンは、お金はありませんが、ハンサムで、若くて野心家のトムに心を惹かれます。 一方、警察は、ジョーンの夫の死に不審を抱き・・・・・・・ 以下、ネタバレ的な記述があります。当初、この小説は三人称で書かれていたようですが、ケインは気が変わり、 一人称で書き直したそうです。そのため、本書は、期せずして、叙述ミステリー的な風合いが強くなりました。 本書は、一言でいえば悪女ものだと思いますが、ジェーンの目を通して描かれているため、その色合いが薄くなり、 最終的な判断は、読者にゆだねられるというようになっています。 今となっては当たり前の手法ですが、さすがケイン、面白く読ませてもらいました!! | ||||
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「郵便配達は二度ベルを鳴らす』の作者の幻の遺作がこのたび八年がかりで発掘され、こうして日の目を見る事になった。 それ事態、奇跡で、ミステリーじみたはなしだが、本作はもっとミステリー色が濃い。 設定じたいは月並みな、どちらかと言えば、陳腐と言ってもいいほどのモノだけれど、その月並みさの中から想像もつかない展開がジワジワと起こってくるところが凄い。 月並みなくせに、先行きの見えない、曖昧さが良い意味でのミステリーとなっている。 登場人物は少ないのだが、中でも、女主人公の描きかたが秀逸で、いわゆる根っからの悪女というわけではないが、どこか直情径行のところがあり、いきなり誰彼みさかいなく殴り掛かったりして、余談をゆるさない行動に出勝ちなところが魅力的だ。 翻訳が新しいところも、重厚さこそないが、それが返って時代を感じさせず、現代の出来事のように思わせるのが良い。 それと、現代のミステリーにありがちな殺伐さ、エグさがないところも良い。 ゆるゆると、品よく、破滅の淵に進んで行く男女、といった塩梅の小説だ。 とまれ、読書の秋におすすめの一冊であることは間違いない。 | ||||
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