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火星に住むつもりかい?



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【この小説が収録されている参考書籍】
火星に住むつもりかい?
火星に住むつもりかい?

火星に住むつもりかい?の評価: 3.63/5点 レビュー 105件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.63pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全60件 21~40 2/3ページ
No.40:
(5pt)

今ぜひ読むべき

1章 平和警察による危険人物の処刑
疑われたら終わり。日本の現実と大差ないなと感じて、恐ろしくなった。改めて考えて見ても、証拠ねつ造、メディアによる公開処刑、などなど、現実と大差ない。
第2章でヒーローが登場で少しホッとするが、こっちの方が現実味がないと気がついたらまた恐ろしくなる。
ここから面白過ぎてほぼ一気読み。
自分は普通の人だから関係ないと思ってはいけない。普通の人が犯罪者として処刑されてしまうのだから。そんな社会をよしとしているのはそんな一般の市民だということを自覚しないといけない。ぜひ今こそ読んで欲しい一冊。
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No.39:
(5pt)

バランスって大事ですね

痛ましい事件が起こるたびに警察等国家権力の権限の強化を訴える風潮がある。
なるほどと思う意見もあるが、一方でその場の感情論での国の権限強化に危惧を抱くこともある。
行き過ぎた権限強化の成れの果てが、この物語で描かれているディストピアだ。
勧善懲悪を好む著者が最後に示した結果は、非常に興味深い。
正義、あるいは正解なんてものはこの世にはなくて、要はバランス。
受け入れるか、反発するか、それを放棄するのならば、火星にでも住むしかないだろう。
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No.38:
(4pt)

僕たちはどう生きるか?

抗えない社会のシステムに不満がある時、諦めて適応するのか、闘うのか?
火星に住むわけにはいかない僕らは選ばなければならない。
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No.37:
(4pt)

ぼくのりりっくのぼうよみ氏のあとがき

わかりやすいディストピアが舞台。
最後にディストピアの方向が変わりそうな終わり方をして、あーよかったねと読み終わった。
終わり方・伏線の回収もそこそこよかった。(自分の好きな他の伊坂幸太郎作品には劣るかなという印象)

でも、ぼくのりりっくのぼうよみ氏のあとがきを読んで、この小説への見方が変わった。
正義や各個々の見方が違うことを考えさせられた。
この小説の世界観ほどではなくても、自分の正義を職場で押し付けていないかなど考えさせられた。
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No.36:
(4pt)

「天網恢恢疎にして漏らさず 」 の主語が、この小説のように、変りつつあるのでは、ということ?

「天網恢恢疎にして漏らさず 」 って言うのは、本来的には 【天網は目があらいようだが、悪人を漏らさず捕らえる。お天道様は厳正で、悪いことをした人には必ずその報いがある】 要するに、お天道様は、あなたのことを天の上からみています。あまり悪いことはしないほうがよいですよ・・・・・でしょう。この警句・訓示の、あきらかに間違っているところは、「お天道様」なんて、100%存在しない、ということです。
 ただ、「お天道様」を「国家権力」にかえると、がぜん真実味をもちだす。著者は、そんな現代社会の道筋に、小説という、さり気無い様式で警句を発したのでしょう。

この作品では、仙台という限定された地域で、網の目も極めて粗い状態のお話ですが、データーを積み増せば良いだけの話ですので、良くも悪くもその気になれば、特定された人物の性向・行動様式くらいは調べられる時代になることだけは、確かなのでしょう。法的な問題は不明ですが・・・・・・
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No.35:
(4pt)

あなたは火星に住むつもりかい?

相変わらず、伊坂幸太郎の作品に対して「伏線回収」だの「正義への相対性」などの感想を書いているレビューが多い。「平和警察というリアル感のない設定」に文句をいう感想もある。一方、私は物語が始まって直ぐに奥付を見た。単行本発刊が2015年2月。秘密保護法は執筆構想時に法案通過したはずだ(2013年末)。共謀罪法はまだ与党幹部の机の中に眠っている時だった。私は改めて伊坂幸太郎の時代に対する感度の良さに舌を巻いた。

レビュアーは他人事のように読んでいる人が多いが、「平和警察」の魔女狩りの仕組みは、間違いなく(2017年に成立した)現代の共謀罪法でも多くの部分は「理論的には可能」である。あの法律で刑法の原則は大きく変わった。犯罪を犯す前から逮捕することが可能になったのである。そして、密告をすれば共謀から逃れることができる仕組みまである(この作品はそこ迄酷くはなっていない笑)。この作品でも、「平和警察」の「本格始動」を防ごうとする人々が出現しては潰されていくが、その時に自分は公開処刑を愉しむ立場にいるのか?防ぐ立場にいるのか?を、今現在の日本を観て、考えこまないといけない作品である。

ーあなたは火星に住むつもりかい?
物語の登場人物に突きつけられたのではない。あなたに、突きつけられた言葉である。
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No.34:
(4pt)

ネタバレあり

文庫で読みました。
最初は『平和警察』が処刑をおこなうという世界観にダサい感じも覚えましたが
大枠は大枠に過ぎず、
読み終わる頃には伊坂氏お得意の展開にワクワクしながら読みました。
解説でぼくのりりっくのぼうよみさんも書かれておりましたが、
読んでいる途中、正義の味方を応援してしまいます。
ネタばらしがあったとしても、そしてその正義の味方が道中で罪を犯したとしても“許されること”として認識してしまう
最後まで読み切って
この物語は悪いことをしたら罰せられるんですよという物語ではなく
正義について、群衆について、人間について考えさせられる物語でした。
それもちょっと違うか。
虫と磁石について勉強になった物語でした。
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No.33:
(4pt)

その「正義」は正しいのかい?

今作のテーマは「正義」。

SNSの出現により、誰しもが、自分の思う「正義」を
発信することが容易な時代になった。

その、顔も知らない誰かの発言は、
いまではネットを見ていなくても、
テレビのワイドショーなどを通して
嫌でも目に入ってくる。

政治問題から芸能人のゴシップ、
そして近所の飲食店で不快に感じたことまで。
まるで国民全員が常に、ネタ探しという名の「粗探し」をしているようだ。
(もちろん、良いニュースもたくさんある)

そのような現代社会を、
伊坂幸太郎フィルターを通して描いた
ディストピアが本作の舞台である。

その正義は正しいのか。
誰かの正義は、みんなの正義なのか。
賛同が集まれば、正義になるのか。
果たして正義の正体はなのか。

人類が直面するその社会構造のある側面を、
伊坂幸太郎ならではの、多くの登場人物たちの
多重に絡み合う物語によって描いている。

この問題にきっと答えは無いと思う。
それでもこのテーマに触れているかどうかで、
今の世の中を見る目が少し変わるのではないだろうか。

作中ではこんな風にいっている。
「悪なんて存在しません。全部が、正義と言ってもいいくらいで。」
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No.32:
(5pt)

久々にシビレました。

胸糞な描写がいくつかありますが、複数の視点から語られるシナリオが徐々に関係していき、最後には見事なオチがあるという点で伊坂ワールド全開のストーリー。完成度も高く、とっても面白い。

皆さん言うように、「正義」や「善悪」について非常に考えさせられる一冊です。この本を読んだときの感覚を忘れずに生きていけたらと思いました。今後も何度か読み返すことになりそうな予感がします、、

文庫本で読む方は、あとがきまで読むことをおすすめします。
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No.31:
(5pt)

今って結構ディストピア

正義とは何か。
特にこの数年、正義はふわふわと相対化し、腑に落ちにくい。
替わって、正義よりも大切になってきたのは、多数派だ。
何か事が起こっても、まずすべきなのは「どちらが多数派になるんだろう」という見極め、つまり自分の判断の留保だ。
うっかり、早急に判断した結果、自分が孤立してしまうのはとても怖いから。
ここに描かれる平和警察の面々は、嫌な奴ばかりで好感を持てない。
しかしそういう集団が警察という名を名乗ると、「警察の判断だから正しい」と受け止められ、昨日までの善き隣人に対する評価は「やっぱり悪い人だったんだ」と一転してしまう。
これは一体どういう事なのだろう。
昨日までの自分の判断をいとも簡単に覆しても、別に落ち込んだり悔しかったり腹が立ったりしない。
正義は相対化し、自分自身の判断は情報によっていとも簡単に置き換えられてしまう。
「あの人はそんな事をするような人ではありません!」と叫ぶことは、もうあり得ないのだろうか。
この物語のヒーローも、正義とは呼べない。
それらしい自信はかけらも見当たらない。
でも、奥さんへの愛情とか、自分の手に届く数少ない人たちへの想いは、本物だった。
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No.30:
(5pt)

「正義」について何度も思いを巡らせる。

監視と密告によって疑心暗鬼にまみれた仙台が舞台の物語。
『ゴールデンスランバー』で描かれたモチーフに、別の側面から迫った印象がありました。
序盤で恐ろしい描写が続かれたのちの、中盤からのめくるめく展開の妙には快感と驚きを覚えるばかり。
そして、娯楽として楽しむだけでなく、「正義」について何度も考えさせられるところもまたすごいと思います。
巻末のぼくのりりっくのぼうよみの解説を読むと、物語を読む過程で捏ね上げた私自身の「正義」がさらにひっくり返され、ここでもまた驚かされました。
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No.29:
(4pt)

監視社会への警鐘、個人の"正義感・倫理観"の考察、人間の生存競争の描写などの多様な要素を織り込みながら、飽くまでエンターテインメント小説として前向きに仕上げている快作

本作の冒頭を読んだ時は、「何だ、オーウェル『1984年』の焼き直しかよっ」、と舌打ちしたのだが、読後は"伊坂ワールド"全開の秀作だと思った。実際、「平和警察」(皮肉タップリの呼称)という名の監視・虐殺機関が新設された近未来の日本を舞台にしているのだが、これをディストピア小説とはせずに、飽くまでエンターテインメント小説として前向きに仕上げている点が如何にも作者らしい。

「平和警察」は無実の人々を拷問・虐殺・公開処刑してしまう(まさに「魔女狩り」)のだが、そうした被害者達の"一部"を助ける文字通り「正義のヒーロー」が登場する。一方、「平和警察」とは微妙な距離感を取る"ヒッピー姿の杉下右京"の様な真壁という名の特別捜査官が警察庁から派遣され、この真壁が「正義のヒーロー」の正体を追求するという一見漫画チックの体裁だが、実は非常に良く練られている。「正義のヒーロー」が強大な権力に何故1人で立ち向かうのかという問題も勿論あるが、一番のテーマは、何故"一部"だけを助けるのかという点である。物理的に全員を助けるのは無理と言ってしまえば身もフタもないが、それなら何らかの選択基準がある筈で、作者は個人の"正義感・倫理観"に焦点を当てているのである。即ち、人は他者の幸不幸に対してどれだけ責任を持つべきかを真摯かつユーモアに包んで問い掛けているのである。同時に、人はあるキッカケで自身の"正義感・倫理観"を脆くも崩してしまうという警鐘を鳴らしている。更に、「平和警察」、「正義のヒーロー」及び真壁間の"正義"が全く異質の様でいて、実は紙一重である事を示唆している点も見逃せない。

本作がミステリ指向とは思わないが、前半のさりげない描写が、後半、突如として有機的な繋がりを有して活きて来るという伏線の回収及びミスディレクションの腕も冴え渡っている。また、真壁が良く口にする<虫>の生態を通じて、人間の生存競争をも描いている点にも感心した。まさに快作と呼ぶに相応しい出来だと思った。
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No.28:
(5pt)

伊坂さんの明るいエンターテインメントが好きな人にはオススメしませんが、

面白いです。
確かに 他の方が書いているように序盤はひたすら読むのが辛い部分もありますが、中盤から一つ一つ丁寧にされる種明かしにわくわくしました。 その手があったか! と 程よい読後感でした。
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No.27:
(5pt)

おもしろい

伊坂(幸)の小説の中のベストではないと思うけど、安定して面白い。

正義が悪と戦うという普遍的な構図だけど、設定がとてもユニーク。
物語を通じて、作家が読者に対して伝えたいメッセージのようなものも読み取れるし、実際に考えさせられた。
どんでん返しもあり、最後まで楽しめる。

面白い。
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No.26:
(4pt)

世の中は良くならない。。。

もし、国家権力が暴走したら?の空想本です。

誰が黒幕か分からないまま、最後の最後まで目が離せない展開です。

寝苦しい夜におすすめの一冊です。
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No.25:
(5pt)

背景は怖いけど話としては面白い

行き過ぎた監視社会、マスに流される民衆のあやうさ、正義と偽善の難しさ、
少し誇張されているものの、書かれている空気は結構リアルです。
ただ、その事実はあくまで第三者的に書かれ、物語としてはトリック的な要素も
あり、最後のページまで純粋に楽しめました。
お勧めです!
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No.24:
(4pt)

現実に起こりうる可能性のある虚構

横暴な国家警察 監視される市民 錯綜する情報 付和雷同する集団 ひとりぼっちの正義の味方 序盤では登場人物が次々に変わる 嗜虐性の強い人物描写に私は辟易し何度も本を閉じた それでも続きが知りたくなり時間を空けて再読 正義の味方による謎解きからが本番だ 情報の信憑性について考えさせられた
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No.23:
(4pt)

不安感をあおる一冊

他の伊坂作品と比べて、不安感をあおる要素の強い一冊。 見事な警句やセリフににやにやする要素もほとんどなく、どこかとぼけたような主人公(?)が出てくるまで読むのが辛かった。 物語として完結していないようにも感じるのだが、強引に物事を終わりにしてしまう権力の力を描くという意味ではこれでもよいのか。 後半は引き込まれたので、もう少し長くして、さらにもう一捻りあっても良かった なお、最初に読む伊坂作品としては適切でないことを付記しておきたい。
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No.22:
(5pt)

警察による発表や噂話が、その人と接していた時の印象や体験を上書きしてしまうという恐怖

住人の相互監視による危険人物の洗い出しの恐怖、平和警察という国家権力の横暴と取り調べという名の拷問、正義の味方と偽善など、多くのテーマがつまった一冊。

平和警察による監視社会の実態を描いた第一部、平和警察の反抗する謎の男の捜査を描いた第二部、正義の味方と人助けの教えを描いた第三部、そして平和警察と正面からぶつかる第四部と、様々な視点で話が展開されるのだが、第二部で警察庁の特別操作室の真壁鴻一郎が登場するあたりから物語が加速し始めて一気に読んだ。

警察による発表や噂話が、その人と接していた時の印象や体験を上書きしてしまう。これは本当に怖い話で、現代社会においても本書の内容ほど過剰ではないが、十分考えられると思う。人間は安心できる情報よりも危険な情報、恐ろしい話の方により反応するというのはもっともだと思った。

皆を助けることはできないが、一人を救えば他の人を救えないことを偽善だと糾弾される。この物語の正義の味方の苦悩が丁寧に描かれていて、正義とは何か、正しいこととは何か考えさせられた。

本作はいつものユーモア溢れる軽快な会話が少ないが、十分読み応えがあった。個人的には、マイペースながら独自の視点で捜査を行う真壁鴻一郎が好きだった。
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No.21:
(4pt)

SF, 歴史、現代?

SF小説のような、、。
住民が相互監視をし、怪しければ、”平和警察”に密告をする。
わけのわからない取り調べ。
危険人物と認定されれば、公開処刑。
嫌なら、火星でもいけば?、、というところ。
そこに、ヒーローがあらわれて、
窮地に陥った人々を、どういう基準か、救っていく、、というお話。

設定的には、日本で言えば、第二次世界大戦中の情報統制、憲兵制度とも似てるでしょうか。
昔のスターリン時代の強烈な情報統制と、強制収容所、処刑。。。
今のイスラム国もこんな感じかもしれない。
すぐ隣の国では、まだ、、。

ヒーローについても、体制についても、いろいろと落ちがあって、
伊坂さん的救いはあるかな。
でも、いろいろと考えさせられました。
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