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火星に住むつもりかい?
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火星に住むつもりかい?の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.63pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全105件 41~60 3/6ページ
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「天網恢恢疎にして漏らさず 」 って言うのは、本来的には 【天網は目があらいようだが、悪人を漏らさず捕らえる。お天道様は厳正で、悪いことをした人には必ずその報いがある】 要するに、お天道様は、あなたのことを天の上からみています。あまり悪いことはしないほうがよいですよ・・・・・でしょう。この警句・訓示の、あきらかに間違っているところは、「お天道様」なんて、100%存在しない、ということです。 ただ、「お天道様」を「国家権力」にかえると、がぜん真実味をもちだす。著者は、そんな現代社会の道筋に、小説という、さり気無い様式で警句を発したのでしょう。 この作品では、仙台という限定された地域で、網の目も極めて粗い状態のお話ですが、データーを積み増せば良いだけの話ですので、良くも悪くもその気になれば、特定された人物の性向・行動様式くらいは調べられる時代になることだけは、確かなのでしょう。法的な問題は不明ですが・・・・・・ | ||||
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相変わらず、伊坂幸太郎の作品に対して「伏線回収」だの「正義への相対性」などの感想を書いているレビューが多い。「平和警察というリアル感のない設定」に文句をいう感想もある。一方、私は物語が始まって直ぐに奥付を見た。単行本発刊が2015年2月。秘密保護法は執筆構想時に法案通過したはずだ(2013年末)。共謀罪法はまだ与党幹部の机の中に眠っている時だった。私は改めて伊坂幸太郎の時代に対する感度の良さに舌を巻いた。 レビュアーは他人事のように読んでいる人が多いが、「平和警察」の魔女狩りの仕組みは、間違いなく(2017年に成立した)現代の共謀罪法でも多くの部分は「理論的には可能」である。あの法律で刑法の原則は大きく変わった。犯罪を犯す前から逮捕することが可能になったのである。そして、密告をすれば共謀から逃れることができる仕組みまである(この作品はそこ迄酷くはなっていない笑)。この作品でも、「平和警察」の「本格始動」を防ごうとする人々が出現しては潰されていくが、その時に自分は公開処刑を愉しむ立場にいるのか?防ぐ立場にいるのか?を、今現在の日本を観て、考えこまないといけない作品である。 ーあなたは火星に住むつもりかい? 物語の登場人物に突きつけられたのではない。あなたに、突きつけられた言葉である。 | ||||
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文庫で読みました。 最初は『平和警察』が処刑をおこなうという世界観にダサい感じも覚えましたが 大枠は大枠に過ぎず、 読み終わる頃には伊坂氏お得意の展開にワクワクしながら読みました。 解説でぼくのりりっくのぼうよみさんも書かれておりましたが、 読んでいる途中、正義の味方を応援してしまいます。 ネタばらしがあったとしても、そしてその正義の味方が道中で罪を犯したとしても“許されること”として認識してしまう 最後まで読み切って この物語は悪いことをしたら罰せられるんですよという物語ではなく 正義について、群衆について、人間について考えさせられる物語でした。 それもちょっと違うか。 虫と磁石について勉強になった物語でした。 | ||||
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今作のテーマは「正義」。 SNSの出現により、誰しもが、自分の思う「正義」を 発信することが容易な時代になった。 その、顔も知らない誰かの発言は、 いまではネットを見ていなくても、 テレビのワイドショーなどを通して 嫌でも目に入ってくる。 政治問題から芸能人のゴシップ、 そして近所の飲食店で不快に感じたことまで。 まるで国民全員が常に、ネタ探しという名の「粗探し」をしているようだ。 (もちろん、良いニュースもたくさんある) そのような現代社会を、 伊坂幸太郎フィルターを通して描いた ディストピアが本作の舞台である。 その正義は正しいのか。 誰かの正義は、みんなの正義なのか。 賛同が集まれば、正義になるのか。 果たして正義の正体はなのか。 人類が直面するその社会構造のある側面を、 伊坂幸太郎ならではの、多くの登場人物たちの 多重に絡み合う物語によって描いている。 この問題にきっと答えは無いと思う。 それでもこのテーマに触れているかどうかで、 今の世の中を見る目が少し変わるのではないだろうか。 作中ではこんな風にいっている。 「悪なんて存在しません。全部が、正義と言ってもいいくらいで。」 | ||||
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胸糞な描写がいくつかありますが、複数の視点から語られるシナリオが徐々に関係していき、最後には見事なオチがあるという点で伊坂ワールド全開のストーリー。完成度も高く、とっても面白い。 皆さん言うように、「正義」や「善悪」について非常に考えさせられる一冊です。この本を読んだときの感覚を忘れずに生きていけたらと思いました。今後も何度か読み返すことになりそうな予感がします、、 文庫本で読む方は、あとがきまで読むことをおすすめします。 | ||||
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物語の人物に自己を投影させたり、感情移入しやすい読者がこの作品に向き合うと、序盤から本を閉じたくなるのではと思います。 自身に愛する両親や配偶者、子供がいるのであれば、その感情はより一層強まります。 終盤へ向かうためのストーリー上の展開、伊坂さんの伝えたいメッセージのために必要な描写だとは思いますが、フィクションだと割り切って読むことは私にはできませんでした。 | ||||
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正義とは何か。 特にこの数年、正義はふわふわと相対化し、腑に落ちにくい。 替わって、正義よりも大切になってきたのは、多数派だ。 何か事が起こっても、まずすべきなのは「どちらが多数派になるんだろう」という見極め、つまり自分の判断の留保だ。 うっかり、早急に判断した結果、自分が孤立してしまうのはとても怖いから。 ここに描かれる平和警察の面々は、嫌な奴ばかりで好感を持てない。 しかしそういう集団が警察という名を名乗ると、「警察の判断だから正しい」と受け止められ、昨日までの善き隣人に対する評価は「やっぱり悪い人だったんだ」と一転してしまう。 これは一体どういう事なのだろう。 昨日までの自分の判断をいとも簡単に覆しても、別に落ち込んだり悔しかったり腹が立ったりしない。 正義は相対化し、自分自身の判断は情報によっていとも簡単に置き換えられてしまう。 「あの人はそんな事をするような人ではありません!」と叫ぶことは、もうあり得ないのだろうか。 この物語のヒーローも、正義とは呼べない。 それらしい自信はかけらも見当たらない。 でも、奥さんへの愛情とか、自分の手に届く数少ない人たちへの想いは、本物だった。 | ||||
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監視と密告によって疑心暗鬼にまみれた仙台が舞台の物語。 『ゴールデンスランバー』で描かれたモチーフに、別の側面から迫った印象がありました。 序盤で恐ろしい描写が続かれたのちの、中盤からのめくるめく展開の妙には快感と驚きを覚えるばかり。 そして、娯楽として楽しむだけでなく、「正義」について何度も考えさせられるところもまたすごいと思います。 巻末のぼくのりりっくのぼうよみの解説を読むと、物語を読む過程で捏ね上げた私自身の「正義」がさらにひっくり返され、ここでもまた驚かされました。 | ||||
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本作の冒頭を読んだ時は、「何だ、オーウェル『1984年』の焼き直しかよっ」、と舌打ちしたのだが、読後は"伊坂ワールド"全開の秀作だと思った。実際、「平和警察」(皮肉タップリの呼称)という名の監視・虐殺機関が新設された近未来の日本を舞台にしているのだが、これをディストピア小説とはせずに、飽くまでエンターテインメント小説として前向きに仕上げている点が如何にも作者らしい。 「平和警察」は無実の人々を拷問・虐殺・公開処刑してしまう(まさに「魔女狩り」)のだが、そうした被害者達の"一部"を助ける文字通り「正義のヒーロー」が登場する。一方、「平和警察」とは微妙な距離感を取る"ヒッピー姿の杉下右京"の様な真壁という名の特別捜査官が警察庁から派遣され、この真壁が「正義のヒーロー」の正体を追求するという一見漫画チックの体裁だが、実は非常に良く練られている。「正義のヒーロー」が強大な権力に何故1人で立ち向かうのかという問題も勿論あるが、一番のテーマは、何故"一部"だけを助けるのかという点である。物理的に全員を助けるのは無理と言ってしまえば身もフタもないが、それなら何らかの選択基準がある筈で、作者は個人の"正義感・倫理観"に焦点を当てているのである。即ち、人は他者の幸不幸に対してどれだけ責任を持つべきかを真摯かつユーモアに包んで問い掛けているのである。同時に、人はあるキッカケで自身の"正義感・倫理観"を脆くも崩してしまうという警鐘を鳴らしている。更に、「平和警察」、「正義のヒーロー」及び真壁間の"正義"が全く異質の様でいて、実は紙一重である事を示唆している点も見逃せない。 本作がミステリ指向とは思わないが、前半のさりげない描写が、後半、突如として有機的な繋がりを有して活きて来るという伏線の回収及びミスディレクションの腕も冴え渡っている。また、真壁が良く口にする<虫>の生態を通じて、人間の生存競争をも描いている点にも感心した。まさに快作と呼ぶに相応しい出来だと思った。 | ||||
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伊坂幸太郎さんの本がとっても好きな理由は、よく称賛されてるけど、読みやすさ。 ブラインドタッチがすごく上手い人がカタカタとキーボードを打つのを聞くような、スムーズな言葉の流れ。 お話もいつも最後は唸っちゃうくらい良い感じに完結するし、読後スッキリ、やっぱりすごいぞ伊坂幸太郎!って思う。 かといって、たまに読みにくい内容の時もあって… 今回がその感じ。 伏線張り巡らされていたけれど、 なんだろう、すっと読み込めないこの感じ? 読後、はーよかった!格好いい登場人物たち!!も一回読もう!!って、ならずに考えちゃう感じ。 伊坂幸太郎さんの本、とっても好きだから次回作にも期待だし、早く新しいの出ないかなーと思うけど、次回作では、すっきりしたいなーと思う感じでした。 | ||||
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伊坂幸太郎の書く近未来の日本を舞台としたストーリー。穴だらけの監視社会で国やお偉いさんの悪口を言えば即死刑。言ってなくても拷問の末言ったことにされて即死刑。「あの人悪口言ってましたよ」と悪意ある市民に嘘の告げ口をされても即死刑。冤罪が跋扈し現代の魔女刈りのような世界観で展開されるストーリーは後味が悪く、終盤まで延々その路線が続くのでうんざりして何度か飛ばしてしまいました。胸糞悪くても面白くてページをめくる手が止まらなくなる小説はたくさんありますがそこは良くも悪くも伊坂幸太郎、胸糞悪さだけで読ませるには軽いんですよねぇ…。 相変わらず読みやすい文章ですが現代社会に警鐘を鳴らすような重たい設定を持ってくるには文体が軽すぎかな。あと世界観の説明があまりないのでひどい社会なのは感覚としてわかるんですがいまいち心の底から没入できず、もっとこの社会がどういう仕組みで動いているのか外側をしっかり書いてほしかった。 本当に終盤まで悪者側(と言っていいのか)の視点で進むので何度も読む手が止まり著者の他の作品と比べると圧倒的にリーダビリティに欠ける。ラストの締め方はあーなるほどねと思いましたが、それを加味しても序盤から中盤までのダルさと鬱屈を挽回するまではいかず。 つまらなくはないけど、面白い!さすが伊坂幸太郎!と手放しに褒めることもできない作品だったので間を取ってこの評価です。ちなみに拷問描写はありますがせいぜい足の脛を蹴るとか冷房効かせた部屋に放置とかそれくらいなんでグロいの苦手な人は安心してください。実際そうされると辛いのはわかるけど拷問というにはしょぼい描写ばっかりで笑っちゃいました。なんだろうな、その辺も含めてやっぱり中途半端なんだよなぁ…。 | ||||
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つまらない。気持ち悪い。買って損した。期待はずれ。初めて試し読みをすべきだったと後悔した作品。 | ||||
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伊坂作品は学生時代に読んでそれ以来だったが受ける印象は全く変わっていなかった。 説得力の無い展開、中身の無さすぎる人物描写、まともな社会経験の無い人間が書いたとしか思えないような圧倒的リアリティの欠如。やはり中高生向けの作品を書く人なのだなと納得。その点では明確に読者層を設定して作品を作り続けられるプロの腕前を実感できた。さすが個人の読書体験としては苦痛でしかなかったがかなり感心させられた。 | ||||
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面白いです。 確かに 他の方が書いているように序盤はひたすら読むのが辛い部分もありますが、中盤から一つ一つ丁寧にされる種明かしにわくわくしました。 その手があったか! と 程よい読後感でした。 | ||||
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話の進みが遅すぎる 展開がない ずっとおんなじことをしている。 つなぎ男を追うだけの話・・ 伊坂さんの本は、いろいろな人生が出てくるから面白いが、この本は、そういうのがない 詰まんない人たちばかり・・ 終わってるな・・ まぁ、駄作です。 | ||||
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平和警察という組織のある日本を舞台に、理不尽なルールや差別を表現した作品。 物語の前解説が無く、急に話が展開するため、序盤は何が何だか良く分からなかった。 五部構成になっているのだが、第一部・第二部は話が見えない。何というか暗闇を手探りで進んでいるような感覚。 第三部以降になってくると急に話が見えてくる。あーなるほど。言いたいことが見えてくる。 第四部・第五部になると、少し話が難しくなる。気を抜くと話に置いてかれそうになる。 全体的に面白い話なのだが、伊坂幸太郎らしさがあまりみられない。新しいジャンルへの挑戦的な作品なのかもしれない。 噛みごたえはあるが、噛んでも味がいまいち。そんな作品にも感じる。 いつもの「うわーやられた!」感が無いのは残念。読後感は悪くないけど…。 | ||||
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伊坂(幸)の小説の中のベストではないと思うけど、安定して面白い。 正義が悪と戦うという普遍的な構図だけど、設定がとてもユニーク。 物語を通じて、作家が読者に対して伝えたいメッセージのようなものも読み取れるし、実際に考えさせられた。 どんでん返しもあり、最後まで楽しめる。 面白い。 | ||||
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久しぶりに長編を読みました。 序盤はかなり胸糞展開が続くため、展開が変わるまでに読む気が失せちゃう人もいるかもしれません。でも、いつもの伊坂作品通り、読み進めるほどに「あ!そうなの!?」「あー!さっきのアレか!」と繋がっていく快感はあります。今作もそういったうまい伏線回収が要所要所に散りばめられ、私もなかなかに楽しめました。 ただ、ちょっと雑かなぁ。この人はじゃあこれでおしまいね。次はこの人、はいはいこーしてあーして。次はこっちが…と、プラモデルを完成させるが如く部品を揃えたみたいな読後感が残念でした。 | ||||
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もし、国家権力が暴走したら?の空想本です。 誰が黒幕か分からないまま、最後の最後まで目が離せない展開です。 寝苦しい夜におすすめの一冊です。 | ||||
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行き過ぎた監視社会、マスに流される民衆のあやうさ、正義と偽善の難しさ、 少し誇張されているものの、書かれている空気は結構リアルです。 ただ、その事実はあくまで第三者的に書かれ、物語としてはトリック的な要素も あり、最後のページまで純粋に楽しめました。 お勧めです! | ||||
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