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猟犬
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猟犬の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.07pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全15件 1~15 1/1ページ
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冒頭から淡々としたトーンで物語が進み、そのまま特に大きな起伏もなく結末を 迎えたという印象でした。テンポもゆっくりなので、夢中になって読んでしまう ようなミステリではないのですが、そこそこ無難に楽しめる一冊ではあります。 北欧ミステリといえば、どんよりと暗くてテーマも重くてモノによってはうんざ りしてくるくらいのダメージを受ける事もありますが、本書は良くも悪くも掘り 下げは浅く、全体的にあっさり風味の味付けなのでそういった心配は無用です。 まず主人公のヴィスティング警部からして尖った所のないまともな普通のオジサ ンです。今作では証拠捏造の容疑をかけられているというのに、ヴァランダーや エーレンデュルらと比べたらとても穏やかな日常を過ごしているように感じます。 そんなヴィスティング警部が新聞記者の娘リーネと共に事件の真相を追うのです が、その過程と結末はやや盛り上がりに欠けるものでした。丁寧に書かれている ので読めますが、あまりにもすんなり物事が進み過ぎてしまうのがイマイチです。 というわけで、個人的には少しばかり物足りない読後感だったのですが、最初か ら淡泊な小説だと割り切って読めば、これはこれで悪くはないと思います。刺激 の強い物語に疲れてる方や、落ち着いたミステリで楽しみたい方にお薦めです。 | ||||
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主人公ヴィスティング刑事が担当した17年前の女性誘拐殺人事件の元受刑者が、DNA鑑定の証拠ねつ造を訴えて再審請求し、主人公は責任を問われて職務停止となるというショッキングな場面から物語は始まる。 ねつ造の有無が問題なのかと思いきや、タバコの吸い殻のすり替えによる証拠ねつ造は否定しがたい事実とされ、その真相究明と補強証拠探しが物語の1つの柱となる。 同時に、新聞記者をしている主人公の娘が遭遇した殺人事件の追跡が17年前の事件と交錯するように進み、さらに新たな少女誘拐事件の発生も加わり、ミステリーの糸を重層的に紡いでいく。 親子協力しての事件解明はややでき過ぎの感もあるが、捜査のディテールがしっかり描かれていて、読み応えがある。 著者は本作品当時は現役の警察官だったというが、証拠ねつ造という警察にとって痛い話を内省を込めてよく書いている。特に、見込み捜査が捜査官の視野を獲物を追う猟犬のように狭くする危険性を繰り返し警告している点は重要である。加えて、重大事件でマスコミや政治家の圧力がある場合の捜査官の追い込まれた心理も冤罪の背景として指摘される。この点、本書では冒頭から最後までマスコミのセンセーショナリズムが批判的に描かれるが、これも現役捜査官の実感なのであろう。 | ||||
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仕方ないのかも知れないですが、カバーが破れていました。 ハヤカワポケットミステリーはカバー付きの商品なのでカバーが破れているなら状態良以上で出さないで欲しいなと思いました。 | ||||
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まだ読み終わっていませんが、興味津々です。 | ||||
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北欧小説はハイレベルで好きだ。本作もきちんと構成された作品で、完成度が高いと思う。 ただ…、派手なアクションはなく、展開がスローテンポで、やや退屈だった。まあ、これは好みの問題だろう。 報道関係者が、警部個人の携帯電話に直接かけたり、一般人が取材にとても協力的だったり(家に入れてもてなす)、警官並みに捜査したりすることに違和感があったが、これらもノルウェーではありなのかもしれない。 主人公の警部が内部資料を自宅に持ち帰り、新聞記者の娘が読むことはどうなのだろう。 ――あとがきによると、作者は2013年まで元警察官(捜査官)だったとのことなので、実際に則しているのだろう(現在はそれが通用するのかどうかわからないが)。 以上により、いろいろ賞を受賞し、評価が高く、シリーズ化もされているが、私は期待したほど楽しめず残念だった。 | ||||
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北欧の推理物はアマゾンを使って結構沢山読むようになった。 面白いものも多い。 アメリカなどのような犯罪の多いお国柄ではないので日本に近い印象で、これもサイコものではあるが、そこまでどぎつくない。 文章力は素晴らしいと思うし読みやすいが、筋書きはちょっと出来過ぎと、意外性のない犯人だったのがマイナスか。 | ||||
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アマゾンのお導きのままに、エーレンデュル、ヴァランダー、マルティン・ベック、ヴィスティング、と流れ流れて、すっかり北欧ミステリーのファンとなりました。嗜好を先取りされるのは癪ではありますが、たまにはこういうのもイイネと思いました。 静かに迫るヴィスティングと、とにかくタフに動き回るリーネと、退職した元警察官たちの執念で、獲物を追い詰める姿は、まさに猟犬。 一方で、昔の事件当時の、捜査範囲を徐々に狭めつつ、犯人を追い込もうとする捜査員達も猟犬達であり、ハーグルンを4台の車で追跡する新聞社員達も猟犬たちに見えます。ちなみに、このカーチェイスの描写は面白い。しかし、雨の中、車で尾行しながら、携帯電話を駆使するリーネは、ちょっと危ないのではと老婆心ではあります。 証拠の改ざんと冤罪についても、これは現在、どこでも大きな問題で、考えさせられます。 読んで損は無いとおもいます。 | ||||
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登場人物の性格に無理のないところが良かった。特徴を出そうとするせいか、人物や人間関係に無理をしているものが多いと感じている。その点、この小説では主人公も、その周囲の人もあまり無理な設定になっていないところに好感をもった。 | ||||
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ノルウェー発のミステリはミアが活躍する「オスロ‥」がありますが、北欧ミステリという枠組みではノルウェー以外のスウェーデンやデンマーク、アイスランドの作品の方が有名な印象です。でもこの作品も負けず劣らず面白かったです。ドラマチックな展開ではありますが、過度な展開や残虐なシーンもなく、淡々と冷静に謎を解こうとする主人公に好印象でした。 | ||||
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ノルウェーミステリというのは、地名も人名も覚えにくく、読み始めはチョッと大変。過去の誘拐殺人事件を違法捜査の疑いで処分を受けている刑事が、もう一度捜査を見直すべく、一人で検証にあたるのだが、新聞記者の娘やかつての同僚に協力を頼み、事件は解決にむかう。新聞記者の娘は、刑事並みの鋭い嗅覚と、男性並みのファイトも持ち合わせて、盛り上げます。風景描写や刑事のライフスタイルを含めて、淡々として地味なミステリという印象です。 | ||||
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過去に注目された誘拐殺人事件の証拠がねつ造ではないかと新聞(しかも報じた新聞は娘の勤務先)に報じられ、 当時の捜査指揮を執った有名な刑事が、事件を再検証してきます。 娘は父親を心配しつつ、現在の殺人事件を追いかけます。 限られた時間や限られた権限の中で、事件を追いかけるので、緊迫感があり、テンポよく読めます。 作者は現職の警察官だそうで、署内の様子などが丁寧に描写されています。 同じ主人公での作品もあるそうなので、ぜひ翻訳してもらいたいです。 | ||||
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上下二冊に分けてもいいのではないかと言うボリュームでした。 登場人物の名前が独特な為とっつきにくい所は有るかもしれないですが、 読み応えある良作だと思います。 | ||||
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傑作<ミレニアム>シリーズが起爆となった北欧ミステリーが脈々とエンタメ本を生み出しているのは嬉しい驚き。 (父=警官)と(娘=記者)がバディを形成して父に降りかかった証拠ねつ造疑惑の真相を追及する 過程で娘が取材した全く別の事件を起点として未解決の少女誘拐事件の領域にまで踏み込んでゆく..... 高い評価を得て有名な賞を受賞しただけの事はある面白本でしたが........ 私的には最終盤の展開を急ぎすぎた印象があり、そのせいか腑に落ちない物語の<拾い忘れ>が あるように感ぜられた。<すこしネタばれに触れさせてもらうことになるが> 彼は元々<証拠偽造>を認知しており<金>目的と述べているが、かくも長い年月ガマンしてきたのか? 奴は主人公の停職一日目にして、主人公が違法に資料の持ち出しを確認しているにも関わらず何か手を打たなかったのは何故? 別の彼がかくも長い年月逃げ回っていた理由が良く理解できない。サッサと当局に行ってれば済んだ話では? 娘が見つけたミニカーは何だったのか? 写真誘導の話は、あれで終わりか? 最大の謎は、元バディが、かくも易々と<場所>を特定出来たのは.....ツゴウ良過ぎじゃねえか?と 犯人逮捕は結局、奴のお蔭? 事象の最後の一片まで疎かにしなかった<ミレニアム>とどうしても比較してしまう。。。。 それにしても北欧の人の名前が馴染みなくて、覚えるのに毎度毎度疲れる。 | ||||
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北欧ノルウェー人作家といえば、ハリー・ホーレ警部シリーズ「スノーマン」「ザ・バット」(共に集英社文庫)のジョー・ネスボ、「湖のほとりで」(PHP文庫)のカリン・フォッスムが翻訳されている。 そして新警察シリーズとしてラルヴィク警察、ヴィリアム・ヴィスティング警部の登場である。 本書はシリーズ第八作目だが出版当時、著者ヨルン・リーエル・ホルストはまだ現役の警察官だったのだ。それゆえ警察署内部、捜査過程、捜査資料、警察官たちの人間関係が見事に詳細にリアルに描き出されている。 困難をきわめた痛々しい事件。「セシリア事件」。 その事件は十年に一度あるかないかのような注目を集めた「殺人事件」だった。 犯人も逮捕されている十七年も前のその事件に、弁護士が再審申請を出したというのだ。 当時の捜査責任者は若き日のヴィスティング警部だった。 再審理由は<証拠が意図的に操作された。><DNA鑑定。あれは警察の捏造。><鑑定にまわされた煙草の吸殻はすり替えられたもの。>だという。 ヴィスティング警部は停職処分となるが、被害者の苦痛を思い秘密裏に膨大な過去の捜査資料を調べ始める。手助けするのはメディアに職を持つ娘リーナ。 リーナたちのチームが関連情報を追い求めていく行動が、危機にあいながらもすばらしく痛快に描かれる。 真犯人は誰なのか。追及は続くが新たに行方不明者がでてしまう。 タイトルの「猟犬」とは捜査員は最初に挙がった証拠をもとに、事実のつながりをイメージし、一つのシナリオを作り裏付を取り始める。視野は狭くなり、自説に合致する情報ばかりを組み合わせていく。 まるで<においを嗅ぎ付けて獲物を狩りたてる猟犬と言っていい。> 犯人の動機には嫉妬、復讐など八つある。しかし八つめの動機は<これはおそらく見抜くのが一番難しい。>ものなのだ。 最後に<明かした名前はまさに爆弾のような破壊力を持っていた。> <真実はこれほど人の心の奥底まで揺るがすものなのか。> 本書は警察としての立ち位置と被告としての立ち位置を交錯させ、加えて捜査とミステリ性を存分にドラマに盛り込んだ警察小説として出色の作品である。 納得の「ガラスの鍵」賞受賞作。 | ||||
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現在の事件と過去の事件、それぞれの少女誘拐事件の真相が理路整然と繋がっていく展開を堪能できました。 現在の事件は、現在進行的な展開、そして、過去の事件は、本当に証拠捏造があったのかどうか、事後検証的な観点で展開されていきますが、それぞれの事件を巧みに絡めて、よくぞここまで、しっかりとプロットを組み上げたと、圧巻の思いです。 過去の事件の犯人逮捕となった、DNA鑑定に関しての証拠ねつ造疑惑をかけられる、という設定も、ストーリーの展開に緊迫感を高めていて、また、主人公自身の過去の捜査の正当性への葛藤からの、「深み」を与えていて大変良かったです。 主人公は警察官(ラルヴィク警察・警部)のヴィリアム・ヴィスティング。 そして、その娘で新聞記者のリーネ・ヴィスティング。 父、ヴィリアムは証拠ねつ造の当事者として、謹慎を告げられ、警察捜査からは、いわば隔離された立場。 また、娘のリーネは、父の不利を補うかのように、新聞記者としての立場を最大限に活かして情報収集にあたるものの、捜査の中心にまでは切り込むことができない立場。 この、父娘のタッグも、キャラクターの設定として、すばらしかったと思います。真相究明にむけて、彼らは立場的に、捜査の本流には入ることができませんが、制約を受け、苦渋を味わいながらも、必死に考え、行動を起こして、困難を乗り越えて真相をたぐりよせる強さに引き込まれました。 また、警察捜査そのもについて、捜査組織のしがらみや科学捜査、また、警察捜査から裁判にいたるまでの流れについて、仔細に描かれており、ストーリの迫真性を強めていると思います。 それにしても、ハヤカワミステリの北欧ミステリ、警察官ものは素晴らしい作品が多く、読み手としても、非常に嬉しい限りです。本作の作者、ヨルン・リーエル・ホルストの新たな作品を手に出来る日を気長に、楽しみに待ちたいと思います。 | ||||
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