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容疑者Xの献身
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容疑者Xの献身の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.19pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全856件 801~820 41/43ページ
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冒頭の文章はちょっとなじめないものを感じて入り込めなかった。 殺人の動機といいあまり珍しくない展開であったからかもしれない。 だが、この岩のごとき人物が動き始めると、もうぐいぐいひきつけられていく。 愛したものは数学と、その女。 報われぬ愛情の物語には秀作が多い。受け入れられぬ思いに殉じてゆく哀しみが読後に深く浸透していく。 けして自分には手に入れられぬ宿命の相手のために、男はすべてをなげうつ。 物理学者と数学者との一騎打ちのような部分や、互いに尊敬しあい理解しあうかかわりもまた清浄で崇高である。 数学者のつむぐ美しい定理やその解釈はそれはそのまま哲学である。 数学をもっと愛したらよかったと思い切り後悔した。 「理」の持つ沈着さに貫かれているせいか、ダントツ一位の栄誉に輝くミステリにしては迫力は乏しい。 | ||||
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2005年度のこのミス、文春ミステリーベストワンに輝き、直木賞も獲得した作品。 非常によくできた本格ミステリーだが、人も描けており、その筆力の確かさには唸らずにいられない。タイトルも、これまでの東野圭吾であれば「献身」とでもしそうなところを、いかにもトリッキーな「容疑者Xの献身」としたのは作者の自信の表れという印象を受ける。トリックについては斬新であるが、よく考えれば解けないトリックではないし、気づきのヒントも用意されている。それでも着想の面白さと探偵と犯人のやり取りの凄さ、結末に待っている感動とその余韻はまったくそがれなかった。 ただ、「白夜行」と比べると小粒の感は逃れられない。直木賞という賞の重みと「白夜行」以降の作品の充実度を考えると、東野圭吾はこの作品ではなく、「白夜行」で賞をとっておいて欲しかったと強く思わざるを得ない。「白夜行」にこそ、東野圭吾が描きたかった身を捨てて人を愛する献身のルーツがあると考えるからだ。 それにしても、読み終わってかなりの時間がたった今も、石神の慟哭が耳を離れようとしない。あれは哀しみの慟哭か、それとも悦びの慟哭だったのか… | ||||
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実は東野圭吾の本は、「秘密」を少し読んだだけでこの本が初だと言っても過言ではありません。 普段あまりミステリーを読まない友人から薦められ読んだのですが・・・文句なしに面白いです! 私は、いくら本の内容がいいといえど堅苦しい語り口や頭が痛くなるような推理小説は苦手なのですが、この小説はアッサリ読めて、かつかなり深いものです。 今日中に読めるか心配でしたが、不思議なことに2時間で半分はゆうに超すことが出来ました…★ 1ページ目をめくったら、後はトントン拍子に進む展開が本当に好きです。 最近の推理物では一番と言わざるえない作品でした。 | ||||
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犯人である隣人の数学教師が巧妙に警察を欺く様は爽快ではあるが、それ以上にせつなさを感じました。類稀な頭脳を持ち、湯川教授をも唸らせる才能が間違った方向へ進んでいくことがせつなく、そして犯人でありながら、どうにか少しでも幸せを感じて欲しいと思いました。犯人がわかっていながら真実をつかむことは最後まで読まないと判らないこの本は今年最高のミステリー作品です。 | ||||
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天才数学者の石神。彼は都会の片隅の小さなボロアパートに住み、高校の教師をしている。学校とアパートとの往復だけでなんの楽しみのないような生活をおくっている。しかし彼は、ある難解な数学の公式を解くこととを生きる証として何年も取り組んでいる。そして、秘密に恋心を抱く女性もいた。その恋は、純粋で自分の人生をなげうってでも守りたいものだった。。。そして彼は、事件に自ら巻き込まれていく。 石神の大学時代の同級生として、登場する天才物理学者、湯川。ガリレオシリーズの初の長編作品で、湯川の事件を解決する才能はいかんなく発揮され読み応えある作品になっている。 事件を解決していくおもしろさは、もちろんだが、湯川と石神の天才学者同士の心の模様や、石神の怖いぐらいの純粋な恋心など心理面でも十分楽しめます。 天才のひらめきは、観察眼の鋭さから生まれるのだという印象を受けました。 最後まで一気に読み進みたくなるミステリーです。 | ||||
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殺人事件の主犯隠しをめぐる頭脳戦。 実際に本作品のトリックを使う人はいないと思いますが 浅はかな思い込みを見事に裏切る話の作り方には脱帽。 伏線の張り方も巧妙で単なる風景描写が実はそれであったり… ラストはかなり感動的。 東野作品ならではの魅力溢れる1冊。 | ||||
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人を想う力。 それが人をどこまで強くさせるか。 そして、そのことだけにどれだけ没頭してしまうのか。 主人公は、倫理観や道徳観を強く兼ね備えているはずなのに、 そんな 「想い」 がストッパーを乗り越えてしまった。 さらに、自分の持つ能力を全力で 「想い」 に傾けてしまった。 そんな主人公の能力と警察との頭脳的攻防。 ページをめくるたびにはらはらさせられる展開。 これは面白い。 ただ、展開が急すぎて話に重みが若干無いかなと思います。 もう少し重厚感をストーリーに含むことができれば もっと面白かったかなと思いました。 | ||||
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世にミステリーファンは多い。本作は本格的ミステリーであり、伏線も謎解きも、探偵役のキャラクターも申し分ない。飛躍しすぎて作者のひとりよがりに陥ることなく、みえみえでもなく、安易でもない絶妙な難度のトリック。 また、優秀な頭脳を持った犯人と探偵役とのセリフのやりとりがいい。短く、示唆に満ちている。言葉少ないやり取りの中に、心情の深みを感じさせる。ただ、やはり犯罪はどこか汚れているものだ。探偵役のいう「歯車…」のセリフに、どんなに美しいトリックや心情が背景にあろうとも、曇りのない犯罪などないと思い知らされる。 更に、ボリュームの適度さ。東野ほどの作者ならば、それぞれの人物を掘り下げて描写し、緊迫感のある場面描写を書き込んで2〜3倍のボリュームにすることもできたはず。 だが、あえて一つの事件の謎に焦点を絞り、手に取った者を読ませる気にさせる。そんなそぎ落とされた完成度を感じる。 | ||||
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このミス1位ということで、読んでみました。 評判では、深い純愛とのことだったし、タイトルから推察して、だいたいの結末はなんとなく予想はしていました。ラストのどんでん返しまでは想像できなかったので、さすがにびっくりしました。これほど深い純愛があるのか・・・・ ただ、純愛純愛という割には、なかなかXの秘めたる深い思いは通じてきませんでした。ラストにその経過がちょっとだけ書いてはありましたが、それでここまでのことができるのか・・・?! また、このミスの1位ってことは当然ミステリーなんですが・・・ミステリーとしては今一歩かな?もちろん面白かったけど、もっとびっくりしたかったです。 わたしがこの小説でもっとも感じたことは、純愛的な要素やミステリー的な要素よりも、湯川氏の苦悩やラストのそれぞれの苦悩がひしひしと伝わってきて、こちらも非常に切なく、苦しく、悲しかったということです。ここに関しては、すごくよく書けていると感じました。 最後のページは、あともう1ページ分くらいあるかな?って感じがしてたんですが、唐突に終わった印象を受け、違和感を感じました。例えて言えば、静かに舞台の幕が降りるというより、テレビの電源をブチっと切ったかんじ。 | ||||
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「警部、解剖からの報告ではガイシャはひどくやせていたそうです。 まるで何日もモノを食べていない栄養失調状態だったそうです。 あ、そうそうそれとガイシャの靴のサイズなんですが、奥さんからの話では・・・」 「ば、ば、ばかやろう!小説の中では俺たちはそんなことにも気づかない ボンクラ刑事ってことになってんだ。でなきゃミステリにならないだろうが!」 以前、桐野夏生の「OUT」の世評を読んで手に取ったが、最後は火サスと同じ現実離れしたドタバタ劇になってしまってがっかりした。 最近の推理小説はこの程度かと、それ以来「このミス」推薦は読んでなかったが、正月休み用にと久しぶりに読んだミステリー1位にまた裏切られた。 文章が無意味に長くて、緊張感ない展開がダラダラ続くし、その割には最後の娘の唐突な行動など描写不足、意味不明な部分がある。 登場人物たちを天才、天才と書いてもさっぱり天才が感じられない。 例えばF・フォーサイス「戦士たちの挽歌」の緊張感あふれるストーリーテリング、鮮やかなエンディングを日本の作家に見習ってほしい(無理?) | ||||
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東野圭吾としては初の「このミス1位」だが、 これが彼の代表作とはとうてい思えない。 「秘密」や「白夜行」のほうがはるかに傑作だし、 「宿命」や「どちらかが彼女を殺した」にすら劣っていると思う。 ストーリーは相変わらず面白い。 読み始めたら一気に読んでしまう。 ただ、それはこれまでの東野作品すべてにいえることで、 その点でとりたてて本作が特別優れているわけではない。 メイントリックも確かに鮮やかに決まっているが、驚愕するほどでもない。 いちばんの問題点は、動機の薄さだろう。 容疑者が献身する「心の動き」がどうしても伝わってこなかった。 こういう形の愛があることもないとはいえないが、 いくら小説とはいえ現実離れしているし、 それが異常者の行動というならまだ納得もいくが、 天才数学者の発想とはどうしても思えないのだ。 ただ誤解しないでほしいのは、本作が決して駄作というわけではなく、 そもそも東野圭吾の小説はどれもこれもレベルが高く、 その中では中程度の出来であるというだけで、 他の作家の作品と比べればやはり完成度はかなり高い。 評価も、東野圭吾としては☆3つという意味である。 | ||||
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世評を見ると、何だか叱られそうな雰囲気なんですが、・・・。 正直に言って、この作品のどこが傑作なのか、とんとわかりません。トリックは全て作品の相当早い段階から見えていますから、ラストのどんでん返し、と言うほどのことでもないですし、人物造形は型にはまった作り方で全然内面に深まって行かない。だから決して物語が読者の胸を打つことも無い。スリリングにハラハラ、ドキドキという展開も、皆無です。 「かつて、これほど純粋な、深い愛情があっただろうか」という宣伝文句なんですが、・・・。「悲しい」と何十回書いても読者にはその悲しさは伝わらないように、「これほどの深い愛情」とどれほど繰り返してもそれは伝わりません。そんな言い回しを多用するんじゃなくて、ちゃんと伝えて欲しいなあ。 第一、僕にはそれが深い愛情になんか思えなかった。ただ思い込みの激しい人ならこういうこともするんだろうけど。それを純粋だと言って喜ぶのが本当かなあ。そうじゃないんじゃないの?。そう思いました。 そしてまた、決定的なのが、何よりも大切な「石神の絶望」という前提が、単純な設定のみで、まるであらすじだけ書いておしまい、みたいな書かれ方でしかないこと。そこが説得力を持てば、この物語はもう少し読み手の心に迫って来たろうに・・・。 凡庸なトリックに、深まらない人物描写、説得力を持たない登場人物の深い内面的苦しみというもの。 すいません。僕は全然感心しないです。 | ||||
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小川洋子の「博士の愛した数式」(新潮文庫)を読んだときにも思ったけれど、数学者とは独特な世界観を有している方である。本書に登場する数学者にもある種の美学を感じた。「白夜行」「幻夜」(共に集英社)で東野圭吾氏による緻密なプロットには常々敬服していたが、今回もすごかった。小出しに小出しに真相らしきものが提示されるので、心の準備というか、ある程度の予備知識を持って、クライマックスに直面した。それでもちゃぶ台をひっくり返されるような衝撃を喰らう。信じられない思いと理解力不足がない交ぜとなって、何度もページもめくり直してしまった。著者が描く「真実」の引き出しはとても深い。そしてなんとも切ない。「名探偵ガリレオ」シリーズの一冊。 | ||||
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三冠の冠にふさわしい作品です。 作品のストーリーと本格ミステリーの融合が、これほど成功した作品は、かつてなかったと思います。小説が好きだけど、本格のトリックとか受け付けない、という体質の方でも、じゅうぶんに、楽しめます。それほど、小説としての完成度が高い作品です。登場人物の書き込みにも力をいれており、これが本格ミステリーであることさ忘れてしまうほどです。 そして、もう手垢まみれになったトリックを、ここまで鮮やかににみせる技は、感服するしかありません。 この小説のテーマである『純愛』なのですが、果たしてこれが『純愛』なのかどうかは、読む人によって、意見が分かれるところだと思います。ぜひ、この本を読んで、『真の愛とは』ということを考えてみてはいかがでしょうか。 | ||||
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1位になったというので久々に東野作品を読んでみた。 ☆を4つ、まさか5つもあげるワケには行かないと思った。 それが素直な感想だ。 (ということは他のミステリーはもっと下だったということなのか?) ☆が3つなのは「トキオ」や「秘密」や「幻夜」や「白夜行」などに比べて劣ると思ったからだ。 東野作品が好きでたくさん読んで来たが、本作品は上記4作品に及ぶものではなかったので☆は3つにした。 | ||||
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見事なトリックです。 一気に読めます。 そして、なんとも切ないラストです。 悲しすぎます。 著者渾身のトリックをより現実的な、リアルな、感動的な物語に仕立てるために、 このラブストーリーが存在したのでしょうか。 そして、このラブストーリーの度が過ぎて受け入れがたく感じるのは、 私だけでしょうか。 | ||||
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と、大好きな上司に言われました。バツイチでも子持ちでもなく,厄介な前夫もいないので何とも言えないのですが、こんな想われたらうざいかもしれないけれども、でもやはり嬉しいかなと思います。東野圭吾さんの謎解きの面白さもさることながら、数学一筋できた天才教師が鏡に写った自分の姿を恋してから気にしだすところがかわいいなと思います。そんな小さな心理描写を書ききる東野圭吾はやはりすごい! | ||||
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東野圭吾の一級のエンタメ作品。胸張って、推薦します。 今回の話のミソはズバリ犯行日時。 読者も騙されますが、勘のいい人なら中盤で気づくかもしれません。 しかし、終盤の怒涛のサプライズは、さすが東野圭吾、と感心するばか りです。 私がひとつだけ、引っ掛かったのは、天才数学者って、ふつう世事には うといんじゃない?ってことかな。 数式の世界に浸っている人間が、警察事情に詳しかったり、人の行動心 理や内面にとんでもない洞察力を発揮するなんて。 ・・・まあ、これもステレオタイプ的な見方ですけど。 | ||||
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この作品は文字の力が大きい。最後の最後になってその力の凄さを実感した。読者はその限定された表現の中に埋没して、他の世界が見えないままに見えている世界を信じることになる。 最後のトリックは論理の外側にある優しさや辛さがもたらしている。これは傑作だと思う。 | ||||
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正直な話、話題先行だろうと然して期待せずに読み始めました。 期待は見事に裏切られました。無論、良い意味で、であります。 よく考えられたトリック、最後に来ての逆転の発想は推理小説としても勿論、出色の出来。淡白な印象を受ける文章ですが読めば読む程に惹き込まれ、一気に読み切ってしまいました。 ですが何よりも主人公(?)の石神の献身、その無償の愛には驚嘆、感動です。一般的な恋愛小説に於ける下心丸出しの登場人物が何と醜く見える事か。途中、石神の人格を疑ってしまうようなシーン(無論フェイクですが)が挿入される演出も心憎い。 ただ泣けるかと言うと微妙ですね。涙腺の緩さには自信の有る私ですが、泣けませんでした。結びがやや救われないラストですので。 | ||||
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