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幻想運河
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幻想運河の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.12pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全17件 1~17 1/1ページ
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単行本(実業之日本社,1996年)→講談社ノベルス(1999年)→講談社文庫(2001年)→本書。 16年ぶりの復刊である。私も久々に読み返すこととなったが、いかにもな有栖川作品っぽさが漂っており、懐かしかった。けっして古びていないし、ミステリなのか幻想物語なとかよくわからない読後感もいい。 再読に値する一冊だろう。 | ||||
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つまり麻薬のすばらしさを表現したかったのかな? 外国舞台の男女物語とか書いてるだれか風をやりたかったのかな? 結局主人公も何も変わらないままだし、何もわからないし、理由もわからないし、最後の行動も意味不明でただのこじつけ。 本当に麻薬やりながら書いたとか? | ||||
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火村、江神シリーズのファンにはあまり好評でないようなので、どうかなと思いつつ読んだのですが、個人的にはかなり気に入りました。トリックや事件解決をメインにした新本格ではなく、なんていうのだろうか、ミステリの範疇には入るけれども、強いていえばサスペンス、心理劇、スリラーのジャンルに近いというか、少し純文学も入っているような気がしました。なぜこの犯罪が行われたのか、犯人は誰なのかが明示されないため、はっきり結果の出る推理小説が好きな方はダメかもです。 舞台となるオランダは、ドラッグが合法だったり、5年住んでいれば国籍取得できるなど、リベラルで先進的、寛大な社会で有名です。海外放浪の果てにたまたま縁あってアムステルダムに落ち着いた恭司。ビザ切れの違法滞在ながらも、日本料理店で働き、友人もできて快適に日々を過ごしていました。そんな中で友人の1人、貿易会社社長を父親に持つ美男子の御曹司、水島が殺され、バラバラに体を切り刻まれて運河に捨てられるという事件が起こり・・・警察は、水島の知り合いだったアムス在住日本人たちを調べ始めます。事件当夜、恭司とその友人たちは運河に浮かぶドラッグ販売のボート・ショップでパーティをしてぶっ飛んでいました。それがアリバイと言えば言えるのですが・・・。 マリファナ、ハッシシ、シンセミア、メスカリン、LSDなどなど、日本では当然、違法なドラッグが、あちらでは自由に手に入るようで驚きです。また、主人公がそれらを体験する様子も詳細に描かれていて、漠然とですが、どのような感じになるのかがわかって興味深いです(いや、自分はお酒で十分ですが、笑)。有栖川氏の弟さんがアムステルダムに住んでおられた時に訪ねて行かれたそうで、町の様子が詳細に描かれていて、ちょっとした観光気分にもなれるし、いろんな意味でめずらしく興味深い小説です。 プロローグとエピローグが繋がるようになっていて、その間の雰囲気はむしろまったりとゆるやかなのですが、なんせテーマがバラバラ猟奇殺人のため、霧深いアムステルダムの風景と相まってラストには凄惨な印象を残します。水島を殺したのは誰なのか?いったいなんのために?そして主人公はどうして・・・謎は謎のまま放り出され、読者が推測するしかありません。人間の業のようなものを感じさせます。有栖川氏の異色作と言えると思います。 | ||||
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残念、つまらない。 出来の悪いシナリオを投げっぱなしにして終わるようなもの。 筆者は自由に書けたと言うが、確かに伏線も回収せず、雰囲気だけで小説もどきを書くのは楽だったろう。 筆者の作品はどれも好きなだけに、ミステリーから離れたものが、この程度なのは残念。 | ||||
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最高傑作と言われていますが、唯一面白くない作品でした。好みによって極端に評価が分かれるということかな。他の作品とはかなりカラーが違うので、ちょっと中を見てからの購入をおすすめします。 | ||||
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この作者は結構好きで、ほぼ全部読んでいますが、正直今回は「面白くない」の一言です。 読み終わってから、あれ?これは誰の本だっけ?と確認してしまった程。 | ||||
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21年振りの再文庫発行だそうで、前回出版時には読みそびれていたので購入しました。 個人的には本作者のファンという訳ではないため、本格とかロジックに拘らずに読みましたが、結構楽しめました。 異国を舞台にした幻想小説といった趣ですが、冒頭の不可解な殺人事件の真相に最後の最後でオチがつくという点では、やっぱりミステリーでもあります。(それでも動機と、中盤で起こる殺人事件についてはこの限りではありませんが) アムステルダムでの展開は中盤まではやや退屈で、作中作の意味不明感と相まってややもすると投げ出したくなりますが(但しここを飛ばすと結末につながらなくなってしまいますが)、そこを過ぎると(事件が起こると)終盤までは一気に読めてしまいました。 オランダのお国事情やソフトドラッグの幻想的描写も、登場人物を日本人にすることで作者との解離を起こすことなく頭に入ってきます。 本作者の本格作品はちょっと…という人こそ、いかがでしょうか。 | ||||
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氏の裏ベストナンバーワンというコピーが意味深だが、いつもの本格テイスト溢れるミステリー要素はかなり薄いので、最初にこの著者の作品として読むのは最も避けたい作品。 オランダの運河にばら巻かれたバラバラ死体や船のトリックなどミステリーらしい要素は含んでいるが、それよりもドラッグの描写に力が入れられており、謎自体も最後まで解決しないまま、最初と最後の描写でそういうことかと分かる趣向の作品。 いわば作家としてこういう幻惑的な作品も一度は書いてみたいという挑戦的な異色作と言える。裏ベストワン・・とは言えないかもしれないが、氏の著作を比較的多く読んだ後、気分展開に読むような感じで手に取ってもらいたい作品。 | ||||
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異色作、確実に気分の悪くなる文章を持つ 作品でもあります。 なぜならば、この作品にはドラッグで トリップ状態を表現したところがあり それが実に生々しくて人によっては 気分が悪くなることでしょう。 ある意味この星評価は このトリップ表現の生々しさだけで 評価しているといっても過言ではありません。 それだけ、威力があるということです。 しかしながら、ミステリーの観点では 肝心の真相部分が明確に語られずに うやむやとなっているために 読者の裁量に結末を任せているのが 致命的な欠点となっています。 これは結論を読んでも何もにおってはきません。 ただし、狂気だけは伝わってきます。 なんともいえない、現実の狂気が… 著者の作品は初読ですが これは最初の作品にもってきてはいけません。 ひどい目を見ます。 | ||||
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アムステルダムと大阪で起こるバラバラ死体遺棄が、事件的にはメインですが、 アムステルダムでドラッグに入れ込む若者たちの複雑な思惑と人間関係や、作中作の小説も意味ありげで、 ちょっと幻想的で頽廃的な独特の雰囲気。 学生アリスや火村先生のシリーズのような本格ものではなく、事件そのものよりも文章で読ませる感じです。 有栖川さん、本格推理らしからぬセンチメンタルな文章もすごく好きだけど、 こういう空虚で頽廃的なイメージの作品もすごく良いです。 | ||||
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やはり有栖川の魅力はロジカルな推理につきると思うが、今作は本格ミステリとしてもサスペンスとしても中途半端に終わってしまった印象。どちらとして読んでも読みどころは特にない。 だが作者の長編は江神シリーズをのぞいては本当に駄作ばかりなので、その中ではまだマシな方だと思う。 | ||||
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1996年に実業之日本社から出た単行本の文庫化。 火村も江神も出てこない、ノン・シリーズの一冊。 アムステルダムと大坂という、運河で知られる東西の二つの街を重ね合わせた幻想物語。オランダでは取り締まられていない大麻による夢をうまく用いて、不思議な世界を描き出している。そのぼんやりとした、掴み所のない空間性を受け入れられれば、楽しく読める。 しかし、ミステリとしてはいまいち。トリックには切れがあるが、小粒。結末についても意見が分かれるだろう。 | ||||
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有栖川有栖の弟がアムステルダムに住んでいたのだそうで、そこを訪れた時の印象を元にして書かれた作品です。有栖川はアムステルダムという町をかなり気に入ったようで、町の様子やオランダ名物であるソフト・ドラッグを好意的に描写しています。殺人がなかなか起こらないのですが、アムステルダムに住む日本人たちの人間模様を読んでいるだけで心地よい気分に浸ることができます。有栖川と言えば論理性を極限まで押し進めた作風が売りですが、本作は例外中の例外で必ずしも全ての謎が明らかにされるわけではありません。「オレは論理性だけじゃないぜ!」という作者の意気込みが伝わってきます。きちんと推理しながら読むのが苦手な人にもおすすめです。 | ||||
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有栖川有栖といえば、ふたりのアリスが活躍する犯罪心理学者火村&作家アリス、学生アリス&江神のふたつのシリーズで有名だが、この作品は全く別の小説で、本格ミステリーからも離れていて作家も自由に書いているが、読み手も同じく自由に読める。アムステルダムで起きたバラバラ殺人事件が大阪の殺人にどう繋がってゆくか。二つの運河の街を殺人事件でありながらゆったりと幻想的に仕上げている。全てが丸く解決しないというミステリーもこれならば許せる。 | ||||
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プロローグからちょっとドキドキさせられます。でも、いままでの火村教授シリーズ、江神部長シリーズの感覚で読むと裏切られますよ。もちろんいい意味で。有栖川さんはこういう作品も書けるんだ、とこっちも真剣に読んでしまいました。単なる殺人事件、真相の解明といったような推理小説ではなく、思わず主人公に感情移入してしまいます。最後に主人公はどうしてそういったことをしなければならなかったのか、読む人それぞれに解釈が楽しめるのではないでしょうか。全部通して読んでみて、初めてタイトルの意味がつかめるような気がします。 | ||||
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プロローグからちょっとドキドキさせられます。でも、いままでの火村教授シリーズ、江神部長シリーズの感覚で読むと裏切られますよ。もちろんいい意味で。有栖川さんはこういう作品も書けるんだ、とこっちも真剣に読んでしまいました。単なる殺人事件、真相の解明といったような推理小説ではなく、思わず主人公に感情移入してしまいます。最後に主人公はどうしてそういったことをしなければならなかったのか、読む人それぞれに解釈が楽しめるのではないでしょうか。全部通して読んでみて、初めてタイトルの意味がつかめるような気がします。 | ||||
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有栖川有栖といえば、火村シリーズ、江神シリーズが有名であり、その作風のイメージが強い。しかし、本作は趣が違う。外国に住む日本人の屈折した感情、縺れた人間関係、ドラッグといったものが様々な2項対立を生み出して物語を進めていく。そして、謎は謎のまま終わっていく。有栖川作品としては異色であり、そして完成度も非常に高いものである。 | ||||
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