■スポンサードリンク
(短編集)
死と砂時計
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
死と砂時計の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全10件 1~10 1/1ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
2015年に出た単行本の文庫化。 第16回本格ミステリ大賞に輝いた作品で、たしかにそれだけの魅力がある。 「終末監獄」という極限状況のなかで起こる事件。癖の強すぎる登場人物たち。ひとたちび読み始めたら、ぐいぐい引きこまれて、最後まで止めることができない。 奇想とゲームじみた設定が流行っている本格ミステリ界だが、そのなかでも強く印象に残る異色の1冊だった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
世界中から集まった死刑囚を日々死刑執行している施設内で、囚人たちがどんな理由で収容されているのか、それぞれが短編のように語られていくお話。そこで新入りの主人公とともに長老の囚人がいろいろな謎を解いていきます。囚人は世界中から集まっているので、カタカナの登場人物しかいません。なので個人的には名前が覚えにくく、読み始めは苦労しました。 物語的には主人公はずっと蚊帳の外といいますか、いろいろな囚人のお話を外側から眺めている立ち位置で、本人については謎のままだったのですが、ラストにかけて徐々に主人公についての過去が語られていく小出し感がよかったですし、最後のちょっと嫌な終わり方も個人的に好きでした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
想像力が強くなければこんな世界は書けないだろうなと思うのと同時に、人の残虐性とエゴを感じて背筋が冷たくなりました。ミステリー大賞をとった作品と知った時は、大きく納得しました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
事件がいくつも起こり、その都度解決していく形になっていて飽きずに読みやすい。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
装丁と帯に不思議な魅力を感じて、数ヵ月前に書店で購入した。 監獄の中で繰り広げられる推理劇。探偵も犯人も語り手も囚人。あまり類を見ない、独特の世界観で好きだ。 特にラストが好き。最初はサラッと読んでしまったので気づかなかったが、気づくとじわじわ冷たい衝撃に蝕まれる感覚。この物語にいちばん相応しい終わり方だと思う。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
デビュー以来数多い著作とマニアックな趣向でマニアには定評のある鳥飼氏だが、やや作品の質のバラつきが多いのと、凝りすぎて明後日の方向に言ってしまったようなバカミス趣味がどうしても一般的な高評価には結びつかないもどかしさがあったが、その著者が遂に本作で本格ミステリ大賞を受賞した記念すべき一作だ。 鳥飼氏お得意の連作短編形式で最後に通してのどんでん返しがあるスタイル。 それだけだといつものマニアック鳥飼短編集なのだが、いつもの悪ノリは抑えて特異な中東の死刑囚施設での不可能殺人とその特異状況ならではの動機やトリックに焦点を絞ったのが高評価の要因だろう。 まさに本格ミステリーでしか為し得ない世界観である。 著者の作品の中では最もお勧めできる作品だ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
評価の高いミステリというのは、読んでいて面白いのは当然だが、読み終わってから、いったい、どうやって思いついたんだろう? と感心させられることも必要。素人ではどう、あがいても、絶対出てこないような発想。(努力への称賛でなく、能力への感嘆とでも言うか)。玄人の仕事!職人芸! とうなる要素。この短編集は、まさにそれが満載。設定からしてオリジナル。既視感の覚えるミステリが氾濫している昨今、特殊設定ミステリが今後の活路かと思うのだが、歴史でもSFでもない、架空の国の架空の監獄(死刑囚のみ収容)という設定。その設定だからこそ起きる謎があり、その合理的解決がある。それが、みな、うならせる解決ばかり。長編が4~5本は書けるネタが凝縮。そして、最後の短編で、長編のラストのように、全体がまとまり、溜飲も下がる。脱帽。これぞ、まさに、玄人の仕事! 欲を言えば、真面目すぎ? ワクワクと、ゲーム感覚で物語に入っていける軽さ(魅力的な探偵役とか、可愛い女の子とか)もあれば、もっと、読者層を広げられそう。よって、星4つ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
死刑囚ばかりの刑務所で、どうして殺人事件が起きるのかという逆説的な謎が魅力的です。 わざわざ殺す理由はなに、という謎に毎回、ひねった動機があるのが楽しい。 東京創元社おとくいの連作にして最期に全体を覆う謎を明らかにして驚かす、というスタイルは、もう読み飽きてきたけれど、これはがわりとうまく決まっていると思いました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
本格ミステリの書き手である、本作品の著者は、過去のミステリ作品をもじった題名をたまに付けるようです。 本作品の場合は、ジョン・ディクスン・カーの「死時計」のもじりでしょう。 ただし、内容は全く関係なく、中東の架空の国名が冠せられた、ジャリーミスタン終末監獄という、世界中から死刑囚が集められた特殊な施設を舞台に、そこで発生する事件の数々を描いた、異色の連作短編集となっています。 探偵役は、年老いた収監者ながら、頭脳明晰なドイツ系ルーマニア人のトリスタン・シュルツ。 彼は、新入りの収監者で、30代の日系アメリカ人、アラン・イシダに目をつけ、助手にします。 収録の6つの短編は、魅力的な謎に満ちています。 【魔王シャヴォ・ドルマヤンの密室】 死刑執行が確定した囚人が、なぜか、死刑執行前夜に殺害された。しかも、密室内で。 【英雄チェン・ウェイツの失踪】 鉄壁の防御網を突破し、脱獄に成功した囚人が選んだ夜は、なぜか新月ではなく、満月の夜だった。 【監察官ジェマイヤ・カーレッドの韜晦】 退官を数日後に控えた観察官は、仕事を全うしようとする中、仕事場である監獄内で血まみれになって絶命していた。一体誰の仕業なのか? 【墓守ラクパ・ギャルポの誉れ】 誰もやりたがらない埋葬の仕事を進んで行う墓守に、墓を暴いて死体の肉を食べているという噂が流れ。 【女囚マリア・スコフィールドの懐胎】 男子禁制の女囚居住区の女囚が、なぜか身籠るという事件が発生。真相やいかに? 【確定囚アラン・イシダの真実】 シュルツとともに、難事件を解決してきたアランにも遂に、死刑執行が確定。残されたのは4日のみ。彼の犯した罪は何だったのか? 5つ目までのエピソードは、それぞれ謎の設定に趣向が凝らされており、シュルツの名推理が鮮やかで楽しめました。 そして、最後のエピソードでは、物語全体を覆っていた謎――アランは、死刑に値するほどの罪人なのか、という展開が作品を盛り上げ、さらに思いがけない部分にもサプライズが仕掛けられているという充実ぶり。 特殊な設定の本格ミステリとして、オススメできます。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
設定の面白さ、1つ1つの話の完成度の高さ、全体を通しての構成、どれをとっても大満足でした。 好みはあると思いますが私は、この著者の中で現時点で一番の作品だ、と思います。 ネタバレになってしまうので詳しくは書けませんが、最後まで読むと「おっ!」とか「あぁ・・・」とか「ニヤリ・・・」とか 何かしらの反応をしてしまうでしょう。 架空の国という設定ですが、なんとなく今の世間の雰囲気を反映しているようにも感じました。 価格はちょっと高いですが、文庫化を待たずに今読んでよかったです。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!