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テンペスト
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【この小説が収録されている参考書籍】
テンペストの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.59pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全24件 21~24 2/2ページ
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そうそうたるメンバーの賛辞を携え新聞広告に掲載してあったのを見て 上下 大人買いしました。 なかでも精神科医の春日武彦には一目置いているので、この人が薦めるならば... と 保険をかけて読みだしたものの上巻>変態宦官がでてくるあたりから どうにも読み進めなくなり下巻はあちこち飛ばし読みしてどうにか完読の形をつけました。 ストーりーとしてはなかなかの面白さです。 主人公は若干魅力に欠けますがまずまずの設定かと思います。 が あの宦官はどうにもいただけません。 お世辞にも「マジック・リアリズム」とはいいがたくこの部分だけが低俗で異質な荒唐無稽さです。 この人物がでてきたばかりに ストーリーの面白さゆえに紛れていたあまり上手いとはいえない文章を読む徒労感が一挙に噴き出し それまでのいい意味でのスピードが飛ばし読みになってしまいました。 構想は壮大で場面としての見せ場も多いので 劇画もしくは映像ならば十分楽しめたのでしょうが 文章表現としては我慢できる範囲をこえてしまったことが残念です。 | ||||
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いわゆる「歴史大河小説」を求めている人にはつらい小説だと思う。 軽い。地の文もセリフもすごく軽い。 登場人物や設定は、漫画でよく出てくるようなものばかりで、 やたら大げさに繰り返される審美的な描写は、なんだかありきたり。 でも、そのキッチュな文体と琉球詩の取り合わせが、 なかなか楽しいリズム感を作り出してもいる。 傑作ではないけど、渾身のB級大作。 「HERO」とか「LOVERS」とか、 チャン・イーモウ監督の武侠映画を楽しめる人にならおすすめできます。 | ||||
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龍の交合という超自然の嵐の中で誕生したヒロイン・真鶴は、タイトル通り「嵐」を背負った子である。彼女が性を偽って存在することによって起こる宮中の混乱、男女問わず相手を惹きつけずにいられない魅力的な容貌によって引き起こされる心の嵐、そして現実に起こる嵐による外国船の漂流など、物語中にはさまざまな「嵐」が幾重にも重ねられていく。作中に散りばめられている琉歌はいかにも美しく、作者が渾身の力で琉球王朝という題材に向き合ったのだろうと推測できる。 ただ、ヒロインが全然魅力的でないのは池上作品のお約束なのでいいとしても、今回も破天荒で傍若無人なオバアやサマンサ・オルレンショー博士のような女が出てこない。結果として池上作品最大の魅力であるハチャメチャで漫画ちっくな(「コミカル」という表現が追いつかないくらいの)脇役がいないのが私としては残念だった。中でも宦官の徐丁垓が常識はずれすぎて、読んでいても映像として浮かんでこないのが辛い。去勢しても性欲がなくならないのは本当らしいから、ここは常識的に張型など使ってくれればまだ理解できるのに、この人物造詣によって作者が自家薬籠中のものとする「マジック・リアリズム」の範疇すらも逸脱してしまい、荒唐無稽の一歩手前まで行ってしまったのが惜しまれる。 | ||||
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物語が長すぎて、個々のエピソードが繋がっていない感じがする。たとえば、話の都合と歴史の都合上で仕方がないとは思っても、こんなにもあっさりと宦官「孫寧温」が蘇ってしまっては、せっかく夢枕に立って男物の帯と簪をあの世へ持ち去ってくれた父君の立場がないではないか。そんな風に、細かいところで物語の辻褄があっていない。また、この人の作風はもっとあっけらかんとエロで変態なのに、強姦とか輪姦とか、やたら性を食い物にしているようなエピソードが出てきて、しかもその事件がそれぞれの登場人物において、いともあっさり受け流されてしまうことも、女性の読み手としては疑問と不快感を誘われた。 近代直前の琉球王朝という題材に、語りの表現方法が追いついていないのも気になった。変に今風なカタカナ語や作者の造語まで飛び出して、なんだか物語のダイナミズム「だけ」でさまざまな瑕疵をごまかしているような気持ち悪さがつきまとう。せっかく、まだ日本人作家が誰も手がけていない場所と時代を書いているのだから、歴史小説好きにもアピールできるような文章であればもっとよかったのにと思う。作者はいったいどんな読者層を予定してこの物語を書いたのか。 本人の志向とは別に、この人は短編の方が上手な気がする。 | ||||
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