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全滅領域
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全滅領域の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.10pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全21件 1~20 1/2ページ
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9年前の発刊当時に物理で購入していましたが、Kindleで安くなっていたので再購入しました。 時の流れのおかげでイイ感じに記憶が薄れており楽しく読めました。 サザーン・リーチ三部作の導入となる本巻のテイストはJ.G.バラードの「破滅三部作」+ストルガツキーの「ストーカー」+少々のクトゥルー風味といったところで、美しい筆致で”静かな惨事”を描いています。 映画「アナイアレイション」は本作と別物ストーリーになっていますが、領域の描写が秀逸なので雰囲気を味わうために観てみても良いかと思います。 第二巻・第三巻を読み進めるにあたって本巻から受けた印象を思い起こすことが多いので、しっかり読んでおいたほうがいいですね。(そうしないとちょっとキツいかも) | ||||
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アレックス・ガーランドによる脚本・監督により映画化された本作、映画を観た後に本書を読んだのですが、ストーリーは映画とは全然別物と思っていいほどの違いがあります。 映画は、地味な印象のある原作のもつ雰囲気を壊さないものの、飽きのこないストーリー展開とした脚本と原作にはない変容した独自の動物を登場させるなど、映画としては良くできたものになっていました。 一方、原作については、映画のような派手なアクションシーンはないものの、壁に這う植物が 「我は死者の種子を生む、蟲たちと分かち合うために、その蟲たちは闇に集い、その生命の力をもって世界を包み込む」 といった文字を紡いでいる場面や「変容は究極の模倣を通じて行われ、本質だけが変化する」状況の描写など、ジワジワとくる気味の悪さがあります。 そして映画では明かされなかった、夫の妻に対する思いが明らかになる本書後半部分などは、原作ならではの味わいがあります。 | ||||
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エリアXの得体の知れない不気味さや妖しさを期待していたが、 読み終えてみると調査チーム内や組織への疑心暗鬼による不安感が主であるように感じ、少し物足りなかった。 ネタバレ エリア内の野生動物は人間が変化(脱皮?)したものと匂わせる描写、 死んだ人間の偽者が生成されるなど、影響を受けるのは 人間のみという雰囲気なので、もうすこしエリアX独自の 奇妙な生態系が出来ていても良かったかなという感じ。 不気味な描写も、あちこちジャンルを広げすぎた感があり、 ラヴクラフトやスティーヴンキング作品全般、 筒井康隆「メタモルフォセス群島」ジャック・フィニイ「盗まれた街」 言わずと知れた「ストーカー」等と比較すると ひとつひとつが中途半端な印象。塔の怪物も敢えて姿を確認しないままの方が良かった気も…。 絶賛されていたので期待値が高すぎたのか、全体的に薄味。 映像化を期にダークタワーシリーズを読み直した後だったから余計にそう感じたのかも知れないが…。 | ||||
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他の方も言及しているよう、私も筋書から「ストーカー」など、禁じられた領域にズブズブと魅了・浸食されてしまう、人々の物語という、私の好きなプロットだと思いました。実際領域に出現するモンスターなどは想像を絶する行動をとっており(文字を書く、食した人間を模倣する)、ぞっとするのだが、それとともに、探検隊内の普通でないメンバーたちとのコミュニケーションや確執が劣らず恐ろしい。特に隊のリーダーの行動は、あとから思い出してしまうほど、モンスターのように「あくどく」、所謂官僚組織の成員たちが深謀、策謀をめぐらし、それ自体が目的になってしまうような極限を体現しています。X領域よりも、この癌のような組織の描き方が、本作の肝ではないでしょうか。 そして、映画を観終わってみると、映像の美はあるものの本作のコワーイところが、ほとんど描き出せていないと気付くことでしょう。やはり本を読むことをお勧めします。 | ||||
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全3巻を通しての感想です。 情景描写と人物描写が大変詳細かつ巧みで、作者の作り上げた陰鬱な世界にどっぷり浸かることができます。陰鬱な世界と言っても決して不快なものではなく、廃墟の写真が見る人を引き付けるように独特な魅力がある世界です。浮世の喧騒を離れて自分だけの時間を過ごすにはうってつけの作品です。情景を思い浮かべながら作者が作り上げた世界を登場人物とともに漂うときっと楽しめると思います。 | ||||
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この作者の癖でしょうか1行目に断定する割にその後説明や理由が少なく補完しつつ読み進める為進むのが遅くなり辛いです。人間関係などのディテールも主観的などうでも良い説明が多いです。ただそれら欠点を十二分に上回る新しいイメージや魅力有る不安感とダラダラと続く緊迫感はあり読む価値は有りました。こう云うタイプの作者は1巻目以降失速するので次巻は買いません | ||||
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得体の知れないもの、どうやっても太刀打ちできないものから逃げる作品が大好きな人へ、おすすめです。 一言で言い表すなら、ホラー特化型路傍のピクニックです これは3巻まで読んだ感想です。 破滅的な世界が好きな人は、ぜひ読むと幸せになれるでしょう。 | ||||
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海外の小説は翻訳が下手だと楽しめないのですが、本書は日本語訳がとてもなめらかで上手だったのでストレスなくストーリーを楽しめました。 | ||||
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映画の予告編を見て原作が読みたくなり購入。突如として現れた地球外の世界の接点である「エリアX」。その領域は踏み込んだ人類を変化させていく。 ストルガツキーの「路傍のピクニック(ストーカー)」に近い、理解不能な異世界との”未知との遭遇”である。 本シリーズは全3巻なのだが、2巻3巻は長い上にSF色が全く無くなって行くので、SF好きならこの1巻で止めておいた方が良い。 因みに、全巻読んだ上での個人的な印象としては、2巻は「それいけスマート」だし、3巻はHPラヴクラフト。 | ||||
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全巻連続一気読みしました。 ですから、決してつまらないってことはないのですが、全体的に物足りない。 HPラヴクラフトの短編小説を大幅に希釈したような、そんな印象の小説でした。 3巻もかけず濃密に描写してくれれば、もっと楽しめたんじゃないかと思います。 お気に入りの小説は繰り返し読む質なんですけど、これを読み返すことはないでしょうね。 | ||||
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映画の宣伝を見て公開前に原作を読みたくなったので買ってみました。 軽い気持ちで読み始めたら、次々に増える謎が気になって止め時が見つからず一日で読んでしまい、続きの2冊もすぐに購入しました。 しかし、読むのが楽しみな気持ちと同時に若干嫌な予感もしています。 それは謎が解明されずに終わりはしないかという点です。 ジャンルがミステリーではなくSFなので科学的・理論的な答えが何かあるとは思うのですが、 風呂敷を広げ過ぎなようにも見えるので、果たして明確に謎を説明しきれるのか、それに納得出来るのかが気になります。 | ||||
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不思議な世界観と心理描写で、ぐいぐいと惹きつけられました。 ただ、評価は次刊を読んでからにしたいと思います。 | ||||
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〔エリアX〕調査隊は人類学者、心理学者、生物学者など全員女性のチーム。ストーリーは生物学者の一人称で進んでゆく。過去11回の調査は全 て失敗。行方不明になったり、後で癌で全員亡くなったりで、いったいどんな秘密を抱えたエリアなんだ!それは奇妙な場所、不思議な生態系、 地中に掘られた「塔」の謎、菌糸が書いたと思われる英文字・・・等々。昔読んだ「ウィアード・テールズ」を髣髴(ほうふつ)させる。 とにかく一気に読破してしまうこと請け合い。 | ||||
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なぜか2巻がポイント還元対象にならないので購入を控えています。なので1巻だけを読んだ感想をアップ。 内容紹介を読むと、ストルガツキー兄弟の「路傍のピクニック」を思い出しますが、その手のSFではありません。 むしろ、シャーリイ・ジャクスンの「山荘綺談」(今は「丘の屋敷」ですか)とか、キングの「シャイニング」のような幽霊屋敷ものとして読むべきでしょう。 壁に書かれた文字、故人の写真、惨劇の跡、人間だか獣だかわからないもの、狂っていく同僚(と主人公)、オーラが差したりエクトプラズムを吐いたりする主人公、「クローラー」...。 SFでは世界や仕掛けを理詰めで説明する義務がありますが、ホラー小説にはそのような義務はありませんので、モヤモヤ感を残して終わっても良いかと思います。 幽霊屋敷を彷徨う中で、怖がらせてもらったり、気持ち悪さを楽しめればOKじゃないでしょうか。 | ||||
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こんな本はあまり読んだことがありません。不思議な本です。 この本はストーリーの概観を述べることが出来ません。エリアXというところの美しさと恐ろしさ、その舞台で演じられる人の強さと弱さ、悲しさ、 そんな要素を心地よく、しかし強烈に味わう本、としか言いようがない。 この本を読んで思い出したのは昔はじめてブレードランナーの映画を見た時に感じたショックです。話も世界観もなにもかも根本的にまったく違いますが、これまで考えたことも想像したこともない世界観をこれほどまざまざと目の前に示してくれたという点で共通しています。 1)情景描写が非常に具体的で、このお話の舞台、エリアXの風景をまざまざと想像できます。魅力的です。 2)既存のイメージを連想させる現実の固有名詞が徹底的に排除されている。具体的年代も書かれていない。それがネガティブな結果になる本はよくあるけれど、この本では大成功している。話のめりこめる。 3)おっかなくも魅力的なエリアXの風景描写のみならず、主人公の心象描写が半端でない。にもかかわらず文章がくどくない。どんどん読める。 こういう感想の言い方では伝わらないかもしれませんが、要するにこの本を買って、数日間時間があるときに読み続けている間、なんだか別世界にさまよう経験が出来ました。読者を引きずりこむ力が強烈です。主人公がエリアXにのめりこむ、引きずり込まれるのと同じように読者もストーリーに引きずり込まれます。 ほかのレビュワーの方もご指摘されているけれど、私も読んでいる途中からこの本の翻訳者はただものではないと思いました。原書の世界観をよくもこれだけ維持した上で読みやすい日本語に翻訳できたものだと思いました。たいしたものです。ものすごく英語、英文学に精通していてしかも一流の日本文学の素養がなければこういう訳本はできない。志賀直哉と太宰が合作でSFを書いたらこうなるかと言うような気持ちで読みましたが、原作だけではこういう日本語の本は絶対出来ないと思った。翻訳者に感謝。逆に言えば、外国語に翻訳可能なのかと思うほどの繊細な描写をきれいな日本語で楽しめます。 この本を読み終わって唯一残念なのは、これは三部作でこの本はその第一部なのですが、おそらくこの第一部が圧倒的傑作で、第二部、三部はこれ以上のものにはならないだろうなと思ったことです。(とは言っても第二部を読み始めた) 時に悲しく、また恐ろしく、それでいてどこかさわやかな感触のストーリー、なんともめずらしい本でした。 ストーリーそのものはシンプルなので、忙しい仕事の合間に別世界に遊ぶのにも適した本です。細切れの時間を使って読んでも刺激的なアクセントになると思いました。 | ||||
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「火星の人」で久々に、ああ!やっぱりSFって面白いな~♪ っとつくづく実感した後に、手に取った「全滅領域」。 脳内の面白ハードルは相当に高くなっているにも拘らず、 私のレベルの低い猜疑心や警戒心が見事に凌駕されました。 人知では到底理解できない未知のいき物に対峙した女性生物学者の 奮闘が、ハラハラ、ドキドキ、オドロオドロと描かれます。 わかりやすく例えると「クーンツの世界」と「物体X」とN・シャラマンが描いた 「ハプニング」の世界観が融合したような本作。 想像力を求められる「クローサー(這う物)」との遭遇場面と、 ヒトから別の生物に進化していく主人公の達観と勇気と決断と静謐さが 次回作を期待させる。 「エンダ―」とか「完璧な夏の日」なんか、読んでる場合じゃないっす! そんな時間を無駄に費やすのはナンセンス! 本屋に走るか、南米の大河で即注文すべし! | ||||
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自分の意識も物理現象も信頼出来ない領域での調査と意識が独白で語られる。 これを独白という形式で描写するのはあんまりフェアではない気がする。 大げさで人を惑わすような比喩も多用されててそうするとなんでも言えちゃうわけだしね。(それが狙いでもあるんだろうけど) ストガルツキーのストーカーやレムのソラリスとかなりの共通点を感じるけど、上の理由でそれらに比べてチープな感じがする。 読んでいて退屈はしないけどね。 | ||||
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ファンのSF作家のかたが、ツイッター上で絶賛しておられたので興味がわいて購入。 ……という、若干ミーハーかつバイアスのかかった購入動機だったので、これSFじゃないと気がついたのが読後だったというていたらくをさらしつつ。 謎の地域エリアXを調査する「生物学者」の手記、という体裁をとっているので、情報がひどく限られているうえにバイアスもかかり、かつ、『なにか絶対的な理由があって、具体的な描写や固有名詞を使用してはいけないらしい』ため、話が進めばすすむほど、情報は錯綜し隔靴掻痒極まりなくなってくる。なのに、訳が判んない=つまらない(積読にぽーい)、に直結するのではなく、「訳が分からないからわかりたくなって」ページをめくっている、に続くのは、翻訳者の力量だろうか。 なんというか、とにかく読んでて気持ち悪く、怖かった。自分が日常、塩麹だの甘酒だの味噌だのの発酵食品をせっせとこしらえているせいもあったのかもしれないけれど、「塔」の内部描写が素晴らしい。本を読んでて吐き気を覚えたのも久々だった。 人は未知なるものに対して、盲目的な恐怖とか違和感や嫌悪感を抱く動物なのである。ということがよく判った、不安と不穏を駆り立てる小説だった。……気持ち悪いけど、先がものすごく気になるので二巻も買ってこないと…… | ||||
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SFというのか、ホラーというのか、とにもかくにも不思議な小説。 エリアX探検隊として、特別な世界を探検に入った生物学者、人類学者、心理学者、測量技師の4人の女性。 探検隊というには装備も、事前に知らされた知識も怪しげ。 始まりから終わりまで、生物学者の独白形式。 なので、読み手としては、すっかりその中に入り込む方が楽しめるのかも。 しかし、すんなりと同化できないので、ずっと違和感がありつつ読み終わった。 謎は解決されず、解明もされていないまま。 次作に続くということだろう。 3部作の第1部だそうなので、次作が出たらすぐ買わなくちゃ。 | ||||
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早川の出版予定ラインナップで本作の存在を知り、「人智を超えた謎の領域の調査」や「次々と失踪または全滅する調査隊」などの設定が心に刺さったので、個人的に出版を心待ちにしていた。 あらかじめAmazon.comのレビューに一通り目を通していたので、本作が主人公の独白だけで展開される抽象的な内容で、相当に読み手を選ぶということは承知していた。念のため英語版のサンプルをKindleにダウンロードして冒頭を読んだところ、「美しい作品だが、これは翻訳が下手だと読むに堪えない作品になる」と確信。そこで、あえて予約注文はせず、店頭で翻訳の品質を確かめてから、日本語版を購入するか、英語版を購入するか決めることにした。 そして待ちに待った発売日。書店に出向き、期待と不安が入り交じった気持ちで本書を手に取って冒頭の数ページを読んだところ・・・翻訳は予想を大きく超える高品質! その場で原文と読み比べてみたのだが、久々にプロの文芸翻訳家の凄さを思い知らされる巧みかつ美しい翻訳で、読みながら「これはうまいなあ」と唸らされてしまった。もちろん、即座に日本語版の購入を決定。ちなみに、相当に翻訳が難しかったであろう抽象的かつシュールレアリズムな内容にもかかわらず、翻訳の品質は最後まで維持されていたことを付け加えておく。 それにしても・・・これ本気で映画化するんですかね。多分に主人公の妄想が入り交じった、一人称独白だけで進行する、「スピード感」や「盛り上がり」という要素が皆無の作品を映像化・・・「Good Luck」以外に、制作陣にかけるべき言葉が見つからない。続編の『監視機構』と『世界受容』は、もっと映像化しやすい内容なのだろうか。でも、Amazon.comのレビューを読む限り、この作家の著作はすべて似たようなスタイルだという話が・・・。 | ||||
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