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女王国の城
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女王国の城の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.95pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全59件 41~59 3/3ページ
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故あって発売からしばらく未読でしたが、やっと読むことができました。 警察力の介入を拒むクローズドサークルを成立させた理由や、学生アリスシリーズに共通した『パズルのピースが組み合わさる爽快さ』には楽しませてもらいました。 アリスとは偶然同い年なのですが、無茶や馬鹿ばかりやっていた学生時代が懐かしく思い出され、青春小説としても一級品でした。 ただ、銃器に関する初歩的なミスが散見されましたので、その辺りは文庫化の際にでも直していただきたいですね。 | ||||
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前作より15年ぶりの江神シリーズ。 うれしくて、でももったいなくて、なめるようにして読みました。 相変わらず面白かった! 大学に姿を見せない江神部長の身を案じて、捜索に乗り出す推理小説研究会御一行。 どうやら江神は、急成長のしている宗教団体<人類協会>の聖地、神倉に向かったらしい。 <城>と呼ばれる総本部に江神がいることは確認できたものの、なかなか彼に会うことができないアリスたち。 だが一度城にはいってしまうと、今度は… 殺人事件とその真相自体は「そんなんありか!」といった感じだったのですが、急成長している新興宗教とアリスたちとのやり合いや、途中の脱走劇なんかがスリリングでおもしろかったです。 随所に入る、アリスやマリアのUFO談議やミステリ談義なんかも、懐かしさに頬がゆるんでしまいます。 本命の事件だけではなく、江神さんが神倉に赴いた理由、人類協会が警察を呼ばなかった理由、など、小さな謎がきちっと解明されるところが、本当に気持ちいい。 長い小説ですが、表現のひとつひとつがパズルのようでした。 大好きな作家です。 | ||||
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江神シリーズは本当に久しぶり。楽しみにしていました。本の厚さに少しビビりました。それでも、タイトルに興味津々だったので、とにかく読んでみようと思った。なかなか読み進めなかったため、途中の『読者への挑戦』もどうでもよくなり、早く犯人を知ってすっきりしたいと思った。だが、犯人を知っても驚くこともなく、警察に知らせなかった理由がわかっても、そうだったのかと思うだけ。そこにたどり着く道程が長かったわりに、意外性は低い感じがした。待った甲斐があった、と言えないのが淋しい。前作が大好きだったから余計にそう思うのだろうか? | ||||
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江上シリーズ第4長編。 英都大学推理小説研究会の部長、江上は急成長中の新興宗教、人類協会の聖地のある神倉へと向かう痕跡を残し、部員達の前から姿を消す。 部長の身を案じる部員達は、その姿を追い、神倉、そして人類協会の施設へと入る。 無事、部長と再開を果たすのも束の間、殺人事件に巻き込まれていく。 今回は、新興宗教の施設内が舞台。クローズドサークルの設定にも余念がなく、謎も丁寧に解かれていっております。 前回の「双頭の悪魔」の時は読んでいる途中、暗い雰囲気を感じていたが(でも傑作)、今回は殺人事件を扱いながらもそれほど暗い雰囲気を感じませんでした。 施設から脱出をはかるところなど、楽しく読めました。 | ||||
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前作「双頭の悪魔」から15年7ヶ月!待望の江神シリーズ第4長編は期待を裏切らないおもしろさでした。 読者の挑戦までの440ページは殺人事件がおこる舞台としては比較的ゆるやかな展開。 ライトな宗教団体の閉鎖された村と城から脱出を試みる登場人物達も子供の鬼ごっこやかくれんぼのようで差し迫った緊迫感は少ないです。 マリアやアリスの青春小説としての切なさも随所にちりばめられ一気に読んでしまいます。 しかしラスト60ページの解決で小説のテンションは一気に上昇。このゆるやかな流れから終盤加速する構成が見事。 それまでのほのぼのとしたムードを一変させる変転と、まさに混沌に秩序をもたらす名探偵江神の見事なロジック、気づかされる閉鎖空間を覆う大きな謎。 実に切れ味ある解決になっています。 あとがきを読むとこのシリーズはあと1冊の長編と1〜2冊の短編で完結のようです。 愛着のある5人の最後の活躍も早く読めればと思います。 | ||||
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有栖川氏の学生シリーズには「読者への挑戦」が挿入されている。 これをただ形式的にだけとらえ先を読み進めてしまった人々には、 氏の小説の面白みは半減しているかもしれない。 だが、「読者への挑戦」を真に受けて、もしくはそれ以前のどこかにおいて、 本を閉じてバカ正直にも謎を解こうと挑戦した人間ならば、 この小説がいかに解けそうで解けない微妙なラインに構成された物語なのかが分かり慄然とするだろう。 手が届きそうで届かない。解けそうで解けない謎に身悶える。 学校のテストに例えるなら、これは本当に『いい問題』なのだ。 女王国の城では特にそれが顕著であった。 この本を読んだ何千何万という人間の果たして何人がこの真相に肉薄できただろうか。 そう考えると筆者のさじ加減のうまさには舌を巻くばかりだ。 トリックありきで宗教都市を舞台に設定した手法は綾辻的ともいえるが 内容は有栖川氏らしいロジカルな魅力にあふれていた。 江神やアリスや望月等のキャラクターに何の興味を持たない人でも十分に楽しめる。 彼の作品の妙味は青春活劇でなくやはりそのプロットにあるからだ。 学生シリーズ以外には駄作が多いがこれは太鼓判をおせる一冊だった。 | ||||
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こういう人多いと思いますが、私としては英都大学推理小説研究会の面々(部長・信長・モチさん・アリス・マリア)の大ファンなので彼らが活躍する話ってだけでもう大変面白く読み進める事ができました! 推理小説って物を読みなれない私が新刊発売の嬉しさ(またEMCのメンバーに会える)のあまり、厚い本をヴァーーっと読んでしまったため正直細かいところがよくわからずもう一度、落ち着いて読み返す必要がありますが、やはり彼らとともに過ごした時間はとっても充実した楽しい時間でした! 一読しただけで申し訳ないのですがEMC以外の人々の個性がちょっと薄いような感じがしました。双頭のキャラ(木更村の面々)が濃かった為、そう感じてしまったのかな?とも思えますがどうなのでしょう。 長編5作で完結!!と書いているので今から次回作を楽しみに待ちたいと思います。やはりどうしても気になってしまうのはアリスとマリアの関係なんですけれども!! | ||||
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上下二段組で500ページもある。さすがに長さに辟易して本を閉じるなんてことはなか ったが、それにしても副次的な事柄に割かれるページが多く散見され、これは意図的なのかハイレベルのミスリードなのかと裏読みしたりして正直疲れた。ミステリの結構についていえば、これはこのシリーズの特色なのだろうが、今回もクローズド・サークル物である。このシリーズを読んだ人ならもうおわかりだろうが、すべての作品がこのクローズド・サークルで成り立っている。今回は新興宗教団体の総本部である奇妙な『城』が舞台となっている。ここに我らが江神一行がまたまた閉じ込められ、連続殺人事件に巻き込まれてしまう。 クローズド・サークルは、名探偵のためにある舞台だ。警察の介入もなく科学的な捜査が入らない現場での犯行の特定には純粋な推理でしか太刀打ちできない。ゆえに、このシチュエーションは本格物では王道なのだ。今回も江神の推理は冴えわたる。これは個人的な意見なのだが、もともとぼくは犯行時刻における各人のアリバイなんていうものがあまり好きではない。物語中に挿入されるタイムテーブルなんて大嫌いなのだ。だから自然注目してしまうのは、どうしてそうなってしまったのか、なんていう消去法に基く推理や、みんなの目に映っていたものには実はこういう意味が隠されていたなんていうミスディレクション絡みのトリックなのである。今回この部分ではおおいに満足した。しかし、メインの部分でのトリックの根幹に少々不満が残った。ことさら作者はその部分を強調して描いているが、それでもやはりこの部分 には弱みが残る。未読の方もおられるだろうからあまり詳しくは書けないが、この部分は警察の介入があれば名探偵などいなくても事件は自然と解決していただろうと思わせる弱さがあるのだ。しかし、それをいってしまえばクローズド・サークル自体の構想が崩れ去ってしまうから、そこまで要求するのは作者にたいしても失礼なのかもしれない。だが、ロジックの構築において例え警察が介入していたとしても、おいそれと解明されないほどの完成度を要求したいのが、いちミステリファンとして切なる要望でもあるのだ。 とまあ結構好き勝手に書いてきたのだが、それでもやはりこのシリーズには愛着を感じる。次の第五作でこのシリーズは閉幕となるわけなのだが、いったいこの愛すべき面々にどんな運命が待ちうけているのかはやく知りたくもあり、知るのがこわいなんていう変なジレンマに陥っている。何年後になるのかわからないが、気長に待とうではないか。おそらく、作者が還暦を迎えるまでにはお目にかかれるだろうとは思っているのだが。 というわけで本書は概ね満足したが、少々不満も残った。読んだ人なら、みなわかってくれると思う。でもシリーズ自体が好きなので、読めたことはとてもうれしい。みんな、多分こういう感想なのではないだろうか。 | ||||
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何年ぶりでしょうか。 有栖川有栖のEMCシリーズ。 第4弾。 待望の、というか、 もう続きは出ないものかと思ってました しかしながら、 待たされた時間の分だけ、 その価値があったように思います。 たくさんの“謎”をちりばめ、 最後の、最後まで、 その謎を徹底的に回答してくれました。 読みながら、 「あれはどうなった?」 って気になることが、 きちんと解消されていく。 動機に弱さを感じましたので、 星を一つ減らした感じ。 それと、 今回はドラマよりも、 “謎”に心血が注がれた感じ。 まさに本格ミステリーの王道。 連続殺人、 密室殺人、 陸の孤島、 などなど、ミステリーには欠かせない、 あらゆる要素を含んだ作品でした。 謎の失踪をした部長を追いかけて、 信州の山深い新興宗教が支配する村を訪れるEMC。 半ば閉鎖された村で、 思いがけない事態に遭遇。 独立した作品としても楽しめるし、 前3作を読んでいれば、 かなり楽しめます。 | ||||
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前作から15年余りもの年月を経て上梓された待望の学生アリスシリーズ最新作。 アクション活劇の要素もあり、なかなか楽しく読む事ができました。 物語の主軸となる新興宗教や、その拠点となる舞台の説明に当てられた序盤はやや退屈ですが、一旦事件が起こると、グイグイと引き込まれてしまいます。 待っただけの甲斐はありました。 | ||||
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元々EMCが好きで予約購入しましたが正直微妙でした。最初のドライブまでは昔同様楽しめたのですが、それから後が退屈で難しい漢字をわざと引用している事が多く余計読みにくい。マリアは妙に幼くなっているし期待していた真相も「それだけ!?」という感じでした。もう読み返すことはないと思う。作者が発売前に今回は心理的な怖さ、と言っていましたが恐怖もドキドキ感も全くありません。ただ長い。読みにくいので頁が進まない。省いてもいいような薀蓄だらけ。評価は良いようですが私には「双頭の悪魔を越せる作品はもう作者には書けないのか」と残念でした。抜け出そうと思えば抜け出せる微妙なクローズドサークル。作者の好きな不思議の国のアリスを意識した話かと思えば全然で人物もこんなに魅力がなく覚えにくいのは初めて。信州が舞台と聞いていたので「冬の山荘」などの設定の方がEMCらしくて良かったように思います。UFOや宗教話はEMCには合わない。 何より作者は心理的な部分を書くのが苦手なのか疑心暗鬼にかかる人もなく犯人を捕らえようとするキャラばかり。この辺の心理描写を丁寧に書いて欲しかった。 次が最後のEMC長編になりますが最近のEMC短編同様不安です。ハードカバー価格は高い。EMCのキャラが好きな方以外は文庫版発売を待った方がいいです。発売後すぐに古本屋で売られているのを何冊も見かけました。 サイン会で作者に聞いたのですが「まだ書いていない江神、マリア、信長が主人公の短編をそのうち書きたいと思っている」とのことです。 | ||||
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学生アリスの新作が出た、と聞いて「マジ!?」と思った人なら、買うべきです。500ページ2段組のボリュームも過不足なく、素直に面白い、といえます。 ちょっとスマートで、センチメンタルで、ペダンティックで、かなりロジカルな本格ミステリが好きならば是非お読みください。 気になったのは、ふりがなの基準が不明なこと。読める漢字にはふりがながしてあって、読めない漢字にはふりがながしてありません!「当然これくらいの漢字は読めるでしょう」という読者への挑戦なのでしょうか?どういう意図があるのかわかりませんが、リーダビリティが低下している要因と感じました。バブル云々の記述が不自然かつ不要なこととあわせて私には星1つ分マイナス要因となりました。(漢字は得意なほうです。念のため。) しかし、こういう端正な本格ミステリの新刊が出ると本当に嬉しいものです。贅沢な読後感を頂戴しました。 | ||||
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“’90年代を代表する本格ミステリー”といわれた傑作『双頭の悪魔』から15年7ヵ月、待ちに待った有栖川有栖の正統派本格ミステリー<江神二郎・学生アリス>シリーズの新作である。 「鎖国」された新興宗教の総本山、その中に迷い込んだアリスたち、そしてそのクローズドサークルの中で起こる連続殺人事件、まったくのアウェイで不利な立場・条件の下で推理を余儀なくされる江神部長、そして関係者全員を集めての推理の披露と真犯人の指摘。本格ミステリーのお約束(コード)をふんだんに取り入れて構築されたストーリーは、マニアには応えられないものに出来上がっている。とりわけ「城」を「鎖国」しなければならなかった教団のシチュエーションは良くできている。時代設定もバブルがはじける直前の1990年としているが、作者と同年代の私は違和感なく入り込むことができた。 「あとがき」によると、このシリーズは、長編は次の5作目でフィナーレを迎えるとのことだが、ファンとしては江神・学生アリスたちの冒険譚をもっともっと読み続けてゆきたいところである。 | ||||
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本格ミステリのレビューですので本来理論的に構築されているべきなのでしょうが、それは他の方にお任せします。作中では前作の事件からまだわずかに一年しか経っていません。望月織田コンビは就活の時期に入って彼等なりに焦っています。アリスとマリアは推理研究会の中堅となって後輩をバリバリとしごいて…とはいかずどうやらその後入部した人はいないようです。江神は除籍か卒業かの瀬戸際にふいといなくなってしまいます。作者と読者の私の上には十五年という決して短くはない年月が流れました。そこに起きたさまざまな事が頭と心に降り積もっています。作者はさり気なく書き込んではいますが、当時であれば書く必要はなかったのではと思われる記述もあります。そのわずかな気遣いが、時代とは無縁に思われたこのシリーズに微かな違和感を残しているように思うのです。研究会のメンバーは今回も大活躍の大暴れですが、少し格好良すぎてしまう気もしました。それでも再会には感動せずにはいられませんでした。さあ事件の開幕です。眠れない夜をお過ごしください。 | ||||
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前作から、実に15年。 アリスと同じ世代で、同じように京都の大学(レベルはまったく落ちるが)に通っていたはずの自分は、当時の作者の年齢すらとうに追い越してしまった。 それくらい長い間待ちわびた新作はあっという間に読み終えてしまって、 推理小説なのにただいま2周目である。 最終巻という、次作を読むまでまだあと何年待たないといけないのだろう。 今の作者の年齢を追い越すまでには、読みたいと強く思う。 ついでだが、 学生アリスシリーズのほうが、作家アリスシリーズよりも、「ワトソン役」のアリスが暴走しないので、有栖川有栖を読みなれていない人には勧めやすいので、1作目から読まれることをお勧めします。 | ||||
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ファンの誰もが待ちわびた、実に15年ぶりの江神二郎(もしくは学生アリス)シリーズ最新刊である。その間に世の中は平成となり、21世紀となったが、彼らはまだバブル華やかなりし頃にいる。今回の舞台はそのバブルを背景に作られた、宇宙人をあがめる新興宗教の本拠地である「城」と「城下町」という、特殊な閉ざされた環境下にある山間の街である。宇宙人だの新興宗教だのが出てくるというとひく人もいるだろうが、あくまでも物語の道具立てとしてであって(おそらく作者はこれらに懐疑的な人と思われるし)、メインはそこで起こった殺人事件と、警察に通報できず「城」に閉じ込められてしまったEMCの面々の推理と冒険(?)である。奇をてらったわけではなく、実にストレートな本格ミステリだと思う。「読者への挑戦」も健在である。 500ページにも渡る長さだが筆の運びはやはりうまい。一気に読んでしまった。それが少しもったいなく感じたり(笑)。EMCの面々も15年というブランクを感じさせず、何だか懐かしく思えてしまった。このシリーズは作者の構想ではあと1冊で完結するそうだが、次はもう少しブランクを短く(笑)。と言いたいところだが、この水準を保つためには時間はかかるものかもしれないので、是非次回もわくわくさせて欲しいと言うにとどめておく。 また、東京創元社のハードカバーは大抵スピンの色が赤なのに、この本はあざやかな青色。ストーリーに合わせたのだろうというデザインも含め、総合的に星五つをつけておく。 | ||||
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とてもおもしろかった。 以前のような純粋にミステリーとしてのおもしろさだけでなく、 冒険活劇的な痛快さが加わり、それも非常に成功している。 長いけれど、飽きさせることなく一気に読ませてくれた。 シリーズものとして、前作より15年もの間があいてしまったが、 初めての読者ならば、必ず他の作品も読みたくなるだろう。 そしてそこには有栖川有栖という作者の成長をも感じる楽しみがきっとあり、 すでに読んでしまった人間からみればうらやましいかぎり。 初心者からマニアまでミステリ好き全てを満足させることだろうと思わせる良作だった。 | ||||
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有栖川有栖「女王国の城」読了。 15年ぶりの江神シリーズ。途中ご飯やおやつをはさんで、500ページ、ほぼ一気読みでした。読み終わるのが勿体ないと久々に思いましたね。 序盤はなかなかペースに乗れなかった(説明口調だから?)のですが、城の建物の絵と図を見たあたりから俄然面白くなって。どんどん事件が展開して、情報が増えて、そしてシリーズお約束の「読者への挑戦」。その少し手前まで、ある仮説をもって読み進めていたのだけど、「挑戦」前に提供された情報で齟齬が合わなくなり、「あれあれあれ?」と「挑戦」を目の前にして腰くずれ。( ̄∇ ̄;)ハッハッハ ま、推理小説を読み進めていて。「こいつが犯人だ!」と思いつくことの方が少ないのですが、今回はイケルと思ったのに・・・。それくらいきっちり情報が丁寧に書き込まれていたのでしょう。出てきた解決は、自分の仮説よりもスケールが大きいものでした。 有栖川有栖の作品は、衝撃の解決!というよりもじっくりと仮説を組んで犯人を絞っていくという丁寧な論理的解決が特徴で、今回の「女王城の国」も、そのお手本のような作品だと思いますが、クローズドサークルを作った理由は驚きでした。 有栖川有栖だし、「江神シリーズ」だし、15年ぶりだから、かなり期待値のハードルが高かった。(そして、値段も高い)。それを全てクリア、満足です。もっとずっと読んでいたかった。早く、最終作を書いていただきたいという望みをこめて。できれば自分が死ぬ前に。アリスとマリアの行く末も描いてください。 | ||||
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学生アリス・シリーズの長編第4作。 前作『双頭の悪魔』から15年7ヶ月ぶり。本当に久しぶりで、気合いも入っているらしく二段組で500頁超という厚さ。しかし、ストーリーはよく練り込まれ、緊迫感もあり、一晩で読み切ってしまった。ただ、寝ながら読んだので、かなり手が疲れた。 今回は新興宗教・洞窟・宇宙人もの。二階堂黎人の某作品を思い出してしまったが、やはり、現代の本格ミステリにとって新興宗教は便利なテーマなのだろう。 アリスをはじめとするお馴染みのメンバーがそれぞれに活躍の場を与えられており、昔からのファンには嬉しい一冊だと思う。 ミステリとしては平均的な出来。いくつか光るトリックが盛り込まれているが・・。厚さのわりに不満が残るのは否めない。 前三作と同様、アリスたちは閉鎖的な空間に閉じ込められる。これまでは火山、孤島、橋の流失が原因であったが、今回はひねりがきいている。この謎については思いもよらなかった。 ファンであれば必読。そうでない人はシリーズ第一作から取りかかるべき。 | ||||
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