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最後のトリック



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【この小説が収録されている参考書籍】
最後のトリック (河出文庫)

最後のトリックの評価: 2.37/5点 レビュー 113件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点2.37pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全26件 21~26 2/2ページ
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No.6:
(4pt)

感心しながら読みました

私は最後までとても楽しめました!
「読者が犯人」とはどうするんだ?とどきどき期待しながら読み、「こりゃ確かに納得!」というより「なるほどねー、こうしたんだ」という感じですね。
こだわりある方、ミステリーに厳しい方などは納得できない方もいるかもしれませんが、私は一冊まるごと楽しめました。

全体的に説明が丁寧で読みやすかったです。私はミステリー好きな割に頭の回転がよくないので、非常に助かりました笑

本筋のミステリーだけじゃなく、理屈っぽい話が多い割には、ひとつひとつの話題についても書き方がわかりやすくお上手だったので超能力や星の話も楽しく読めました。

登場人物たちの人柄もよく伝わってきて人物がみな小説の中で生き生きとしてました。古瀬博士に焦点をあてた本が読みたいくらいです。

買ってよかったなあ。もう一度のんびり読み返します。作者の他の作品も読んでみたいと思います。
最後のトリック (河出文庫)Amazon書評・レビュー:最後のトリック (河出文庫)より
4309413188
No.5:
(4pt)

残念な野心作

推理小説のトリックが事前に読者に開示されることは普通はない。開示されていないからこそトリックはトリックとして成立するのであって、読む前に開示されていたらそれこそネタバレであろう。名作として名高い幾多のミステリーが新たな読者を獲得し続けているのは、そのトリックが隠されているからにほかならない。アガサ・クリスティーの『アクロイド殺し』やエラリー・クイーンの『Yの悲劇』、ウィリアム・アイリッシュの『幻の女』等々の名作が、そのタイトルのみならず犯人まで有名になっていたら、面白さが半減するのはもちろんのこと、ほとんどの読者はもはや読もうとはしないのではないか。
 ところがここに唯一の例外がある。それは「読者が犯人」というトリックである。
 本作品のみならず、このトリックを扱い本作中でも紹介されている辻真先の名作『仮題・中学殺人事件』でも、冒頭でいきなり「この事件の犯人は読者であるあなたです」と明言している。なぜこういうことになるのか。それは端的に言えば、このトリックが(まともなやり方では)実現不可能だからだ。作者はいきおい叙述トリックに活路を見出さざるをえないことになる。
 で、本作であるが……。結論から言えば「読者が犯人」というトリックが本作において成功しているとは思えない。トリックの完成度から言えばむしろ『仮題・中学殺人事件』の方が上だと個人的には思う。しかしストーリーの面白さは、本作の方が上かも知れない。「読者が犯人」というトリックを二億円で売るという手紙がミステリー作家のもとに届く導入部から、超能力研究にうつつを抜かす大学教授とその実験、麻薬密売人の殺人事件等々、一見何の関係もなさそうに見えるエピソードが、クライマックスに向かって収斂されていく様は見事というほかない。
 が、しかし……。そのクライマックスがあまりにも肩透かしで、正直言って読後感はあまりよくない。メフィスト賞受賞作と聞けば「なるほどいかにも」とうなずけるものの、「最後のオチ以外は面白い」といういささか残念な野心作である。
最後のトリック (河出文庫)Amazon書評・レビュー:最後のトリック (河出文庫)より
4309413188
No.4:
(4pt)

犯人は読者ですw

いちばん最初に断っておきますがぼくが好きな小説の分野はホラーであってミステリーはあまり読まないのでこの小説のトリックがミステリーとして通用するのか公平な視点でもって判断することはできません。読んだのは偶々です。

 しかし、この小説は読者が犯人と最初から断って書いてあるので「うそはついていません」
最後のトリック (河出文庫)Amazon書評・レビュー:最後のトリック (河出文庫)より
4309413188
No.3:
(5pt)

二つの革新的な点

ノベルス版で出た直後に読んで今回文庫で再読したが、改めて感心した。
この小説の革新的な点は、大きく分けて二つあると思う。
ミステリーの1ジャンルとして、ハウダニットというのがある。
犯人が不可能犯罪をどうやって遂行するのかを描くもので、密室ものなどもここに含まれる。
ところがこの作品は、作者が〈読者が犯人)をどうやって成立させるのかが焦点となる。
つまり、作者のハウダニットなのだ。
これは他に類型のない試みであり、全く新しいジャンルの創出であると言っても過言ではない。これが第一点。
第二点は、ややネタバレになるが、〈読者が犯人〉を成立させるために、全く新しい凶器を考えついたことだ。
そう、文章そのものが凶器になるということである。
〈読者が犯人〉という作品は、他にも散見されるが、この点に着目した作品は前例がない。
もちろんそれは、それを成立させる細緻な文章あってのことである。
さて肝心の〈読者が犯人〉だが、犯人になるためには、想像力のリミッターを外す必要がある。
実人生ではなくエンタメ小説なのだから、もちろん犯人になれた方が何倍も楽しい。なれなかった人は残念でした。
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4309413188
No.2:
(5pt)

一度は手にとって欲しい作品。

評価があまりにも低いので加勢させて頂きます。
本作はあのメフィスト賞を受賞したウルチモ・トルッコの文庫本です。幾何か中身は変わっているという話を聞いたのですが、詳細は良く判りません。しかし、文章は非常に熟れており、特に詰まる事無く、すらすら読めました。
当然、読者全員が犯人を宣伝文句にしているくらいです。恐らく、まっとうなミステリーでない事は、誰もが理解出来る事でしょう。しかし、それでも、作者の限度を突破してみようと云うその意気込みは評価に値するもので、確かに、内容的にも、評価が割れてしまうのは、仕様が無いのですが、それでも、今までミステリーを愛し、此処まで読んできた人達には一度でも良いから手にとって欲しい作品。
超能力の蘊蓄等は流石に頭を痛めたが、全体としては、許容範囲ないだったので良かったです。
最後のトリック (河出文庫)Amazon書評・レビュー:最後のトリック (河出文庫)より
4309413188
No.1:
(5pt)

ウルチモ・トルッコ 犯人はあなただ !の文庫化

タイトルが異なるので新作かと思ってしまうが、深水氏のメフィスト賞受賞作のデビュー作であるウルチモ・トルッコ 犯人はあなただ !の文庫化作品である。
作家としては売れっ子なのになぜか講談社ノベルスから出した初期の本格路線の作品が文庫化されていないのだが、本作も講談社文庫ではなく河出文庫から出ている。
もともとのタイトルで犯人はあなただ !と言いきっているように、真っ向から読者が犯人というテーマに挑んだ意欲作である。
過去にも読者が犯人というトリックの作品は存在するが、メタではなく、文字通り本書を読んだ人が殺人の犯人として納得できる論理的帰結で指名されてしまう。強引と言えば強引だが、もともと破天荒なネタなので許容の範囲内だろう。
デビュー作が飛び道具的なネタだったのでネタ系作家かと思われていたが、その後は正統派の端正な本格推理、小説を発表し、ミステリーファンの間では定評のある作家となられている深水氏のデビュー作である。
現在の作風とは異なるが、文章力はやはりかなりこなれている。
最後のトリック (河出文庫)Amazon書評・レビュー:最後のトリック (河出文庫)より
4309413188

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