ジークフリートの剣



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初公開日(参考)2010年09月
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長編小説

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ジークフリートの剣 (講談社文庫)

2013年10月16日 ジークフリートの剣 (講談社文庫)

天賦の才能に恵まれ、華麗な私生活を送る世界的テノール歌手・藤枝和行。念願のジークフリート役を射止めた矢先、婚約者が列車事故で命を落とす。恐れを知らぬ英雄ジークフリートに主人公・和行の苦悩と成長が重ね合わされ、死んだ婚約者との愛がオペラ本番の舞台で結実する。驚嘆の「芸術ミステリ」、最高の感動作。 (「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点6.00pt

ジークフリートの剣の総合評価:8.55/10点レビュー 22件。Bランク


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全4件 1~4 1/1ページ
No.4:3人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(4pt)

ジークフリートの剣の感想

謎の占い師の予言から始まる辺りにミステリらしい展開を予感できます。
しかし、序盤で主人公の婚約者が亡くなるものの、単なる事故死として物語は進行し、その状態のままラスト近くまで進みます。
全くミステリらしさを感じる事ができぬまま終盤、偶然主人公と知り合うことになった例の芸術探偵により殺人事件として掘り起こされるという、読み手には不意打ちとも言えるような展開。
これを構成の妙として高評価するレビューも見られますが、余りにも唐突ですし、物語の流れとしてもどこかおかしな気がしました。
「えっ?!」「忘れてました」「遅いよ」「いまさら・・・でも残りページが・・・」「おいおい、推理自体ももイマイチでは・・・」
正直ミステリとして評価するのは難しいです。

また、「ニーベルングの指輪」というオペラを下敷きにした作品のようですが、確かにオペラの知識がないと読めないかといわれるとそうではないでしょう。
ただ、作者の芸術探偵シリーズにおいて、予備知識があるか否かで変わってくる作品としてはこの作品がダントツな気がします。
私はというと、オペラに対してはド素人もいいところなため、正直作者が登場人物の口を借りて演出論を訴えているだけにしか思えず中盤の中だるみ感は半端無かったです。
多くのレビュアの方が評する感動のクライマックスについても、頭の中で音楽を響かせながら読むことの出来ない私には・・・そこまでは・・・
というより、主人公に感情移入できないような序盤の設定は意図的なのでしょうか?
下敷きにされた作品を知らないが故の無知と思われても仕方ないのですが、不義理を続けてきた主人公の突然の心変わりなど、展開的に理解できない部分が多いです。
また、クライマックスに向けての伏線を伏線として読み取ることが出来るかは原典を知っているかにかかっているのではないでしょうか。
作者の主眼は演出論にあって、ミステリ的な部分は後から取ってつけたような印象を受けました。
これから読まれる方は、予め簡単にでも予備知識を入れておかれた方がよいように思います。

梁山泊
MTNH2G0O
No.3:
(2pt)

ジークフリートの剣の感想

評判よかったから読んでみたけど好みの推理小説ではなかった。

えんじ
VGV1LYIG
No.2:
(8pt)

ジークフリートの剣の感想

終盤までどこがミステリ?と思う内容。
ワーグナーのオペラ「ニーベルンゲンの指輪」を題材にしているので、wikiなどで予め予備知識を入れておけばより楽しめるだろう。
ラストは美しく見事だ。

たんぷる
W6DY75QO
No.1:8人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(10pt)

演出家 深水黎一郎によるニーベルングの指輪

シリーズの2作目の『トスカの接吻』に書かれていましたが、
オペラの舞台は演出家の善し悪しで好みが決まる所があります。
その演出は定説通りの台本ではなく、解釈の多様性もありだと思われています。

本書はワーグナーのニーベルングの指輪を下敷きにしており、
北欧神話にでる「巫女の予言」を婆さんで表現した所から始まり、
藤枝和行をジークフリートと模した演出から乙女の存在、
最後の印象的な場面に至るまでオペラの内容を事細かく習って活用しています。

なので、これはもはや解釈の多様性を用いた
『現代版のニーベルングの指輪』を
著者は演出家として作り上げてしまったんだと感じました。

本書はミステリのジャンルでありながら、
ミステリの要素を表に出さずにオペラ歌手藤枝和行を視点とした
オペラの舞台裏の物語になります。

この"舞台裏"という所が自分が感じたこの本の主たる印象で、
よくあるミステリに期待するものとは大きく外れた点が
ミステリではないのに凄い作品だと気に入った所であります。

ミステリの要素とも言うべきロジックやトリックというものを
舞台裏に追いやってしまっており、
表に出すものと裏に追いやるモノの強調が逆になっているのも面白いです。

言いかえると分かり辛くとても捻くれた内容で、
期待するものが違うと肩透かしを食らうと思いますが、
その作り方の完成度はとても高く感じられ自分には圧巻の作品でした。

細かい事はネタバレで。

▼以下、ネタバレ感想

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egut
T4OQ1KM0
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

No.18:
(4pt)

教科書その2

大変見やすく内容に入り込みやすいことから教科書として重宝しております。
ジークフリートの剣Amazon書評・レビュー:ジークフリートの剣より
4062164531
No.17:
(2pt)

俺様ヒーローに自己投影したい方にお勧め

ミステリとして破綻はなく、ちゃんとナゾも謎解きもカタルシスもあります。
星3つつけようかとよほど迷いましたが、エンターテイメントとしての面白さが薄く
ブンガクとして読めるほどの深みもなく、この作者にお金を出すことはもうないだろうと思ったので
少々辛いとは思いましたが星二つです。

肝心のミステリ部分はアーチャーやディーヴァーなら短編として書いてしまう程度です。
それまで事件でもなんでもなかったものを、突然第三者が「実は」とやってナゾとそのナゾ解きまで一気に語ってしまう。
では残りの枚数、何を書いているかと言うと、音楽・オペラ・ワーグナーに関するウンチクと
チートな俺様主人公が何でも上手くこなしながらいい気になって周囲の人間を踏みつけにする経緯。

作者がこの才能あふれる自信過剰な二枚目ヒーローに自己投影&陶酔しているのが地の文からプンプン臭うのが
どうしても好きになれませんでした。
池井戸潤や初期の真山仁に臭ういやらしさが、ゲージュツ()を語るというスノビズムと相まって倍増。
それでいて池井戸や真山ほどストーリーが面白いわけでもありません。

登場人物たちの行く末は描かれませんが、
きっと「美女」は意義ある仕事を捨ててしまうんだろうな、それを作者はハッピーエンドだと思ってるんだろうなと思わされます。
鈍感なマッチョ主人公無双に感情移入できる方にはお勧めです。
ジークフリートの剣Amazon書評・レビュー:ジークフリートの剣より
4062164531
No.16:
(5pt)

ワグネリアンには必読の書!

東洋人として初めてバイロイトで難役ジークフリートのロールデビューを果たしたテノール歌手とその婚約者の事故死の物語。
ニーベルングの指環のウンチクや解釈、バイロイト音楽祭の舞台裏話が満載で、「これってミステリなの?」と思いつつ読み進めると最後でミステリになっているという仕掛け。
私はワグネリアンなので、物凄く楽しく興味深く読み進める事ができて星10個を進呈したいくらいなのですが、、オペラやワーグナーに興味も素養もない人が読んで面白いのかはわかりません。
ジークフリートの剣Amazon書評・レビュー:ジークフリートの剣より
4062164531
No.15:
(5pt)

ラストまで読んだらこのタイトルしかないとわかる

冒頭部分の占い師の暗示に興味をそそられ、その意味をあれこれ想像しながら読み進めていましたが、どれも外れました(笑)。
もっと陰惨でどろどろした話になるかと思っていたけれど、意外とさわやかで読むのが苦にならず。

オペラは何作かDVDで見たことがあるものの、「ニーベルングの指輪」は見たことがなかったのですが、文中の説明だけで十分話についていけました。

鼻持ちならない主人公にイラっときますし、後半まで「どこがミステリ?」と思ったりもしますが、久々に読んで「面白かった!」と思えた日本のミステリ小説なので星5つです。
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No.14:
(5pt)

傑作!! 男と女 芸術と現実

文庫本の解説に示唆されてることですが。

主人公の歌手はこんな平凡な婚約者と未来まで縛られていいのかとか、
自分は親がせっせと仕込んでくれた音楽の能力を使って、世界に向き合わない冷たい現実とは接触せずに人生を謳歌するとか、
婚約者のような音楽だけの閉じた人生に縛られずに自分を現実に向き合わせるべきじゃないかとか、
さんざん身勝手なその時その時の都合の良い戯れ言を語り、いろいろふざけたことをふかしまくります。

しかし、それは全ては婚約者が、主人公にワグナー歌手として望みうる最高の舞台を与えるために変態性欲の餌食になってキャスティングに力持つ演出家に推挙させた結果だという裏設定がわかります。
主人公が自分で掴み取った安定したガラスの中と思った世界自体が婚約者が与えてくれた醜い現実に囲われた枠の中。

既に占いの段階で体を売りながら男たちの残酷な欲望を受け止めながらそれでも惚れ込んだ男に最高の舞台を与えるために全てを捧げる女と、そんな女の苦しみなど全く気づかない呑気な男の残酷なまでの身勝手さ。

そこまでいけばやりすぎで女の自己満足ではとの疑惑も芸術として見事であればそれでいい。
思い上がり満点の主人公の夢と幸せを叶えるためにはそうするしかなかった。
全編の物語が証明しています。

・私は取り返しのつかないことをしたのではないか。
・本当の幸せって何だろう。親は早く孫を見せろ平凡な家庭を持てと言うが。
・私だって幸せの絶頂を得られてから死ねるんだ。
・婚約を逡巡しやっと最高の舞台の目処が立ち受け入れること。
・最高の舞台に共に立ち死ぬこと。

取り返しのつかないことをしてしまってるのではないか。

悲しい女の惑い。苦しみ。汚れきずつきながらも貫く愛。

女の愛があらゆる過酷な現実を醜い人間の争いを乗り越えて世界を救う。馬鹿で無垢な男を。
ワグナーのテーマを本書で実演してしまいました。

そうなんです。芸術は人生や現実と関わらないものではなく、むしろそれをなぞりつかみとるから戦うから芸術に意味がある。
ワグナーに感動できるんです。
そういう意味で見事な今日的なワグナー解釈。芸術の意味をとらえ直した作品です。

知るのが辛いできたら知りたくなかった悲しいことですが。それもまた芸術であり現実です。
ジークフリートの剣Amazon書評・レビュー:ジークフリートの剣より
4062164531



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