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ジークフリートの剣



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【この小説が収録されている参考書籍】
ジークフリートの剣
ジークフリートの剣 (講談社文庫)

ジークフリートの剣の評価: 6.00/10点 レビュー 4件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点6.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全1件 1~1 1/1ページ
No.1:8人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(10pt)

演出家 深水黎一郎によるニーベルングの指輪

シリーズの2作目の『トスカの接吻』に書かれていましたが、
オペラの舞台は演出家の善し悪しで好みが決まる所があります。
その演出は定説通りの台本ではなく、解釈の多様性もありだと思われています。

本書はワーグナーのニーベルングの指輪を下敷きにしており、
北欧神話にでる「巫女の予言」を婆さんで表現した所から始まり、
藤枝和行をジークフリートと模した演出から乙女の存在、
最後の印象的な場面に至るまでオペラの内容を事細かく習って活用しています。

なので、これはもはや解釈の多様性を用いた
『現代版のニーベルングの指輪』を
著者は演出家として作り上げてしまったんだと感じました。

本書はミステリのジャンルでありながら、
ミステリの要素を表に出さずにオペラ歌手藤枝和行を視点とした
オペラの舞台裏の物語になります。

この"舞台裏"という所が自分が感じたこの本の主たる印象で、
よくあるミステリに期待するものとは大きく外れた点が
ミステリではないのに凄い作品だと気に入った所であります。

ミステリの要素とも言うべきロジックやトリックというものを
舞台裏に追いやってしまっており、
表に出すものと裏に追いやるモノの強調が逆になっているのも面白いです。

言いかえると分かり辛くとても捻くれた内容で、
期待するものが違うと肩透かしを食らうと思いますが、
その作り方の完成度はとても高く感じられ自分には圧巻の作品でした。

細かい事はネタバレで。

▼以下、ネタバレ感想

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egut
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