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ジークフリートの剣



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【この小説が収録されている参考書籍】
ジークフリートの剣
ジークフリートの剣 (講談社文庫)

ジークフリートの剣の評価: 6.00/10点 レビュー 4件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点6.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全4件 1~4 1/1ページ
No.4:3人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(4pt)

ジークフリートの剣の感想

謎の占い師の予言から始まる辺りにミステリらしい展開を予感できます。
しかし、序盤で主人公の婚約者が亡くなるものの、単なる事故死として物語は進行し、その状態のままラスト近くまで進みます。
全くミステリらしさを感じる事ができぬまま終盤、偶然主人公と知り合うことになった例の芸術探偵により殺人事件として掘り起こされるという、読み手には不意打ちとも言えるような展開。
これを構成の妙として高評価するレビューも見られますが、余りにも唐突ですし、物語の流れとしてもどこかおかしな気がしました。
「えっ?!」「忘れてました」「遅いよ」「いまさら・・・でも残りページが・・・」「おいおい、推理自体ももイマイチでは・・・」
正直ミステリとして評価するのは難しいです。

また、「ニーベルングの指輪」というオペラを下敷きにした作品のようですが、確かにオペラの知識がないと読めないかといわれるとそうではないでしょう。
ただ、作者の芸術探偵シリーズにおいて、予備知識があるか否かで変わってくる作品としてはこの作品がダントツな気がします。
私はというと、オペラに対してはド素人もいいところなため、正直作者が登場人物の口を借りて演出論を訴えているだけにしか思えず中盤の中だるみ感は半端無かったです。
多くのレビュアの方が評する感動のクライマックスについても、頭の中で音楽を響かせながら読むことの出来ない私には・・・そこまでは・・・
というより、主人公に感情移入できないような序盤の設定は意図的なのでしょうか?
下敷きにされた作品を知らないが故の無知と思われても仕方ないのですが、不義理を続けてきた主人公の突然の心変わりなど、展開的に理解できない部分が多いです。
また、クライマックスに向けての伏線を伏線として読み取ることが出来るかは原典を知っているかにかかっているのではないでしょうか。
作者の主眼は演出論にあって、ミステリ的な部分は後から取ってつけたような印象を受けました。
これから読まれる方は、予め簡単にでも予備知識を入れておかれた方がよいように思います。

梁山泊
MTNH2G0O
No.3:
(2pt)

ジークフリートの剣の感想

評判よかったから読んでみたけど好みの推理小説ではなかった。

えんじ
VGV1LYIG
No.2:
(8pt)

ジークフリートの剣の感想

終盤までどこがミステリ?と思う内容。
ワーグナーのオペラ「ニーベルンゲンの指輪」を題材にしているので、wikiなどで予め予備知識を入れておけばより楽しめるだろう。
ラストは美しく見事だ。

たんぷる
W6DY75QO
No.1:8人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(10pt)

演出家 深水黎一郎によるニーベルングの指輪

シリーズの2作目の『トスカの接吻』に書かれていましたが、
オペラの舞台は演出家の善し悪しで好みが決まる所があります。
その演出は定説通りの台本ではなく、解釈の多様性もありだと思われています。

本書はワーグナーのニーベルングの指輪を下敷きにしており、
北欧神話にでる「巫女の予言」を婆さんで表現した所から始まり、
藤枝和行をジークフリートと模した演出から乙女の存在、
最後の印象的な場面に至るまでオペラの内容を事細かく習って活用しています。

なので、これはもはや解釈の多様性を用いた
『現代版のニーベルングの指輪』を
著者は演出家として作り上げてしまったんだと感じました。

本書はミステリのジャンルでありながら、
ミステリの要素を表に出さずにオペラ歌手藤枝和行を視点とした
オペラの舞台裏の物語になります。

この"舞台裏"という所が自分が感じたこの本の主たる印象で、
よくあるミステリに期待するものとは大きく外れた点が
ミステリではないのに凄い作品だと気に入った所であります。

ミステリの要素とも言うべきロジックやトリックというものを
舞台裏に追いやってしまっており、
表に出すものと裏に追いやるモノの強調が逆になっているのも面白いです。

言いかえると分かり辛くとても捻くれた内容で、
期待するものが違うと肩透かしを食らうと思いますが、
その作り方の完成度はとても高く感じられ自分には圧巻の作品でした。

細かい事はネタバレで。

▼以下、ネタバレ感想

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egut
T4OQ1KM0

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