倒叙の四季 破られたトリック
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書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点6.00pt |
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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春夏秋冬4つの倒叙ミステリ短編を収録した連作集。 | ||||
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読みやすい文章に多少の薀蓄で読ませますが | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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非常に凝った体裁の倒叙ミステリ。「枕草子」よろしく<春は縊殺>、<夏は溺殺>、<秋は刺殺>、<冬は中毒殺>という四季に合わせた4つの殺人を、完全犯罪を目論む犯人の視点で描くという作者らしいチャレンジングな作品。全ての犯人がネットで見つけた<完全犯罪完全指南>と言うマニュアルに従って殺人を犯すという設定も捻りが利いている。犯人は身近な人物を殺す(即ち、必ず容疑者として疑われる)のだが、<完全犯罪完全指南>から示唆された犯人が「"心証"は真っ黒でも"物証"さえ無ければ大丈夫」と考える辺り、"物証"主義の警察・検察への大いなる皮肉となっている。私はラストで<完全犯罪完全指南>の意外な製作者が暴露されると予想していたが...。また、本作は名探偵が状況証拠だけで犯人を名指しすると、犯人が自白してしまうといったル-ティンな本格ミステリ(?)を揶揄している様だ。なお、本作には捜査一課の海埜警部補という各事件を解決する警察側のシリーズ刑事が登場する(海埜の推理はバリバリの本格ミステリ風で、この対比も諧謔味に富んでいる)。 <完全犯罪完全指南>の内容は手口・統計的数字・法医学的知識・成分分析などが"微に入り細に入り"に詰まっていて、作者の事前調査の深さが窺える。また、各事件において、"物証"の無さに自信を持っている犯人が、見逃した"物証"によって逮捕されるという点も皮肉が利いている(個人的には犯人の計画が完全犯罪とは程遠い杜撰さ(盲点)を併せ持っている例が散見される様な気もしたが、その盲点を突かれて窮地に陥って行く犯人の心理過程がサスペンス性豊かに描かれるのも一人称ならでは)。どの短編(?)も秀逸だが、特に動機こそ単純だが、被害者の戦争への思いが独特の雰囲気を醸し出している<秋>が印象に残った。 そして、エピローグで明かされる<完全犯罪完全指南>の製作者はやはり意外性があった(私は海埜その人だと予想していたので"当たらずと雖も遠からず"だったが)。多彩な皮肉・諧謔味を込めながら、「枕草子」をなぞっているという非常に凝った体裁の秀逸な倒叙ミステリだと思った。 | ||||
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すんなり読めるし全く興味をひかないというわけでもないのだが、どこか肝心なところでぐっとくる手応えがないのはなぜなのだろう。倒叙ものとはこんなに心に響かないタイプだったかしらと首を傾げてしまった。最後のどんでん返しも、いや、それはやらない方がいいんじゃないかと思った。正直、作者なのだから何をどう仕組んでも読み手は黙って従うしかないのだけれど、こればかりは独りよがりではないかなあ。読者の目を侮ってはいけない。 | ||||
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初めて作者の作品を読んだ。それからいくつか長編を読んでみたが、蘊蓄部分が長すぎる(そこが良いと言う人もいるだろう)と感じているが、これは短編だけに、スッキリしていて良かった。 | ||||
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新潮でレビューされてたので読みました。 文章が圧倒的に読みやすい! なんだこれ! 疲れた脳でもサクサク読めて状況が理解できます。 犯罪トリックとミステリー部分には文句ないです。 完全犯罪って難しい!! ただ、ちょっぴり不満を言うと、 倒叙ミステリの醍醐味は、犯人への感情移入と、犯行時のアクシデント対応の緊張感、追い詰められる時の「どこでミスったっけ?」という焦りだと思うのですが、短編集故にそこが少しアッサリめかも。 やむを得ないとはいえ。 あと、トリックの破綻が、犯人に敗北感を与えるのに十分ですが、公判廷で有罪認定するには苦しい。 自白しなきゃ全員無罪感あるんですが。これもミステリーはみんなそうなのでしゃーないか。 でも十分楽しめたし続編期待で5点とします。 | ||||
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☆3つの評価です。 春、夏、秋、そして冬に一件ずつ殺人事件が発生する。 犯人はそれぞれ異なるけど、どの事件にも共通するのは、①ネットで出回る指南書を参考に犯人は殺人を敢行する、②(これはある意味当然だけど)同じ捜一の刑事が事件を担当する、である。 犯人は完全犯罪を、一方、刑事は殺人事件を確信し、物語前半は犯行の背景や様子が、そして後半は犯人と刑事との駆け引きが描かれ、解説にも登場するお馴染みのコロンボや古畑任三郎を想起させる。 ”天狗”の犯人を刑事が淡々と理詰めで追い込んで、終に観念させるスタイルの事件もの、刑事ものが好きな読者はそれなりに楽しめると思うけど、『倒叙ミステリー』は何も新しいジャンルではなく、そもそも今回登場する指南書なる代物自体が完全マニュアルではないからそうなるのかもしれないが、犯人の”落ち度”の程度に不満が残る。 その一方で、エピローグで明かされる指南書の意外な作り手と指南書を元に閲覧者の殺意を掻き立て、実行に移させる真の目論見にはちょっと虚を突かれた。 | ||||
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